・男主人公
モテてる自覚は無いが、女鯖に囲まれたリア充。でも、ノリが良いので黒髭とは仲良し。バレンタインテロでまさかの糖尿予備群で発狂。それでも、清姫の愛は重い。
・エミヤ
我等が保護者。とうとう溜まりに溜まっていたギャグノリ鬱憤が炸裂する!?
・黒髭
デュフフ!最近、イベントで拙者の扱いがぞんざいな件について……『カリバーー……あぁ!?』え?ンンンンン!!!!!?ぎもぢいいぃいいいいいぃいいいいい!?!?
・ドクターロマン
あれ?僕、結構がんばってるけどさ…酷くない皆?シリアスでも、ギャグイベントでも頑張ってるのに不遇の男。最近、自称・アイドル志望に苦しめられている。
・セイバー・リリィ(宝具Lv5)
違うんですっ!わざとじゃないんです!今度は、今度はちゃんと当てますから!!カリバーー…………あぁ!?(知ってた)
「さて、止めはしたのだが……マスターは糖尿予備群とは。だから、チョコレートは危険だとあれほど…」
カルデアの自室……もとい、厨房に居座るのは我等がおかんサーヴァント代表エミヤ。セイバーウォーズからバレンタインまで振り回されたり、振り回したりと大変だったので久方ぶりの休憩時間に浸っていた。色々と思うところと思い通りにいかない所があったがまあ、良い。次の章なりイベントに控えて一息つこう……
……と、すれば誰かがやってくるのはまあ必然というわけで…
「エミヤ氏!エミヤ氏!少々、用事があるでござる!!」
しかも、よりにもよって何故コイツなのだろう。エドワード・ティーチ…通称・黒髭。彼の大海賊であるが、まあ…サーヴァントになった彼は酷いわけで。セイバー・リリィに襲いかかって股間にカリバーンされるは、バレンタインでは爆発させるつもりが爆発させられるはでイベントになると大忙し。おまけに、周辺にいると被害を被りやすいのでなるべく近寄りたくない相手。出来れば、信頼サーヴァントからギャグ枠サーヴァントに落下したくないエミヤからすれば最も絡みたくないのである…。
「なんだね、黒髭氏?女性ではなく、私に用事とは珍しい…」
ここで、警戒しつつも、邪険にあしわらないのがまずエミヤ。問題には目を逸らさず、状況を把握するのが善くも悪くも彼の性分。基本、野郎に興味が無い黒髭が男であるエミヤの所に来る時点で腹に一物あるのは間違いない。それが、下手に害があろうものなら放ってはおけない。
「デュフフッ!そんな、エミヤ氏、そんな警戒することはないでござるよ。今日はロマン氏も一緒でござるから安心するでござる。」
「そうそう、今日の黒髭氏は特に問題が無いことは僕が証明するよ。」
そんな身構えていたエミヤだったが、予想外に現れたロマン。一体、何の成り行きでこんな組み合わせになったのかは一瞬では理解できないが、彼はカルデアの中ではマシな部類に入るはず…少なくとも、こんな面白ギャグ地雷鯖と組むなんて異色にも程がある。一応、信頼はしているのでこちらの話を伺ってみることに。
「いやさ、最近は僕達さ…色々と苦労すること多かったじゃん?で、苦労人同士で静かに息抜きでもと思ってね。」
「黒髭氏が苦労人かはさておき、最近はとても忙しかったのは事実だな。」
「でしょ、でしょ!だから、是非とも君の腕を借りたいのさ。」
妙な引っ掛かりを感じるが、エミヤはあえてスルー。相変わらず、ジト目で警戒をおこたらないでいたが……すると、黒髭がニヤリと笑い発泡スチロールの箱を何処かはともなく取り出して蓋を勢いよく取り外した…!
「ええい、これが目に入らぬかぁぁ!エクスッ・蟹かりばーーー!」
「な、なにぃ!?」
その中身は、蟹。ただの蟹ではない……大きく、鮮やかに、逞しい…!最強のッ、最高のッ、特上のッ、甲殻種が凄まじい輝きでエミヤを圧倒するッ!
(おおぉ……甲殻の鮮やかさ、身の締まり具合、サイズ……見れば解る。特上の蟹!あれほどの食材、私の生きている間においても取り扱った試しが無い!?)
「エミヤ氏、ワシが言うのも難ですがキャラ壊れかけてますぞ。」
おお、いけない…黒髭にツッコミを許すとは一生の不覚。コホン、と咳払いして昂る気持ちを抑えながらわざとらしく彼は問う。
「…ふむ、それでこれを私にどうしろと言うのかね?」
「またまたぁ~!エミヤ氏、察してるんでしょう??至高の蟹にエミヤ氏とくればもう………デュフフ!」
「ていうか、ウズウズしてるの見えるよ?」
くそっ、更に見透かされるとは…。いや、もうこれは仕方ない。しかし、取り掛かる前に確認のためまだ訊かねばならないことがある。
「…事情は大体解った。その前に……黒髭氏、この蟹は何処で?」
「あ、やっぱり訊いちゃう?それ訊いちゃう…?だよね~!だってホラ、これでも悪名高き海賊・黒髭だしぃ?いや、だからって盗んだとかそういうわけじゃないですぞ。そう、あれはセイバーウォーズで……」
「勝利すべき黄金の剣〈かりばー………あ!?」
……この時であった。
ズギュウウウウウウン!!!!!!!!
「ンンンンンン!!!!!?ぎもぢいいぃいいいいいぃいいいいい!?!?」
セイバー・リリィに股間を爆破させられ、大空へ舞い上がった黒髭。時はセイバーウォーズ…うっかりと油断した彼はそのまま星になった後、見知らぬ海辺まで流れ星になっていた。まあ、サーヴァントなので不時着して砂浜にクレーター作ろうと(股間以外は)わりと平気なので持ち前のギャグ補正ですぐに復活した。
「ううむ…最近、拙者の扱いが割りと酷い気がする。」
焼け焦げた股間は大丈夫だろうか?このあと、小便以外で使うかは謎だが男のシンボルを失うのは女体化してるサーヴァントだけで充分だと黒髭氏の談。そして、何気なく海を見てみると……
『グギギギギギ…!!』
「は?」
デカイ蟹がいた。ヤドカリのようでやたらデカイ蟹。
「おお、知っておるでござる!ダ●ミョウザ●ミでごさるなぁ!!ザ●ミ装備本は中々、パイケットでも人気の……」
……そんな話はどうでも良い。
「ジャンヌたんかマシュたんに●ザミ装備をッ!」
そして、黒髭とバケガニの長きに渡る戦いが幕を開ける。太刀、太鼓のバチにギターやら砲撃等々……詳しいところは重要じゃないので割愛させていただこう。死闘の果てに黒髭は勝利を手にし、主だった蟹の縄張りを散策した所……海中よりこの蟹を見つけたのである。
「リリィ補正すごすぎで拙者、ワロタ。」
「うん、にわかに信じ難いのは事実だけど…まあ気にすることないんじゃないかな?」
「……むむ」
セイバー・リリィなら仕方ないと思える辺り、エミヤも自分も何かが末期が悟る。とりあえず……この蟹はあくまで黒髭の綺麗な戦利品ということで依頼してきているのなら…特に正義の味方として問題は無い。と、解釈して後々の起こることへの思考を捨てて己の欲に負けた。
その瞬間、黒髭は何処からともなくラジカセを取り出してBGMエミヤを流しはじめる……
「良いだろう、黒髭氏…それにドクター。不肖、アーチャー……今は弓兵としてではなく、料理人・エミヤとしてこの腕を振るおう!」
I am the bone of my sword.
……体は剣(包丁)で出来ている
「無限の剣製〈アンリミデット・ブレードワークスverクッキング〉!」
そして、厨房は……エミヤの固有結界の剣の丘…ではなく、厨房にかわった。ただ、全てが主が使いやすいように改装されて並ぶ料理器具は彼が生前に見てきた一流の料理人たちの道具にサーヴァントの宝具を投影して改造されたものまでズラリ。そして、正装と言わんばかりに白エプロンをする辺り、この本気さは流石の黒髭氏まで引いた…。
「さて…カルデアの食材の貯蔵は充分か?」
(ヤダァ……別にそこまで本気を出さなくても良かったのに…)
(結果、オーライじゃない?)
「ああ、これは固有結界の応用さ。まあ、本来の使い方ではないから限定した展開になるがね。」
((別にきいてない。))
変なスイッチが入った料理人こと所為、弓兵は蟹を手に取ると一瞬…不敵に笑うと鮮やかな手つきでこれらを解体していき、続いては冷蔵庫から野菜を取り出しては包丁(?)で刻んでいく……
(素晴らしいっ!これ程、胸が踊ったのはいつ以来か……!)
((そっとしておこう。))
なんかもう話しかけ辛い雰囲気だ。黒髭とロマンは兎に角……彼が調理を終えるのを待つことにした…。
しかし、これが後にカルデアを血で血を争う事件に発展するなど誰も知る由が無い。
〈つづく。〉
はい、こんなギャグに振り切った話書いたのはじめてなんでつまらなかったらゴメンネ!
エミヤはもう完全にギャグに振りきれたらこうなるんじゃないかっていう捏造でござる。そうなったのは私のせいだ……だが、私は謝らない(キリッ
感想よろしかったら下さいな♪