俺のボーダーとしての青春はまちがっている。【俺ガイル編】   作:ばけねこ

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【第五章 ボーダーの改革】

「なあなあ、いいだろう俺達とお茶でもしようよ」

 

「汚い声を聞かせないでもらえないかしら」

 

「なにお高くとまってるんだよ俺達が誰だかわかってないのか」

 

雪ノ下が絡まれてると由比ヶ浜が俺を呼びにきたので二郎と駆け付けたんだが・・・

 

「ヒッキーあそこあそこ」

 

「おいお前等にやってる」

 

「はあ、お前誰?」

 

「お前こそ誰だよ人の迷惑も理解出来ない虫けら共が」

 

二郎の言葉は相変わらず辛辣だ

 

「いいのかよ俺達にそんのこと言って、俺達の親は上層部なんだぞ」

 

ああ、こいつらスポンサーからごり押しで最近ボーダーに入ってきた奴等だ

 

「あなた自身が虫けらであることには変わりないわね」

 

「なんだと、お前等なんていつだってクビにできるんだぞ」

 

「聞き捨てならないな本気で言ってるのか」

 

どうやらもめ事が起こっていると近くにいた嵐山さんが会話に入ってきた

 

「え?嵐山さん、いや何でもないんです。いくぞお前等」

 

とすごすごと奴等は去っていったのだが・・・

 

夏休みに入りボーダーにとってのイベントランク戦が開始される。俺の隊はA級10位なのでA級同士の戦いとなる

 

「比企谷君、ランク戦については大まかに聞いたのだけれど

 あなたの隊はA級最下位なんでしょ。その・・・大丈夫なの」

 

「そうだよヒッキー負けてここの部屋を追い出されるなんて嫌だよ」

 

「ああ全然問題ないぞ、この隊はそんなに弱くないしそもそも今の順位もランク戦を欠場してただけだからな

 そうだ二郎最初にあたるのは何処とだっけ?」

 

「嵐山隊と三輪隊だな」

 

「嵐山隊ならちょうどいいな例の作戦決行するぞ」

 

「お前ついでに米屋と木虎に報復するつもりだろう」

 

「ふふふ、そろそろ俺の復讐ノートも棚卸の時期なのだよ」

 

「ごみぃちゃんだ・・・」

 

「やたー八幡、留美が出れるんだね」

 

「あのヒッキー何するつもりなの」

 

「ちょっとゴミ掃除の話があるんだ。二郎は城司さんと鬼怒田さんへの通達を頼む

 そうだな由比ヶ浜には教えるけど、俺達は新しい戦法を考えてたんでなそれを披露つもりだ。まあ完全試合ってやつを見せてやるよ」

 

お口にチェックのない由比ヶ浜から漏れた比企谷隊がランク戦の初戦で何かやろうとしているとの噂はボーダー内を駆け巡ってしまった

新しい戦法とか完全試合を目指してるだとか過去の比企谷隊がやらかした実績から戦々恐々となっていたようだ

 

 

「さあ話題騒然のA級第6戦、比企谷隊と嵐山隊、三輪隊の三つ巴の戦いが間もなく始まります

 実況担当は風間隊の三上、解説はA級6位加古隊の加古隊長と自称実力派エリートS級のセクハラ魔人迅さんでお送りします」

 

「ねぇちょっと俺の紹介酷くない?」

 

「あら嘘は言ってないわよ」

 

「上層部からの指示ですので」

 

「おいおい」

 

「さてセクハラ魔人さん比企谷隊が選んだ市街地Cなんですがメンバは比企谷隊長と佐久間隊員、鶴見隊員のスナイパー3人です

 スナイパー有利の地形をいかした定石通りの戦法による完封狙いなんでしょうか」

 

「ねえ俺の名前それで決定なの?まあ鬼怒田さんの仕事が増えると俺のサイドエフェクトが言ってます」

 

「定石通りではないのね。新しい戦法とも言われているみたいだし楽しみだわ」

 

「画期的な戦い?って言っていいのかわからんが面白い物を見れる事は保障するね」

 

「未来視のサイドエフェクトを持つ迅さんの保障がでました私も楽しみになってきました

 話題の戦いのせいか閲覧席も満員で立ち見もかなりでていますがもうしばらくお待ちください」

 

所かわって嵐山隊作戦室

 

「生意気な比企谷め、なにしようとしてるのかしら」

 

「木虎落ち着け、どっちにしても目の前に来た時に倒せばいいだけだ」

 

「嵐山さんそうなんですが。でもあいつ等の事ですからきっととんでもない事をしてきますよ」

 

「ああ、そこが頭痛いんだよな。佐鳥は定石通り高台を目指せ他は警戒しながら慎重にいくぞ焦って突っ込むなよ」

 

「はい」

 

三輪隊作戦室

 

「グールとデビルが何か企ててるなんてシャレになんねー」

 

「米屋安心しろ恨みを買ってるのはお前だけだ」

 

「ちょっと三輪冗談だよね」

 

「米屋を囮する案も考えるか・・・最初は様子を見るぞ。スナイパーはとにかく高台を目指せ」

 

「はい」

 

「ほんと冗談ですよね」

 

比企谷隊作戦室

 

「さて作戦通り上を取った後はスナイパーを処分してから各戸撃破でいくぞ、出来れば木虎と米屋は俺にくれ」

 

「留美は好きにしていいんだよね」

 

「了解、俺は留美とは別の奴を潰していくよ」

 

解説席

 

「さあ時間となりました全部隊が転送されます」

 

「さっそくスナイパー6人がバックワームを使いレーダーから消えていきます。この試合どのような展開になるのでしょうか」

 

「今私が見ている光景が幻覚でないならばトンデモナイ物を見ているわね」

 

「え?加古さんいったい何を・・・

 え~~私は夢でも見ているのでしょうか比企谷隊が空へ駆け上がっていきます」

 

「あははは、あいつ等常識ってものを知らないらしいな」

 

スナイパーの佐鳥、奈良坂、古寺の3人はそれぞれ高台へ移動していく

一方比企谷隊の3人はグラスホッパーを使い遥か上空をめざし飛び回っていた

 

比企谷隊

 

「2人とも準備はいいか」

八幡は上空100m程度の高さで細かに飛び回りながら下界を眺めている

 

「佐鳥見つけた」

留美は移動している佐鳥を発見

 

「こっちは奈良坂だ」

二郎も奈良坂をロックオン

 

「よしファイアー」

八幡は残った古寺に狙いをつけて3人が一斉に遥か上空からアイビスを発射する

 

解説席

 

「各隊が合流や高台の確保をめざし移動している間に比企谷隊の攻撃が始まりました

 あっいきなりのベイルアウト発生です。いったいどの隊員がでしょうか」

 

「何か信じられない物を見てるわね」

 

「どうやら嵐山隊佐鳥隊員、三輪隊奈良坂隊員、古寺隊員の3人のスナイパーがベイルアウトです

 レーダーに映っていないスナイパーをどうやって見つけたのか不明ですが比企谷隊いきなりの3ポイント獲得のようです」

 

比企谷隊

 

「おにいちゃん、木虎さんと米屋さんの位置マークするよ」

 

「おー、さんきゅ小町」

 

嵐山隊

 

「綾辻さん、比企谷達はいったい何してるのよ」

メンバーの合流を目指して走りっている木虎は比企谷達が空へ駆け上がっていく光景を見て動揺していた

 

「木虎さん落ち着いて比企谷隊が上空から狙撃してくるわ

 狙われる前に全員建物の中に早く隠れて」

オペレーターの綾辻が上空からの狙撃を確認し生き残ったメンバへ指示を行う

 

「うわっこっち見た」

理解が追い付かない木虎は八幡が自分を見た事に危機感を覚え近くの建物の中に飛び込む

 

三輪隊

 

「奈良坂と古寺がやられた米屋作戦変更。建物の中に避難しろ」

三輪も状況を把握、一方的に狙撃されないように自分も建物に飛び込みながら米屋へ指示をだす

 

「どうしろって言うのこんなの」

米屋もこんな状況は初めてで近くの建物に入って打開策を考える

 

解説席

 

「いきなりの状況に嵐山隊も三輪隊も混乱しているようです

 迅さん説明できますか私にはちょっと現状把握できないんですが」

 

「比企谷隊はグラスホッパーを使って空飛んでるみたいだねスナイパーにとって上を取る事は有利になるから・・・

 これ最強じゃないかな、あははは」

 

「比企谷隊は空を飛んでるんですよ空!

 手の届かない上空からの狙撃って、これってどうやって対処したらいいんですか」

 

「スナイパーが落とされた今では無理ね。アタッカーでは手も足も出ないわ」

 

比企谷隊

 

「二郎出番」

スナイパーがいなくなった事で比企谷隊は安全圏から各戸撃破を行っている

 

「了解」

留美に促されてトリオンを見るサイドエフェクトを持つ二郎が建物を上から狙撃する

撃たれた弾は建物に吸い込まれ直後ベイルアウトの軌跡が空を飛んでいく

 

解説席

 

「また上空からの射撃です。あっ嵐山隊長ベイルアウトです」

 

「あー佐久間隊員得意の壁抜き、いやこの場合は屋根抜きですね」

 

「建物の中も安全じゃないなんて手のうち用がないじゃないですか」

 

「そうねお手上げね」

 

一方木虎を捕えた八幡がメテオラで建物毎爆発し吹き飛んだ所を狙撃、木虎の両足を吹き飛ばす

「ここで木虎隊員の隠れていた建物が爆発

 しかも木虎隊員両足を負傷している」

 

嵐山隊

 

「ちょっと比企谷何すんのよ」

両足が飛ばされ移動が出来なくなった木虎が八幡に苦情を言う

 

「いやー飛び回ってると照準がずれてなかなか当たんないわコレ」

言い訳をいいながらもさらに木虎を狙う八幡

 

「きゃー」

 

解説席

 

「狙撃がやみません」

 

そしてトリオン流出量が限界になった木虎がベイルアウトする

「ここで木虎隊員がベイルアウトです」

 

留美と二郎も建物毎吹き飛ばすようにメテオラを複数発射

「そうこうしてるうちに時枝隊員の隠れていた建物も爆発

 三輪隊長のところも爆発を確認しました」

 

「メテオラの絨毯爆撃ね」

 

「うわーエゲツないな」

 

複数の爆発に巻き込まれ時枝と三輪もベイルアウトしていく

「時枝隊員、三輪隊長もベイルアウトです。これで地上に残ったのは米屋隊員だけのようです」

 

比企谷隊

 

「ふふふ覚悟しろよ米屋」

米屋の隠れた建物にメテオラを使う八幡

 

解説席

 

「とうとう米屋隊員も狙われました」

 

八幡は上空から米屋の両足を狙撃する

「爆発から逃れてきた米屋隊員狙撃にあたってしまったようです」

 

さらにメテオラで米屋を致命傷を与えないように吹き飛ばし続ける八幡

「次々に米屋隊員にメテオラが炸裂。なんとか米屋隊員回避しているのか?」

 

とうとうトリオン流出量が限界でベイルアウトする米屋

「ここで米屋隊員もベイルアウトで、試合終了です」

 

試合を見物していたボーダー隊員達も言葉がでない様子で画面を見つめているだけであった

 

「えー試合結果は比企谷隊10ポイントのパーフェクトゲームですがこれはなんと言ったらいいのか・・・」

 

「あははは、なんだろうねコレ」

 

「確かに何を言っていいかわからないわね」

 

「簡単でいいですから試合の説明をお願いしますよ迅さん」

 

「ええと・・・まず開始早々比企谷隊はグラスホッパーを使って上空を目指した

 スナイパーがレーダーを重視して発見出来なかったのが痛かったね。ここで見つけておけば反撃ぐらいは出来たね

 

 最初にスナイパーを落としたのは自分達へ攻撃可能な戦力を叩く戦いのセオリーだ

 相手スナイパーにとっては上空からならレーダーに映っていなくても視認されてしまうって事が盲点だった

 

 スナイパーさえ倒してしまえば後は一方的に上空から攻撃するだけで戦いは終わるって事だ」

 

会場内は今回の試合内容に対して議論が起きていた。どうやってあの攻撃を防ぐのかだとか自分達にも同じ事が出来るのかだとか

酷い物だとあの戦法はズル、ルール違反ではないのかだとか卑怯だとかの声も飛び交っていた

 

「なるほど新しい戦法というのはスナイパーによる制空権の確保という事だったんですね

 でも私、グラスホッパーで空を飛びまわれるなんて聞いたことありませんよ」

 

「俺も初めてみたな」

 

「でも今回の試合結果はそれだけではないわ

 特にアタッカーにとっては性急な対策を取れなければ致命的ね」

 

「あっ対抗手段がなければ一方的に試合が終わってしまいますものね」

 

「そう、今までの戦略が通用しない相手にどう対抗できるのかを考える必要があるの」

 

「あっとここで連絡です。上層部が今回の試合についての審議を行うとの連絡がきました

 ボーダー隊員の参加も認めるそうなので場所と時間が決まり次第発表があると思います

 

 まことに名残惜しいのですが以上波乱万丈のA級第6戦でした

 解説の加古隊長と迅さんも本日はありがとうございました」

 

 

「さて比企谷君、アレはいったいなんなの」

 

「ヒッキー最低だ」

 

「ごみぃちゃん木虎さんと米屋さんへの言い訳は考えた?」

 

「いやいや新しい戦法だよ。別にルール違反でもないだろ」

 

「八幡両足を打ち抜いてとどめを刺さないのはどうかと思うんだが」

 

「いやアレだよ、そうグラスホッパーで飛び回っているから照準が安定しないって言うか・・・」

 

「言い訳は任せたぞ」

 

比企谷隊作戦室に戻った俺はさっそく雪ノ下と由比ヶ浜にさんざん問い詰められた

まあその直後に木虎と米屋が怒鳴り込んで来て一時中止になったんだが結果俺のおごりでスィーツ食い放題に連行されたのは解せぬ

 

ほぼボーダー隊員で貸切状態になった店内にはA級隊員及びB級隊員の俺達と懇意にしているメンバーのほとんど数十人が詰めかけていた

 

「それで比企谷どういうつもりだ。お前等なら普通にやっても優勢だろう」

 

アタッカーNo1A級隊員の太刀川さんが代表して審議でつるし上げられるであろう俺に問いかける

 

「特秘任務ですよ最近うざい奴等がいるじゃないですか。そいつらのあぶり出しです」

 

そうボーダー組織と言っても経済団体だ政府の援助だけでは運営は出来ないスポンサーからなにがしかの圧力もあるのだ

しかも経営方針や運営方針にまで口を出してきている始末だ

 

「そうか、なら何も言わん。ただ協力はさせてもらうぞ」

 

「お願いします」

 

「まったく比企谷たら、絶対迅さんみたいにはなんないでよ」

 

玉狛の小南も来ていやがった。その隣は木崎さんや宇佐美までいるぞ

 

「大丈夫だ俺にはセクハラ魔王の才能はない」

 

「へたれめ」

 

 

諭吉様が5人俺の財布から出て行ってしまったが領収書は後で本部に回すことにしたのは言うまでもない

そして翌日数百人を収容できる第一大会議室で今回の試合の審議が行われる事となった

 

「ただ今より先日行われたA級第6戦の審議を開始する」

 

議長の声が会場内に響き渡る。会場はほぼ満席A級B級の隊員が全員揃っているんじゃないかと思える程である

この審議の結果次第では今後のランク戦への影響は計り知れない為全員他人事ではないのであろう

 

「それでは私から」

 

と挙手をしてから話し始めたのはスポンサーサイドから最近上層部へ送り込まれた大牟田だ

 

「先日のランク戦において比企谷隊のとった戦法は画期的であるもの公平性に乏しく純粋にランク戦へ挑んでくる

 他の隊へ悪影響を及ぼしかねないと判断し試合の無効を提案するものであります」

 

イイゾーだとかソノトオリダとかヒキョウモノだとかの掛け声が会場から上がった

 

「議長よろしいか」

 

城戸司令官が挙手をし発言権を求めると議長が承認

 

「大牟田さんのお言葉には具体性が乏しく判断ができない。特に公平性と他の隊へ悪影響について何の事か正確にお聞きしたい」

 

まあそうだよな。言葉は紡げばいいだけではなく意味を持たなければならない

さあどこに公平性に問題があるのかと悪影響って何なのかをはっきりしてもらいましょうか

 

「ご指名がありましたのでお答えします

 

 まずは公平性についてですが知り合いの隊員に確認しましたところ同様の戦法はとても真似出来ない言っております

 また、対抗する手段も全くなく一方的に蹂躙されるだけであるとの事でした

 

 このような一部の隊のみが使用可能となる戦法が存在した場合、到底公平な試合など出来るわけもなく

 スポーツマンシップに劣ると物と判断したものであります」

 

「また他の隊へ悪影響についてですが

 

 今回ような卑怯な戦法が認められた場合、今後他の隊も同様の戦法を使用してくる事は明白である事です

 観戦する立場としても見苦しい泥試合など見たくもなく洗練された技と技術の祭典であるランク戦を壊しかねない暴挙と思っております

 

 特に嵐山隊のようなメディアへの影響の高い隊に対して見せ場などを作る事は出来なくなり

 広報や宣伝活動に支障が出るものと考えております」

 

言質はとったと城戸さんや鬼怒田さんはガッツポーズを心の中でしているのはないだろうか

さて、ここからあぶり出しだろうな・・・

 

「ふむ大牟田さんのお話は理解した

 議長、この意見に賛同する上層部や隊員がどの程度いるのかを把握したいと思っている

 

 例え少数であっても必要な意見は聞くべきであり多数であるのならばボーダー全体の意思と見なせない事もない

 ならばここはこの意見に賛成か反対かの決をとっていただきたい」

 

言葉とは不思議なもので立場により受け取るイメージが変わるものだ

いわゆる理解はしたが賛同したとは言っていない決をとると言ったが別に多数決で決めるわけではないと・・・

 

「分りました。ではお手元のボタンを使って決を採りたいと思います

 大牟田君の意見に賛成の者は○ボタンを反対の者は×ボタンを押して下さい」

 

ここまではシナリオ通り。参加不参加は任意ではあるのだが今回の審議では上層部はおろか隊員も席が決まっていた

考慮の時間中会場のあちこちから声が上がる

 

イカサマミタイナコトサレタラオレラカテナイヨナとかセイセイドウドウトタタカウベキダヨナとかだ

そんな声を聞き由比ヶ浜は顔を歪め雪ノ下の目は冷たく光っているが俺等はというと呑気にかまえているだけだ

 

「ではボタンを押して下さい」

 

一斉に押されたボタンが集計され前方のスクリーンに表示された

[賛成:25、反対:198]圧倒的であった

 

「さてボーダーの総意もでた所で大牟田さん何か言いたいことはありませんか」

 

「どうなっている集計が間違っているのではないか。そうだ嵐山君君はどう思っているんだ今回の被害者だろう」

 

指名された嵐山さんにマイクが届けられる

 

「当然の結果ですよ。貴方は勘違いしていませんか我々ボーダーはスポーツをやっている分けではありません

 戦争をしてるんですよ勝率の高い戦法を認めはしても排除しようなんて考えはボーダーにはありません」

 

会場は静寂に包まれるさっきまで野次を飛ばしていた奴もこの雰囲気では何も言えないだろう

嵐山さんの隣にいた太刀川さんがマイクを奪い続けていいはなった

 

「A級1位部隊に所属している太刀川です。俺もボーダーの代表として言いたい事があります

 

 ランク戦はそもそも遠征部隊選抜の為でもあるんですよそこにはファッションやエンターテーメントなんて必要ありません

 必要なのは敵を倒す戦力それだけです。それなのに・・・あなたのような人がなぜそこにいるんですか」

 

そう宣言するとマイクを隣に渡しA級部隊の隊長達が次々に批判の言葉を投げかける

居た堪れなくなったのか大牟田は会場を逃げるかのように出て行ってしまった

 

「諸君等のほとんどの者の考えが誠実であった事は誇りに思う

 

 ただ現状としてあの戦法に対応できなければ問題は残るだろう

 これから開発部と共同で対応方法を検討していくがいくつかの制約がついてしまう事には容赦をして欲しい」

 

との城戸司令の言葉で締めくくり審議は終了した

 

結果、素人にかき回されると現場が混乱すると上層部からスポンサーサイドの人間は排除されることになった

また野次を飛ばしていたB級隊員達は便宜を図っていた権力者もいなくなった事で自然にボーダーから去っていった

 

上層部から後日発表された内容は以下の通りである

 

----------------------------------------------------------------

A級戦第6戦について

 検討の結果ルール違反はないとして試合結果は正当な物とする

 

追加ルールについて

 建物から20m以上の上空への移動を試合で使用することを禁ずる

 以上の件は対抗手段が確立するまでの暫定処置とする

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雪ノ下の一言は「ボーダーと言う組織は自浄作用があるのね、うらやましいわ」だった

 

その後のランク戦でも比企谷隊は勝ち進み一時は1位になったんだが後半はまったくポイントを取れずに結局は7位で終わった

何故かって?だって戦ってくれないんだもん。比企谷隊と同盟を結んだと一方的に言い張って俺達を完全に無視し戦ってるんだぞ

 

戦う意思のない奴に攻撃なんかしたら何を言われるかわからないから俺達はトランプやUNOで時間を潰していた

そして俺達のトランプの勝負までが実況されたのは解せぬ

 

何が「比企谷隊長とうとうババを引いた」だ。ヨクヤッターとか歓声をあげた奴は誰だよ

しかもだよ終了時間まで生き残った相手の隊のメンバも入ってくるんだぞ。結果として同盟禁止になったのは言うまでもない

 


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