俺のボーダーとしての青春はまちがっている。【俺ガイル編】   作:ばけねこ

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ラブコメ要素に挑戦してみましたがなかなかうまくいきません。
生暖かい目で見てやってください。




【春の嵐】

春休み休みと言う言葉はなんと素晴らしい言葉なのだろうか人は休む為に働くのだ休んでこそ人なのだ

 

だが現在俺は遊園地なる所にきている。期待にそえないようで申し訳ないが決してボッチできている訳ではない

そう俺の隣には木虎と言う中学生がいるのだそして玉狛の烏丸と小南もな

 

なぜこうなったかと言うとどうも木虎は烏丸を誘いたかったようだが小南もついてきてしまい

しかたがなく俺が呼ばれた次第だ

 

「で、次はどこ行くんだよ木虎」

 

「烏丸さんジェットコースター行きませんか」

 

「知ってる?ジェットコースターてのは元々はジェット機の窓を開けてスリルを味わったのが最初なんだって

 慣れた人だとコースターに乗せたコーヒーを飲みながら優雅にスピードを楽しんでたそうだよ」

 

「え、そうなのコーヒーで火傷とかしそうなんだけど」

 

「火傷した人はいないそうですよ

 

 だって・・・嘘ですから」

 

「比企谷騙したなー」

 

なぜここで俺は小南に噛みつかれないといけないんだお前を騙したのは烏丸だろうが

 

「あはははは」

 

烏丸も笑ってないで小南をなんとかしろ

 

「落ちつけ小南お前可愛い女の子なんだから恥ずかしいマネすんな」

 

「比企谷可愛いって・・・それならそうと言ってくれればいいのに・・・」

 

「じゃ木虎ちゃん行こうか」

 

前列に木虎と烏丸が乗り後列が俺と小南だ

 

「烏丸さんは絶叫系は平気なんですか」

 

「俺は平気な方だね。スピード感はなかなか楽しいし

 

 そうそうジェットコースターで両手を上げるのは

 走行中楽しそうにしている人間に興味を持ってよってきた妖精を捕まえる為なんだよ

 

 まあ妖精によく似た虫らしいんだけどね捕まえた人は幸運に恵まれるって言われてるらしいんだ」

 

「ちょっと聞いた比企谷、絶対捕まえるわよ」

 

「あのな小南いくらなんでもお前・・・」

 

「まだ今年は捕まえた人はいないらしいですよ

 

 だって・・・嘘ですから」

 

「また騙したな比企谷って・・・キャー」

 

ジェットコースターが急降下を開始し今回俺は噛みつかれなくて済んだようだ

こんな感じで終始木虎が烏丸に話しかけ烏丸が小南に嘘を教え俺が噛みつかれる流れが繰り返されている

 

そんなこんなで夕方になり解散となったわけなのだが・・・

 

「烏丸さん小南さん今日はお付き合いありがとうございました」

 

あれ?俺入ってないぞ聞き間違いか?

 

「俺も楽しかったよ」

 

「私も久しぶりにストレス発散できたよ。また誘ってね木虎ちゃん」

 

「そうですねまた機会があれば・・・」

 

玉狛へ帰っていく二人を見送る木虎は寂しそうで今にも壊れそうだ

 

「はぁ、やっぱりダメか・・・」

 

「まあな、相手あっての物だからなこう言うのは」

 

木虎は下を向いたままでしばらくすると地面に水滴が落ちる

 

「比企谷こっち見んな。ウゥゥゥ」

 

急いで背中を向けた俺の背中にしがみ付き顔を埋める木虎

30分程して落ち着いたのか俺から離れると

 

「比企谷送ってけ」

 

「了解お姫様」

 

二人きりの帰り道

 

「いい比企谷あたしはA級隊員なのエリートなの」

 

「へいへい」

 

「テレビにだってよく出るし顔だって可愛いしスタイルだって悪くない」

 

「はいはい」

 

「だったら世の中の男があたしを放っておかないと思うのよ」

 

「ふむふむ」

 

「でもあたしにだって理想があるのよ。誰だっていいわけじゃないから

 あたしより強くって見てくれも悪くなくって年上で包容力があって経済力もあってあたしを気遣ってくれて・・・」

 

「ほーほー」

 

「いい見てなさい比企谷あたしは絶対いい男をゲットしてやるんだから」

 

「まあ頑張れ俺に出来る事なら協力してやるから」

 

残念ながら木虎の思いは届かなかったようだ。今は空元気なんだろうけどこいつなら立ち直るだろう

こうして俺の一日が終わる・・・あれ?俺だけ損してないかこれ休日つぶれたよね

 

 

 

「なあなんで俺がこんなの持たないといけないの」

 

「いいじゃないですか比企谷先輩暇なんですから」

 

「俺は決して暇じゃない録画したアニメ見たり小町を愛でたりしないといけないんだからな」

 

「暇じゃないですか」

 

今日は那須隊のスナイパー日浦に那須へ届ける資料を持たされているのである

 

那須は元々身体が弱くトリオン体の研究の為にボーダーへ入隊したと言われている

そんな那須の為にミーティングはよく家で行われるとのことである

 

ピンポーン

 

「茜いらっしゃい・・・ってなんで比企谷がいんのよ」

 

「比企谷先輩には荷物もってもらいました」

 

「来るなら来るって言いなさいよ」

 

ドアから顔だけ出した那須はドアを閉めたかと思うとパタパタと俺達を外に残したまま戻っていってしまった

寝間着のままだったのか?なんか悪い事をしたのかもしれん

 

10分ほど待った所でワンピース姿の那須が再び現れた

 

「入って」

 

「へいへい」

 

「なんで比企谷先輩がいるんですか」

 

部屋に入ると突然ノートパソコンが喋りだしたんだがこれは決してAIなんかじゃない

こいつは那須隊のオペレーターの志岐が通信でミーティングに参加しているだけである

 

志岐は一言で言うならば男性恐怖症であり普段から穴倉に籠るような生活をしていて人前に出ない。幻のポ○モンもビックリな存在だ

なぜか俺にはシンパシーを感じるとかで会話だけなら普通にできるのである

 

「なんだ比企谷わざわざ玲に会いにきたのか」

 

こいつは那須隊のアタッカーの熊谷、迅さんのセクハラターゲットの一人でよく俺にまで鉄拳制裁をしてくる

俺まったく悪くないのに・・・

 

「くまちゃん黙んなさい」

 

「そうだぞ、くまちゃんお前が悪い」

 

「比企谷くまちゃんって言うなー」

 

「それで比企谷先輩は那須先輩の普段着を見にきたんですね。どうですか感想は」

 

「小夜子・・・それ以上言うと電源落とすわよ」

 

開始早々脱線してるぞ大丈夫か那須隊は・・・

 

「なあ日浦、俺なんで呼ばれたの目的は荷物持ちだけじゃないよね」

 

「比企谷先輩にはアドバイスを貰いたくて来てもらいました」

 

那須隊はB級としては中位クラスでなかなか上位へは入れないでいるのだ

しかも3人のうち一人がなかなかポイントに貢献が出来ていない状況だ

 

「俺から見ると那須と熊谷の連携は問題ないんだが・・・日浦お前浮いてるよな」

 

「そうんなんですよ。同じスナイパーの比企谷先輩ならいい手があるんじゃないかと思って」

 

「そんなの奈良坂に相談しろよお前の師匠なんだろ」

 

「比企谷先輩に聞きたいんです」

 

「日浦は位置取りが正直すぎるんだよ相手にしてみれば死角を警戒していればいいんだからな

 俺ならそうだな熊谷の後ろに陣取って掠めるように撃つな」

 

スナイパーである日浦は相手から完全に対策されており隙を見て射撃をしてもガードや回避をされ

結果自分の居場所がバレるだけでなかなかポイントを稼げていない

 

なら相手の意表を突いた手を取ればいいだけだ。もし警戒していない状態でそんな事されたら誰だって避けられないだろう

ましてや熊谷はアタッカーだ飛び道具の警戒なんかしないはずだ

 

「そんなのくまちゃん先輩に当たったら大変じゃないですか」

 

「熊谷の癖や動作を把握してればいい話だ」

 

「わたしは比企谷先輩みたいにくまちゃん先輩の姿態を脳裏に焼き付けてたりしてないから無理です」

 

「比企谷お前やっぱり・・・」

と言いながら那須の後ろに隠れる熊谷

 

「比企谷・・・」

 

「比企谷先輩不潔です」

 

あれ?的確なアドバイス今俺したよね。なんでセクハラしたみたいに言われないといけないの?

 

「玲、比企谷はお前に任せた」

と熊谷が那須を俺へ突き飛ばしやがった

 

俺が避けて身体の弱い那須に怪我をさせるなんて出来ないわけで俺としては那須を受け止めるしかないわけで・・・

結果として真っ赤になった那須が俺の腕の中で目を回しているわけで・・・

 

俺は無言で備え付けのベッドに那須を寝せてスタスタと部屋を出た

 

「比企谷責任取りなさい」

 

と叫ぶ那須隊を残し俺はほうほうの体で那須邸を逃げ出したのだ

なんか最近ついてないよな俺・・・小町の受験で運を使い果たしたのかもしれん

 

 

 

「匿ってくれ比企谷」

 

そう言って比企谷隊の作戦本部へ駈け込んできたのは太刀川さんと出水だ

俺はまたボーダーで悪さをしたのかと呆れていたのだが

 

「加古さんが・・・料理の味見役を探しているんだ」

 

どうやら加古さんと由比ヶ浜が創作料理対決をしているようで審査員役を探し回っているそうだ

最初のうちは周りもやんわりと断っていたようだが、断るなら一口味見をしろと強制されるようになりパニックが発生したと・・・

 

「二郎緊急事態だ」

 

俺は即座に行動に移った

 

「おう、俺は小町ちゃんと留美を脱出させる。後は任せたぞ八幡」

 

「ちょっとまて、その役は俺がやるから二郎は二人を止めてこい」

 

「・・・無理だな。それに由比ヶ浜はお前の同級生だろう、止める責任はお前にある」

 

「おのれ二郎・・・そうだ雪ノ下に頼めば・・・」

 

「比企谷・・・残念だが雪ノ下さんは既に倒されたぞ」

 

太刀川さんが残酷な現実を突き付けてきた

雪ノ下も必至に止めていたそうだが加古さんにやられたようだ

 

加古さんは自分で作った料理も問題なく食す事のできる味の許容範囲が広いお人だなのだ

自ら味見をして見せて雪ノ下にも勧めたところ耐えきれなかった雪ノ下が・・・

 

「くっどうすればいい」

 

「大丈夫だ比企谷、ここで隠れていればいいだけだ」

 

「そうだぞ比企谷、今外に出るのはまずい」

 

必死に逃げて来た太刀川さんと出水の言葉は重い。だがな・・・由比ヶ浜がいるんだぞ絶対ここにくるぞあいつは・・・

ふと気が付くと二郎と小町、留美の姿が見えないあいつ等俺を置いて逃げやがった!

 

唯一の救いは小町と留美の無事が確保できた事だけだ。考えろ八幡、お前はこんなもんじゃないはずだ・・・

 

俺と太刀川さん、出水の3人は立て籠もる事を選択。出来れば何事もなく嵐が過ぎ去ってくれる事を願った

時間の経過とともに安堵の雰囲気が出てきた頃・・・

 

「あっヒッキーここにいた」

 

恐怖の大王その2、由比ヶ浜が現れた

 

「今、加古さんと勝負してるんだけどね。誰も審査してくれないんだよ」

 

「ゆ、雪ノ下はどうしたんだ」

 

「ゆきのんはね。なんか具合が悪いって医務室に行ってるよ」

 

「そ、そうか」

 

「それでねヒッキーに審査をお願いしにきたの」

 

やはりそう来たかどうする八幡

 

「そうだな比企谷なら適任だ」

 

「比企谷しかいないな」

 

ここにきてまさかの太刀川さんと出水の裏切りにあった

俺はそのまま二人に両腕を掴まれて連行されたわけで・・・

 

「比企谷君が審査をしてくれるそうね」

 

「ヒッキーあたし頑張ったんだからね」

 

俺が審査員と言う生贄に選ばれた為、安心したのか隊員達も集まって囃し立てている

目の前にあるカラフルな物体を前にした俺は冷や汗が止まらない

 

その時だった俺の携帯にメールが飛んできた。相手は二郎

俺は素早くメールを確認すると二郎の作戦を実行する。やはり二郎は俺の親友だった

 

「まずですね、料理対決と言うのならお互いが食べ比べる必要があると思うんですよ

 本人達が納得しなければ誰に何を言われても意味がないと思うんですよ」

 

さーここからが正念場だ毒には毒を持って制すればいいのだトラッパーとすら言われた俺の本領発揮だ

 

「それもそうね

 なら・・・比企谷君が食べさせてくれるかな」

 

なんだと・・・二郎次のメールだ早くしろ

 

「それいー、ヒッキーあたしもあたしも」

 

俺にすり寄ってくる加古さんと由比ヶ浜もう逃げ場がない・・・

 

 

「あーん」

 

俺はスプーンで由比ヶ浜の料理を加古さんに食べさせる

 

「なかなか画期的な味ね。由比ヶ浜さんあなたなかなかやるわ」

 

流石は加古さんだ由比ヶ浜の料理にも動じていない。だが、なぜ俺の膝の上にいるのだ解せぬ

 

「次あたし、ヒッキー早くして」

 

加古さんをどかして由比ヶ浜が俺の膝に乗る。なんて柔らかさだ・・・いかんいかん冷静になれ俺

 

「あーん」

 

加古さんの料理を口にした由比ヶ浜はその場に崩れ落ちた

思った通り由比ヶ浜は加古さんの料理に耐えられなかったようだ

 

「どうやら由比ヶ浜は加古さんの料理に感動してノックアウトされたようですね

 ならば、この対決加古さんの勝利です」

 

動かない由比ヶ浜を椅子に座らせ俺は加古さんの腕を高々と上げた

こうして今回の騒動は収まったのだが・・・

 

仲良く目を覚ました雪ノ下に由比ヶ浜は散々説教をされたらしい

由比ヶ浜も加古さんの料理に懲りたのか二度とやらないと約束をした

 

ほんともうゴメンだぞこんな事は・・・俺最近不幸ばかりだ

 


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