神喰い達の後日譚   作:無為の極

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第78話 それぞれの楽しみ方

 ブラッド、クレイドル、防衛班の努力によって当初の予定通りの素材はそのまま技術班のリッカ達の下へと運ばれていた。

 当初は何も聞かされないままだったものの、最終目的を聞かされた事によって改めて今回の概要だけでなく、これから行われるイベントの準備を開始していた。

 

 元々神機の整備が出来るからといって、全ての事が出来る訳では無い。ましてや今回のそれは従来の金属粉と火薬だけで構成されるものではなく、以前にナナが開発した『ときめきスタングレネード』を元に大幅に改修した物だった。

 一からでは無い為に然程手間はかからないかと思われていたが、ここで大きな問題が発生していた。

 今回榊が指定したのは旧時代の花火の中でも三尺玉と呼ばれる物。爆発の中心地から直径600メートル。打ち上がる推定距離は800メートル。

 まさにグレネードと呼ぶよりも、もはや兵器に近いそれは開発も難航していた。

 

 

「しかし、これで本当に上がるのか?」

 

「シミュレーション上は可能なんだけどね。でも本当ならこんな物じゃないよね」

 

「確かに。オラクル技術を投与しているから問題は無いが、実際には厳しいだろうな」

 

 本来であれば名の通り三尺の大きさの花火。空中に上げるにもそれなりに技術が必要だった。

 しかし、今回のこれはスタングレネードを流用しているからなのか、大きさそのものは通常のスタングレネードよりも少しだけ大きいに留まっていた。元々これはアラガミの視界を奪う物。しかし、それもまた考え方の一つでしか無かった。

 

 

「でも、俺達よりもブラッドの方が苦労してるみたいだからな。俺達にやれる事だけをやるしか無いだろう」

 

「そうだね。差し当たっては目の前の起こる事だよね」

 

 本来であれば実際につくってみるのが一番好ましい。目視する事で、実際にはどんな状態になるのかは一目瞭然だった。

 しかし、で今回のこれは事実上の極秘に近い。だからなのか、2人は常に端末を使用する音だけを鳴らしながら調整するより無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「榊博士。今回の件なんだが、俺にも一枚噛ませてもらえないか?」

 

「噛む?ああ。今回のイベントの事だね」

 

 素材の回収を終えたからなのか、それとも今回の真意を確認したからなのか、カレルは珍しく支部長室で榊に話を持ち掛けていた。元々今回の件は事実上の極秘で進めている。

 しかし、カレルが口にした以上、誤魔化す事は不可能だった。既に何か思惑があるからなのか、何時もとは違った雰囲気を纏っている。

 幾ら支部長を任されている榊とは言え、カレルの考えている事が何なのか真意までは掴む事は出来なかった。

 

 

「ああ。折角派手にやるんだったら、それなりに色々とあった方が良いだろう。その方が盛り上がると思うが」

 

 カレルの提案に榊は改めて考えを纏めていた。確かに花火を上げる事は考えて居たものの、娯楽と言う意味ではカレルの言いたい事は分からないでも無い。

 FSDの時と違い、今回はゴッドイーター全員に何かしらの指示を出している訳では無い。既にFSDで支部としての大きなイベントをこなしている以上、それ以上の労働となれば何かしらの軋轢が出る事は間違いなかった。

 

 

「カレル君。その件に関しては支部として動く事は厳しい事は分かってもらえるかい?」

 

「当然だ。今回の件に関しては既にFSDとは違い、大義名分がどこにも無い。俺が噛むと言ったのは名前と情報だけを提供して欲しいだけだ」

 

「名前と情報……ね」

 

 改めてカレルは今回の趣旨を榊に伝えていた。元々支部を動員してまでとは考えていない。

 名前と情報はあくまでも打ち上がる物が何なのかと、その時間だけ。勿論、それが何を意味するのかを榊とて理解出来ない訳では無い。僅かな時間ではあるものの、回答は既に出ている。

 支部としても余計な何かが無いのであれば断る要素はどこにも無かった。

 

 

「そうだね。では、弥生君から改めて今回の趣旨と上げる時間帯を通知する様にしよう」

 

「そうか。無理を言う様で済まなかった」

 

 交渉が纏まった以上、後は時間との戦いだった。

 恐らくは何かしらの予定を立てている事は理解しているが詳細までは分からない。既に支部長室から退出しているからなのか、榊はカレルに詳細を確認する事無く、この場は何時もの日常に戻っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「花火ですか?」

 

「みたいだよ。さっき弥生さんから支部長案件で通達が来てたよ」

 

 ラウンジでは何時もの光景だからなのか、カウンターで作業をしながらアリサだけでなく、久しぶりにクレイドルとして集まっていた。

 元々予定していた訳では無いが、今日はここ最近の慌ただしさが少し解消した為に偶然集まっていた。

 カウンターにエイジが居る為に、事実上、カウンターはクレイドルの指定席となっている。そんな空気を読んだのか、誰も注文以外にカウンターに近づく事は無かった。

 

 

「って事は、また何かするのか?」

 

「いや。今回は特に無いよ。特に弥生さんからも通達が来てないからね」

 

 2人の会話に何か思う事があったのか、コウタはジンジャーエールを飲みながらこれまでの事を思い出していた。

 ここ極東では何かにつけて娯楽を楽しむと言った概念が色々とあった。FSDだけでなく、春には桜を鑑賞しながら花見をする。今の時期であれば七夕などが代表される行事だった。

 支部が動けばもれなく配下のゴッドイーターも動く事になる。コウタだけでなく、ソーマやリンドウもまた、同じ事を考えていた。当時の第1部隊であれば可能かもしれないが、今はクレイドルでの行動範囲はかなり広くなっている。

 既に自分達の意志一つでなんとか出来る時代は当の前に過ぎ去っていた。

 

 

「それと今回に関しては各自で気になる物があれば自己責任で。って事はあったかな」

 

「ふ~ん。グラスの中身が一気に無くなると思える程のコウタは一気に中身を飲んでいいた。何か思う事があったからなのか、どこか上の空の様にも見えていた。

 

 

「エイジは何かするのか?」

 

「僕は何もしないよ。そう毎回何かある度に出るのも大変だからね」

 

「そうか……」

 

「何だソーマ。折角だからシオと一緒に見る予定でもあったのか?」

 

「相変わらずの考えだな。折角なら落ち着いて見た方が良いだろうと判断しただけだ」

 

 ソーマもまた珍しく内容について考えていた。予定されているものは殆どが大玉に近い物が多く、また打ち上げの場所は不明だが上空に打ち上がる高さを考えればアナグラではなく屋敷からでも見えるのは間違い無かった。

 そんな考えを見透かしたからからなのか、リンドウがソーマに揶揄い半分で話を振っている。だからなのか、アリサもまたソーマと同じ様な事を考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やはりでしたか……」

 

「でも、規模はすっごく大きいよ。私ビックリしちゃったよ」

 

 弥生からの通達は同じくブラッドの下にも伝えられていた。ナナの予想通り『ときめきグレネード』をベースに作られているからなのか、その大きさはナナの予想を良い意味で裏切っていた。

 三尺玉がもたらす爆発はかなりの大きさ。ナナの開発した物は大きさこそそれなりだが、その分数は多かった。しかし、今回開発された物は数をこなす事をせず、純粋に大きさだけを示した物。

 もちろん、全部が全部大きな物だけでは構成しておらず小さい物や連続して打ち上がる物も多数ある。元々今回のイベントが極東で初めての試みだったからなのか、ナナだけでなく他のブラッドのメンバーもまた純粋に驚いていた。

 

 

「だが、これだけの大きさだとアラガミが音で寄ってくるんじゃないのか?」

 

「その点は問題無いらしい。どうやらあの時の素材収集の際にアラガミの巣の様な場所も壊滅したらしいから、暫くは出てこないと予測しているみたいだ」

 

「……出来る事ならあんなミッションは暫くは御免だな」

 

「確かにな」

 

 ギルも何か思う事があったからなのか、当時の事を思い出す。

 連戦につぐ連戦は気力と体力を多大に消耗させる。休養をしても何時も以上に回復に時間がかかった事はまだ記憶に新しかった。素材集めが前面に押し出されていたが、その結果アラガミの大量討伐に繋がっている為に、北斗もまたそれ以上の事を言うつもりはなかった。

 

 

「でも、これだけの事をするにも拘わらず榊博士からアナウンスが何も無いと言うのは少し気になりますね」

 

「シエル。それはどう言う意味だ?」

 

「実は………」

 

 リヴィはここに来てまだ大きなイベントらしい事を経験していないからなのか、シエルの言葉に疑問を持っていた。

 情報管理局時代に大よその事は調べたが、それはあくまでも文字として記載されているだけの話。詳細まで知らないからなのか、今のリヴィはどこか興味を持っていた。

 

 

「なるほど。だが、ここは他の支部とは違うんだ。全部が支部主導と言う訳ではあるまい」

 

「そう言われれば…そうですね」

 

「でも、実際にはどうなんだろう?」

 

 リヴィに言われ、シエルだけでなくナナもまた疑問を持っていた。

 こんなに大きなイベントにも拘わらず、榊から言われたのは花火に関する事だけ。可能性があるとすれば弥生からと言うのは否定できないが、それでも未だに沈黙を貫ている。

 実際には開催日まで時間があるからなのか、今の状況では判断材料が全く無いからなのか、誰もが何も言えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが今回の概要になる。どうだ?時間的に出来るか?」

 

「そうだな……問題は場所だな。ここだとメインの通りを使えるのと使えないのとでは格段に差が出るぞ」

 

「その点は問題ない。既に支部長からの許可は出ている。今回のこれに関しては支部そのものは直接の関与はしないそうだ。これに関しては全て俺が仕切る事になる」

 

 カレルの言葉に召集された男達は悩みながらも答えを出していた。

 確かに外部居住区も他の支部に比べれば格段に住環境は良いが、中々簡単にお金を使うまでには行かなかった。

 経済は回してこそ意味がある。今回のイベントを起爆剤にそれぞれが利益を出す為に知恵を絞っていた。

 

 

「そうか。だとすれば後は準備だな。それと金額の設定は各々に任せるので良いか?」

 

「それに関しては俺は何も言わない。今回の事で多少なりとも活性化出来るのであれば俺は気にしない。多少のコンサル料だけは貰うがな」

 

「相変わらずだな」

 

「支部の許可があれば大手を振って営業出来るんだ。だとすれば安いとは思うが」

 

 カレルの言葉に男達はそれ以上は何も言う事は無かった。

 幾ら民間主導でも、最後は支部の許可が必要になる。実際に一般からも許可を取る事は可能だが、それをどうやって持って行けば良いのかが分からなかった。

 要望であればその辺に居る部隊長レベルで問題無いが、やはり今回の様なケースでは何かしらの大義名分が必要だった。

 

 

「確かにな。よし、お前ら!景気良くやるぞ!」

 

「おう!」

 

 男の声に、今回参加した人間の歓声が響いていた。既に計画が動いた以上、後は時間との戦いになる。そんな光景を見たからなのか、カレルもまた目を細めながら様子を眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわ~何だか凄い事になってるよ!」

 

「これが極東支部のイベントなのか」

 

 事前に開催時期を確認していたからなのか、花火を打ち上げる当日は予想以上の人が来ていた。打ち上げまではまだ時間がある。メインの通りには両側に所狭しとそれぞれの飲食店が自身の店の商品を販売すべく準備を開始していた。

 

 

「ナナさん。私達はまだアナグラに戻る途中ですので、まずはアナグラに戻ってからです。時間にもまだ余裕がありますから大丈夫だと思いますよ」

 

「はっ、そうだよね。じゃあ、早く行かないと!」

 

 シエルの言葉にナナだけでなくリヴィもまた帰投の途中である事を思い出していた。

 上空から見るその光景は明らかに何かしらのイベントを開催する事だけが判断出来る。事実、今回のこれに関しては支部としては一切に関与していなかった。

 流石に花火を上げる事位は告知できるが、それ以外は何もしていない。恐らくは関係者が何かしらの告知をした事だけは間違い無かった。

 

 

 

 

 

「何だかすっかりお祭り気分だね」

 

「そうですね。まさかこれ程だとは……」

 

 ナナだけでなく、シエルもまたアナグラに到着した途端に飛び込んで来た光景に少しだけたじろいでいた。

 気が付けば一般職やゴッドイーターに関係なく浴衣に団扇や扇子を持っている。何時もとは違った華やかな空間に、先程まで命のやりとりをしていたはずの3人も呆然とするしかなかった。

 

 

「あ、お疲れ様でした。今日はこれで終わりでしたよね」

 

「え、あ、う、うん。そうなんだけど……」

 

 気が付けばカウンターで作業をしているはずのフランやヒバリも同じく浴衣を着ていた。女性陣ばかりに目が行くが、実際には男性陣もまた浴衣や甚平に着替えている。

 ミッションに行く前まではそんな素振りは微塵も無かったはず。あまりの違いにフランだけでなく、ヒバリもまた少しだけ笑みが浮かんでいた。

 

 

「これは急遽決まったんですよ。勿論、皆さんの分もありますよ」

 

「でも、これって……ひっとして弥生さんが?」

 

 ここアナグラでこんな事をするのは弥生以外に該当する事は無かった。これまでの事を考えても疑う余地はどこにも無い。そんな事が読まれたからなのか、その答えははフランから出ていた。

 

 

「そうですよ。折角だからと言う事で提供されました。この後は各自にプレゼントとなるそうです」

 

「でも、これって結構高いんじゃ……」

 

「これは今後の予定している簡単に使える物らしいです。ですから、後で着心地のレポートだけは欲しいそうです。それと、通常の洗濯機で洗えるそうですよ。流石に全員の分とは行かないので、ナナさん達の分は確保しておきました」

 

「フランちゃんありがとう!リヴィちゃん。着付け教えて」

 

「ああ。じゃあ、シエルも私の部屋に来てくれ」

 

 話をしながらもフランの手は止まる事はなかった。報酬の手配や物資の配送。浴衣を渡した後は通常の業務へと戻っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお~すごいな」

 

「ああ。まさかここまでだとは思わなかった」

 

 アナグラではなく屋敷ではソーマとシオが花火が見える一から眺めていた。元々詳細は聞いていないが、開始時刻だけは聞かされている。

 本来であればアナグラで見るつもりだったが、予定以上に研究に時間を費やした為に、結果的にはここでの鑑賞となっていた。

 元々着ているからなのか、シオは特に変化は無い。しかし、隣に座っているソーマはいつもの制服ではなく同じく浴衣に着替えていた。

 紬独特の風合いと色はソーマの褐色の肌に合っている。当初はそんなつもりは無かったものの、シオが残念がるからと自ら着替えていた。

 

 

「ナオヤとリッカも苦労したらしいよ」

 

「だろうな。まさかこんな事までするとは……榊のオッサンも少しはまともな事を考えるもんだな」

 

「でも良かったんですか。ここよりもアナグラの方が賑わってるらしいですよ」

 

 2人の背後にはエイジとアリサが同じく浴衣を着て何かを持って来ていた。ソーマの様に偶然にではなく、元からここで眺める予定だったからなのか、用意された物は口寂しくならない程度の軽食と飲み物。

 エイジだけでなくアリサもまた同じ様な物を持っていた。

 

 

「アナグラは落ち着かない。ここなら静かに眺める事ができるからな」

 

「本当はシオちゃんと一緒に居たいだけじゃないんですか?」

 

「……アリサ。そろそろ俺も怒るぞ」

 

「図星みたいですね。私達は少し離れていますから、これ2人でどうぞ。エイジが作ってましたから」

 

 そう言いながらアリサがソーマとシオに渡したのは、冷えた緑茶と冷酒。それに冷奴と枝豆だった。隣には少しだけ厚めに作られた玉子焼きも置いてある。既に食事も終わっている為に、空腹感は元々無い。確かに少しだけ食べるには十分すぎていた。

 

 

「そうか。気を遣わせたみたいだな」

 

「気にする必要はありませんよ。私達も同じ物を持っていますから」

 

 既にエイジは先に場所を整えているからなのか、アリサもエイジの下へと歩いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は凄い人だね」

 

「ああ。何だかんだと皆感心もってるんだよ」

 

 コウタもまた妹のノゾミとマルグリットと3人で行動していた。

 元々今回の件はコウタも住人から聞かされていた為に詳細までは何も知らなかった。

 ミッションが終わり自室に戻った際に家からの連絡は多少は驚いたが、内容はやはり今回の花火の事だった。元々コウタも行くつもりだったからなのか、話はそのまま進んでいた。

 

 

「でも、私も一緒で良かったんですか?折角なら兄妹で一緒の方が……」

 

「マルグリットお姉ちゃんも一緒じゃなきゃダメなの。折角浴衣も着てきたから見せたかったの。それに……」

 

「ノゾミ。お待たせ……ってコウタさんも一緒だったんですか?」

 

 3人の後ろからはコウタが聞いた記憶が無い声を掛けられていた。名前は知っているが、実際に会った記憶は一度も無い。まさかの予感にコウタはノゾミを見ていた。

 

 

「あっくん。一緒に行こうよ」

 

「でも……」

 

「ノゾミ。一緒に行きたいんだろ?」

 

 まさかの言葉にノゾミは思わず目を見開いていた。まさかコウタの口からそんな言葉が出るとは思わなかったからなのか、ノゾミだけでなくマルグリットも同じだった。

 シスコンとまで呼ばれたコウタにどんな心境の変化が起こったのかは本人以外には分からない。僅かに固まったものの、このままここに居る訳にも行かないからといち早く回復したマルグリットはノゾミの声をかけていた。

 

 

「はぐれない様にしてね。それと困ったらするにコウタに連絡する事」

 

「はい。分かりました」

 

「じゃあ、気を付けてね」

 

 状況を確認する前にいち早く行動に移す。見送った後のコウタの真意を聞きたいとは思うが、今はこうやって2人だけ。だからなのか、コウタに聞く前にマルグリットはコウタの腕に自分の腕を絡ませていた。

 

 

「えっと………」

 

「嫌でした?」

 

「……嫌じゃない」

 

 この場にアリサがいれば確実に揶揄われるのは間違い無いが、生憎とこの場には誰もいない。気が付けば大輪の花が夜空高くに花開く。

 皆が頭上をみているからなのか、寄り添った2人の事が視界に入る事は無かった。

 

 

 


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