神喰い達の後日譚   作:無為の極

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第60話 迫りくるアラガミ

 弾む息を無理矢理押し込めたかの様にリンドウとシエルはアナグラからもたらされた情報を元にエイジとカノンが居るであろう場所へと走っていた。

 かろうじてつながっているビーコン反応は未だ存命である事を意味している様に微弱ながらに信号を発信している。万が一があってからでは遅いと判断したからなのか、2人の走る速度が衰える様な事は一切無かった。

 

 

「エイジさん達は大丈夫なんでしょか?」

 

「問題無いとは思うがな……何かあってからでは遅いのも事実だ。今はとにかく急ぐ事を優先するぞ」

 

「そうですね」

 

 流れる景色を他所に今はただ目的地へと駆け抜ける。途中幾つかの小型種が出たものの、リンドウとシエルは全てを一刀の元に斬捨てていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱりこうなったか。カノンさん、囲まれない様に注意して下さい!」

 

「分かりました!」

 

 エイジはカノンに指示しながらも、予測した通りの展開に内心呆れかえっていた。こうまでヤクシャが居る中で時折ヤクシャ・ラージャが出没するとなれば、確実に1体だけでは収まらない。

 事前にカノンにも告げたからなのか、隠れながらにカノンに今後のプランを説明していた。

 

 

 

 

「カノンさん。恐らくはですが、あのヤクシャ・ラージャを討伐してもこのまま終わる可能性は低いです」

 

「そうなんですか?」

 

「あくまでも推論ですが、ヤクシャ・ラージャが仮に1体だった場合、こんなランダムに出るはずが無いですし、ひょっとしたらこれを皮切りに一気に出てくる可能性も否定出来ません。こちらとしては乱戦は避けたいんですが……もしそうなれば、カノンさんのフォローが確実に出来なくなります」

 

 エイジの言葉にカノンは思わず唾を無意識の内に飲みこんでいた。ここまでは自分の神機の火力だけでなくポジショニングの効果もあってか、お互いが無傷に近いままに討伐を繰り返していた。

 しかし、時折現れるヤクシャ・ラージャがその王道に待ったをかけていた。ヤクシャの様に銃撃だけで攻撃するのではなく、自身の鋭い爪を持って至近距離まで迫ると同時に繰り出す爪は危険な刃そのものだった。

 接近されればカノンは自身の身を護る術はどこにも無い。

 仮に1体だけならば何とでも出来るが、万が一複数のヤクシャ・ラージャが出た場合、どうしようも出来ない可能性だけが残されている。

 そんなギリギリに近い状態の中からフォローとなれば、何かを犠牲にする必要が出てくる。そこから先の末路がどうなるのかは考えるまでも無かった。

 

 

「もちろん単独でって訳じゃないです。ただ、さっきまでのフォローが厳しくなりますので」

 

 エイジの言葉にカノンは理解したからなのか、頷く事しか出来なかった。

 このままここに隠れ、リンドウ達を待つ事も出来ない訳では無い。幾らエイジの戦闘能力があるとは言え、油断できない事実は何も変わらなかった。

 

 

「分かりました。私も出来る限りの事をやりますので、エイジさんも自分の事を優先して下さい」

 

 既にカノンの気持ちが固まったからなのか、先程とは違い目に力が入っている。気が付けがこちらに気が付いた訳では無かったが、ヤクシャ・ラージャはこちらへとゆっくりと向かっていた。

 

 

「取敢えずはあれを討伐するしかないです。カノンさん、さっきと同じ様にやりますので」

 

「はい。分かりました」

 

 カノンの返事を聞く事無くエイジは向かってくるヤクシャ・ラージャに向かって疾駆していた。

 元々索敵能力が高いからなのか、エイジを捕捉した瞬間、ヤクシャ・ラージャは同じく巨体をもろともせずに走り出す。エイジは神機を構え迎撃態勢に入ったからなのか、そのまま漆黒の刃をちらつかせながら走る勢いが衰える事は無かった。

 ヤクシャ・ラージャは自身の爪でエイジの身体を引き裂かんと腰の位置から一気に振り切る。一方のエイジは刃を下段の状態にしながら迫り来る爪を攻撃するつもりなのか、お互いの刃が一瞬にして交差していた。

 

 

 

 

 

「カノンさん!」

 

「はい!」

 

 エイジの言葉にカノンは、ほぼ無意識の状態のまま引鉄を引いていた。

 先程交差した刃の結果は見るまでも無かった。ヤクシャ・ラージャの鋭い爪は既に腕から完全に分離していた。

 中段の高さで横殴りに近かったからなのか、切断された爪はそのままエイジの遥か後方へと飛んでいく。漆黒の刃は溶けたバターでも切るかの様にそのまま胴体へと食い込ませていた。

 脇腹を切裂かれた事によってそれまで突進していたヤクシャ・ラージャは改めて足を止める。止まった瞬間待ち構えていたのはカノンが所有するスヴェンガーリーの銃口だった。

 

 ブラスト特有の大口径から放たれる銃弾はヤクシャ・ラージャの胴体を狙っている。

 幾ら誤射率が高いカノンとしても、至近距離からの一撃は外す要素がどこにも無い。

 確実にその命を奪う銃撃だった。通常のヤクシャであれば確実に胴体に大きな風穴が空いたのは間違い無い。しかしヤクシャの上位種だからなのか、腹の一部が抉られながらもまだ命を奪うまでには至らなかった。

 本来であれば至近距離からの銃撃は大きな隙が出来る。カノンもまた同じ道を辿るはずだった。

 既に斬り飛ばされたからなのかヤクシャ・ラージャは砲身が付いている右腕でカノンを殴り飛ばそうと丸太の様な腕を一気に振り下ろす。迫り来る瞬間、カノンは思わず目を瞑っていた。

 

 

「あ……れ…」

 

 丸太の様な腕が直撃するかと思われた瞬間、先程と同じ光景が再びカノンの目の前で繰り返されていた。本来でれば、そこにあるはずの砲身を保有する腕は同じく斬り飛ばされたからなのか、既にカノンに当たる事は無かった。

 完全に攻撃の手段を失った事でカノンに直撃する事無く空を切る。気が付けば頭頂から股下まで一本の筋が入っている。既に終わったからなのか、エイジはヤクシャ・ラージャの向こう側で血を振り払うかの様に刃を振っていた。その瞬間、ヤクシャ・ラージャの躯体が中心から左右に離れていく。

 一刀両断の剣閃は鋭さが優先されたからのか、お互いの胴体が地面に倒れ込んだ瞬間、血が噴き出していた。

 

 

「助かりました」

 

「それよりも、やっぱり予想が当たったみたいです」

 

 喜んだのは束の間だった。先程の戦闘音によって新たなヤクシャ・ラージャの姿が3体見える。既にこちらを捕捉したからなのか、迷う事無くこちらへと向かっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エイジがですか?」

 

《はい。恐らくは大丈夫だろうとは思いますが、現在ビーコン反応が途切れ気味なので詳細が分からない状態です。バイタル情報そのものは特に問題は無い様です。既にリンドウさんとシエルさんも移動を開始してますが、念の為にアリサさんにも連絡をとサクヤさんから指示がありました》

 

 ウララからの通信にアリサもまた驚いていた。

 バイタル情報に問題が無いのは良い事かもしれないが、ビーコン反応が途切れると言うのは、これまでに経験が少なかった。

 ジャミングされていれば可能性は高いが、移動しながらアリサに届く内容にコクーメイデンの姿は確認されていない。余程の特殊な事情が無い限り、あり得ない事実にアリサだけでなく、その場に居たソーマもまた同じく移動を開始していた。

 

 

「ソーマ。こんな事ってあり得るんですか?」

 

「可能性だけ考えればあり得ないとは言い切れない。ただ、本来ではこんなケースに出くわすのは早々無いな。だが……」

 

 シープを運転しながらも、ソーマはこれまでに見た書類や本の内容を思い出していた。

 かなり前の記録だったからなのか、明確には思い出せないが、何かが確実に引っかかっていた。

 

 

「何か知ってる事あるんですか」

 

「……完全に思い出した訳じゃない。ただ、以前にもこんなケースがあったと言う文献かレポートを見た記憶があっただけだ」

 

「それってどんな物なんです!」

 

 運転するソーマの言葉にアリサは思わずソーマの肩を掴んでいた。内心、焦りを生んでいるからなのか、握られた箇所は大きな皺が出来ている。

 これがソーマだったから運転に問題は無かったが、コウタであれば確実にハンドルはとられている程だった。

 

 

「少し落ち着け。このままだと向こうに着く前に俺達が回収対象になる。確か記憶だと、以前誰かが交戦した際にも同じ様な現象が起きたらしいんだが、その時もジャミングはされていたが、アラガミの仕業じゃなかったと書かれていた記憶がある」

 

「そんな事ってありえるんですか?」

 

「具体的には戦闘中の話だから検証のしようが無い。だが、あの場所ならジャミングされると言うよりも、特殊な磁場を形成する可能性は高いだろうな」

 

 ソーマの自己完結に近い話にアリサとしては何をどう理解すれば良いのか判断に苦しんでいた。

 確かにエイジの力量であればそれなりに囲まれても脱出する事は可能だろうし、逆に討伐する可能性も高い。だが、あくまでも単独の場合が付いていた。

 今回はツーマンセルで任務に入っている事は移動中の情報から知っている。しかし、相手がカノンである事から話は別問題となっていた。

 誤射の様な話ではなく、純粋に神機との相性の問題だった。乱戦になればなるほど第1世代の遠距離型ゴッドイーターは苦戦を強いられる事になる。

 元々後衛でもあるそれが前衛になるには相当な回避技術を身に付けるか、それともその前に倒しきるかのどちらかしなない。

 小型種程度であれば後者の考えは可能だが、今回のそれには当てはまるとは思えなかった。当然エイジの性格を感がれば見捨てる様な真似はしないはず。だとすれば乱戦は厳しい状況に陥っているとかんがえるのは妥当だった。答の無い疑問の解決に、アリサの表情は徐々に険しくなっていく。今出来る事が何も無いからなのか、ただソーマの隣に座る以外に選択肢は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 乱戦が既に既定路線だったからなのか、エイジだけでなく、カノンもまたお互いの攻撃が干渉しない様に一定以上の距離を取りながら目の前に対峙するヤクシャ・ラージャと戦っていた。

 鋭い爪だけでなく、地面に砲撃を叩きつける攻撃はヤクシャの様に、自身の目の前だけに衝撃を与えるのではなく、もっと広範囲にまで衝撃を与えていた。

 地面に叩きつける攻撃は銃砲を使うのと同じ様に時間差はあるが、広範囲だからなのか、おいそれと近づく事は困難になっていた。元々カノンの神機でもあるスヴェンガーリーはブラストタイプ故に射程距離が短い事が特徴的だった為に近づくことすら厳しい状況が続く。そうなると広範囲に繰り出す攻撃と自身の射程距離が合致するからなのか、攻撃の回数は自然と少なくなっていた。その結果、火力の低下によって戦闘は徐々に長引いていた。

 

 

「カノンさんはまだ大丈夫ですか」

 

「私の事よりもエイジさんの方が……」

 

「僕の事は問題ありません。ですが、このままだとジリ貧なのも当然です。出来る事なら手練れがあと一人居れば何とか出来そうです」

 

 エイジの言葉にカノンはそれ以上の言葉が見当たらなかった。

 ヤクシャ・ラージャ3体の攻撃はどこか連携じみた動きを見せるからなのか、1体だけ討伐した先程に比べれば、難易度は格段に上昇していた。

 幾らエイジと言えど、連携された攻撃を完全に凌いでからの攻撃は完全に自分の間合いから離れた物だった。

 肉的な損傷はないが、カノンのフォローをしながらの攻撃は精神を確実に蝕んでいく。リンドウ達はここがどこなのかを完全ん把握しているのであれば、本来ならば4人での討伐となっている。しかしジャミングの影響は想像を絶する程に厳しい物となっているからのか、援軍としての存在を当てにする事は出来なかった。

 

 

「ですが、このままと言うのも……」

 

「一度息を整えてからにしましょう。カノンさん。後どれ位撃てますか?」

 

 息を整えながらもエイジは現状把握を優先していた。

 現時点で援軍を当てにする事が出来ない以上、補給が出来無い為に手持ちの物だけでやり過ごすしか出来ない。

 自分はまだ良いが、カノンの場合はそれが深刻な状態に陥る可能性が高いと判断した結果だった。時間と共に呼吸を整え状況を確認する。未だ通信が届かないからなのか、エイジの耳朶にはノイズ音だけが響いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「サクヤさん!現地にこれまで観測されなかった強烈な磁場と異様な偏食場パルスが確認されています」

 

「どの程度のレベルなの?」

 

「現時点で確認出来るのは今エイジさん達を中心に拡がりつつあります。状況が分から無い為にこれ以上の事は分かりませんが、最悪は神機にも影響が出るかもしれません」

 

 異変に最初に気が付いたのはヒバリだった。既にジャミングを受けてからそれなりの時間が経過しているが、エイジ達だけでなくリンドウ達とも連絡が取れない状況が続いていた。

 時折ジミングが緩むからなのか、僅かに通信回線が開くも戦闘音だけを察知する程度に終わっている。

 言葉の端々からはまだ生存確認が取れているが、状況が一切判断出来ない。ヒバリは現地の地図を出しながらも今後拡大する可能性が高いからとシミュレーションを開始している。既に拡大を続ける異様な偏食場パルスと磁場は、神機にも何らかの影響を及ぼす可能性が高い。

 既にミッションの帰投時間を大幅に越えているからなのか、目的地まで移動しているソーマとアリサに連絡を取る以外に何も出来なかった。

 

 

「ソーマ、聞こえる?今現地には異様な偏食場パルスと磁場が形成されているの。ここからの確認が出来ないからそっちにお願いするしかないわ」

 

《了解した。だが、少しだけ確認したい。そっちからは確認が出来ないのは間違い無いな?》

 

「そうよ。ここからはビーコン反応はほぼ確認出来ない。だから現地に行く必要性が高いの」

 

《念の為だが、周辺地域のデータは確認出来るか?》

 

「ええ」

 

 ソーマはサクヤとの通信の中で、何かを閃いたからなのか、思わず確認していた。

 これまでに得た情報を一つづつ整理していく。今回突発的に発生した内容と過去の履歴から何かを導きだそうとしたからなのか、サクヤのとの通信のはずが、やけに静かに感じられてた。

 

 

「これは一つの可能性である事を前提に考えてくれ。今はそれが正しいのかすら判断出来ん。それを常に意識してくれ」

 

 何かを思いついたからなのか、これまで沈黙続けたソーマの推測はこれまでに無いとせ思う物でもあった。

 しかし、現実はソーマの言葉に信憑性だけを積んでいく。最後の意見を言い終えてからは誰もが呆けているのかと思う程だった。

 

「ソーマ。それは可能なんですか?」

 

「だから言ってだろう。あくまでも可能性に過ぎないんだ」

 

 隣にいたアリサも疑問をソーマにぶつけていた。可能性は否定できないからなのか、言葉に力が籠っていない。

 今出来るのは一刻も早い現地への到着。だからなのか、細かい事を一旦無視するしか無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カノンさん!」

 

 エイジの声が怒声混じりなのか、何時もとは違った声が響いていた。

 これまで善戦していたものの、遂にカノンがヤクシャ・ラージャの攻撃に捕まっていた。

 ギリギリまで回避した為に致命傷にはまだ遠い。しかし今の一撃がこれまで何とか保つ事が出来た調和が崩れた様にも思えていた。

 銃砲を見に付けた腕だったからなのか、カノンは周囲の壁に激突し肺に入っていた空気が衝撃で全部抜けていく。強烈なダメージだったからなのかカノンはそのまま倒れる事しか出来なかった。

 

 一方のエイジもまた目の前に居るヤクシャ・ラージャの攻撃を開始しながら反撃を続けている。完全にカノンから意識が無くなったのは時間にして僅か数十秒の事だった。

 エイジの目に映るのは追撃とばかりにカノンに爪を振るおうとする一つの躯体だけ。既に動く事すら出来ないのか、カノンはその場から動く事は出来なかった。このまま見ているだけなのか、振り下ろそうと爪がカノンの胴体の部分へと一気に迫る。その瞬間、聞こえたのは何かが斬られた様な音だった。

 

 

「えっ…………」

 

 カノンは目の前で起こった現象に理解が追い付かないからなのか、声すらまともに出る事は無かった。

 目の前に迫ったはずの爪はカノンの手前とも言える距離で停止している。それは爪だけでは無かった。ヤクシャ・ラージャの肩口からはここにあるはずの無い鋸状の刃が背中から前に向かって袈裟懸け共取れる勢いで斬り裂かれたままだった。

 ここに援軍が来るのであればエイジが真っ先に気が付くはず。となれば、これが一体何なのか想像出来なかった。禍々しい刃はそのまま肩口から引き抜かれた事によって血が噴出している。

 ゆっくりと倒れた先に居たのは同じくヤクシャに似たアラガミ。ヤクシャ・ティーヴラが立っていた。

 

 

「カノンさん!直ぐに退避!」

 

「は、はい!」

 

 エイジの言葉に我に返ったからなのか、カノンは直ぐに隣にあったスヴェンガーリーを片手に一気に距離を取っていた。

 爪だった箇所に鋸状の刃を持つ神融種。既に臨戦態勢に入っているからなのか、アラガミは既に活性化を果たしていた。

 腕に取りついている銃砲からは炎が漏れていると錯覚するかの様に大気が揺らいでいる。この時点で漸くこのジャミングの発生源を唐突に理解していた。

 元々ここでの戦闘は初てではない。どれ程長時間戦っても暑さを感じる事は無かった。しかし、時間が迫るからなのか今回に限ってはやたらと暑さを感じていた。

 戦闘中の為に詳細を知る事は出来ない。だとすれば今回の一連のアラガミは全てこのヤクシャ・テイーヴラが直接の原因である可能性が高いままだった。

 仲間を殺されたからなのか、エイジと対峙したヤクシャ・ラージャは狙いを変更している。事実上の同種の戦いの隙を狙ってエイジはカノンの下へと移動していた。

 

 

「一体どうなってるんですか?」

 

「詳しい事は何も分からない。ただ、あのヤクシャ・ティーヴラからは禍々しさを感じるよ」

 

 まるでエイジに関心すら無いと言わんばかりに2体のヤクシャ・ラージャは現れたヤクシャ・ティーヴラへと肉迫していた。

 同種のアラガミが対峙する光景は一見すれば多く感じるが、実際いはそんなケースはレアだった。

 既に斬捨てた1体は霧散したからなのか、地面にその躯体を沈めていく。残しった2体との戦闘を眺めながらもゆっくりと自分達の優位な場所へと移動を開始していた。

 

 

 


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