神喰い達の後日譚   作:無為の極

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第105話(幕外) 酒の勢い

 教導と言う名の実戦はこれまでアラガミと対峙し、生き残ってきた側からすればかなり理不尽だと言える内容だった。

 こちらは神機のモックだが、教官は槍の様な物を持っているだけ。しかも、右腕には本来あるべきはずのそれが装着されていなかった。

 誰もが最初に思うのは、『本当に大丈夫なのか』だった。これは心配するよりも、寧ろ嘲笑の意味合いの方が多かった。

 しかし、いざ始まるとそんな考えは直ぐに記憶から消え去っていた。余程集中しなければ見えない穂先は常にこちらの攻撃の起点を潰される。

 単純に潰れるだけであれば問題視する事は無いが、実際にはそれすらも意識を刈り取る一撃となっていた。

 一呼吸で受ける衝撃は最低でも3発。しかも全てが人体の急所の部分を狙っている為に、肉体的に強靭だと言われるゴッドイーターでさえも、すぐに意識が刈り取られていた。

 

 気が付けばそれ程地面に叩きのめされたのかすら分からない。にも拘わらず、教官は息が切れた様には見えなかった。

 それと同時に一つの事実が浮かび上がる。この教導をクリアして初めて曹長になれるかもしれない資格が手に入ったに過ぎない事実に男は内心冷や汗をかいたままだった。

 そんな思いをしたにも拘わらず、男は色々な意味で打たれ強かった。まるで何事も無かったかの様にラウンジに顔を出している。既に時間は遅かったからなのか、既にバータイムとなっていた。

 

 

「よう。どうやらここの洗礼を浴びたみたいだな」

 

「あんたは…誰だ?」

 

「おっと自己紹介がまだだったな。俺の名は真壁ハルオミ。ここの第4部隊長をしてる」

 

「そうか、俺は…アランだ。少し前にイタリア支部からこっちに来てる」

 

「イタリア……って事はここには研修か?」

 

「まぁ、そんな所だ。クレイドルの試験は流石に無理があるからな」

 

 そう言いながらアランと名乗った男はハルオミが隣に座ったのを確認したからなのか、そのまま目の前の弥生に注文をしていた。

 極東支部では最近になってアルコールの種類が格段に多くなっていた。

 元々未成年が多かった頃はそれ程でもなかったが、最近になってからは他の支部からの流入もあって、その酒類は以前の倍にまで膨れ上がっていた。

 注文と同時に弥生は手慣れた手つきで琥珀色の液体をトクトクと音を立てながらグラスへと注ぐ。丸くなった氷が先程まで常温だったそれを冷やしていた。

 

 

「クレイドルはそんなに厳しいのか?少なくとも俺の目にはそうは思わなかったが」

 

「それはそっちがここの人間だからだ。俺らからすればここは異常なんだよ。

 実際に任務に出ればすぐに2人が捕喰された。それも救ったのはクレイドルの人間なんだ。さっきまで教導に行っていたが、あれもヤバい。となれば俺には厳しいと判断したんだよ」

 

 アランが言う様にここに来てからの一日はかなり濃い物だった。

 討伐直後に乱入されただけでなく、そのアラガミがまるでこちらの都合など知らないとばかりに立て続けに2人を捕喰していた。

 アランだけでないが、少なくとも極東以外の戦場で乱入されるケースは殆ど無い。単純にアラガミの数が違うのか、それとも質が違うのかは分からない。それなりに実力があったはずのゴッドイーターが、ただ殉職した事実だけが重くのしかかっていた。

 

 

「まぁ、色々と思う所はあると思うが、ここは極東だ。生きてる事に感謝すれば良いんじゃないか?」

 

「……そう言われればそうだな」

 

 ハルオミの言葉にアランもまた同じ事を考えていたからなのか、既に重苦しい雰囲気は無くなっていた。

 極東に限った話ではないが、常に生きて帰る事が出来れば御の字である。普段はギルかリンドウ位しかバータイムで一緒になる人間が居ないからなのか、ハルオミとアランは珍しく意気投合していた。

 普段であれば頼まない様な品を次々と頼んでいく。

 本来であれば弥生は止めるのが筋かもしれないが、バータイムで語り合う人間を止めるのは無粋だと感じたからなのか、周囲の状況を見ながらも幾つものアルコールを提供していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかしよ。ここは皆レベルが高いよな」

 

「レベル?何のだ?」

 

 通常であればゴッドイーターの代謝能力を考えると余程の事が無い限り泥酔するケースは少なかった。

 アルコールに弱い体質であればある意味仕方ないが、ハルオミやアランの飲み方はある意味ではスマートだった。

 酒の席だからと荒ぶる事も無ければ説教じみた事も言わない。本来であればそれなりに理性がある証拠でもあった。

 しかし、一定量以上の酒量に差し掛かると、少しづつ状況は変わり出す。泥酔まではいかないが、ポロポロと感情が漏れるようになっていた。

 

 

「おう。戦闘もだけど、女のレベルが高いんだ。俺が助けられたのも……確か…クレイドルの制服着てたんだ」

 

「……ああ、アリサの事か……確かに色々とレベルは高いな」

 

「だろ?俺、見惚れちゃったよ。あの娘クラスだと付き合ってる恋人も居るんだろうな……」

 

 完全に酔っぱらった男の会話だった。それと同時に話題はアリサへと向かっている。既に弥生の事を完全に忘れているかの様な会話はそのまま続いていた。

 

 

「恋人……んなもん居ないぞ」

 

「マジでか?」

 

「ああ。恋人はいない……」

 

 ハルオミの言葉にアランは少しだけ驚いた表情を見せていた。

 戦闘中は気が付かなかったが、帰投の際に見たアリサはある意味では突き抜けた部分が多分にあった。

 純白の制服に負けないくらいに肌が白く、その四肢もまたスラッとして無駄な肉は見当たらなかった。唯一ついてるとすればその豊満とも取れる双丘だけ。寧ろ、その存在は制服を扇情的な物へと変えていた。

 肌も肌理が細かく、化粧は殆どしていないが健康的な色気があった。髪もその存在を十分に示す様に艶が溢れている。

 少なくともアランの目から見ても、これまでに出会った女性の中では上位にランク付け誰る程だった。そんなアリサに恋人が居ない。その一言がアランの持つ気質を火を点けていた。

 

 

「なぁ、ハルオミ。本当にいないのか?嘘じゃないんだよな」

 

「ああ、恋人は確かにいない…………」

 

 アランの言葉にハルオミはかろうじて会話が出来る程の状態だった。これがもう少し理性が残っていればアリサは人妻だがと言えたが、完全に意識が混濁し始めている為に、肝心の言葉までが言い切れない。

 ここで弥生の表情を見れば多少の反応もしたのかもしれないが、生憎とその表情を見る間もなく撃沈していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは………」

 

「ハルさん。昨日は飲みすぎっすよ。最初はどうしたのかと思ったんで」

 

 昨日の事など既に記憶にすら残ってなかったのか、ハルオミが目を覚ますと、そこは自室の天井だった。

 記憶が正しければずっとラウンジで飲んでいた記憶しかない。しかし、時間の経過と共に状況確認の為に来たギルの言葉で漸く状況が呑み込めていた。

 ゴッドイーターが故の代謝の良さに二日酔いは無い。そうは言うものの、無意識のうちに身体は水分と欲していた。

 渡された水を一気に飲み干す。昨晩の記憶が少しだけ飛んでいるものの、目覚めはそれ程悪くはなかった。

 

 

「ああ。ちょっと盛り上がったみたいでな。すっかり意気投合したみたいだ」

 

「でしょうね。やんわりと聞いたら結構な本数を開けた見たいですしね」

 

 未だ理解していないのか、ハルオミは昨晩の状況をまるっきり覚えていなかった。半ば呆れた様にギルが明細を出す。

 当初はぼんやりとみていたが、桁が違ったのか、想定外の金額に夢現な状況から一気に現実を見せられていた。

 以前にギルが払った費用を軽く超えている。先程までのスムーズな目覚めから一転して、ハルオミは少しだけ青褪めた表情を浮かべていた。

 

 

「……まさか、こんなに呑んだってのか?」

 

「弥生さんが嘘つく必要無いじゃないですか」

 

「確かに……いや。そうなんだけど、まさかこれ程の物を無意識に頼んだのかと思うと……な」

 

 ハルオミの表情が一気に変化したのはギルにも直ぐに分かっていた。

 以前ギルが払った際には、その殆どがボトルキープだった事もあり、その後は少し落ち着いた状況でじっくりと味わう事が出来ていた。

 しかし、今回の明細にはキープした事は何一つ記載されていない。確実に全部を開けた事だけは間違いなかった。

 本来であれば流し込む様な飲み方をする代物ではない。しかし、ギルは自分が支払う物では無いからなのか、その明細を見た所で感慨深さは微塵も無かった。

 

 

「ですが、飲んだ以上は仕方ないんじゃないです?」

 

「そう言いたいんだけど……しゃぁない。少しばかり強行軍になるが、一稼ぎするか。ギル、悪いけどこれから頼むぞ」

 

「ハルさん。少しは自重した方が良いんじゃないですか」

 

「まぁ、それは追々とだな」

 

 無意識とは言え、流し込んで飲む様な酒ではないものを易々と飲む人間は酒を造る側すれば冒涜に等しい。既にやらかした事実は戻す事も出来ない為にハルオミは気持ちを切り替えていた。

 手始めにラウンジでエネルギー補給とばかりに朝食を食べるべくラウンジへと足を運ぶ。そこは昨日は大きく違いどこか健康的な空気が漂っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カノン!これで決めろ」

 

「は、はい!分かりました」

 

 ハルオミからのリンクバーストがカノンに向けて三度向けられていた。

 既に時間はそれなりに経過したからなのか、ボルグ・カムランは事実上の満身創痍に近い。

 既に足の一部と攻撃の要でもある尾の部分は結合崩壊とともに喪失している。リンクバーストの恩恵はそのままカノンのスヴェンガーリーにはこれまでに無い程にオラクルが充填されていた。神機だけでなく、カノンもまたリンクバーストの恩恵を受け、これまで以上にオラクルが活性化しているのを肌で感じ取っていた。

 十分に受けた恩恵は余すことなく活性化したそれを神機へと注ぎ込む。既にハルオミだけでなく、ギルもまた射線上から退避している。カノンの目の前には障害物は無かった。

 

 

「これで終わりです!」

 

 力む事無くスヴェンガーリーの引鉄は引かれていた。

 ボルグ・カムランを象徴するかの様な特大の針は光を帯びながら一直線に飛んでいる。

 幾ら誤射が頻繁にあるとは言え、今回の様に遮蔽物が無ければ誤射の余地は何処にも無かった。

 巨大な針は既にボルグ・カムランが退避するだけの時間を奪ったからなのか、回避行動には至れなかった。

 それと同時に最後の抵抗とばかりに盾を展開する。これがまだ戦闘直前であれば防げたのかもしれない。しかし、カノンが放ったそれはそんなボルグ・カムランの思いを粉微塵に粉砕していた。

 高濃度のエネルギが盾を一気に崩壊させる。既に自身の護る術を失ったボルグカムランはそのままひっくり返る様に大地にその体躯を叩きつけられていた。

 

 

「お~やったな。これで終わりみたいだな」

 

「はい!私……遂にやりました」

 

「お疲れさんでした」

 

 カノンのはしゃぐ声が戦場に響く。厳しかった戦いはここで終止符を打っていた。

 

 

 

 

 

「そう言えば、昨晩は誰と呑んでたんです?」

 

「ああ。実はな……」

 

 既に他の乱入の可能性は無いと判断したからなのか、ギルは思い出したかの様に昨晩の事をハルオミに確認していた。

 基本的に呑める人間はアナグラにはそれほど居ない。平均年齢が低い事も去る事ながら、それ以外では弥生くらいしか付き合える人間が居なかった。

 ここには居ないがツバキもそれなりに飲む。しかし、ハルオミが一緒に飲めるのかと言えば否としか言えなかった。

 そんな状況でのあの量は宴会レベルに匹敵する。それ程重要だとは思わなかったものの、それでも多少なりとも気になったのは事実だった。

 

 そんな中、偶然居合わせたイタリア支部から派遣されたアランという人物が浮かび上がっていた。

 ハルオミは気が付いていないが、話を聞けば聞く程何となくハルオミに近い性格の様にもギルは感じていた。

 これまでの経験からすれば碌な目に遭わない可能性が高い。そう感じたからなのか、ギルはそれ以上の事を聞く事は無かった。

 

 

「ハルさん。先に言っておきますけど、何かあっても俺は庇えませんよ」

 

「ちょっと待てよ。それ、どう関係があるんだ?」

 

 ギルの突然の言葉にハルオミは思わず狼狽していた。元々話の流れで言っただけのはずが、気が付けばギルの視線は冷たい物に変わっている。

 流石にハルオミとしてもそれが何を意味するのかは何となく理解していた。しかし、それがどんな結果をもたらすのかが判断できない。だからなのか、ハルオミもまた、失った記憶と取り戻そうと必死になっていた。

 

 

「あの……ハルさん。どうかしたんですか?」

 

「いや。大した事じゃない。カノンさんが心配する様な事は無いはずなんで」

 

「そうですか。周囲の探索は終わりましたから、後は帰投するだけですね」

 

 ハルオミがおかしいのは何時もの事だからなのか、カノンはギルの言葉をそのまま鵜呑みにしていた。

 素直な部分はあるが、ブラッドが来てからのハルオミは少しだけ変な行動を取る事が多々ある事は何となく理解している。『触らぬ神に祟りなし』そう考えたからなのか、ヘリに搭乗しても何時もの様子が崩れる事は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあ、アリサ。仕事は大変そうだね」

 

「ええ。でも、最近は前りも仕事量は少なくなりましたから、楽にはなりましたよ」

 

「へぇ。そんなにクレイドルの仕事は大変なのかい?」

 

「仕事だけ見れば大変だと感じる部分は多いかもしれませんね。ですが、これは私達が同じ方向を向いてやっている事なので苦にはならないかもしれませんね」

 

 ここ最近、アリサは特定の男性から割と声を掛けられる事が多くなっていた。

 その最たる者がイタリア支部から一時的に来ているアランの存在だった。

 元々アリサは人の好き嫌いはあまり持たない事が多い。サテライトの件で世間と言う物に触れる機会が多いからなのか、今でも厳しい意見を言われる事はあるが、それはあくまでも個人の価値観であり、それが今後の参考になる可能性を秘めている。

 クレームと言えばそうなのかもしれない。しかし、それもまた当然だと考えているからなのか、以前よりも忌避感は少なくなっていた。

 

 そんな中で、最近イタリア支部から来たアランはアリサに対し話かける光景を見る機会が多かった。アリサ自身がラウンジで仕事をする機会が多いのが一番ではあるが、やはり目立つからと言うのも理由の一つだった。

 アリサの個人的背景を何も知らなければ目を奪われる機会は多い。しかし、その瞬間誰もがそれ以上踏み込む事はなかった。

 一番の理由は左手薬指に嵌っている指輪の存在。誰もがそれを見たからなのか、それ以上踏み込んだ話をする事は無かった。

 実際にクレイドルと派遣された人間の接点は限りなく無に近い。

 常にアラガミの出動だけを注視するのとは違い、クライドルはサテライトの関連する事や、新たな人材の調整をする事が最近になって格段に多くなっていた。

 只でさえ話す機会が少ない所に追い打ちをかける。そんな中でのアランの行動はアリサを良く知っっている人間や、何も知らない人間からしてもある意味では脅威だった。

 

 

「でも、偶には休息も必要だと思うぜ」

 

「そうですね。確かに休息は必要かもしれないですね。でも、最近はそのあたりも旨く調整してますから」

 

「そう。時間があるなら休憩がてらここの外部居住区なんか教えてほしいね。来たばかりで詳しい事は何も分からないんだ」

 

「そうですね。機会があれば……と言う事で」

 

 ニッコリと言う言葉が似合うかの様なアリサの笑顔にアランもそれ以上踏み込む事は出来なかった。

 まだ初対面に近い状況下であり、その指輪も虫よけのはず。だからこそ、ゆっくりと親しくなるべきだ。アランはこれまでの経験でそれを学んでいた。

 だからこそ、その引き際も見極めている。アリサもまた初対面で親しくなる女性ではない。それがアランのイメージだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの……大丈夫なんですかね?」

 

「大丈夫って?」

 

「ほら、最近、アリサさんの周りにアランさんがよく話かけてる事が多いので……」

 

「う~ん。アリサさんの事だから気にする必要は無いと思うんだけど」

 

「でも、結構しつこい様にも見えますけど……」

 

 どこか歯切れの悪い言い方ではあったが、第1部隊のエリナは少しだけ不快感を持っていた。

 しかし、エリナの周囲でこんな事を話す事が出来るのはマルグリット位。コウタに聞いた所で何となく茶化されると思ったからなのか、ミッションの帰投の際に思い切って確認していた。

 

 

「最近は忙しいみたいだけど、近々解消されると思うけどね」

 

「でも、エイジさんはここには居ませんし……」

 

「コウタの話だと、そろそろ入植も落ち着く見たいだから時間の問題じゃないかな」

 

「そうなんですか」

 

「詳しい日程はまでは分からないみたいだけどね」

 

 マルグリットの言葉にエリナは少しだけ機嫌が戻っていた。

 第1部隊は各支部からの派遣を一番に受ける事が多い。そうなると色々な意味でその負担が一気に押しかかっていた。

 一番の違いはお互いの力量のミスマッチから始まる情報の齟齬。

 

 当初は階級を先に見ていた為に、いざ実戦で使えないゴッドイーターがこれまでに多数存在していた。

 ここに来る人間の大半は曹長以上の為に、実際にはどれ程の力量があるのかエリナには分からなかった。

 元々曹長と一言で言っても幅はかなり広い。限りなく上等兵に近いケースもあれば、尉官級に近い人間も多数存在している。その結果、現場がかなり混乱していた。

 事前に通達された内容と、実際に見た内容に大きな齟齬があった場合、本人だけでなく周囲にも問題をまき散らす可能性がある。

 そんな過去の経験をしているからなのか、エリナは無意識のうちにアランに視線を動かす。

 これまでにエリナが聞いた話ではアランの実力は極東支部の中でも上位に近い物がある事は聞いていた。直接見た訳ではないが、マルグリットの話だと、ナオヤが教導教官の際にも違和感なく動いている事は聞いている。

 これが他の支部のゴッドイーターの考えならば実力を重視すれば多少の人間性には目を瞑る必要があったが、ここは極東支部。少なくとも上位の人間に誰もそんな考えを持つ者が居ないからなのか、少なくともエリナの中でアランの評価は最底辺に近い物があった。

 

 

 


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