仮面ライダーリュウガ 〜暗黒を纏いし黒騎士〜   作:人類種の天敵

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悪夢

 

 

薄暗い部屋のベットの上、部屋の主人である龍賀アギトはふと目を覚ました。

 

「………」

 

闇の中もぞもぞと上半身だけを起こし、周りを見るも、薄暗い部屋の中では何があるのか分からない。

電気を付けるか……そう思い、部屋の明かりを付けると、アギトの目の前に誰かいた。

 

「アラ起きたのね?アギトちゃん♡」

 

「ぶっ……!お、お前は…!!」

 

残忍な性格の仮面ライダーにして犯罪者、浅倉威?だ。

彼はヘビ柄のエプロンを着ている、その下には何も着ていない、浅倉威の浅倉威による誰得の裸エプロンだった。

 

「イヤン、そんなにじっくり見ちゃやーよ?」

 

「オエッ……」

 

気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。

 

アギトは体の不調を感じて体を丸める。

恐らく浅倉威?の投げキッス(SHOOT VENT)を喰らったせいだろう。

 

「さて、と。ウフッ、アギトちゃんの看病開始♪下々まで、寧ろ下のお世話だけするわよぉ〜♡」

 

「やぁぁめろおおおおおおおオエエエ」

 

ジリジリと躙り寄る裸エプロン威。

狂った様に叫びベットから逃げ出そうと身体に力を込めるが、倦怠感を感じる身体は脳からの指令に反してピクリとも動こうとしない。

歯を食いしばり踠き足掻くが、結局アギトは浅倉威にだいしゅきホールドされてしまった。

 

「オエエエっ、ゥゥァァァァァ!?オエッオブェ、オエエエエ」

 

「あ、もう。アギトちゃんったら!タケ子プンプンしちゃうワ」

 

「やめて、やめ……オエッ。ほん…と、オエッ。ウブっ、オエエエエ」

 

元の口調が崩れているアギトと浅倉威。

そして判明した浅倉威おかまモード「タケ子」ちゃん。

 

「タケ子、アギトちゃんだぁーいすき。ウフッ♡」

 

「あががががが」

 

浅倉威の二重人格ーータケ子。

この害極まりない汚物が誕生した事実にはちゃんとした理由がある。

 

それには先ず、神崎兄が妹、優衣を救うことを諦めた影響で狂い始めた幾重にも重なるパラレルワールドから説明しなければならない。

 

当初こそ優衣のお願い通りに神崎士郎はTIME VENTで枝分かれした並行世界を管理し、全てテレビエンドに修正しようとしたが、別軸の世界線、つまりアギトが+aされた世界を見て考えを改める。

……いや、優衣を諦める決意を踏みとどまったと言うべきか。

 

 

 

《13人のライダーを集め、ライダーバトルという名の殺し合いをさせ、最後に生き残った純正の欲望を仮面ライダーオーディンに刈らせ、命の結晶を作り優衣に与える。》

 

これが今まで神崎士郎が続けて来た儀式だが、これには一つの重大な落とし穴が存在する。

 

それは、優衣が命を受け取る事を拒む為だ。

 

何千何万、いや、果てしなく無限の時を繰り返し、それでも尚優衣は命を受ける事を良しとしなかった。

どんな結末に向かおうと、優衣さんが受け取る事を拒否するのが当然のルートだった。

 

士郎は苦悩し、それでも尚儀式を続けていたが、優衣にとって13人、もしくはそれ以上の人間を殺し、殺され、生み出された命を受け取る事はどうしても神崎優衣という存在が許さなかったのだ。

 

だからこそ、当然のタイムリミット。

20になる時、神崎優衣が死ぬ事は必然であった。

それが正しいのだと、優衣は告げ、自らの死を受け入れた。

 

そして、その優衣の覚悟を士郎が受け入れた為に本史世界となるとテレビ版龍騎では、最終的にライダーバトルは起こる事はなく、本来ライダーバトルを通して出会うはずだったデッキの所有者達も接点も無いまま、ふとすれ違い、そのまま日常が続いて行く。

 

ーーのだが、パラレルワールド、並行世界、幾多にも絡み重なる世界線、いつしか本史世界から分離した分史世界が生み出され、そこに本来いないはずの人物が紛れ込む。

それが、そのイレギュラーの存在が、仮面ライダーリュウガの契約者である鏡像の城戸真司であり、リュウガを継いだイレギュラーが、龍賀アギトだ。

 

鏡像の城戸真司からデッキとドラグブラッガーを受け取った龍賀は本来の優しい性格のまま(今は表向き歪んだ性格)最強!残虐!無敵!恐怖!可愛い?ドラグブラッガーと自分の居場所の為にライダーバトルなんぞ知らん顔でミラーモンスターばかり狩り続け、湯水の如くドラグブラッガーの胃の中へエネルギーを注ぎ続けた結果、ドラグブラッガーの忠義心と言う名のデレ度がカンスト限界突破し、原理は士郎にも分からないがいつの間にか人型形態を得たドラグブラッガーが、ある日契約モンスターとして当然の義務とばかりにアギトとヤっちゃったのだ。

 

しかも路地裏で、アギトを赤ちゃんプレイで!

性の知識なんぞ「男の子はおてぃんてぃんが付いてて女の子は付いてない!」くらいしか知らないアギトはされるがままに致しちゃったのだ、嗚呼なんとも仕方ない。

 

 

 

ーーそして、アギトとドラグブラッガーの絶頂までの光景を角からジーと眺めていた士郎(ナズェミテルンディス!!)は神がかり的な閃きを得る。

 

それは、最も強い欲望を待つ命を使わずとも、ミラーモンスターのエネルギーと性交で得た生命エネルギーを合成したものならば優衣を生きながらえる事はできるのでは?という発想だ。

 

そしてそれを裏付けるかの様に勢い余って壁に飛び散ったアギトの生命エネルギーのサンプルと適当に狩ったミラーモンスターのエネルギーを合成すると、たった数時間分ではあるが、純粋な命の代わりになる事が発見された。

 

その事実に感動した士郎はテレビ版エンドもライダーバトルも強制終了して契約モンスターと直ちに性交しなさいとライダー達に御触れを出した。

その為に契約している各ミラーモンスターに人間形態を付加するバージョンアップも付け加えて……。

 

そうして今の今まで生きながらえている神崎優衣だが、その裏では契約者達の涙ぐましい努力の甲斐があってこそというのは、言うまでもないだろう。

 

例えばドラグレッダーがツンデレで暴力的過ぎて、息子を握り潰されそうになった挙句、出してまう瞬間に息子を捕らえられて今月分のノルマを未だに達成出来ていない城戸真司とか。

 

例えば超音波や薬その他エトセトラで幻覚を見せられて恋人とヤってるつもりがクーデレサイコのダークウィングとヤっちゃっててまんまとNTRされかけの秋山蓮とか。

 

例えばマグロ過ぎて萎えるマグナギガ相手に奮闘したが為に腰が逝っちゃった北岡秀一とか。

 

例えば女形態を良しとせずガチムチマッチョ状態で迫るメタルゲラス相手にお尻の処女をアッー!された芝浦淳とか。

 

例えばどう見てもロリな体型に背徳感を覚えつつあわや噛み千切られそうになったり、どう見てもロリな体型だからこそ通報されそうになったりと散々なAUとか。

 

例えばハーレム過ぎて1日で絞りカスになってしまい、腹上死の危険性が浮上してきた羨ま死そうな佐野満とか。

 

例えばエビルダイバーがドM過ぎて逆にお仕置きする事にハマってきた、「道を踏み外した」手塚海之とか。

 

例えば……浅倉威。

ネチネチネチネチと自分の息子を「小さ(笑)」「これでイクとか無理(笑)」「大丈夫?おっき出来る?(笑)」「不能(笑)」という数々の誹謗中傷を受けた浅倉威は、心に深い傷とインポテンツを負ってしまった。

 

そして、惨めな自分を隠す為、もう1人の自分を生み出した。

それが浅倉タケ子である(ドドーン!!)

 

身も(?)心も女である自分だから勃つとか無理だからという心に逃げ道を作った彼は、「威状態なら勝てるけどタケ子には勝てねえ」と他の契約者達に恐れられている事を、知らない。

 

 

「逃げちゃ、やーっヨ♡アギトちゃぁーん」

 

「アアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!??」

 

タケ子とエンカウントした場合、契約者達は即座に逃げろと言われている。

この時のタケ子、浅倉威は何度殴っても何度斬っても撃ってもゾンビの如く蘇り、死んでも致そうとしつこく追いかけてくるからだ。

 

反撃してこないが、何度でも蘇る。

 

攻撃こそしないものの、捕まったらアウツ。

 

浅倉タケ子は、契約者達に於ける恐怖の代名詞で知られているのだ……。

 

「アアアアアアアアアーーーーーー!!」

 

「アーギィートちゅわぁぁーーん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめろおおおおおおおおおおおおおおおお」

 

ガバッ!アギトは体を起こして叫んだ。

これ以上近づくな、死ね、死んでしまえ、と。

そしてアギトは遅まきながら、気付く。

近くに浅倉タケ子などいない事に。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ」

 

夢か……あまりにもおぞまし過ぎる、と荒い息を数度続けていると、他者の気配が。

 

「おろおろ。おろおろ」

 

ドラグブラッガーだ。

彼女は普段の鉄仮面のような表情が崩れていて、アギトを見つめて珍しくあたふたしている。

そんな彼女に気にするなと手を振りつつ、浅倉タケ子の姿を脳裏に浮かべてしまい、やっぱり側に来て欲しいと心の中で唱える。

 

「っ!ふんふん!」

 

テレパシーを受け取ったドラグブラッガーは鼻息を荒くしてささっとベットの中にまで潜り込み、アギトを優しく抱き締めた。

柔らかい抱擁を感じながら、アギトは夢の中のタケ子の感触を上書きして行く。

 

「あら、やっと起きたようね」

 

「誰だ?」

 

ムニムニとドラグブラッガーの胸を揉みながら声の主を探る。

果たしてその主は、部屋の床に亀甲縛りの状態で転がされていた。

 

「………」

 

「……っ///……!……っっっ///(ビクンビクン)」

 

「…あ、あの。無言で胸揉みながらこっちを見てくるのはちょっと……」

 

浅倉威おかまモードに這いよられて頬ずりされる夢を見たのだ、ドラグブラッガーで直ぐにでもお口直しをした方がいいだろう。

口でチュパチュパするのも良いし布越しにコリコリするのも良さそうだ、そう考えていると、ふと疑問が生じた。

 

「そういえば誰かの目の前で、なんて今までしたこともなかったな?ドラグブラッガー」

 

「っ!ーーー〜〜〜ッ!!?///(ゾクゾクゾクゾクゾク)」

 

色んなプレイ、目隠しとか、野外でとか、赤ちゃんプレイ、拘束、色々ヤってきたが、思えば今までで誰かの目の前でヤって見たことは一度もない。

そんな思いでドラグブラッガーに聞いて見ただけなのが、ドラグブラッガーはブルブルッと身体を震えさせて絶頂した。

恐らくは薄々自分でも勘付いていた事をご主人様であるアギトに耳元で甘く囁かれてしまった事で身体がすごく敏感に感じてしまったのだろう。

 

「ふぁ……///」

 

滅多に声をあげないドラグブラッガーが喘ぎ声で鳴き、トロンとした蕩けた恍惚の表情でアギトを上目遣いして伺う。

それに対してアギトはフッと口の端を歪めるとドラグブラッガーの耳にかぶりつき、カプカプと甘噛みし始めた。

ゾワゾワ、ゾクゾク、と身体を小刻みに震わす。

誰かに見られている状態で極限の興奮状態に陥っているようだ。

だらしなく緩んだ唇から艶やかな涎を垂らし、瞳は最上の快楽に侵されて焦点は定まらないまま虚空を彷徨う。

 

そして口から溢れるは声にならない嬌声、イッ、イク、イク……という絶頂の自己申告だ。

 

「あっ///あっ、あっ、あっ!ふひぃ///ふわぁぁぁぁぁ///」

 

「何時もより良いイキっぷりだな。可愛いよ、ドラグブラッガー」

 

「ーーー〜〜ッ!!?(ビクンビクン)」

 

(えええええええええええええ。ひ、人前でいちゃつき始めたと思えばヤっちゃうわけ!?本当にヤっちゃうわけ!?最近の若者の性に対する姿勢!凄すぎィ!?)

 

亀甲縛りを喰らって床に転がされている少女、更識楯無は、人目を憚らずエッチし始めたアギトとドラグブラッガーを身動ぎすることなく眺めることしか出来ない。

 

(わーーーわーーー!!遂にスカートの中に手入れた!!?小刻みに動いて!?垂れてる!スカートの下から溢れ出てるぅぅーーー!!?)

 

暗部の長として、そして一介の女子高生としてそれなりの性知識を持っている楯無は目の前で繰り広げられるアギトの丁寧な愛撫とドラグブラッガーから発せられる悦楽の香りに顔を赤くする。

もうダメだなと半ば諦め思考で2人を眺める楯無は、海老反りでなんとか部屋まで辿り付き、暗部に伝わる暗号を振動や音で伝え、従者を連れてくることにした。

 

ガンガンと喧しいが、アギトとドラグブラッガーの2人は、既に楯無のことなど忘れて2人だけの世界を築いていた。

この後ヤルこと致して賢者タイムが訪れた時には部屋に楯無の姿はなかったのだった。

 


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