仮面ライダーリュウガ 〜暗黒を纏いし黒騎士〜   作:人類種の天敵

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どうも、天敵です。
今回はハレル家さんのオリジナルライダーの登場になります。
………ハレル家さんの素晴らしいプロットは既にもらっていたんですが、いや、現実の方が少し忙しくてね?テストテストテストテストポケモンサンテストテストとか色々です、色々……。


密林の無法者 あとゴリラ

 

 

 

 

 

 我が名はゴクウソン。

 

 密林の無法者と呼ばれる存在。

 

 我は待つ。我々の餌である人間でありながら、強大で輝く精神を持った人物を……

 

 その人間を見つける為にいつまでも鏡面から、水面から、世界を静かに見つめよう。

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま戻ったッス」

 

「おつかれ、コーヒーいるかい?」

 

 とある博物館。閉館時間である深夜の一室にて背中まである長い金髪赤眼のつり目をした見た目が二十代後半の男性が初老の男性からコーヒーを貰って一服している。

 

「君が日本に来てここで働き始めて助かってるよ……力も強いし体も頑丈、下手だった日本語も今では使いこなしてるね」

 

「おっさんの教えが上手いからッスよ」

 

 金髪の男性は初老の男性の言葉を苦笑で返す。

 

「そういや、奇妙なウワサを聞いたんだけど……この辺りで神隠しが起こっているらしいんだよね」

 

「はぁ……そうなんスか?」

 

 初老の男性から言われたウワサに金髪の男性は予想外の事で目を丸くして答えた。

 

「そうなんだよ。現に行方不明者も多いから気を付けてね」

 

「わかったッス」

 

 初老の男性の注意に金髪の男性は頭に留めておき、少しだけ温くなったコーヒーを飲む。すると、部屋に高めのアラームが鳴り響いた。

 

「どうやら誰かいるみたいだね……帰ってきて悪いけど見に行こうか」

 

 初老の男性の言葉に金髪の男性は一気にコーヒーを飲み干し、初老の男性とともに部屋を出て現場に向かった。

 

「閉館してるのに……この間の女性みたいな人ッスかね?」

 

「あれは驚いたよ……博物館の展示物を私物だと言い張るだなんて……結局は警察に連れていかれたけど」

 

「後ろ向いてる俺の後頭部めがけて近くにあった消火器を降り下ろしてぶつける場面をリアルタイムで見たら現行犯で捕まるッスよ……ザマァだな」

 

「ぼく的には消火器をぶつけた事よりぶつけられた本人が無傷のうえ、降り下ろした消火器がへこんだ事に驚いたんだけど……」

 

「オレの地元はあんな騙しうちがザラだったんで今更驚かないッス」

 

「ザラだったの!?」

 

 他愛ない会話をしながら進んでいき、現場に着くと床に展示物が散乱されてる光景が目に入った。

 

「荒らされてるッスね……」

 

「取り敢えず、犯人が潜んでいる場合があるから警戒してね」

 

 初老の男性の言葉を無言で頷き、警戒して辺りを調べる。しばらく調べていると一つの異変に二人は気付いた。それは二人の目の前にあるそれは――

 

「……ニワトリ?」

 

 そう、ニワトリの展示物があった。しかもサイズが大人と同じぐらいに大きく、周りの状況から見てもおかしいの一言で納得できた。

 

「おかしいな? こんな展示物はなかったけど……」

 

『コケ、コケケ、コココ――』

 

 初老の男性が首を傾げるとニワトリの展示物から声が聞こえ、今にも動き出そうとした瞬間――

 

「死ねぇ! ニワトリ野郎!!」

 

『コケーッ!?』

 

「躊躇なく殴り飛ばした!?」

 

 ――殴り飛ばされた。金髪の男性が動く前にニワトリを殴り飛ばした。初老の男性は驚くも金髪の男性は倒れているニワトリにゆっくりと拳を鳴らせながら近付く。

 

「テメェから敵意と殺意が溢れ出てんだよ。さっさと立て……チキンバーガーの具にしてやる」

 

「容赦ない……」

 

『……コ……コ……』

 

 容赦ない宣告に初老の男性は苦笑いし、ニワトリは金髪の男性の威圧感に固まる。しかし、金髪の男性の心中は疑問に溢れかえっていた。

 

 ……妙だな……てっきりこいつが神隠しの犯人かと思ったけど、血の匂いが薄い……敵意と殺意は確かに感じ取れたから間違いないと思ったんだが……複数の役割分担で人さらいでもしてるのか? いずれにしろ、聴くべきだな。

 

「取り敢えず洗いざらい話して貰うぞ。ニワトリのモノマネはしなくて……んドゥあ!?」

 

『コケーッ!!』

 

 質問しようとした瞬間に鏡から糸が出て服に張り付き、そのまま金髪の男性とニワトリは鏡の中に引きずり込まれた。

 

 キィィィン……キィィィン

 

「とぉっ! たく、一体なに……が……」

 

 放り出された金髪の男性はなんとか受け身を取り、周りの状況を確認しようと見回して絶句した。

 

 目の前で先程のニワトリが大きなクモに頭から食われていたのだ。バクバクとかムシャムシャという音じゃなくてメキペキやコキポキと言った何か硬いモノを砕くようなリアルな音が響く。

 

 幸いにも、食事に夢中のようで金髪の男性が静かにクモから離れ、近くに隠れる事に成功する。

 

 ……なんだ……あれ……ワケわかんねぇけど一つだけわかる事がある……あのクモが神隠しの犯人……その証拠にさっきから吐き気がする鉄臭い匂いがあのクモから濃く匂う……どうする……

 

 混乱しつつも落ち着いてどうするか考えていると、不意に頭に直接語りかけるような声が聞こえた。

 

『戦え』

 

 その声を聞き、いつのまにかそれは彼の右手の中に収められた。

 

「……カードデッキ? おいこれって――」

 

 視線を感じて振り向き、彼の言葉はコートを着た謎の男が持つプラカードに目を奪われた。

 

『戦え☆ライダーキャンペーン実施中!』

『まずはデッキを鏡に向けてみよう!』

『そして腰部のバックルにセット! 変身☆DA!』

「……」

 

 ……ふざけてんのかこのコート野郎は……

 

『さぁ、バックルにセットして唱えるんだ! 戦わなければ生き残れない……』

『レッツ☆変身!!』

『さぁ、ご一緒に!』

 

 思わず頭が痛くなりそうになったがなんとか耐え、彼は男の指示通りにデッキを腰部のバックルにセットした。

 

「れ、レッツ☆変身!!」

 

 律儀にもその言葉とともに金髪の男性は鈍い灰色の仮面ライダーへと変身した。ちなみに謎の男の反応は笑いながらプラカードを掲げた。

 

『まさか言うとはwwwウケるwww』

 

『ぶっ殺すぞ!!』

 

 思わず声を荒げて言ってしまい、ニワトリを食べ終えた大きなクモがこちらに顔を向けて声をあげる。

 

『やべ、こっちに反応した! 他に言うことないかおっさん!!』

 

『え~どうしよっかな~言っちゃおうかな~?』

 

『早く言え!!』

 

 この状況になっても煽るのをやめない謎の男に苛立ちながらも目の前のクモを警戒して聞く男性。

 

『まずはミラーモンスターと契約しないとブランク体から抜け出せない……デッキからCONTRACTと表記された一枚のカード取り出して契約するのだ!』

『ボクと契約して仮面ライダーになってよ!!』

 

『よし! 契約すればいいんだな!』

 

 最後に余計な一言を言った気がするが聞かなかった事にしてデッキからカードを引こうとする男性。しかし、大きなクモは彼からカードを引かせまいと邪魔をしてくる。

 

 ……こいつ、契約させない気か……!!

 

 その事実に内心毒づきながら、男性は大きなクモの攻撃を掻い潜って胴体に本気で拳を打ち込んだ。

 

『おらぁ!!』

 

 ズドン、とクモに突き刺さったがあまり効いておらず、たいしたダメージになっていなかった。

 

 ……当たり前だけど効いてねぇな……もういっぱ……ッ!?

 

 もう一度殴ろうとした瞬間、ズグン、と自分の身体に鋭い痛みが駆け巡った。その際に動きが止まってしまい、クモの攻撃で壁に叩きつけられてしまった。

 

『つぅ……こんなタイミングで……』

 

 自身の脇腹を押さえつつもジワジワと近付いてくるクモに対して、男性はこの状況の打開策を必死に張り巡らしていた。

 

 ……助けを呼ぶ? 人の匂いが一切しない。

 ……スタミナ切れを待つ? こっちが先に尽きる。

 ……誰か来るまで戦う? 今の状態では悪手だ。

 ……諦める?

 

 ……諦める?

 

『それこそ……ふざけるな』

 

 ……この痛みは(とが)だ。

 ……この傷跡は(ばつ)だ。

 ……証でもあり(いまし)めだ。

 

 ……決して忘れるわけにはいかない。俺が引きずってでも背負わなければいけないモノだ。

 

『来いよデカグモ……こっちはガキの頃から生きる為に戦ってきたんだ……刺し違えてでもテメェを殺して生き抜いてやる!!』

 

 目の前のクモを睨み付ける。その気迫に圧されたのかはたまた偶然なのか、クモの動きが止まった。ジリジリと緊迫した空気が流れ始める。

 

『ドラマみたいだなーガンバレー』

 

『ウルセェ! のんきにせんべい食うな!!』

 

 その様子を謎の男は寝転がりながら食いかけのせんべい片手にプラカードを掲げている。

 

『あらやだ、おこ? おこなの?』

 

『(^ω^≡^ω^)オッオッオッオッ』

 

『ウゼェェェェェェッ!!』

 

 煽る姿に男性は怒りながらも反応すると、謎の男は軽くため息を吐きながらプラカードを掲げた。

 

『とはいえ、このままやられるのは困る。少しだけサービスするとしよう……しょうがないなぁの〇太くんは』

 

『誰が〇び太くんだ』

 

 いい加減にしろ、と言おうとした彼は気付く、地響きが少しずつ大きくなってきている。それはどんどん近付いて音が止んだ瞬間、壁が壊された。そしてそこにいたのは――

 

『グガゴォォォォォォォォン!!』

 

 全長5~6メートルもある大きさに両腕が太く、深夜の闇を照らすような明るい山吹色のゴリラのような大猿が咆哮をあげながら、姿を現した。

 

 咆哮で空気が震え、男性を睨むように見る眼光から放たれる威圧感から彼は目の前の大猿は自分が敵対してるクモよりも格上の存在だと肌で感じ取れた。

 

『キ……巨大な猿(キングコング)!? こんなん呼んだのか!?』

 

『え!? あ、ああああ当たり前じゃないか! わ、私にかかればチョチョイノチョーイナンだよ!! 褒め称えるがいいさヤンキーオジさん!!』

 

『動揺しまくりじゃねぇか!! え!? これ予想外の出来事なのか! あと誰がオジさんだ! 俺はまだ16だ!!』

 

『ファ!?』

 

 まさか彼が青年だった事実に謎の男が驚いた様子を尻目に男性――青年は覚悟を決めてカードを一枚引き、大猿に向かってカードを向ける。

 

『いいぜ……来い!!』

 

『グガゴォォォォン!!』

 

『ギィイイィィィィ!!』

 

 男性の言葉を合図に大猿とクモは同時に走り出した。スピードではクモが一歩リードし、このまま行けば青年はクモの爪によって命を散らす事になる。しかし、大猿の両腕からキュィィィィィィン、と何やら駆動音が聞こえ始めた。瞬間、大猿は爆音とともに加速した。

 

 大猿の両腕にブースターがある事に青年は驚いたが、カードを降ろすことは決してしなかった。

 

 そして光が、青年と大猿を包み込む。

 

 光が収まって人影が現れた所でクモは爪を降り下ろした。バキン、と硬いモノが砕け散る音が響く。

 

『ギィイイィィィィ!?』

 

 砕けたのはクモの爪である。そして大猿が壊した壁から月の光が射し込み、人影を照らした。

 

 そこにいたのは一人の戦士だ。

 

 黒だった部分が山吹色へと変化し、所々に中華風の模様がある緋色の鎧を纏った三国志に出てくる武将のような姿になった青年自身に力が溢れていく。

 

 ……この力があれば、あの事件は酷くならなかったハズだ……

 

 自分を変えた分岐点である事件が頭を過り、青年は少しだけ悲しそうにするもクモが吐き出した糸を咄嗟に片腕で防ぐ。

 

『ギィ、ギィ!?』

 

『クモ野郎……さっきはやってくれたな……倍返しで返してやるよ!!』

 

 引き寄せるが山のように動かない青年に困惑するクモを、気持ちを切り替えた青年は逆に引っ張って壁に叩きつけた。苦悶の声をクモはあげるが、そんなの関係ねぇと言わんばかりにクモを振り回して壁や床に叩きつけ始める。

 

 その様子を見ている人がいたら、口を揃えて『荒々しく暴れる獣のようだ』と答えるだろう。

 

『フィニッシュだ』

 

 力強くクモを床に叩きつけ、青年は取り出した一枚のカードを左腕を覆い隠すような形で装備された籠手の手甲部分にあるフタを後ろにスライドさせ、その中にカードを装填する。

 

『FINAL VENT』

 

 音ともに、大地が震える。

 

 後ろにいる大猿と同じように構え、息を深く吐く。

 

 両足を揃えて飛び、拳を構えた大猿が雄叫びをあげる。

 

 青年の両足裏を大猿の限界を超えた一撃が振るわれる。

 

 ビリヤードの要領で放たれた青年は一発の弾丸と化し、音速を越えてクモを貫いた。

 

 地面に着地し、火花を散らせながら止まる。ど真ん中に風穴を空けられたクモ――ディスパイダーは威力に耐えきれず自壊した。

 

『いまさら、変われると思っちゃいねぇよ……俺がしてきた事は、振るってきた手は、歩いてきた道はやり直す事なんざ出来ねぇからよ……』

 

 そこから現れたエネルギーを青年、仮面ライダーモンクの契約モンスター『ゴクウソン』が貪る。

 

『戦え。戦え、ライダー』

 

  謎の男は青年を見つめたまま語りかける。

 

 『戦わなければ生き残れない』と。

 

『当たり前だ……俺は果たさなきゃいけねぇ約束があるんだ。ごみ溜めのような灰色の世界から手を伸ばして引っ張ってくれたあの人達の為にも……俺は生きなきゃいけねぇ。帰るぞゴクウソン』

 

『グガゴォォォォン』

 

 そう言って仮面ライダーモンク……本名 ロック・ヴォルハートは外で待っているであろう初老の男性に自身の無事を知らせる為に鏡の世界から立ち去った。

 




と言うわけで新しい仮面ライダー登場編でした。
あれ、アギト要らなくねーかこれ?
ちなみ手直しとか一切してねーでヤンス、100%天然物のでヤンス。
いやでも神崎士郎のおちょくり下りは自分で書くより面白かったです。(嫌いじゃないわ!ry)
他にも魅力的な仮面ライダーの設定がいっぱいありますので、ゆ、ゆっくり投稿していきますね………?

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