仮面ライダーリュウガ 〜暗黒を纏いし黒騎士〜   作:人類種の天敵

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ども、読者さんから新しくオリライダー案を貰ったので。
そして思ったんですが、オリライダーの紹介ページ書いたほうがいいよね………。


新たなる

 

 

 

 

 

 

我が名はウィングバード

 

古より生き長える橙の躰を持つ伝説の鳥

 

鏡面から、或いは水面から、我が姿を認めし者は生ある内に語り継ぐ

 

まるで、鷲獅子のような御姿であった……と

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、今月どうすっか………高い買い物しちまったしなぁ………いや、逆に考えるんだ……アレは仕方ない出費だった……と。そう、これは投資だ。いつかきっと、どっかであの時の俺に感謝する時が来るさ………多分」

 

賑やかな平日の街中を、1人の青年がぶつぶつと財布を広げて歩いている。

と、その時、彼の肩にぶつかった女性が、口元をニヤリと釣り上げ大声を張り上げた。

 

「ちょっと触らないでよ!痴漢!」

 

ビシッと人差し指を向け、周りに聞こえる様に痴漢呼ばわりをする。

周りの“男”の通行人やサラリーマンなどは青年と女性を交互に見さだめて、青年へと哀れみや同情の目を向けるが、彼はそれを気にせず……というか女性の声にさえ気付かずに通り過ぎていく。

 

「……………いやでもなぁ……本当に今月どうしよう。蓮に言ったら……怒るかなぁ。蓮って怒らせると怖いからなぁ……あ、すんません」

 

「…………ば、バカにしてんの!?」

 

軽く頭を下げて離れていく青年に両手を振り上げて怒りを表す女性。

それを眺めて面倒臭いと顔を顰めた青年は、ふと見やったガラス張りの、鏡面に映る謎の男に目を奪われた。

 

「!?………『戦わなければ稼げない!!勝って稼ごう仮面ライダーキャンペーン実施中』………?今ならなんと初心者応援チュートリアルもやってます?………なんだぁこれ……?うおっ!現役高校一年生が一ヶ月で100万稼いだ……ですって!?あら素敵!」

 

それは、古びたコートを着込む、謎の男が両手に待つプラカードに可愛い丸文字で書かれた……如何にも怪しそうな求人広告?である。

 

「ちょっと!無視すんじゃないわよ!」

 

「うるさいよ?俺ちょっと今忙しいからタイムで」

 

くるりと振り返った男は逆上しながら肩を掴んできた女に向かってニッコリと笑い、自分の口元に人差し指を押し付け、お静かに、と注意した。

 

「……あらあなた、幼少から空手に打ち込み今や空手6段を取得しているこの私に舐めた態度取るなんて男ながらにやるわね…!敬意を表してその鼻っ柱ァァァ自慢の正拳突きでカチ割ってやるわよォォアアアア!!」

 

「うぉぉぉぉぉ!!?まさかの空手有段者ぁぁぁ!!?ちょっ、まっ…たない!?待とうよ!たんま!たんまたんま!!」

 

ブォン、と不穏な音を発して振るわれた正拳突きを紙一重で避け、胸の前でハートマークを作った。

 

「ラブ&ピース……。暴力は憎しみや哀しみしか生まないのです。ならばこそ貴女も、その空手道に愛と感謝を表せねばならぬ……と思うのですがどうでしょうかね?これぞまさにハン○ー×ハ○ターの百式観のryーーーぐわっ!アブナイッ!暴力反対!イジメ駄目、絶対ね!」

 

「………ふっ……!私の連続突きをこうも避け続けるとはね……素晴らしいじゃない!」

 

いや、さっきから避けられなかった拳が足や胸に当たってるんですけど……。

男は内心痛いなぁ……と思いながら、ここで弱音を吐くのは男の恥だと我慢することにした。

 

「はぁ、はぁ、やるわね……なら、これで最後よ!!「空○を終わらせた男」とか「○手界の最終兵器」と呼ばれた男をマジリスペクトして真似てみたマッハ突きッッッ!!!」

 

「うぇぇぇぇ!!?無理無理!無理だ!それは流石に無理だから!!」

 

女の構えを前にして尻込み、後ずさる青年。

そんな彼へと襲いかかるように飛びかかった女性を、横合いから掻っ攫う、謎の、影。

それを目と鼻の先で見ていた青年は、咄嗟に女性の服を掴んでいた。

 

キィィィン……キィィィン

 

「ぐわっ!!?」

 

「きゃぁぁ!?」

 

ドスンっ、と倒された青年は体を起き上がらせて辺りを見回し、絶句した。

 

「けほ、けほ、な、何よ……急に……ねえ、ちょっと、これは、一体なんなわ……………け……」

 

青年に続いて周囲を見渡す女性も、青年と同じように絶句、固まってしまった。

 

『コケ、コケケ、コケコッコーー!!!!』

 

目の前に、冗談ではないかとつい笑ってしまう……ニワトリ似の異形の怪物がいたからだ。

 

『ケコっ!!』

 

「うわっ!」

 

ニワトリ野郎は首を二、三度傾げて青年目掛けて嘴を突きつけた。

青年はそれを危うげなく回避してニワトリから距離を取る。

 

「な、なんだよこいつ……」

 

ゴクリと唾を飲み込んだ男は、ハッとして女性の安否を確認した。

 

「あ、あ、う、嘘……嘘よ、こ、こんなの……非科学的だわ……ありえない……」

 

ガクガクと体を震わせ地べたに座り込んで後ずさる女性を、首を傾げながら近づく怪物は、大きな声で鳴き喚いて貧相な翼を広げた。

 

『コケーーーーコッコッコッコ!ケー!!!!』

 

その勢いのまま嘴を突き刺す。

女性はそれを辛うじて避けたが、あまりの出来事に失神してしまった。

ぐったりと寝転ぶ女性の体へ、頭を振り上げるニワトリ。

 

「や、止めろ!!!」

 

走り、その勢いを利用して、体当たり。

青年はそのまま後方へと弾き飛ばされ、ニワトリの野郎はあろうことか、ピンピンとしたまま首を傾げた。

 

「ぐっ……かはっ……!?げは、げほ」

 

咳き込む青年はそれでもなおニワトリを睨みつけ、中指を立てた。

 

「来いよ……この野郎……。てめえが噂のバケモンなら………俺が退治してやるよ!」

 

その言を受け、理解できてなくとも青年へと鳴き声を上げるニワトリ。

しかし、闘志を漲らせる青年へ、見知らぬ声が聞こえる。

 

『戦え』

 

その声が、どこから聞こえるかは分からずとも、後ろを振り返らなくては……と、青年が振り向いたところで、ソレは彼の右手の中に収められた。

 

「なんだ……これ。カード…デッキ……?」

 

『戦え、ライダー』

 

「オイあんた、一体何者………」

 

言いかけた青年は、謎の男が持つプラカードに目を奪われる。

 

「………」

『初心者☆応援チュートリアル中!!』

『まずはデッキを鏡に向けてみよう!』

『そして腰部のバックルにセットだ!』

 

ふざけてんのかこいつは……。

 

『コケケケケーーー』

 

「うわあっー!?く、クソ!あとで覚えとけよ!」

 

吐き捨てた青年。

鏡へデッキを向けると、彼の腰部には、謎のVバックルが生み出された。

 

「………」

『さあバックルにセットして唱えてみよう♪』

『戦わなければ生き残れない!いざ、変身だっ』

 

「おいマジっざけんなよおっさん……」

 

何が唱えてみよう♪だ、この野郎。

 

「く、クソッタレ!変身ッ!」

 

デッキをセット、恥ずかしながら変身を唱え、ニワトリ野郎へとドロップキックをお見舞いする。

その過程で、青年は、鈍い灰色の仮面ライダーへと、成った。

 

『ケココケケコケ!!!?』

 

ニワトリは頭を擡げ、鳴き声を上げる。

それを聞いた青年は、よしっとガッツポーズをするが、直ぐに動きを止める。

 

『………ケコ?』

 

ニワトリ野郎は未だにピンピンしているのだ。

 

『き、効いてねえじゃん!オンドゥル裏切ったんディスかー!!?』

 

バッと振り返るとそこには

 

『残念賞☆まずはミラーモンスターと契約しないとブランク体から抜け出せないゾ☆』

『デッキからカードを一枚取り出して契約するのだ!レッツ コントラクト!』

 

男のプラカードに従いデッキからカードを一枚引く。

そこには、CONTRACTと表記された一枚のカードが。

青年はそれを使おうとして……

 

『あ、言っとくけど目の前のミラーモンスターは雑魚中の雑魚だから使わないほうが良いと思うよ♪』

使おうとして……止めた。

最初から持っていた剣を振り上げ、ニワトリの嘴へと振り下ろす。

勢いよく叩きつけられた剣は、その途中でボギッと折れてしまった……。

 

『ッ!?ッ!……ッ…う、ウソダドンドコドーーン!!!』

 

剣とニワトリの嘴を交互に見ながら青年は絶句し、その隙を狙われて跳ね飛ばされた。

 

『クッ、カ、ハッ………』

 

最弱モンスターに嬲られるライダー。

ダメ元で振り返ったプラカードには、こう一言。

 

『弱すぎワロタwwww』

 

『てめえ殺すぞっ!!?』

 

折れた剣をぶん投げた青年は謎の男へ罵声を浴びせる。

 

『でもまあ、君がやられると困るのでチュートリアルガチャを引きますか』

 

なんだよガチャって……内心うんざりしながらコントラクトカードを握った青年は、プラカードに書かれた『タイミングは一瞬なので外したら死亡』という言葉にカードを握る手に力を込めた。

 

 

 

ーーーそして、それは………来た。

 

『ヒュォォォォォォン!!!』

 

まるで、風が吹いたように、荒れ狂う暴風を身に纏うように、それは突如現れた。

橙の躰を持ち、立派な翼を広げて鋭く見下ろすその鳥は。

羽をはばたかせて風を巻き起こし、ニワトリを吹き飛ばした上で青年へと襲いかかった。

 

『タイミングがわるけりゃって……クソッ』

 

小さく毒づいた彼は、ダメ元で正面へとコントラクトカードを向けた。

光が、目の前の鷲獅子を包み込む。

と、同時に、青年を包む装甲にも変化が生じる。

 

黒だった部分が橙色へと変化し、青年自身にも、力が溢れていく。

 

その変化を感じながら、青年は思う。

 

この力があれば、守れたはずだ。

 

あいつも、あいつの家族も、俺も、俺の両親も。

 

過ぎた事に拘ることのない性格だが、青年は少し、悲しい気持ちになった。

彼の後悔は、あの日……白騎士事件から、今もなお、こびりついて離れないのだから。

 

『ヒュォォォァァァァァァァ!!』

 

ふぁさぁっと、青年……いや、仮面ライダーバードを、大きく、凛々しい翼が覆い包んだ。

ニワトリの嘴が眼前に見えるが、それは彼を護る翼を突破できずに、嘴を逆に粉々にされる。

 

『コケーーーーー!!?』

 

『ヒュオォン?』

 

『………ああ、そうだ。今は感傷に浸る時じゃない』

 

スッと取り出した一枚のカードを、腰部の何時の間にか復元されていた剣の装飾部分である翼を広げ、柄の中へFINAL VENTと書かれたカードを装填し、翼を閉じる。

 

『FINAL VENT』

 

光と共に背中に生えた一対の白き翼。

 

それをはばたかせて鏡の世界を舞う。

 

鏡像の太陽がバードの装甲を照らす。

 

灼熱の太陽を背に、鷲獅子は吠える。

 

翼を従え、風邪を纏い、剣を向ける。

 

仮面ライダーバードの装甲が眩しく光った瞬間、彼は既に地面へと降り立ち、その剣はチキンフライを真っ二つに両断していた。

 

『悪い……俺はまだ、後悔し足りないんだ。ただ1人生き残った罪を、償うまでは』

 

チキンフライの体が、バードの必殺技、天空斬の威力に耐え切れず、自壊する。

そこから現れたエネルギーを、バードの契約ミラーモンスター『ウィングバード』が貪る。

 

『戦え。戦え、ライダー』

 

謎の男は青年を見つめたまま語りかける。

『戦わなければ生き残れない』と。

 

『ああ、分かってるさ。……俺1人でどこまでやれるか分からないけど、この世界を変える。そうすれば、俺は自分を赦せるかも知れない。行くぞ、ウィングバード』

 

『ヒュォァァァァン』

 

そう言って、仮面ライダーバード……本名 風霧 亮介(かぜきり りょうすけ)は気絶している女性を抱いて鏡の世界から立ち去った。

 




というわけで、ルオンさんから仮面ライダーバードとその変身者の風霧亮介です!ばちぱちぱち
……え?芳乃はまだかって……?も、もうちょっと待って、たんまで、もうちょっとフリーズベントでおねがいします。
ちょっと鳴き声とか分かんなかったんで勝手に弄ったけど大丈夫よね?
なんか、イメージ的にグリフォンみたいに書いたけど大丈夫よね?
あ、天敵的には 灼熱の鷲獅子ウィングバード……みたいな?後々ルオンさんと詰めていきますよ?あと神崎兄がハッチャケすぎてハジケキングになってるけども気にすんなよっ!
あと女性の方はこの回でリストラなので覚えなくて大丈夫です

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