仮面ライダーリュウガ 〜暗黒を纏いし黒騎士〜   作:人類種の天敵

19 / 32
ども、天敵です。
前話で話した高倉芳乃サイドストーリーですが、提供者の方が私の暴走に色々と諦めがついたらしく、修正などの条件で投稿を許可してくれました!全ては計画通り(にやり)

擬人化ミラ☆もん

バイオグリーザ
全身薄緑色のタイツを履いた変人。
先日常識のある一般市民にもれなく通報された。
なので体を透明にさせて必死に逃げた。
高見沢の会社では昼夜問わずに誰もいない空間で『シュルシュル』と謎の音が聞こえることで有名に、俗に言うミラ☆もん七不思議である。
一、鏡面越しの黒メイド。二、鏡へ逃げる変態タイツ&実体のない奇声。三、青年に噛み付くロリ。四、神々しく光輝くホームレス。5、音楽を聴いていると迷子になる喫茶店。6、サバじゃねえ!7。黄金の蟹。


変な女

とある廃屋、その中に幾多の斬撃を浴びてボロボロとなるミラーモンスターがいた。

 

『グギギギギ』

 

『そろそろ終わりにしよう』

 

必死に威嚇するミラーモンスターの眼の前で黒い騎士は腰に付けたデッキからカードを一枚取り出し、左腕にあるガントレットタイプの召喚機へと挿入する。

 

『FINAL VENT』

 

低い機械音が流れ、リュウガが宙へ浮く。

そして背後に現れたドラグブラッガーが口を開き、暗黒の炎を吐き出してリュウガをジェット噴射の如き速度で打ち出した。

 

『ハァァァ………!!』

 

リュウガの強烈な蹴りを喰らったミラーモンスターが爆散する。

爆煙の中から現れた光の粒子へとドラグブラッガーが思いっきり齧りつく。

 

『ふぅ、朝の分を与えたとこだし、そろそろ準備するか』

 

そう言ってミラーワールドから出てきたリュウガはその身を包む変身を解く。

黒い龍騎士、仮面ライダーリュウガからIS学園に転校してきた一年の男子生徒、龍賀アギトへと戻った彼は、高倉芳乃が用意したというスペシャル仕様の制服を羽織って彼のために充てがわれた1人部屋を出た。

 

「……………」

 

ドアを閉め歩き出したところで彼は盗み見るような視線を感じるが、それに気付いていないフリをして歩き続ける。

 

「……………」

 

曲がり角を曲がり、階段を降り、尾行に気付かぬ素振りを続けるアギトの背後を、得体の知れない何者かが張り付くようについていく。

程なくしてアギトはIS学園の食堂に到着し、牛丼単品とドリンクを注文して席に着いた。

 

「………」

 

器に嵌められた蓋を外して朝食を取り始めるアギトの姿に、周りの女生徒がざわざわと騒ぎ出す。

が、アギトはそれをさして気にせず食事に集中する。

 

「ねーねー」

 

「………」

 

「ねーってばー」

 

「………」

 

ピタリと箸を止めたアギトはまず最初に、鼻をクンクンとひくつかせる。

そして声の聞こえる背後へゆっくりと顔を寄越した。

 

「おはよ〜アッキー」

 

「………誰だお前」

 

そいつは、女版真司の、更にバカと能天気さに磨きがかかったような奴だった。

そして俺は目の前の女に疑問を覚えた。

この、のほほんとした顔から俺を見つめる視線の正体が分からなかったからだ。

こいつはもしかすると、プロか?

 

「私はね〜布仏本音だよ〜!」

 

「ちょ、ちょっと、本音!」

 

布仏本音と女が自己紹介すると、その後ろからひそひそ声で嗜める女生徒が2人現れる。

そいつらは布仏の腕を掴むと後ろへ連れ行った。

 

「え〜?どうしたの?」

 

「どうしたのって……彼が、あの、仮面ライダーなのよ!?」

 

「そ、そうだよ、本音ちゃん」

 

ひそひそと話し合いをする女3人を無視して食事を再開する。

肉とご飯とふわりと乗っかったタマゴetcを口の中にかっ込んでドリンクを一息で飲み干し、トレイを持った席を立つ。

音を立てずに立ったつもりだが、3人の女生徒はビクンと鋭く反応して俺を見た。

3人のうち2人の視線はごくごく平凡な恐怖の視線。

しかし布仏の視線は以前変わらず恐怖や憎悪とは遠いそれだった。

 

「…………」

 

やがて布仏の視線にも興味が失せ、俺は空のトレイを食堂へ戻して目的の人物に会うことにした。

そいつは、俺が進んで近づいて来たことに驚きを隠せない様子だった。

 

「………?…??」

 

「………お前のポケットに入ってるマタタビが匂うんだが、一体どこでそれを拾ってきたんだ?」

 

「???」

 

女は訝しむような目で俺を見た後、スカートの中に入ってるマタタビを見て驚いた。

そこで俺は畳み掛けるために女の目を見据えてカードを二枚取り出した。

 

「身に覚えないか、まあ、当然だ。そのマタタビは、俺の後をつけている奴に気付かれないようにさしてこいとミラーモンスターに命令したんだからな」

 

ガタッと女が立ち上がる。

それを手で抑えつけて女の耳元でボソッと低く「何も言わずに着いてこい」と呟く。

女がコクリと頷いたのを見て食堂を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、お前。名前は」

 

女を連れて自室へ戻る。

もちろん朝のSHRはすっぽかしてきた。

 

「………更識…簪」

 

自室のベッドにちょこんと座った女は身を縮こませて名を名乗ったので、ポケットの中からカードデッキを取り出して、ワザと相手に見せびらかせた。

 

「それで、俺が悪名高き仮面ライダーだと知ってて尾行したのか?あぁ?」

 

態度の悪い悪役を意識して質問を投げかけたつもりだが、目の前の女はビクッと体を震わせると、目を爛々と輝かせて俺を、そして俺のカードデッキを食い入るように見つめてきた。

 

「やっぱり…貴方が、あの仮面ライダー…!」

 

ベットから立ち上がって接近してきた更識簪の興奮度合いに俺は驚いた。

こいつの視線が、憧れ、尊敬といった、あまり見慣れないものだったからだ。

 

「お願い…私の前で…一度変身してほしい」

 

「………は、はあ…???」

 

ふんすふんすと鼻息を荒くして迫る更識簪の目に耐え切れず俺の方から目を逸らしてしまう。

しかしなおも更識簪は意味のよく分からないリクエストを突き付けてきた。

 

「貴方の……事は…ネットでよく見ていた」

 

興奮冷めやまぬ更識簪が唐突に話を始める。

 

「全力で戦うヒーローみたいな赤い龍騎士とは違って……貴方はミラーモンスターを前に…淡々と、冷静に戦っている。すごく、かっこいい」

 

「………おい」

 

更識簪の腕を掴む。

痛みに顔を顰めた目の前の女に、俺は鋭く睨んで威嚇し、女のお花畑な思考回路の残念な頭へと俺の評価を訂正すべく辛辣に告げる。

 

「俺は過去これまでにIS操縦者を何10体も再起不能にしている仮面ライダーだぞ?」

 

「それは違う。貴方が戦ってきたのは彼女たちが攻撃してきた時だけ。貴方はなにもしていない、むしろミラーモンスターを倒している貴方に得体が知れないからと攻撃するのはお門違い」

 

「お、おう?」

 

「貴方に倒されたIS操縦者がみんな被害者面をしてることが同じIS操縦者として私は恥ずかしい」

 

変な女だ。

女尊男卑の世の中でここまで純粋な奴はバカ真司を除けばごく少数だろう。

 

「………お前の望みはなんだ」

 

「………!」

 

「俺の後をつけておいて変身が見たいわけじゃないだろ」

 

図星なのか女は顔を俯かせた、本音と羞恥で入り混じった言葉が俺に届くのかどうかを考えているのだろう。

 

「………サメの……」

 

「………」

 

「…サメの紋章の仮面ライダーを……知ってる……?」

 

「そいつはお前にとってのなんだ」

 

「IS学園入学当時に私を助けてくれた人」

 

つまりこいつの目的は人探しで、自分を助けてくれたライダーにお礼が言いたい…ところか。

 

「悪いが、サメのライダーなんて出会ったことは一度も……………まて、お前確か先日助けたような気がするぞ……」

 

そういえばこいつを助けた後で同じ髪の色の女に勘違いされて交戦したはずだ。

 

「うん、私はミラーモンスターに好かれてる体質?らしいから……」

 

「………なに?これまでミラーモンスターに遭遇したのは何回だ」

 

「10数回」

 

「………なるほど、それは…好都合だ」

 

一つ頷いて女の両肩を叩く。

 

「?」

 

「契約しよう、俺はお前の目的であるサメのライダーを探す。お前はその間ミラーモンスターを引き寄せる囮になれ」

 

「……………………………え?」

 

よほど衝撃的な話だったのだろう。

更識簪は目を大きく見開いて唖然とした表情で俺を見た。

 

「別にミラーワールドに行けとか、ミラーモンスターが出没する場所に置いてくわけじゃない。いつも通り生活して、お前に近付くミラーモンスターは全て俺が倒すってだけだ」

 

「………」

 

「だが、ミラーモンスターを倒し続けるのはお前の人探しが終わるまでで、人探しが終われば、それ以降は関与しない」

 

どうだ?と両腕を組んで更識簪を見ると、心の中で葛藤しているのがわかるほどに震え、俺をチラチラと盗み見ていた。

 

「………その後は…助けて、くれない…の」

 

「悪いが、俺だっていつまでもお前に付きっ切りでいられるわけじゃないんだ。この退屈な学校に在籍する三年間なら別に構わないがその後はお前を守ることは無理だ」

 

で、どうする?と俺は意地悪く問いかけた。

ここでこいつが断るなら面倒ごとが一つ減り、ここでこいつが頷けば俺は楽して餌を引き寄せる餌を手に入れる。

どっちに転がっても俺にとっては好都合。

 

「………やる」

 

震えながらも、小さく更識簪は頷いた。

 

「契約成立だな、これから三年間よろしく、更識簪」

 

「更識はやめて…呼ぶなら簪」

 

「……………これからよろしくな、簪」

 

キィィィン キィィィン

 

意味のわからないところに拘る簪に苦笑しつつ黒いデッキを手にとって鏡に翳す。

簪はそれを見て首を傾げたのでちょうどいいタイミングだと彼女の眼の前でリュウガへ変身した。

 

「変身ッ!」

 

「……ッ!!」

 

『さて、早速仕事の時間だ、ドラグブラッガー。行くぞ』

 

『グゴォォォオオオオオオオオオオ!!!』

 

自室の部屋に映る鏡面から、長い躰をくねらせたドラグブラッガーが咆哮する。

眼の前でドラグブラッガーの咆哮を耳にした簪は、驚きながらも両目をキラキラと輝かせてドラグブラッガーを見つめている。

 

「凄い……!!これが、リュウガとその契約モンスター……!!」

 

『グゴォア?………グガァァ……』

 

期待していた反応とは真逆のこの反応にはさしものドラグブラッガーも予想外らしく、困惑した顔と情けない声をあげて俺を見た。

 

『ふっ、色々と変なんだよ、こいつは』

 

窓からミラーワールドに入り、窓越しに簪を見た後、ドラグブラッガー達の餌を狩るために一枚目のカードを左腕の召喚機へと挿入した。

 

『SWORD VENT』




まあ、絡ませるとしたら簪しかいないよねってわけで簪サン投入。
これから絡ませるためにミラーモンスターの餌要員にしていきます。
まあ、仮面ライダーに守られるし変身見られるしで眼福眼福でしょう!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。