仮面ライダーリュウガ 〜暗黒を纏いし黒騎士〜 作:人類種の天敵
今回遅れたのはスマホが突然死んでディバゲのデータが消滅したショックに立ち直れなかったからです。いや、これガチで辛い。
今はユバのしるしという入手して孕ませて生贄というゲームで十何分のリセマラで高山民族のサラちゃんという天使をゲットしたのと、感染×少女で風原緒海ちゃんをゲットしたので回復しました。
やはりショートヘアは正義であり至高の存在である。
「………うんうん、似合ってるじゃ無いか、リュウ君」
「………この学園の制服は白地のはずだろ」
「ああ、リュウ君のために少し張り切ったよ」
どこか満足気な顔をした強面の男、高倉芳乃は仕事で使うカメラのレンズをアギトへ向けた。
「余計なお世話だ……この……この……!!」
憤怒を押し殺し、プルプルと震えるアギトの制服は、本来の白を基調とした趣のIS学園の制服とは違い、全身黒を基調として赤いラインを入れ、襟にドラグブラッガーの紋章が刻まれた高倉芳乃スペシャル仕様となっている。
なお、制服の裏地には何故かドラグブラッガーが描かれている。
「いやー、良い資料が撮れて助かったよリュウ君」
全くもって似合わない顔つきでてへぺろと舌を出す芳乃に怒りの限界値を超えたアギトは静かにポケットからカードデッキを取り出した。
「おおっと、私はこれから仕事だから失礼するよ」
リュウガの視線から逃れるべく芳乃はわざとらしく袖から時計を出して慌てたようにIS学園の廊下を駆け出した。
そして、芳乃と入れ違いにあの女は訪れた。
「…………」
「これで会うのは三度目だな、仮面ライダーリュウガ」
凛とした佇まいに鋭い目付き、世界最強の名を待つ忌々しい女、織斑千冬であった。
「…………」
ふん、と視線を逸らして無言を貫く。
この学園に来たのは周りの人間が行けと煩かったから仕方なく来たのであってこの女と話すことなど一つもない。
織斑千冬から伝わる声と視線を、俺は完全にシャットアウトした。
「……まあいい、貴様にはこのIS学園で犯罪者になる可能性が高いライダーとして我々の監視下に置かれる。それを重々承知しておくことだ」
織斑千冬の言葉に片目を開いて嘲笑する。
俺を監視?仮面ライダーを意のままにコントロール出来るとでも思ってるのか……こいつは…だとしたら
「本当におめでたいヤツらだ…」
「……何か言ったか?」
「…………」
「ふぅ、学園で2人しかいない男がこれだとはな…先が思いやられる。私が先に教室に入って貴様の名を呼ぶまで待っていろ」
そう言った織斑千冬は教室の扉を開き、颯爽と教室内へ入っていく。
その数秒後教室の中は歓喜の声に包まれ、織斑千冬が俺の名を呼んだ。
「………ふん」
教室に入った瞬間に中にいる女どもの様々な視線を察知する。
俺の出で立ちを見て訝しむ視線。
好奇心から遠慮容赦なくジロジロと顔を見つめる視線。
男、というだけで冷めた目を向ける視線。
俺のことは全く眼中に無い、視線。
ポーカーフェイスを装いながらもチラチラと伺う視線。
そして
「…………」
感情の抜け落ちた能面の如く表情に、目の奥底に悪意と殺意を漲らせた、視線。
「男!遂に……遂に俺以外にも男が……」
それらは瞬時に欺瞞の表情へと鳴りを潜め、あたかも「自分とは別の男の存在に感激する好青年」のような外見に成り替わる。
「織斑、席に着け」
「あたっ!!?…うぐぐ…わ、分かっ…分かりましたよ、ちふ…織斑…先生」
ソレはまるで世界最強の弟に恥じぬ外見と爽やかさを装っていた。
そして、その姿形は、卑しくもまるで鏡像のように、鏡写しの幻のように龍賀アギトと瓜二つの容姿であった。
「…………あれ?……彼、なんだか織斑君に瓜二つ……いや、千冬先生に似てる気がするわ」
「そんなわけ無いでしょ、靜寐っ、織斑君はもっと爽やかだし千冬先生は凛々しいよ!あんな陰気そうな転校生とは全然違うって」
ひそひそとアギト、織斑千冬、織斑一夏の関係性を小言で囀る少女たち。
そして、アギトは閉じていた両瞼を鬱陶しそうに開く。
「龍賀アギト、仮面ライダーリュウガだ。以上」
「なっ………!」
「「「「…………………………………………………………え…ええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!???」」」」
アギトの突然の宣告に教室中の時間が停止した。
しかしそれはたった数瞬のことであり、数秒後には少女特有の甲高い喧しい声が教室中から廊下へ、そして学園全体に響き渡った。
『…………りゅ、リュウ君。転校早々自分が仮面ライダーだって、バラしたんだな』
「ああ、おかげで快適な1人部屋を充てがって貰ったよ」
波乱万丈の転校初日を終え、山田真耶という教員に案内された1人部屋でアギトは高倉芳乃と通話をしていた。
『いや、まあ…うーん………どうせ後々気付かれる事だし……良かったのか?……』
「フン、最初から正体を教えとけば俺に近寄ろうなんて興味本位のバカな奴はいないだろ。あくまでも、好奇心だけの奴はな」
『まさか………仮面ライダーのデッキ目当ての組織と事を構える気か?』
「さあ?俺はただ、身に降りかかる火の粉を振り払うだけだ」
言いつつ、アギトは手の中で弄んでいた黒いカードデッキを空中に放る。
それらはクルクルと回転して、またアギトの手の中へ落ちていく。
その光景を、様々な思惑を持つ者たちが部屋に仕掛けられた盗聴器や隠しカメラを用いて眺めていた。
『しかし、随分と快適だな?邪魔者がいない1人部屋……なんてな。さて、そろそろドラグブラッガーの餌やりのーーー』
「ふん、何が邪魔者がいないだ。バカめ、貴様の動きを常時監視するにおいて、他の生徒が邪魔になるからこうした措置をしたに過ぎん」
「やはり、彼に仮面ライダーという力は過ぎた者だと思わんか?我々男には、彼よりももっと立派なライダーになるべき者がいる」
「ああ、彼はまだ幼く、仮面ライダーの力を発揮するには不十分だ」
暗い部屋に素性も分からぬ男たちが集い、大きなスクリーンに映し出された龍賀アギトを背景に不穏な会話を話し続ける。
その様を、別の組織に見守られている事も知らずに…………。
『直ぐに計画実行に移れ。手段は選ばず対象の生死は問わん、抵抗するならば殺せ。そして奴から仮面ライダーの力を奪い取れ。それこそが我々男のーーー』
「……………はあ、まったく。嫌になるわ〜」
「お疲れ様です、会長」
IS学園の一室、生徒会長室と書かれたその部屋には、龍賀アギトを盗み見る組織を監視する2人の女生徒がいた。
「でも、まさかアギト君が仮面ライダーリュウガ……あの、黒いライダーだったなんてね」
ため息をついて背もたれに深く凭れた女性にコトンとお茶を注いだコップが置かれる。
「何か問題が?今までの記録を見るに彼の戦闘力はISを片手間に捻り潰す程ですが、他のライダーたちと比べると、赤い龍騎士と同じでモンスター狩り専門のライダーと思いますが」
「その戦闘力が問題なのよ、虚ちゃん」
会長と呼ばれた青髪の少女はお茶を一息に飲み干して傍に立つ従者へ人差し指を突きつけた。
「仮面ライダーのデッキを欲しがる連中はこの世界にごまんといるわ。他の組織が彼の持つデッキを狙っている以上、IS学園を巻き込んだ諜報戦や争奪戦が水面下で行われる。最悪、関係の無い生徒から死傷者が出るかも知れないわ」
「それは……」
生徒会長であろう少女の穏やかでは無い言葉に従者は渋面を作る。
「そうならないためにも私が 組織や彼の動向の監視を強化しなくちゃいけないわね」
言って、またもため息。
「本当に、生徒会長も楽じゃないわね」
苦言を口にして何処からか四角い長方形の青いデッキを取り出す。
それは表面にサメの紋章が刻まれていた。
「簪ちゃんとの関係は悪化したままだし…」
「それは会長が仮面ライダーを全体的に否定したからでは?」
机にうつ伏せとなって、膨れっ面を見せる生徒会長へ従者は言う。
「そもそも、会長もライダーなのに、なぜライダーを否定したのですか?」
「それはねぇ……仮面ライダーなんて、外見ばかり見ても、その中身は綺麗なものじゃないからよ」
机の表面に顎を乗せて虚空を見る。
「自分の欲望を満たすためにライダーに変身する人間が大半を占めてるのよ?しかも、自分が生き残るためには他人を容赦なく蹴落とす。私は簪ちゃんにそれを知って幻滅されたくないの」
その言葉を最後に生徒会長、更識楯無は沈黙する。
そして2人の少女の後ろ姿を、窓から黒い龍はひっそりと見ていた。
オリジナルライダーの高倉芳乃のサイドストーリーを、現在提供者の方に書いてもらってます。
提供者はあくまでも参考ついでって感じでしたが、こんな面白そうな……げふんげふん。魅力溢れるお話を皆さんの目に触れずに取っておくのもあかん気がするので時期を見計らって投稿したいですね(にっこり)
そもそも高倉芳乃も提供者の設定では空からチクチク遠距離攻撃するキャラでしたが、折角(?)なのでファイナルベントも使わずに浅倉を倒すトンデモキャラにしました。