仮面ライダーリュウガ 〜暗黒を纏いし黒騎士〜   作:人類種の天敵

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ども、天敵です。
この度この作品を見てくださった方からオリジナルライダーを提供してもらいました。かなり嬉しいです、発狂しそうだ(゚Д゚)
頃合いを見てバンバン活躍させていきたいです!


どうやらIS学園に行かされるらしい

「はぁ、そんで……つまり、理緒ちゃんはアギト君をIS学園に所属させるための交渉役として来たわけね?」

 

「は、はい……」

 

「………たかがそれだけでなんで俺たちが泣かれるんだよ…」

 

「バッーー!アギト!」

 

カウンター側の席に座り、縮こまりながら喫茶店花鶏へ来店した理由を説明する理緒という名の少女。

しかし、アギトの方はもう二度と会うこともないと決めていたブリュンヒルデこと織斑千冬と、現一夏の織斑一夏の在籍しているIS学園なんぞに所属するはずがなく。

しかもそれを話すだけのくせにバカ真司と共にこの少女な泣き喚く声を散々聞かされたのだ。

彼のイライラは既に爆発寸前と言っても過言ではなかった。

少女の話が終わり次第アギトはチッ、と舌打ちをしてそっぽを向いた。

だが、その行為が、仮面ライダーの変身者の中で最も苦手なイカれ男のする仕草と全く同じことに気付き、顔を顰めてカフェオレを口に含んだ。

 

「ご、ごめんな。こいつ、なんていうか…その、バカだからさぁ…はは」

 

「おい真司。バカはお前だろ。とにかく、俺はIS学園には行かない。とっとと帰って報告しろ」

 

さもないと……アギトがずっと目を細めて鋭い視線を少女に突き刺す。

たったそれだけで少女は体をびくっと震わせて動かなくなる。

 

「……お前の秘密も、他の二人のことも全部バラすぜ」

 

そのアギトの言葉に少女は顔を一気に蒼ざめた。

愕然とした面持ちで瞳に涙を溜めてアギトの顔を見つめている。

 

「お、おい!アギト…秘密ってなんだよ?」

 

堪り兼ねた真司が少女に変わってアギトに話しかけた直後。

新たな来店者を示す音が、花鶏の中に響いた。

 

「あ、すみません…今ちょっと閉店中で……」

 

すぐさま優衣が謝罪を口にするが、来店者はそうですか……と言って頭を掻いた。

 

「てっきり開店中だと思ってたんだけど……やぁ、リュウ君。それに、真司君も」

 

その声に真司が顔を綻ばせて立ち上がる。

優衣が、あっと声を上げて、婆さんも、おや……と来店者の方へ顔を向けた。

 

「俺をリュウ君なんて呼ぶのは……アンタぐらいだよ、芳乃」

 

「ハハハ、いや、照れるね。とりあえず入っても良いかな」

 

アギトが呆れがちに花鶏の来店者……高倉 芳乃という職業ライトノベル小説家の男を見据えると、男は朗らかな笑顔を見せて優衣や真司に顔を合わせる。

 

「どうぞ!芳乃さん。何か飲みますか?」

 

この高倉 芳乃という小説家に随分と懐いている真司が芳乃を席に誘い、爽やかな笑顔で注文を聞いた。

 

「お、じゃあ真司君に紅茶を頼もうかな」

 

「任せて下さいよ!」

 

人差し指を立てて「一つね」と紅茶を注文した芳乃がアギト達が座っているカウンター側の席へ腰を下ろした。

 

「蓮君は、留守か……まあいいかな。ん、君は……?」

 

「ひっ……」

 

かけていたサイバーサングラスを外した芳乃のつり目がちの鋭い目つきに少女が小さな悲鳴を上げる。

それを聞いて芳乃も慌てて頭を下げた。

 

「ああ、ごめんね……私は生まれつき目つきが怖くてね、いつもはサングラスをかけるのを心掛けてるんだけど……」

 

「あ、いえ…その、私の方こそ…ごめんなさい。え、えと…わた、私…理緒って、言います」

 

「そう、理緒ちゃんか。私は高倉 芳乃だ、よろしくね」

 

ギクシャクとしながらも自己紹介を終えた理緒へ、芳乃が目尻を柔らかくしてにっこりと微笑む。

 

「………チ、それで、何の用だよ」

 

「そう邪険にしないでくれよ、リュウ君。何時もの仕事をしていたらさ、これが目に付いてね」

 

そう言ってポケットからスマホを取り出した芳乃は、画面を操作して一つの画像をアギト達へ見せた。

それは、紛れもなく、IS学園にてミラーモンスターと戦った、アギトが変身したリュウガの姿であった。

 

「これ、リュウ君だろ」

 

穏やかな微笑を浮かべてアギトを見つめる目つきは、先ほどの鋭い視線とは違い、とても優しいものだった。

 

「……知らん」

 

「いやぁ、リュウ君。私は君が人のためにミラーモンスターと戦った事に感動を覚えて今日来たんだ」

 

「あ!ですよね!芳乃さん!俺もアギトが人間の自由と平和を守る仮面ライダーになってくれて嬉しいんですよ!あ、どうぞ」

 

紅茶をカップに注いで芳乃へ出した真司に、芳乃はへぇ、と興味深い顔つきで真司の言葉を繰り返した。

 

「人間の自由と平和を守る…仮面ライダーか。真司君それ、良いね。今度執筆する本のテーマにしても良いかい?」

 

芳乃の提案に真司は元気よく、もちロン!と頷いた。

 

「それで、理緒ちゃんはリュウ君をIS学園に勧誘しに来たんだろ?」

 

「ふぇ…」

 

「おい、アンタ…何でそれを」

 

「ふふ、IS学園で働くちょっとしたツテからね。どう?驚いたかい」

 

悪戯が決まって喜ぶ子供のような顔で芳乃がにんまりと笑う。

その表情を見てアギトの機嫌はさらに悪くなっていく。

 

「………まて、アンタ、まさか」

 

「ああ、そうだ。リュウ君、君はIS学園に行った方が良いと、私は思う。だから、リュウ君はIS学園に行きなさい」

 

改まった顔でアギトの顔を見つめる芳乃の顔はとても真剣な光を宿していた。

だからこそアギトも何か言葉を発しようと口を開いて……そのままため息を吐いた。

この芳乃という男は、バカ真司と同じでライダー同士で戦う事に疑問を感じるお人好しで、しかもその意思は貫くと決めたら絶対に折れることも曲がることも、ましてや少しの妥協も許さないやつなのだ。

 

「わたしもそれが良いと思うわ。ね、真司君」

 

「え?あ、お、おう!」

 

「………婆さん」

 

「アギト、この件関してはあたしも賛成だね。観念して高校行ってきな」

 

賛成4 否定1

最後に露骨に舌打ちをしたアギトがカフェオレに口を付ける。

芳乃はウンウンと頷いてからスマホを耳に当てて誰かと通話を始めた。

 

「ああ、高倉芳乃です。真耶ちゃんかい?出来れば千冬に代わってもらいたいんだけどさ……ああいや、いないんだったら良いよ。代わりに伝言を頼んでも良いかな。……うん、ありがとう」

 

どうやらIS学園の教論にアギトが転入する話を伝えているようだ。

通話を終えた芳乃はアギトに高校祝いだ、と告げてケーキを注文した。

 

「あ、え、と、じゃあ、私は…帰り、ますね?」

 

あたふたと帰り支度をし始める理緒の肩を芳乃がポンと叩いて「よければ君もケーキを食べるかな?」と聞いた。

基本的にサングラスを外さなければまともな芳乃に聞かれて、はい、と返事をした理緒も巻き込み高校祝いのパーティーが開催された。

今回の宴には自称スーパー弁護士の北山とパートナーのゴロちゃんこと由良吾郎。

占い師の手塚や神崎優衣に呼び出された兄の士郎と配達が終わって帰ってきた秋山蓮が参加した。

 

「ぶふっ……不良少年のお前が女の花園に……ねえ……?どう思う、ゴロちゃん。俺はアギトがすぐに女に手を出すかハニートラップに引っかかると見たね」

 

「北岡……持病はまだ再発してないようで良かった。だが、俺の占いは当たる」

 

「え、北岡さん、持病が再発するかもしれないのにパーティーに参加して良かったのかよ」

 

「うるさいな、城戸。名誉毀損で訴えるぞ」

 

「今夜は北岡の奢りだ。飲んで騒げ」

 

「おい、秋山……」

 

「お兄ちゃん、またお風呂に入ってないでしょ。健康にも気を使わないとダメよ」

 

「優衣……おい、何を見てる、城戸」

 

カウンターの上や席にフライドチキン、ケーキ、お酒やお菓子にジュース。

遊び用に芳乃が用意した黒ひげ危機一発やトランプカードが散らばっている。

ワイワイと騒ぐ男たちを横目で見ながら蓮や真司を除く仮面ライダーの変身者のことを思い出していた。

 

仮面ライダーゾルダ…北岡秀一

契約モンスターに餌を与えるため、ミラーモンスターと交戦中に持病が発生して劣勢だったところを龍騎と気まぐれで付いて行った俺に助けられ、そこから縁が芽生える。

いつもは飄々とした態度で自称スーパー弁護士を名乗るが、この女尊男卑の世界において関わってきた裁判で男を弁護する際には絶対的に有利な女を相手にして必ず勝訴するなど弁護士としての腕も仮面ライダーとしての実力も高い。

 

仮面ライダーライア…手塚海之

普段は占いの当たる占い師を営み、俺の占いは当たる、を豪語する青年。

当初は北岡を付け狙う浅倉や行方不明事件に関わる須藤、北岡に道楽息子と呼ばれている芝浦淳などにライダー同士のバトルや無意味な変身は止めるべきだと説得して回る、ある意味で真司と同じ奴だ。

最近では真司と親交を深め、本業の占い師の傍、喫茶店花鶏でも働き出している。

仮面ライダーとしての実力は、ライダー同士で戦うべきじゃない、と言って回るあたり、戦いを楽しむ浅倉やドジってやられた須藤に比べると決定打や武器を向けることに躊躇いがちだが、真司との連携やミラーモンスターとの戦いでは本領を発揮する。

 

(……そして、高倉芳乃…)

 

アギトはカフェオレを口に含みながら、真司や手塚と仮面ライダーにまつわる世間の風潮、女権団からの圧力などの話を聞かせている芳乃へ目を向けた。

 

高倉芳乃

真司や手塚と志を共にするライトノベル作家であり、錆色の鷹ホークスギアの契約者として仮面ライダーベガに変身する男。

冷静沈着にして人当たりの良い奴。

契約しているホークスギアとの関係は契約者とミラーモンスターのそれを超えていて、戦う時もホークスギアに危険が及ばないように慎重に相手を選ぶが、その実力は北岡を狙って変身した浅倉をファイナルベントを使わずに押さえ込むほどで、未だ未知数。

ただのライトノベル作家として活動しているが、大物政治家や有名企業の社長と友人、ISを開発した人物との関わりを持つ……などなど、ただの作家が持つコネのそれとは一線を画している。

 

(……ISに対抗できるライダーになって欲しいのやら、ただ単に学校に行かせたいやら、よく分からん奴だよ…ほんとに)

 

ただ、バカ真司が尊敬するほどのライダーであり、少しは信用しても良い……ぐらいには評価してる。

 

『ゴォォオアアア……』

 

「なんだよ、お前もあいつの事は多少なりと認めてるのか?」

 

カフェオレの液体の表面に黒い龍の姿が映る。

ドラグブラッガーはそれに答えず、悠々と鏡面の中で長い躰をグルグルと浮遊させていた。

その後、北岡が酔い潰れて由良吾郎が帰宅したのを見計らってパーティーはお開きになった。

 

 

 

 

………そして、その一週間後、俺はIS学園の制服を着て芳乃に案内されるがまま、一年一組のクラス前に立っていた。




そんな訳で仮面ライダー龍騎で、別の平行世界ならばありえたかもしれない束の間のパーティー。
オリジナルライダーの芳乃さんは25歳ということで天災や千冬さんと同い年や!多分……ついでに真耶さんもくっつけとこう!……意味は分かるな?つまり、そういうことだ(´Д` )

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