仮面ライダーリュウガ 〜暗黒を纏いし黒騎士〜   作:人類種の天敵

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どうも、天敵です。最近バイトガンガン入れてしまっていて書く時間がなかったです……俺の体はボドボドだ!
サボってたわけではないです……サボってたわけではry

擬人化ミラ☆もん
デストワイルダー
・白髪ロリ
・好奇心旺盛にして活発
・日向ぼっこがお好き
・「がおー」が口調
・よくauの背中に乗っている


盾と龍

『はっ!』

 

ミラーワールド……そこでは黒い仮面ライダーが数匹の二足歩行のハイエナのような怪物と戦っていた

 

『クケケケケカカカ』

 

『……すばしっこいな…』

 

黒い仮面ライダー…リュウガの振るったドラグセイバーが空を切るーーーリュウガが対峙している目の前の敵、クレイジーワイルダーはとてもすばしっこく、ドラグセイバーの斬撃が悉く避けられているようだ。

それに加え、自らの武器は異常な程に盛り上がっている脚だという事をこのミラーモンスター達が知っているからだろうか。決してリュウガに近付こうとせず、少しずつ舐るような戦い方、ヒットアンドアウェイを繰り返している

 

 

『ふぅ………流石に、十匹以上も殺れば、警戒して近づかない………か』

 

ドラグセイバーを切り払って俺の周囲を囲む五匹のミラーモンスターを見渡す。

こいつらは、無闇に俺に近付こうとせず、時間を稼ぐように、俺の攻撃を避けるだけだ

 

(…なるほど、俺の活動限界を狙ってるのか)

 

9分55秒。それが俺たち仮面ライダーが鏡の世界で戦える時間。

それを過ぎれば仮面ライダーと言えども、装甲は消滅し、この世界で死んでしまう。

 

『御前達らしい、小賢しい考えだな』

 

もう一度ドラグセイバーを振るう、剣から黒い衝撃波を生み出し、周りにいるクレイジーワイルダーを全て石化させた。

 

『時間までにお前らを倒せないとでも思ったか?』

 

石像のように固まってしまったミラーモンスターを蹴って粉々に砕く。

 

そして、ミラーワールドから出る前に奴らがここへ連れ去っていたIS学園の生徒を両手で抱くいてから一番近い鏡面から現実世界へと帰る。

 

『ふぅ、この女はここにでも置いておくか』

 

現実世界に帰ってから、まず担いでいた女を降ろす。

水色の髪の髪の毛が内側に跳ねているのが特徴的で、他には視力が悪いのか眼鏡を掛けている

 

「すぅ……すぅ…」

 

『まったく、あと数秒で消滅する筈だった……てのに、いい気なもんだな』

 

俗に言う、お姫様抱っこをしながらリュウガが呆れ気味に呟く。

この少女の着ている衣服の破れ具合からして、ミラーワールドに連れてこられた後、クレイジーワイルダーに必死に抵抗した証だろうが……今リュウガの腕の中で眠る少女はとても健やかな寝顔だった。

 

『さっさとこいつを置いて次のミラーモンスターを……』

 

「簪ちゃん!!」

 

『………………?』

 

突如響いた女の声に後ろを振り返る。

そこにいたのは、リュウガが抱きかかえている内はねの青い髪の少女と同じく、透き通るような外はねの青い髪をした女。

必死で走って来たのか、壁に手をついて肩で息をしている。

しかし、その眼は、彼女の怒りを表しているように紅く、その鋭い眼光は少女を抱きかかえているリュウガに注がれていた。

 

「はぁ、はぁ……貴方……ッ、仮面ライダーね……」

 

とても一般の女子高生とは思えないような低く、ゾッとするような声でリュウガへ問いかけた少女は、まるでリュウガを射抜かんばかりに彼を睨みつける。

 

『………だとしたら……どうする?』

 

「……その子を離しなさい」

 

面と向き合って応えたリュウガに、女が命令する。

リュウガとしては女の指示を無視する理由もなく、元からそうしようとしていたこともあって、さほど迷いもせずに抱きかかえていた少女を、優しく、ゆっくりと床へ降ろした。

 

『…………さぁ、降ろしたぞ……で、どうする?』

 

「……………」

 

怒りを滾らせた瞳から、なぜ?という疑問のような瞳へ変わる少女。

しかし数秒後にはその迷いを振り切るように、凛とした面持ちでリュウガと対峙する

 

「仮面ライダー、貴方がどうやってここへ侵入したかは知らないけど。このIS学園の長として、そして一人の姉として貴方を倒すわ」

 

『…………へぇ………』

 

リュウガのレッドアイが少女の眼と同じように紅く煌る、瞬間少女の身体を水が包み込み、スク水のようなスーツと、腕や足に、少しばかりの装甲を纏った少女が……いた。

 

「はぁぁ!!」

 

少女が持ったランスから幾つもの弾丸が飛んで来る。それらは未だ眠っている少女からリュウガを離すために放った牽制弾で実際に当たることはないのだが、リュウガは弾丸よりも少女自体の気迫に押されてバックステップする。

 

「逃さないわ!」

 

『………ッ!グッ!!』

 

瞬間、ランスを真っ直ぐに持ち、突進するかのようにリュウガへ迫る少女。その速度は通常のISの倍以上の機動力だった。

 

『速い……ッ!』

 

「あら、今まで瞬時加速を見たことが無かったのかしら?」

 

『………ああ、今まで戦ってきたISは、それを使う前に倒せたから、なッ!!』

 

少女の加速力に驚愕したリュウガへ、にやり、と微笑む少女。

対して、ISにこんな技がある事を知り、舌を巻いたリュウガは、この少女は侮れない相手だと確信した。

 

「きゃあっ!……くっふぅぅ、パワーが違いすぎる……!」

 

『ふぅ、面白いものを見せてもらったぜ、確か……こうかッ!』

 

壁を足蹴にしてリュウガが少女へと肉薄する。反応が遅れた少女は、リュウガの左拳を鳩尾に喰らって後方へと吹っ飛んで壁に衝突し、苦しそうに喘ぐ

 

『………?……手応えが無い……』

 

「かはっ………はぁ、はぁ……ギリギリ、間に合ったわね………」

 

渾身の力を込めて少女の鳩尾へと繰り出した拳を眺め、不思議そうに呟くリュウガ。彼が放った左拳は、少女のお腹へぶつかる直前、正体不明のナニカに遮られてダメージを与えることが出来なかった。

 

『見えないゴムか?』

 

「ふふ、さあ?どうかしらね」

 

妖艶な笑みを浮かべる少女に、リュウガがフッと笑う。

もう一度仮面の奥のレッドアイを紅く光らせ、右手に持ったドラグセイバーで風を切って振り上げる。

 

『ハァァァ……ッ!!』

 

「く、ぅぅ……!」

 

ガギン、と金属のぶつかり合う音が響く。それは一回で終わらず、二撃、三撃、四撃とリュウガがドラグセイバーを振るうたびに火花を散らして音を立てる。

 

『フッ!!ハァッ!!』

 

「あぁぁっ!!」

 

ガァンッッ!!

 

何撃も撃ち込んだ中で一番重い斬撃。これには少女も堪らず動きを止める。そこを狙ってリュウガの後ろ回し蹴りが少女の身体へ直撃した。

 

『………クッ、またあの妙な防壁か……』

 

苛ついたリュウガの言葉が、彼の放った後ろ回し蹴りによるダメージを、少女が完璧に防いで見せたことを意味する。

 

「ふ、ふふ、完璧に防いでる筈なんだけど、SEをごっそり減らされちゃってるわね…しかもISを使ってると言っても、普通婦女子のお腹を執拗に狙うかしら?」

 

苦々しくリュウガへ文句を告げる少女に、リュウガは内心で褒めちぎる。

それは、彼の攻撃を紙一重で無効化する謎の力。更にそれの正体を上手く隠し通すこの少女の技量についてだ。

 

『強いな……お前は』

 

「これでも、自他共に認める学園最強だから……当然でしょ?」

 

片目でリュウガへウインクをしつつ、ランスに内蔵された火器を撃ちまくる少女。

まずは少女の扱う謎の力を知ることが必要だ、とリュウガが右手に持ったドラグセイバーを捨て、カードデッキから一枚のカードを抜き取り、左手のドラグバイザーへと挿入する

 

『STRIKE VENT』

 

低い機械音声の直後、右手に装着されたドラグクローを少女へ向け、腰を低く落とす。

 

『ハァァッ!』

 

両口を大きく開いた龍の顎から、暗黒の火球が放出された。それは黒い唸りを上げて少女へと迫る。

 

「くっ!きゃぁぁ!!!」

 

少女の悲鳴。しかし、それと同時に少女を透明な何か、いや、液体状のナニカが包み込み、黒い火球を相殺せんとする。

 

「!?なに…これ!身体が…動かない!!」

 

『……なるほど、原理はよくわからないが、水を操っていたわけか』

 

自分を包みこみ、リュウガによる度重なる致命傷となる筈だった攻撃を防いできたナノマシンで構成された水のヴェールが、今や操縦者の身体を拘束する枷となった。

 

ドイツの第三世代機が使うAICの類か…?動けない身体の代わりに高速で廻る脳味噌……。

IS学園の現生徒会長である更識楯無は、自分の想像の遥か上に位置する黒い仮面ライダーリュウガに恐慌し、顔の表情は冷静さを保ちつつも、ISの量子領域から、サメの紋章の描かれた長方形のカードデッキを取り出す。

 

『………そのまま……動くなよ』

 

「…………?」

 

実の妹の前では例え眠っていたとしても実行を避けたかった「奥の手」へと手を伸ばした更識楯無へとリュウガが話しかける

 

『俺は今忙しいんだ、簡単に言えばお前に付き合ってる暇はないんだよ』

 

右手に装着されたドラグクローをポイっと捨てて、新たなカードをバイザーへと挿入したリュウガが、身動きの出来ない更識楯無へ話し続ける。

 

『ISのパワーなら数分間頑張れば壊せるだろ?……それじゃあな、二度と会う事もないだろ、水使い』

 

攻撃してこないと分かってるのか、楯無へ完全に背を向けて立ち去ろうとするリュウガ。

今ならリュウガへ致命傷の一撃を与えることが出来る、しかし、攻撃していい物なのか?

自分と同じ彼を、そもそも第一に、仮面ライダーが悪とは誰が決めたものか?更識楯無の思考はパニックに陥っていた。

そして、そんな思考回路が導き出してしまったのは………………

 

「ちょ、ちょっと、待ちなさい」

 

『…………?なんだ、まだ何かーー』

 

「わた、私の名前は更識楯無……よ……」

 

『…………は……?』

 

「…………………」

 

『…………………』

 

盛大にやってしまった………。

更識楯無は自然とその答えに辿り着いた。

 

なぜ自分は仮面ライダーに今の名前を教えてしまったのか?

というか、なぜ自分は簪ちゃんを助けてくれたかもしれない相手に攻撃してしまったのか?

 

『………クク……はっはっはっは……。そ、そうかそうか……さ、更識…楯無…か!はっはっはっは!!』

 

お腹に手を当てて蹲るリュウガ。そんな彼を見て熟れた桃のように恥ずかしそうに顔を俯かせる更識楯無。

次第にリュウガの笑いはヒートアップし、廊下の床をバンバンと叩き出し、廊下はひび割れていく。

 

「〜〜〜ッ!!は、早くどっか行きなさいよ!じゃないとまた攻撃を仕掛けるわよ!?」

 

『わ、分かって……ククク。分かってるんだが………はははははは!ふ、普通……普通敵に名前を教えるか?クク。それも、お、俺たち仮面ライダーに………』

 

笑いのツボがカンストしたリュウガが廊下をゴロゴロと寝転がっていく。

さっきまで、吊りあがり気味に紅く光っていた彼の両眼は、涙を堪える笑い目になっているように見えた。

 

『ぜ、ぜぇぜぇ……やるな、更識楯無。戦いで勝てないと理解した上で俺に精神攻撃を与えてくるとは…………………ブフォオッ!?』

 

息も絶え絶えに言葉を捻り出したリュウガが思い出し笑いをしてまた廊下をゲラゲラと笑いながら寝転がる。

 

『ふ、ふぅ………ククク………おい、其処にいる奴、こそこそ見てないで出て来いよ』

 

手をついて立ち上がったリュウガは、背後の鏡へ向かって、顔を向けずに声を掛けた。すると、そこからリュウガとは別の仮面ライダーが現れる。

 

「新手のライダー!?」

 

『…………よく分かったな』

 

『フン、色々とお粗末なんだよ、お前は』

 

リュウガの背後に立つ仮面ライダー、アイギスが両手に持ったパイルバンカーをリュウガへ向ける

 

『それで?他の仲間はどうした?一緒じゃないのか?』

 

『……あの二人は色々と煩いんだ……俺達が仮面ライダーを殺すのは正義なのに……!人殺しはいけないってよ!笑わせるぜ!お前らに人権なんてねえのによおおおおお!』

 

獣のような咆哮とともにアイギスがリュウガの懐へ肉薄する。そして両の手に握ったパイルバンカーを穿とうとして、リュウガの強烈な膝蹴りを顔面に喰らう

 

『ガッ……!!』

 

『成る程な、お前は刺激的なライダーバトルをお望みか………』

 

『SWORD VENT』

 

ドラグセイバーの柄を握ったリュウガが、刀身を数回切り払ってアイギスが立ち上がるのを待つ。

そのリュウガの行動を挑発と受け取ったアイギスが、奇声を発しながら駆ける。

 

『な、舐めやがって!死んじまえよおおおおお!』

 

『フッ!!』

 

リュウガは、アイギスの大振りの攻撃を避けて下から上へとドラグセイバーを振り抜く。

ドラグセイバーの刀身がアイギスの装甲を削ぎ、摩擦で火花がバチバチと飛び散る。

 

『グッ!』

 

『ふぅ……ハッ!!』

 

『ぐわぁぁ!!』

 

よろめいたアイギスへリュウガの二段蹴りが炸裂する。

リュウガのキック力は絶大で、二段蹴りを諸に受けたアイギスは何10mも後ろへ吹っ飛んで行った。

 

『がっ!?グッ!?』

 

『あんまり強くないな…コイツ』

 

『ぐっ!く、くそぉ………!!』

 

『ADVENT』

 

アイギスが腰のカードデッキからアドベントカードを取り出し、盾型のバイザーへ挿入する。

それを見たリュウガも、腰部のカードデッキからから引き抜いたカードをバイザーにセットする。

 

『ADVENT』

 

『グルアアアアアアアア!!!』

 

『行け!ブロスダイナソー!!』

 

「っ!簪ちゃん!!」

 

角突きが狭い廊下の両壁をガリガリと削りながら突進する。

しかし、何処かから伸びた鞭のような尻尾が、ブロスダイナソーの足を掴んで転ばせた。

 

『グギィイィアァァァァァアアアア!!?』

 

ブロスダイナソーが派手に転んだ過程で廊下の壁は大きく穴が開き、ブロスダイナソーは弱々しい鳴き声をあげてミラーワールドへ帰っていく。

 

『っ!?はぁぁぁ!?』

 

『待ち伏せ成功だ、ゲリョスウイング』

 

『ゲッゲッゲッ………』

 

そして体に鏡から現れたミラーモンスター。ドラグブラッカーと同様にリュウガと契約しているゲリョスウイングが、一人ぼっちのアイギスを馬鹿にするような笑い声を上げる。

 

『おい!フザケルナ!ブロスダイナソー!!』

 

不甲斐ないミラーモンスターへ憤怒の声を上げるアイギス。

そんな彼へ音もなく忍び寄ったリュウガが、背後から跳び蹴りによる強襲を敢行した。

 

『ぐおおおお!?』

 

『そろそろ終わらせるか……』

 

『FINAL VENT』

 

ゲリョスウイングの紋章が描かれたカードをバイザーへ挿入。するとゲリョスウイングがアイギスに自らの背中に向け、伸縮自在の尻尾を右へ左へとしならせる様に振り抜いていく。

 

『ぐぅ!?がぁ!!ぎぃゃあ!?』

 

打ち抜かれた尻尾の衝撃で体が硬直し、動けないアイギスの背後から、リュウガがドラグセイバーを持って肉薄する

 

『ハァァァ……!!』

 

一撃二撃、三撃とリュウガとゲリョスウイングによる打撃と斬撃の嵐がアイギスを包み込む。

六撃を超えたところでビンタの如き攻撃を止め、まるでバネの様に尻尾を縮めたゲリョスウイングが、アイギスの胸装甲へと最後の一撃をお見舞いする。

 

『グワァァァァァァァ!!!』

 

トラックに正面衝突した様な衝撃を受けてアイギスは後方へ吹っ飛んでいく。

そして、その先にいたのは………まるで居合の様に腰を下ろし、ドラグセイバーを構えたリュウガだった。

 

『ハァァァ……………アアッ!!』

 

アイギスの無防備な装甲へ黒い黒炎を纏った刀身を斬りつける。

この一撃が決め手となり、パリン……という何かが割れた様な音の後で、アイギスの装甲を維持しきれなくなった変身者ーーー盾持 優が床に突っ伏していた。

 

「がはっ!?は、はぁはぁ……ごふっ……ぐふ、ふぐぅ………!!」

 

変身が解除された優は荒い息で必死に喘いでいたが、最後に「仮面ライダー……お前は、俺が……」と呟いて気を失った。

 

『………行くか』

 

「………まさか、盾持の長も仮面ライダーだった…なんてね」

 

それを見届けたリュウガはまたミラーワールドへ入っていく。

そして、リュウガとアイギスの壮絶なる戦いぶりを見ていた更識楯無は、IS学園の救急隊に連絡を入れて、自分の妹である更識かんざしを抱いて立ち去った。

 




た、いうわけで生徒会長も実は………。アレに変身します。ISとの併用とかも出来るはず……。
とりあえず説明。
盾持 優
・対暗部の更識家とは違い警察官僚組織のトップに立つ名門。
・仮面ライダーに対して憎しみを抱いている様子。
・普段は冷静に状況を判断するが、仮面ライダーを相手にすると周りが見えなくなる(仲間二人は別)

次回は蟹に退場してもらおうかなぁ……と考えてます。
死亡endか生存endかは……どっちにしようかなw

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