仮面ライダーリュウガ 〜暗黒を纏いし黒騎士〜   作:人類種の天敵

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どま、天敵です。今回はタイトル通りに。
ぶっちゃけ考えてみたけどISと仮面ライダーが戦っても仮面ライダーの圧勝だなぁ……てか、ミラーモンスターにすら勝てるのか?

擬人化☆ミラもん
絵ビルダイバー
・紅色の髪の腰まで届くロングヘアー
・結構な割合で四つん這い
・そしてその上に手塚がノリノリで乗る
・そしてドMである
・そしてムッツリすけべ


元一夏と現一夏

ズッゴシャァァァッッッッッ!!!

 

 

 

『………そ、そん………な………』

 

『グオォォ……グオォォォォオオオオオオオッッッッッ!!!!』

 

ぽつりと溢れた誰かの呟き。

鏡の向こうから響く黒龍の号哭。

室内には机の下敷きとなり気絶している多数の女性たちとライダー。

その中の1人である仮面ライダーアイギス、彼は両手に持ったパイルバンカーを目標に向けて振り切っていた。

その相手はーーーーー

 

『キシャシャシャシャシャシャ!!?』

 

『ふぅ、危なかったな』

 

『ぼ、ボルキャンサー!?』

 

アイギスのパイルバンカーを喰らったのは、リュウガではなく、仮面ライダーシザースの契約モンスターであるボルキャンサーだった

 

『クッ!お前、卑怯だぞ!男として恥ずかしくないのか!?』

 

アイギスがもう一度パイルバンカーを穿とうとするがリュウガがその度にボロボロのボルキャンサーを盾にしてくるために手が出せない。そしてパイルバンカーを放てないイライラが高じてアイギスはリュウガに対して怒鳴り声を上げた

 

『ハン、近くに転がってたこいつが悪い』

 

転がってた理由は俺がボッコボコに蹴りまくってたからだが、ボルキャンサーの装甲は盾として有能だ、使わないわけがないだろ

 

『ほらほら、どうした?さっさと打ってこいよ。あと1発でこいつは消滅するぜ、シザース』

 

『うぐ………』

 

『さて、と……お前ら、自分の契約モンスターの心配はいいのか?』

 

少しの間、シザース他3人の仮面ライダーは疑問を浮かべていた。鏡の向こう、ミラーワールドでは確かにリュウガの契約モンスターと自分たちの契約モンスターが戦っている。が、あちらは三体一なのだ、多勢に無勢。いくら彼の契約モンスターと言えど、苦しい戦いの筈……

 

『ゴオオオオアァアアア!!!』

 

『う、嘘だろ……』

 

しかし、ミラーワールドでの戦いは、リュウガの契約モンスター、ドラグブラッカーが制していた。鋭い尾で打ちつけ、火球を吐き、石化させ、動きのとれない所を鉤爪による一撃。縞模様の虎、レックスダイナソーによる素早い動きも、それ以上の速度で追撃され。

ブロスダイナソーによる突進も、真正面から受け止められ。

レイアダイナソーによる空を飛ぶことを生かした上空でのドッグファイトも、より旋回性能に長けたドラグブラッカーはいとも容易く撃墜する

 

既に鏡の向こうはドラグブラッカーの独壇場だった

 

『さあて、終わらせるとするか』

 

カードデッキから一枚のカードを取り出す。そのカードには黒龍を模した紋章が刻まれていた

 

『FINALVENT!?ここで使うのか!?』

 

『……ん?ただのハッタリだアホ』

 

足に回っていた毒も薄れきた今、リュウガは走り出すと同時にボルキャンサーを仮面ライダーキングへ放り投げる。

仮面ライダーキングはボルキャンサーの重さに、ぐへぇ、と情けない声を上げて潰されていった

 

『キング!!』

 

『これはお返しだ!貰っとけ!』

 

仲間が下敷きにされたのを見て動揺した仮面ライダーアイギスへ助走を付けた跳び蹴りを喰らわせる。アイギスの方は何が起こったのかわからないまま、数十メートル先の壁に衝突した

 

『お前は……』

 

『ふええ!?ご、ごめんなさい!!』

 

『お、おう?』

 

1発覚悟しろよ、と言うつもりだったが、振り向いて顔を合わせた瞬間謝れられたので思わず返事をしてしまった……まったく、緊張感に欠けるやつだな……

 

「そこまでだ!」

 

ドスッという痛みと共に腹部にブレードの刃を喰らう。言わずもがな相手は織斑千冬だ

 

「散々暴れてくれたな、仮面ライダーリュウガ」

 

『ハッ、暴れさせたのはそっちだろ?』

 

ブレードを片手で掴んでそのままへし折る。仮面ライダーの握力の前ではこんなものその辺に転がってる木の枝と何ら変わらない

 

「くっ…」

 

『そして、お前は変わらず背後からの奇襲か……シザースッ!』

 

『ぐはぁっ!!』

 

背後へ蹴りをかますと、やはりというべきか。しっかりとした手応えを感じ、数秒後に床に転がる仮面ライダーシザースがいた

 

『さて、と。俺帰っても良いかな?』

 

『良いわけねえだろ!!人をおちょくってるとぶっ殺すぞ!』

 

パンパンと手をはたいておちゃらけた調子で聞いてみると思いっきりブチ切れられた

 

『……だって俺別にお前らと戦ってもなぁ………』

 

キィィィィィン キィィィィィン

 

『………ミラーモンスターが出現したか……じゃ、そういう事だから』

 

『あ、待ちやがれ!!』

 

キングとかいう仮面ライダーの制止を無視して鏡の中へ突っ込む。ミラーワールドで他の契約モンスター三体を圧倒し、悠々と空を飛ぶドラグブラッカーの背中に飛び乗り、ミラーモンスターのいる場所へ加速した

 

『グガォオオオオオオオオオ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

地上ーーアリーナ観客席

 

「いっけー!織斑くーん」

 

「頑張って!織斑くん!」

 

「おりむー頑張れ〜」

 

IS学園アリーナの観客席、そこには古今東西の美少女たちが大きな声を上げて応援をしていた。そして、応援をされている相手は…というと

 

「うっぉおおおおおおおおお!!」

 

「くっ!!ティアーズッ!!」

 

白い装甲に身を包み、刀一本で空を駆け抜ける1人の男に、青い装甲に身を包み、レーザーライフルを手に持った金髪縦ロールの女の2人である

 

「きたっ!それの軌道は読めてるぜっ!」

 

「きゃ!!そ、そんな!ティ、ティアーズ!!」

 

白熱した戦いに会場の雰囲気も熱中する。

そして、その戦いを……正確に言えば戦っている2人を応援している人間を鏡の向こうから見ている異形の怪物が……6体

 

「きゃーー!!今よー!!織斑くーん」

 

「セシリアー!!頑張ってー!!」

 

声援に紛れて怪物たちの声が鏡の向こうから木霊する。そして、怪物の標的となったのは、仲良しげに話していたおさげの少女、袖がぶかぶかののほほんとした少女。セミロングの髪にヘアピンをつけた少女の3人だった

 

『クケケケケ』

 

「織斑くんがんばー!………ねぇ本音、なんか言った?」

 

「えー?何も言ってないよ〜」

 

「ふふ、何言ってるのよ癒子」

 

あははは、と笑う彼女たちの背後、管制室の窓から怪物が4体飛び出したーー

 

「きゃ、きゃぁぁぁぁ!!?ばけ、ば、化け物!!!?」

 

「え、え?ヒッ……いやぁぁぁ!!!」

 

「え?なに、なに!?ど、どうしたの!?」

 

「化け物ー!!化け物が……いやぁぁぁあああ!!!」

 

 

窓の鏡面から現実世界へ出現したミラーモンスターが威嚇の咆哮を上げ、観客席は突如未曾有の大混乱を迎える。

それを見てミラーモンスターはニヤリと嗤い、3人の女生徒へ突進する。そして、それにいち早く気付いたおさげの少女が悲鳴を上げて腰を抜かして尻餅をついた

 

「きゃぁぁぁ!!!」

 

両目を閉じて叫ぶセミロングの少女へ怪物が走り出す。袖がぶかぶかの少女が、2人の前に立って、まるで通さないかのように両手を横へ広げる

 

「ほ、本音!!」

 

『クケケケケ?クキャキャキャキャキャ!!』

 

ハイエナのような小狡しくも残虐そうな目付き、細々と痩せこけた手にあばらの浮き出た胴体。唯一脚部はもりもりと発達していて、そこからこの個体「クレイジーワイルダー」が如何に俊敏であるかが分かる

 

「本音ちゃん!逃げて!」

 

「だ、大丈夫だよ〜えへへ〜」

 

「バカッ!なに言ってるのよ!」

 

2人の言葉も既に遅かった。クレイジーワイルダーは少女の勇気を嘲笑うかのように一声嘶き、両手の爪をギャリギャリと音を立てて少女の周りを高速で動き回る

 

「きゃぁぁ!!」

 

「!ゆ、癒子っ!?いや!止めてっ!?」

 

おさげの少女が一匹のクレイジーワイルダーに連れ去られ、もう1人も両腕を2体のクレイジーワイルダーに掴まれてミラーワールドへ攫われる

 

「あ………」

 

そして本音と呼ばれた少女の目の前には、もう一体のクレイジーワイルダーがニンマリと嗤って立っていた

 

『クキキキケケケケ』

 

「ぁ………ぅ……」

 

とすん、少女は尻餅をつきながら後ろへと這っていく。それを楽しそうに鳴きながら逃げ道を塞いでいくクレイジーワイルダー

 

『クヒャキャキャ』

 

「い、痛い!!あぁ………」

 

少女の頭を掴んで無理やり立ち上がらせ、右手を大きく振りかぶったクレイジーワイルダー。少女は、本音は両目に涙を溜めて、親友の名を呟いた

 

「ごめん…かんちゃん……」

 

『クキャーーーー!!』

 

ブゥゥン!!

 

クレイジーワイルダーの残虐な凶爪が、少女を襲うーーーー

 

 

バシッッッッッッ!!!

 

 

『…………クレイジーワイルダー……なんだ、食べ応えもなく、強い訳でもないカスモンスターか……』

 

『クキャ!?ク、クキクキューー』

 

少女の真上に振り抜かれた凶爪、それを掴んだのは………黒い装甲に、禍々しい龍の紋章を持つ黒き龍騎士、リュウガだった

 

『ハン、そんな非力な攻撃が喰らうかっ!』

 

『クギィィイイイイイイ!!!?』

 

リュウガの装甲を切り裂いたかのように見えたクレイジーワイルダーの爪が、横薙ぎに振り抜かれたリュウガの蹴りによって粉々に砕かれた

 

『グギュァァ!!?』

 

『ははは、ほら、ミラーワールドを見てみろよ……お前の仲間たちがピンチだぜ?』

 

リュウガの言葉にハッと我に返ったクレイジーワイルダー。その視線の向こう、鏡の鏡面世界ではーーー

 

『グギュィイイイイイ!!?』

 

『グギャガガガガ!!』

 

『ゴァァァァアアアアア!!!!!』

 

それはまさしく、地獄だった。

獲物を連れてミラーワールドへ帰還したクレイジーワイルダーを待っていたのは鞭のような伸縮自在な尻尾による顔面への殴打。余りの痛みに獲物を手放して一目散に逃走したクレイジーワイルダー三体を次に襲うのは、黒龍の火球。そして体を固められた三体は、ドラグブラッカーの尻尾を直に喰らい、あっけなく砕け散った。

 

『さ、お前もとっとと終わらせよう』

 

『SWORD VENT』

 

『グギュルルルルルル!?』

 

右手に装備したドラグセイバーをクレイジーワイルダーの胸元へ突き刺し、暗黒の炎を放出する。突き刺さった場所から徐々に石化していったクレイジーワイルダーは、リュウガが木の葉を散らすようにドラグセイバーを振り回して、程なくして仲間たちと同じ運命を辿った。

 

『ドラグブラッカー、ミラーワールドに居る奴らを戻しとけ』

 

リュウガの命令にクレイジーワイルダーが放棄した獲物達……気絶した女生徒を女性態となったドラグブラッカーがむんずと掴んで現実世界へ連れて帰る。それを見届けたリュウガは軽く辺りを見回して次の獲物を探す

 

『…………ん?』

 

そしてーーークレイジーワイルダーでは無いのだが、混乱した観客席の向こう、何故か人気の無い通路の中で、1人の少女が左手に持った手鏡へカードデッキを向けたのが見えたーーー

 

『……あれも新しい仮面ライダーか……全く…増やしすぎなんだよ……神崎兄は』

 

はぁ、と大げさに溜息をついたリュウガは、上空から襲いかかってきたクレイジーワイルダーの顔を掴んで無造作に放り投げた。

空中に放られたクレイジーワイルダーは、懸命にジタバタするも、いつの間にかモンスター態に戻り、あーん、と口を開けたドラグブラッカーに喰われて死亡した

 

一瞬ドラグブラッカーの食べ応えを見るために動かした視線を、新しい仮面ライダーの方へ戻したリュウガだったが、其処にはもう誰もいなかった

 

『……………』

 

クレイジーワイルダーの掃討戦へ移るか……

再度ミラーワールドへ入ろうとしたリュウガは、ある視線を感じて背後を振り向く。そこにいたのは、いや。その空間に浮かんでいたのは、男性初のIS搭乗者、織斑一夏だった

 

『……………』

 

「……………」

 

「い、一夏さん、これは一体どういう事ですの?」

 

仮面の下から視線をぶつけるアギト。そして、仮面ライダーリュウガを能面と形容すべき無表情さで見下ろす織斑一夏

 

『………俺はもう、“織斑一夏”なんて存在に戻ろうなんて気は無い。安心しろよ、偽物』

 

先に視線を外したのはリュウガだった。織斑一夏へ短く吐き捨てた彼は、ドラグセイバーを斬り払ってミラーワールドへ走って行った

 

「あ、あれは仮面ライダー……」

 

「………違う……偽物は、お前の方だ……俺が本物だ……俺が、“織斑一夏”だ…(ニヤ)」

 

リュウガが消えた後で、リュウガに偽物と呼ばれた織斑一夏が不気味に嗤う

 

「俺は千冬ネェから雪片弐式を受け継いだんだ…!だから、俺が“織斑一夏”だ…」

 

『そうだよ、いっくん。アレの方がいっくんの偽物だよ。そしていっくんは、あいつらを全て殺すんだ。ちーちゃんから受け継いだ、雪片弐式と、白式で……ね』

 

織斑一夏は嗤う。誰にも気付かれることなく………

彼と戦っていたイギリスの代表候補生は観客席で混乱した生徒を避難・誘導するために何処かへ行った。

織斑一夏もそれに参加するために自身のISである白式のスラスターを動かす。その顔は未だに無表情の顔に、張り付いた笑顔で。口元はまだ、「俺が“織斑一夏”だ」と動いていた

 

 

 

 

 




いっくん……むりむり、ISじゃ仮面ライダーに勝てんよ………
というかなんか戦闘描写、常にドラグブラッカーが無双しているような…………ま、まあ劇中でも無双してたしあながち間違ってないよね?

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