おやっさんはプロデューサー   作:デーモン赤ペンP@ジェームすP

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妄 想 爆 発 !


プロローグ ―世界を超えるおやっさん―

―とあるビルの最上部―

 

 

 

 

 

・Side――・

 

 

銃声が響いた次の瞬間、俺の背中に衝撃が走った。体に何かが入ってくる違和感、次々食い破られる皮膚、筋肉、骨内臓。それを認識したとき、遂に痛みはやってきた。全身を走る激痛は、今まで体験したどのケガよりも強く、頭が、膝をつきそうになる体に対し「立て」と命令を送るが、それに反して体は前のめりに倒れていく。俺も若くないということか。痛む背中から広がる熱に意識を揺さぶられながらも、場違いにもそう考えてしまう

 

 

 

「―――さん?ッ!お―――ん!」

 

 

 

俺が撃たれたことに気づいたのだろう。一緒にいた2人のうち、ここに来る前から一緒にいた「弟子」の声が呼び掛けるものから、焦りや混乱の色を含んだソレに変わっていく。反応からして、今まで俺のそばで見てきた仕事内容を振り返り、撃たれた位置と出血量をみて、助からない傷だと、なんとなく察したはずだ。少なくともソレがわかっただけでも、この「バカ弟子」を手塩にかけて育てた甲斐があったと思える

 

 

 

「フフッ」

 

 

 

後ろからエコーのかかったような、女の声が聞こえてくる。その声の正体はまさに「バケモノ」と言ってもいいものだ。まるで王冠のように尖った頭髪。全身真っ赤。目はなく下半身は芋虫のような形状をしている。その芋虫のような足の先端には目が付いており、極め付けに「浮いている」と来たものだ。真夜中の路地裏で遭遇したら、肝の小さい奴なら一瞬で気絶するだろう

 

そんなバケモノから発せられるエコーのかかった声に続くかのように、銃弾を放った集団だろう足音が聞こえてくる。さっきから声をかけ続け、揺さぶってくる「バカ弟子」は、ぞの存在に気づいていないらしい。コイツもまだまだだな、と今現在死にかけているのに苦笑してしまう。だが、俺がコイツの前でここまでのヘマをしでかしたことはない。あったとしても、十数年前のことばかりだ。そう思えば今の状況も仕方ないかもしれない、と心の中で評価した

 

 

 

「なぁ――よ、起き――――、―――さ―!」

 

 

 

だが俺がこのまま黙ったまま倒れていては「バカ弟子」も「保護対象の青年」も捕まってしまう、そうなれば俺の「後継者」も、「依頼」も守ることができないことになる

 

それだけは自分自身が許せない

 

俺は探偵としてできる最後のことをするために、冷えてきた体に力を込め、震える腕をしっかり踏ん張り「バカ弟子」の顔を見る。無鉄砲だがまっすぐなまなざし、線が細く世間的にいえば、イケメンとでも言われるであろう顔だ。しかしここ数年見てきたその顔は、今や涙があふれ、さまざまな意味でとても見ていられるものではないものだったが、逆にそれだけこの男がここまでまっすぐ育ってきたことの証左であると思うと、それもまたよし、と思えてくるのだから不思議だ

 

そんなコイツだからこそ、この場で「コレ」を託すことにしよう

 

踏ん張る腕とは逆の腕で、俺が被っていたそれを掴む。指が震える。どうやら力が抜けてきているらしい。さっきまで見えていた「バカ弟子」の顔も霞んで、ぼやけて、歪んできている

 

それでも指に、目に、心に、力を注ぐ掴んだ「ソレ」を、目の前の男に、涙で濡れクシャクシャになった顔を隠すように、ゆっくりと被せる。今までのことを振り返り、これからのことを慮り

 

 

 

 

 

 

 

ハット(一人前の証)」を被せる

 

 

 

 

 

 

 

一瞬の呆然の後、驚きと疑問の表情でこっちを見てくる。当然だ、今まで何があっても「ハット」を被らせなかったのだから。しかしそれも今日までだ

 

まだまだ甘く、すぐ熱くなる無鉄砲で、半人前な愛すべき「バカ弟子」

 

 

 

だが・・・「1人」では半人前でも、「2人」ならば、大丈夫だろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの子を頼んだぞ・・・」

 

 

 

もはやかすれた声しか出ない。伝わったかどうかすらあやしい。確認するのも億劫になってきた

 

・・・俺は少し眠ることにする。後は頼んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ、おやっさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・――・

 

 

 

その後、後ろから火球が放たれた。「ハット」を託された男「左 翔太郎」と、もう一人の青年「フィリップ」は「彼」を置いて逃げるほかなく。さっきまで二人がいた場所は炎によって地面を焼き尽くされ、崩落。命の灯が消え失せる寸前の「彼」の体はビルの最上階から奈落の底を思わせるような暗闇へ落ちて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中、彼の体が光った。まばゆいほどの光だ。しかしそれを見たものはこの周辺にはいない

 

その光が消えた瞬間、彼の姿はなく。ビルの残骸が地面に墜落し、激突する音のみが聞こえてくるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――とある企業の発表スペース――

 

 

 

「本当かよ、『異次元転移装置』なんて・・・」

 

「これが本当なら、科学の大発展だが、流石に今回のは・・・」

 

「だがあの夫婦の娘さんだからな。もしかしたら・・・」

 

「わかるわ。科学の発展を支えてきたお二人の娘さん、それも今までに開発したものは二人に勝るとも劣らないもの。今回もって思っちゃうのは、仕方ないわよねー」

 

 

 

そこには夥しいまでの人、ひと、ヒト。それもそれぞれが手帳やらペンやらカメラやらを持っていて、隣にいる人間と会話したり、これから起こることを想像したり、この会場に入ってくるだろう「科学者」を撮影しようと意気込んでいたり、さまざまだ

 

今からここで行われるのは、「世紀の発明品」の発表だ。その内容は、「異次元へ転移できる装置」だというのだから驚きだ

 

この流れから、集まっている人間は記者やアナウンサー、カメラマンであることがわかるだろう。しかもここにいる人間たちの年齢は、比較的若いように見える。「異次元へ転移~」と世界が見ても大発明ともいえるこの発表の場に、ベテランらしい記者や腕の立つカメラマン、澱みのない質問を振ることができそうな雰囲気を持つアナウンサーの数が少ないのはなぜなのか、それは発表をする「科学者」が原因だ

 

 

 

「だが・・・11歳の少女だぞ?」

 

「本当にそんな子に、『異次元転移装置』、なんてできるのか?」

 

「でも今までだって、ほら、8歳の時に考案したっていうお掃除ロボ、あれは俺も家で使ってるけど、なかなかだぞ」

 

「それわかるわぁ~!出かけるときにスイッチ入れておいたら、部屋の隅々にタイルの隙間、テレビ裏から天井まできれいのなんの!あれ一台あるだけでどれだけ助かってるか・・・!」

 

「「「アッ、ハイ」」」

 

 

 

そう、その科学者とは「11歳の少女」なのだ。話の流れからして、その年に至るまでに多くの発明をしていることがうかがえる

 

しかし、今回の開発品は、いうなれば人類の夢、ワープマシンと言っても過言ではない。それをたかだか「11歳の少女」が開発したとなれば、眉唾ものと切り捨てられるのも仕方のないことかもしれない。この場に一目でベテランとわかる人間が少ないのは、この発明は流石に失敗だろう、と予想したからだろうか。それともなにか面白いネタが他にあったのだろうか。最近は「アイドル戦国時代」とさえ呼ばれている時代とはいえ、この世紀の発表と言えるほどの場に来ないほどの何かが転がっているとでもいうのか

 

 

 

「・・・あ!来たぞ!池袋博士だ!」

 

「本当にちっさいな。あの年で実績を残しているんだから大したもんだ」

 

「あの池袋夫婦の娘とは言え、今回はどうなる事やら」

 

「近くに救護係が待機しているんだったかしら?池袋博士本人は必要ないって言っていたらしいって聞いたけど」

 

 

 

とうとう発表の時間になった。入口が開き、誰かが入ってくる。

 

入ってきた人に、会場に来ていた取材陣は声を漏らし、次の瞬間には光のシャワーを浴びせかける。カメラのストロボが瞬いては消え、瞬いては消えを繰り返すこと十数秒、「少女」は所定の位置に腰を降ろし、備え付けられたマイクに手を伸ばす

 

 

 

「えー、このたびは、おいそがしいなかお集まりいただきまして、ありがとうございます」

 

 

 

先ず発せられたのは、来てくれた取材陣に向ける、挨拶。「11歳」という若さのせいか、少々舌っ足らずな感じも否めないが、なかなか硬い文章をしゃべるものだ、と取材陣は感心している

 

 

 

「今回はっぴょうするのは、私が2年かけて設計から開発までおこなった、『異次元転移装置』です」

 

 

 

またも光が迸る、この瞬間を待っていた、収めて見せる、という気概が見えんばかりの光の量はまるで弾幕だ。それをうっとおしげにしながらも、なるべく写真写りが悪くならないように気遣って背筋を伸ばし前を見る「少女」はさながら役者のようにも見える

 

 

 

「私はひつようないと思ったのですが、両親がうるさくいうものですから、もしものときをこうりょし、隣の部屋には救護班が待機しています。大事にはならないと思いますので、安心して、試運転を見学してください。気分がすぐれない方は、隣の救護室までお願いします」

 

 

 

彼女の発言に、取材陣の比較的若い人々から笑いが漏れる。失敗はしないので、隣の救護係は、保健室代わりにでも使ってください、と言ってのけたのだこの「少女」は。なかなか肝が据わっている。「11歳」で、それも人前でこんなジョークができるのだ。役者と表現したのもあながち間違いないのではなかろうか、と考える人間もチラホラ

 

 

 

「なるほど、救護係がいるのは池袋夫婦の差し金だったのか。科学者として、最悪の事態は考えるべきだからな。もしも~、が全くないなんてものは絶対ないからな」

 

「だが、今の発言を聞く限り、親子関係は良くないようだな。そうとう嫌そうだったぞ、池袋博士」

 

「親としてもそうだけど、科学者の先輩としても接しなきゃいけないからな。そうしてるうちに、親子としての距離ができたのかもな」

 

「それに池袋夫婦も共同の研究や論文発表とかで、家に帰ることができる日って、なかなかないらしいじゃない?だから余計に親子の時間が取れなくなって、関係が悪くなってるのかもね」

 

 

 

そのうち一部の人間は、違う部分に注目してきた。「彼女」と両親の話題だ。どうやら親とうまくいっていない様子を見抜いてきたが、これは今回の発表のほうがインパクトが大きすぎてネタにならないとわかったのだろう、早々に話を切り上げた

 

 

 

 

 

 

 

「さて、長々とお話しするよりも現実に見ていただいた方がいいでしょう、ではこれより、『異次元転移装置』の『試運転』を始めたいと思います!」

 

 

 

 

 

『「「「「え・・・試運転・・・?」」」」』

 

 

 

 

 

 

空気が凍った気がした。いや凍った。確実に凍った!

 

あるカメラマンは考えた「試運転?えーっと、メディア的にって意味かなー?アハハ」

 

ある記者は戦慄した「いやいやいやいや!試運転してなかったの!?あッ!だからベテラン記者たちはこの仕事取らなかったのか!」

 

またある記者は嬉しがった「これは何かが起こる予感!特ダネのにおいktkr!」

 

あるアナウンサーは迷った「どうしよう、安全のために今から救護室に駆け込む?でもこんなオイシイ現場逃したら今度はいつチャンスが巡ってくるかわからないわ・・・どうすればいいのよぉ」

 

 

 

 

 

 

会場の空気がざわついている。今の言葉を理解し、これから起こることに不安を感じたのが大半だ。あとの少しは特ダネのにおいに歓喜している変態か、イマイチ理解できていない残念ごめんアッパラパーな脳みそのカメラマンぐらいのものだろう

 

 

 

 

 

「というわけでここにありますのが、その『異次元転移装置』です」

 

 

 

いつの間に運ばれて来たのであろうか、渦中の「少女」は立ち上がり、巨大な装置のそばに立っていた。というかいつからそこにそんなもの運んできた。会場の心の声が一致した瞬間だった

 

大きさは2メートル、半径は3メートルを超す円柱状の機械と、その横に備え付けられてある動力源やらコントロールパネルやらが設置されている、これもまた優に2メートルを超すボックス状の機械だった。二つは大小様々な同線でつながっている。「まるで伸びきったラーメンを見てるみたい」というぼやきがどこからか聞こえ、消えていった

 

 

 

 

 

 

 

「では早速、ポチッとな」

 

 

 

 

 

 

 

『「「「「ちょ、おま」」」」』

 

 

 

 

 

 

機械を撮影、観察しているうちに、なんと「少女」はもう機械のスイッチを入れてしまった。先ほどの説明からして嫌な予感しかしない

 

嫌だと心が嘆く、逃げろと本能が叫ぶ・・・しかし!ここで逃げたら特ダネが、世紀の大発明が!いや、こうなったら意地だ、ヤケだ、漢気だ!どうなってもしらん、最後まで見てやる!みんなはらを括った。さぁ来いやぁ!とでも言わんばかりの眼力と姿勢で件の機械を見つめる。

 

機械が作動し、唸りを上げている。いま、人類は異次元への転移、ワープをものにしようとしている。長年の夢が、「11歳の少女」によって叶えられようとしている。「少女」が科学の歴史に、新たな1ページを刻みこもうとしている!皆がその瞬間を。唾を、言葉を、息をのんで見守っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなときに水を差すのが、残念ごめんアッパラパーな脳みそのカメラマンだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?あの赤い導線、外れてない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『「「「ホッ!?」」」』   「え?なぁっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会場の取材陣は満場一致の「ホッ!?」を言いながら、「少女」は、そんなばかな、とでも言いたげな表情でその「伸びきったラーメン」みたいな導線の束を見て、一本、一本だけ明らかにどこかに繋がっているべきであろう赤い導線の先端を見つけた。見つけてしまった。作動している機械の付いていなければならないであろう一本を、この会場のみんなが見つけてしまった。なるほどこれが最悪の事態か

 

 

 

 

 

 

 

 

『「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」』     「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

静かだった。聞こえるのは機械の唸りだけだった。ただひとつ違うとすれば、その機械が「明らかに上げてはならない音を出している」ことだろう。それでも静かだった。とても静かに感じた。報道陣は。「少女」は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やっちゃったかぁ」

 

 

 

 

『「「「「やっちゃったかぁ、じゃねぇだろぉ(ないわよぉ)!」」」」』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間、「少女」がこの会場に入って来た時とは比べ物にならないほどのスパークが走った。突然の光で、これから起こることを考えて、目の前が真っ白になる報道陣と「少女」

 

「あぁ、これは救護班いりますわぁ」と残念ごめんアッパラパーな脳みそのカメラマンのつぶやきが、光に飲みこまれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・あれ?・・・何も起こってない?」

 

 

 

まず「少女」が正気を取り戻した。あれほどの閃光、爆発と見紛う程だったのに、部屋がぶっ飛んでなければ、自身も無傷と来たものだ。自分は機械のすぐそばに立っていた。下手したら「あ、死んだわ」となっていてもおかしくなかったのに

 

 

 

「あれ?生きてるわ、アハッ、生きてるわ~」

 

「あんなに光ったのに、爆発とか起こってないんだな。大丈夫か?」

 

「特に体に異常はない・・・な。目は多少チカチカするが・・・ぁあ」

 

「一体何が起こったのよ~、わからないわ!」

 

 

 

報道陣もチラホラ復活してきたようだ。所々で声が上がる。仲がいいのだろう、お互いの無事を確認しあっているところもある

 

 

 

「あ、そうそう機械はどうなったんだろうっと・・・あれ?」

 

 

 

さっきからちょくちょくでてくる残念ごめんアッパラパーな脳みそのカメラマンが、カメラを機会に向け・・・頭とカメラを同時にひねった。なんともコミカルな野郎である

 

 

 

「どうした、花畑」

 

「カメラごと頭ひねって」

 

「もしかして、何か面白いものでも見つけた?」

 

 

 

周りに同僚だろう人物が集まってくる。このカメラマンは、頭は結構アレ扱いされているが、若くしてカメラを任されるだけの才覚を持ち合わせている。それを知っている仕事仲間の彼らは、彼、花畑に声をかける

 

 

 

「いや、機械の付近に立ってたのって、『池袋博士』だけだったよな?」

 

「は?そりゃまあそうだったが」

 

「いきなり何当たり前のこと聞いてるんだよ」

 

「だめだわ。花畑君、あなたさっきの光で記憶があやふやになってるのよ」

 

 

 

まわりから結構きつめの返しをされるカメラマン、花畑君。しかし彼は気にせず、こんなことを言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、あの機械のところに倒れてる人って・・・だれ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「え?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3人が、カメラが向く先に目を向ける。そこにいたのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白いスーツを着た人だ。背丈体格から20代から30代の男性だろう。背中は赤く染まっていて、うつぶせで倒れている・・・赤く?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」』   「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

周りの報道陣も、そして「少女」も気付いたのだろう。どのうつぶせに倒れた、白いスーツの背中部分が真っ赤に染まった男性を静かに見つめる、見つめる。見つめる・・・・・・・・・

 

見事なシンクロをみせ、全員が息を吸い・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『「「「「「救護班を呼べぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええ!!!!」」」」」』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今度は「少女」も一緒に同じ言葉を叫んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だれかは知らないが、突然この場に現れたということは、この「男性」は「転移」してきた、ということだ。人類の夢がある意味かなえられた瞬間だった。科学の歴史に大きな爪痕を残す奇跡だった

 

しかし、その時この会場にいた人間はみな、残念ごめんアッパラパーな脳みそのカメラマンがもたらした空気と、突然現れた、背中を真っ赤に染めた「男性」の登場によってそれを頭の中のタンスにしまってしまったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

救護室に運ばれた男性は、危篤状態ではあったものの、「池袋夫婦」が用意した腕利きの救護班の手によって、応急処置も完璧に施され、病院に運び込まれることとなる。危うい状態だったが、ギリギリ命をつないだという

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死ぬはずだった男」は、異世界の「天才科学少女」のちょっとしたミスによって世界を超えて、一命を取り留める。彼がこの世界にやってくることで何が始まるのか。それはこれからわかることだ

 




ものを書くって大変だと気づく

流れは(頭の中で)できてるのに、進めることができないとは・・・

でも楽しい

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