女神達の奇妙な冒険   作:戒 昇

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お待たせしました、それではどうぞ!


第38話 復讐者(リベリオン)その②

我那覇市内

 

 

町の電気屋に設置されている多くのテレビが、午後のニュースを伝える。

 

「・・・では続いてのニュースです。一昨日裁判所から脱走し行方不明となっている「神楽坂 信行」被告ですが、警視庁の調べでその日の午後八時に沖縄行きの飛行機に乗っていたことが判明しました。その為警視庁は沖縄県警と合同捜査を開始することを明らかにしました。繰り返すます・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

時刻はまもなく二時を指す所だった、市内の商店街を一人で散策しているのはμ’sのリーダーを務める「高坂穂乃果」であった。

 

「あ!このシーサーも可愛いな~」

 

と、商店街の一角にある土産店の置物を眺めている訳だか彼女の本心はというと・・

 

(はぁ・・・一人でだとやっぱりつまらないよ~~)

 

こんなことなら海未ちゃんとことりちゃんも連れてくれば良かったかも・・・まぁ一通り、散歩はしたからホテルに戻ろうかな。

 

そんな事を思いつつ、歩いていると一軒のカフェが目に入った。

 

(コーヒー一杯ぐらいなら・・・大丈夫かな)

 

店内に入り、窓側の席に座る。

 

「外が暑かったから、アイスコーヒーが身体に沁みるよ~」

 

ひんやりと冷たいグラスを持ちながら、一息つく。すると後方からドアの開くおとがした、一瞬だけ気にはなったがおそらくトイレか何かだと思い、後ろを振り返らなかった。

 

しかし、振り返った方が良かったかもしれない、徐々にこちらに近づく一つの「影」に気付けたかもしれないからだ。

 

ゆっくりと確実に近づき、ほぼ真後ろまできた所で左手を掲げる。そして迷う事なくその手を振り下ろした!

 

耳をつんざく様な音と共に、窓ガラスは割れて床に散らばる。しかしそこに彼女の姿はなかった、その「影」が顔を横に向けると自身の「スタンド」を出し臨戦態勢を整えている穂乃果の姿があった。

 

 

「まさか・・・こんな所で襲ってくるなんて」

 

突然の出来事で混乱しているほかの客の騒ぐ音が聞こえる中、その眼は確実に「敵スタンド」を見据えていた。

人型で手足に黒い布を巻きつけてあり、体色は黒で統一されて胸には髑髏を模した飾りをつけていて、表情は怒っているのか笑っているか分からないものをしていた。

 

こちらに向かって歩き始め、「スタンド」の射程内に入ると先に拳を放つ。

 

「「アクティブ・ガール」!!!」

 

数発放った拳は全て受け流され、逆にカウンターが飛んでくるがそれは脚で蹴り飛ばしガードをした。

 

(じゃあ・・・・これなら)

 

手元にあったガラス片に能力をかけたのと同時に走り出し、自分から見て左側に避けるように右の拳を放つ。

相手は予定通りに左に避ける、そこに能力をかけ「一時間前」の状態に戻ろうとするガラス片が向かってきていた。

 

(あの体勢からじゃ、避けるのはほぼ無理なハズ!!)

 

しかし、それは当たることなく空を裂いた。何故なら当たる寸前にまるで何かに飲み込まれるように地面に吸い込まれてしまったからである。

 

(え・・?う、嘘・・・)

 

近寄って見るもそこには影も形も無くなっていた、「スタンド」を探そうとした時、突如脇腹に痛みを覚え見てみると立て看板の「影」から腕だけが出ている状態で攻撃をしていた。

 

(く・・影に潜る能力・・・だけどどこかで聞いたことがあるような)

 

考える暇を与えない為か、すかさず拳の連打が入る。

 

「う!・・・くぅ・・」

 

それを躱しながら周りを見る。するとさっきの騒動の影響か鍵が外れているマウンテンバイクがあった。

 

「・・・気は進まないけど仕方がない!」

 

隙をついて、その場から離れマウンテンバイクに跨る。同時にペダルを漕いで発進させる。

相手は影に潜ると建物や標識、信号の影を利用しながら追いかけてくる。

 

「とにかく、承君やみんなに連絡をとらなくちゃ・・」

 

しかし、後ろからは依然追ってくる気配は消えない・・・・・

 

どうすればと考えてた時、交差点を右に曲がった時建物が無くなっていて更地になっているところが見えた。

すると今まで執拗に追ってきた気配が消えた。

 

(・・!そうか、影の無い場所にはやってこれないんだ!それに影から影に移る時も制限距離みたいなものもあるのか!)

 

「今の内に・・・」

 

更地の隣の細い路地に自転車を停め、承一に電話をかける。

1コール後、すぐに彼がでた。

 

「穂乃果か、どうした?ホテルにならもうすぐ着くぞ」

 

「承君!、今「スタンド」に追われていて・・・」

 

「本当か?!何処にいるんだ?すぐにでも向かえるが・・」

 

「大丈夫だよ!何とか振り切ったみたいだし」

 

「そうなのか?それならいいが・・・」

 

「うん、それでね・・・」

 

そう言いかけた時、路地の前の道路に一台のタクシーが止まる。そこから出てきた人物に穂乃果は驚愕する、さらに彼の足元から「スタンド」が出てきた!

 

「穂乃果?おい!どうしたんだ!?」

 

「ごめん承君・・・また後でかけるから!」

 

電話を切り、すぐに発進させた。それと同時に「スタンド」も再び追ってくる。

 

路地を抜け、道路に出る・・・進んでいると目の前に交差点が見え信号は青を示していた。

このまま突っ切ろうとした時、青から黄になり赤に変わってしまう。よく見ると先ほどの人物が歩行者優先ボタンを押していた。

 

「スタンド」は追ってきている状態なので信号無視を覚悟で突っ切ろうとした時、角の方から乗用車が出てきた。

 

(このままだとぶつかる・・!でもスピードを落としたら確実に捕まる!こうなったらこのまま行くしかない!!)

 

ペダルを漕ぐ脚に力を入れ、スピードを落とさず突っ込む!!

 

接触する前に「アクティブ・ガール」で自転車をバラバラにして宙に浮き、乗用車を飛び越える形で避ける。そして能力を使用し「一時間前」に戻して修復する。

 

(すごく・・・心臓に悪かった・・・)

 

そのまま道なりに進み、浜辺にでる。そこで自転車から降りる。すると追ってきた「スタンド」とその本体が姿を現す。

 

「・・・ここに来てどうするつもりなんだ?」

 

「あなたを倒す為です。・・・神楽坂さん」

 

そうこの本体こそ、約一カ月前μ’sをストーキングし学園の講堂ライブの際承一によって倒され、その後警察に逮捕された「神楽坂信行」である。

 

「でも・・・何でここに・・?」

 

「そんなの決まっている!!俺をこんな目に遭わせた「比屋定承一」に復讐するためさ!!!!!」

「その為に!君には彼をおびき寄せるエサになってもらう!この新しく「弓と矢」で貫かれて、貰った力「リサージェンス」によってな!!!」

「奴には極上の死をやるよ、この「フッ化水素酸」で骨の皮もドロドロに溶かしてやる!彼をここに呼んだら君の命は助けてやるから・・・」

 

「呼べよ!!!!!奴を!!」

 

金切り声にも似た声で叫ぶ、そんな姿に何も言わずただ黙っている。そして・・・

 

 

「呼ばないよ、絶対に・・・!」

 

「・・・何?」

 

「呼ばない!あなたはここで私が倒す!」

「守られてばかりじゃ・・・・もうないんだから!!!!」

 

「こ、この・・・・雌豚がぁぁぁぁ!!!!!」

 

雄叫びと共に突進してくる神楽坂・・・穂乃果は静かな声で呟く。

 

「それと、ちゃんと持ち主には返しておくよ・・・」

 

その言葉と同時に能力をかける、するとマウンテンバイクは突進する奴の目の前に現れそれに気づいたが止まれる訳もなく、それにぶつかり盛大にこける。

すぐさま近づき、スタンドのアッパーを喰らわせる。奴はその一撃で意識を失った。

 

「途中で気付けたのが幸いかな・・・・」

「あれがレンタルされている自転車だということに、そもそも、あんな所に堂々と置いてある時点で罠だったということになるのね」

 

 

その後、パトロールをしていた警察の人に彼の事を任して私はホテルに戻っていった。戻ったと同時に心配していた承君やみんなにこってり怒られてしまった、でも無事で良かったと聞いた時は安心して気が抜けてしまったよ・・・・

 

 




いかがっだたでしょうか?ここでスタンド紹介です。

スタンド名:「メイビス・シャドウ・リサージェンス」
   本体:神楽坂 信行

破壊力-?、スピード-C、射程距離-?
持続力-?、精密動作性-?、成長性-なし

遠隔操作型の人型スタンド

能力
影に潜行できるのが本体もできるようになり、影の中に物を隠し持てたり影の中を渡って追跡することができる。(但し、移動するには影同士の間が距離にして二メートル以上離れていると移動が不可となる)


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