女神達の奇妙な冒険   作:戒 昇

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対川和戦、決着! それではどうぞ!


第35話 アイズ・トゥ・トゥモローその④

「・・・・なッ!」

 

背後からの声に川和は驚愕する・・・・つい数秒前まで、自分の目の前にいた人物がいつの間にか後ろに移動しているからだった。

 

(どうやって・・?!!私は目を離していないはず・・・!!?)

 

振り返ろうとして、体を動かす・・・が

 

 

「オラッ!」

 

「ブッ!・・・ガッ!!」

 

突如こちらに向かってきた拳に反応できず、顔に受けそのまま数m吹っ飛ばされてしまう。

 

「ぐ・・・こんな事が・・!」

 

体を起こした時、その眼に確かに映った。傷ついた「比屋定承一」の傍に立つ「スタンド」の姿を・・・・・

 

 

 

 

「・・・・・!」

 

承一は己の「スタンド」を見て僅かながら衝撃を受けた。

これまでの「アウタースローン」は人型のロボットの様な「スタンド」だったが、今の姿はまるで違っていたからだ。

 

最も目立つのは黄金色の頭髪だ。それが肩まで伸びており、全身は筋骨隆々の逞しい肉体をしていて体色は藍色を基調とし腕には黄金のラインが走っている、手と腰には装飾が施されている。

 

「これは・・・ッ!」

 

奇妙な感覚が全身を覆う・・・それは嫌悪感はなく、むしろ力が溢れてくるようだった。

その力をかみ締め、目の前の敵に向き直る。

 

「川和・・・征四郎・・・」

 

「比屋定・・・承一・・!」

 

あたりが静寂に包まれる・・・その中開口したのは承一だった。

 

「来な・・・・もう時間は・・ないからな」

 

「・・・・・・」

 

川和がゆっくり立ち上がる、そして無言のままお互いが近づく・・・距離にして二メートル弱までの所で止まる。

 

 

そしてーー

 

ほぼ同時に動く・・・!

 

 

 

「アイズ・トゥ・トゥモロー」!!!」

 

「アウタースローン」!!!!!」

 

 

拳が交差し、その結果が出る・・・・・

 

 

「が・・・ふッ!!!!」

 

崩れ落ちたのは川和だった・・・・「アウタースローン」の重い一撃が入りそれに耐え切れなかったからである。

 

「どうして・・・・?何故当たらん・・・?!」

 

「これが・・・・俺の新たな力だ」

 

承一は静かに答える。

 

「・・・何?!」

 

「俺の「スタンド」は今までの能力を引き継ぎ、さらに進化したんだ」

「それが・・・・「時を感覚で五秒だけ戻す」ことができることだ!」

 

「相手は「時」が戻ったことに気づけない・・・・だからお前は何が起こったのか分からないのだ」

 

「なッ!・・・・ば、ばかな!?」

 

「五秒・・・僅かな時間だが感覚を狂わせるには十分だな・・」

 

(あ、有り得ん・・・「時」を操る能力が・・・・現れるなんて・・!)

 

 

川和はこれまで感じてこなかった危機感と焦燥感に囚われる・・・・それを振り払うかの様に立ち上がる。

 

「認めんぞ!!この呪われた「空条」の血筋如きがァ!」

「道端に落ちている糞以下の存在がァ!崇高なる私を超えるなぞッ!!!!」

 

承一に攻撃を仕掛けるが、能力によって「戻される」・・・・

 

「いくらやっても無駄だ・・・もうお前は勝てない・・・ぜ!」

 

承一が眼前まで迫る・・・・!

 

 

「う、うわあああああああッ!」

 

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!!!!!」

 

目にも留まらない速さの高速ラッシュが放たれ、川和に全て命中する。

 

だが・・・

 

 

「ぐぶああっ・・・!こ、このォ!人間風情がァッーーーーーーーー!」

 

「オオオオッ!オラオラオラァッッ!!!!!」

 

 

執念の攻撃を繰り出そうとする川和だったが、承一の追撃のラッシュを受け完全に沈む。

 

それと同時に雪穂ちゃんに付いていた「マーク」は消え去る。

 

 

 

承一は全身にひびが入り、体組織が崩れ始めている川和に近づく・・・・

 

「・・・・・」

 

「・・・哀れむ・・のか、貴・・様が・・」

 

「人外に哀れむほど、俺は優しくはないさ・・」

 

「フ・・・だろうな・・・・」

 

すると川和は一息すると静かに喋り始めた。

 

「最後に教えてやる・・・・お前の父を・・・本当にトドメを指したのが・・・」

「・・・お前の故郷にいるということを・・・」

 

「何ッ!本当なのか!!?」

 

「ククク・・・行って・・みれば・・分かるさ・・」

 

それを最後の言葉となり、川和は完全に崩れその場には彼の残骸が残った・・・・

 

 

(俺の故郷・・・・「沖縄」に・・・・・)

 

思考を巡らせようとした所、強烈な眩暈に襲われる。

 

(ぐ・・・そろそろ体の方が限界か・・・・まぁいいだろう、やる事はやったからな・・・)

 

そして、承一の意識は暗転した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~******~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕刻のニュースが流れる・・・それはこれからの「東京都」のことを左右することだった。

 

「五時のニュースをお伝えします。先日発覚した「東京都都知事」の「唐沢 英一」氏の不正な借入金問題で、唐沢氏が社団法人「洛巣会」から約5千万円を都知事就任前に受け取っていたことを認めた為、「東京地検特捜部」は同氏を「公職選挙法違反」と「政治資金規正法違反」の罪で逮捕しました。

なお同氏は知事の辞任を発表し後任は五月に各党から立候補から選ばれる予定となります。

なお立候補者は以下の通りになります」

 

画面が三人の顔写真を映し出す。

左より自由党から「丸川 和成」氏(72歳)、民心党から「山之内 豊春」氏(66歳)、野党からは推薦で「空条 丞一郎」氏(49歳)。

 

これから「東京」・・いや「世界」は何処へ向かうだろうか・・?

 

・・・・・その答えはまだ分からない、だが一つだけ言うのならば「運命」はきまぐれであり正か邪に転ぶかは分からないということだ。

 

 

 

第二章「弓と矢」編、完・・・!

 

新章「承一と過去と因縁」へ・・・・

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?ここでスタンド紹介です。

スタンド名:「アウタースローン・ジ・インフィニティ」
   本体:比屋定 承一
破壊力-A、スピード-A、射程距離-C
持続力-C、精密動作性-A、成長性-?

能力

承一の「アウタースローン」と「弓と矢」が合体したスタンド
「時」を集め、それを用いて「時を感覚で五秒だけ戻す」ことができる、通常の能力も勿論使える

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