女神達の奇妙な冒険   作:戒 昇

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お待たせしました、それではどうぞ!


第27話 来訪者その①

4月24日 マンション「ベルフォレスト」承一の部屋 AM8:00

 

「今日は雨か~」

 

どんよりとした空を見上げてたらそんな言葉が出てきた。今日の予報は一日中雨だと言っていた気がする。

トースターに入れていたパンが焼きあがりそれをベーコンエッグが乗った皿に載せ、淹れたてのコーヒーを啜りながらテレビの前へ移動する

 

流れてくるニュースを聞きながら、朝食を食べているとなにやら速報が届いたらしく、それをキャスターが慌しく読み上げる。

 

「ただいま入ってきました速報です、東京都知事である「唐沢 英一」氏の不透明な借入金問題が発覚しました。東京地検特捜部は引き続き捜査を進める模様です。繰り返します・・・」

 

「・・・」

 

(よく分からんが、多分大変なことなんだろう)

 

そんな事を考え、ふと時計を見ると八時半を回っているところだった。

 

「あ!ゆっくりしすぎた~~!!」

 

残っていたコーヒーを飲み干して、鞄を持ち慌しく部屋を飛び出す。

 

 

 

 

 

 

~~~~~~******~~~~~~~

 

 

 

 

音乃木坂学院 理事長室 AM9:00

 

理事長室にとある男が案内される、その人は大きく膨れた鞄を肩に掛け入ってきた。

 

「ようこそ、理事長の南です」

 

「・・・・ご丁寧にありがとうございます、私はこういう者です」

 

そう言って男は名刺を手渡す。

 

「オデュッセウス・インダストリー社、地質学一課課長の・・・えっと」

 

「・・「ざいべ」です、座井部(ざいべ)強(こわし)と読みます」

 

そう名乗った男は、黒のスーツに独特の柄のネクタイをしていて、髪型が若干モヒカン気味になっていた。

 

「この、地質学一課というのは?」

 

「読んで字の如くです、世界中の地質を研究しており人類の起源など様々な謎を解明しようとする部署です」

 

「なるほど、では今日はどういったご用件で?」

 

「いえ、大した用ではないですよ。ちょっと確認したいことがあるだけですよ」

 

そういうと男の背後から「影」みたいなのが出てくるが、理事長はそれに気づけなかった。

 

「だから、あなたには少しいなくなってもらいます」

 

男の発言と共に、理事長の姿がなくなる・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

~~~~~~******~~~~~~

 

 

 

 

 

 

音乃木坂学院 二年生教室 AM11:00

 

 

「雨全然止まないな~~」

 

机に伏せてそう穂乃果が言った。

 

「しょうがないよ、穂乃果ちゃん今日は一日中雨らしいよ」

 

南さんが苦笑いしながらそう言った、予報が見事に当たってしまった訳だな

 

「穂乃果が雨止め~とか言って、止んだら面白いよな」

 

俺の言葉を聞いた瞬間、突然起き上がり窓を開けると、

 

「雨止め~~~!!」

 

と叫んだ、しかし止むことはなくそれどころかほぼ全開にした窓から雨粒が教室に入ってきた。

 

「うわわ!冷たい!!」

 

慌てて窓を閉める、するとちょうどトイレから帰ってきた園田さんに見つかってしまう

 

「こら!穂乃果!!何をやっているんですか?!!」

 

「う、海未ちゃん!いや承君がやれって言ったから・・・・」

 

「本当ですか?!!比屋定君!」

 

「え、いや冗談みたいなものだったし、本当にやると思わなかったんだよ!」

 

急いで弁明をする、やれやれ今日は厄日だな・・・・・そんな事を思っていると始業の予鈴がなる。しかし

 

「先生が来ないな・・・」

 

窓の近くで吹き込んだ雨水を、ハンカチで拭きながらそう言った。

 

「本当だね、もう来てもいいよね」

 

そう穂乃果が言ったけど、クラスメイト達はあまり気にしてない様子だった。

 

「・・・・ちょっと呼んでくるよ」

 

「なら、私も行くよ!」

 

そう言って穂乃果も付いてきた、そして俺達は教室の外へ出るとその異様な光景に言葉を失った。

 

 

 

・・・誰もいない、というより人の気配が全くなかった。

 

 

「・・・こ、これは」

 

「し、静か過ぎるよ・・・・」

 

俺は隣ぼ教室に走った、そして扉を開けると・・・・そこにはいるはずの三十人近くの生徒がいなくなっていた。

 

(どういう事だ・・・・まさか!!?)

 

「じ、承・・君」

 

穂乃果が顔色を悪くして話しかけてくる、あの様子だと別のクラスも見たらしくそこも・・・

 

「間違いない、スタンド攻撃だ!」

 

 

 

同時刻 一年生教室

 

 

「・・・でね、そこのラーメンとっても美味しかったんだにゃ~!」

 

「あなた、さっきから美味しいしか言ってないじゃないの・・」

 

「ふふ、凛ちゃんらしいよ」

 

「でも、そんなに食べても体型が変わらないのは羨ましいな~」

 

教室で凛、花陽、真姫、久井が談笑していた、そんな時予鈴が鳴った。

 

「もう授業かにゃ~」

 

「でも、先生が来ませんね・・・」

 

久井がそう呟く、真姫がそれに反応する。

 

「本当ね、もう来ていてもおかしくないのに」

 

「呼びに言った方がいいですかね?このままじゃ始まりませんですし」

 

「そうね、じゃ私が行ってくるわ」

 

「じゃあ凛も行くにゃ~~」

 

「何言ってるの、一人でいいわよ」

 

そういうとさっさと教室から出て行く、すると・・・

 

 

「な、何・・・これ・・・?」

 

そこには誰もいなく、静寂が支配していた。真姫はすぐに階段を上り職員室まで走って行き、扉を開けたが・・・

 

「・・・・ッ!!!!」

 

そこには、いるはずの教師達が一人も・・・いなくなっていた。

 

「何が・・・起きているの・・・?」




いかがだっただしょうか?ここでスタンド紹介です。

スタンド名:「レイニーデイズ」
   本体:座井部 強(同化人間)

破壊力-なし、スピード-A、射程距離-A
持続力-不明、精密動作性-なし、成長性-なし

能楽の面のような仮面をつけ、首から下はマントのようなもので覆われているスタンド
能力
雨粒を媒介して発動する、その雨粒に触れた物体に触れるか、雨粒そのものに触ったことがある物を全て極薄い紙状に変えてしまう能力、本体が解除するか、本体が死ぬことがない限り能力が解けない

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