女神達の奇妙な冒険   作:戒 昇

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新たなスタンド使いとの邂逅、承一の運命という歯車が回り出す・・・・
それではどうぞ


第24話 ツヴァイヘンダーその②

コーヒーショップ&喫茶店「SPW」 PM16:05

 

俺と東條先輩は、落合さんの案内で公園の隣にあるビルの二階にあるカフェに来ていた。

 

「ここでいいかな?」

 

 

落合さんに促られて窓際の席に座る、店内は若干薄暗いながらも落ち着いた雰囲気を醸し出し、クラシック音楽がちょうど良い音量で流れている。

そこへ初老の男性が近づいてきた、ここのマスターかな?

 

「ご注文は何になさいますか?落合様」

 

「いつものブレンドをホットで、この二人にも同じものを」

 

「畏まりました」

 

注文を取り終え、カウンターへ戻っていく、それを見届けると彼女がこちらに向き直った。

 

「さて、さっきはいきなり攻撃してしまってすまなかったね」

 

「大丈夫ですよ、でも理由は知りたいですね」

 

「いや、希んが連れてくる人だから腕試しついでにってね」

 

「はぁ・・・ん?希ん?」

 

「ちょっと楓さん!その呼び方は恥ずかしいからやめてよ!」

 

顔を真っ赤にしながら抗議する東條先輩、いつもはほかの人をからかっている姿しか見てないから新鮮だと思い、なにより可愛いとも思った。

 

「相変わらずの反応だな、可愛いから照れなくてもいいんだよ~」

 

「も、もう!」

 

 

そんな会話をしているとコーヒーが三つ運ばれてきた。

 

「お待たせしました」

 

それぞれにコーヒーが行き渡り、口をつけ始める。

 

「そう言えば、さっきの戦闘で二、三聞きたいことがあるけどいいかな?」

 

コーヒーを飲みながら落合さんが、そう聞いてくる

 

「はい、いいですよ」

 

「木の葉を集めて盾を作っていたが、あれはもう少し大きくすることもできたのではないか?」

 

「・・確かにそれも考えましたが、本体が分からない以上下手に自分の視界を狭めるのは危険だと思って・・」

 

「それに盾から動かなければ、どの程度相手に見えているか分かりますからね」

 

「なるほど・・・見えなければ盾を切り裂くが、見えていれば剣の突きなどで攻撃ができるな」

 

「でも、それやと盾を回り込んだ方がいいんじゃない?」

 

「彼は、それを前提にして行動していたから、それは難しいよ」

 

「仮に回り込まれたら、あらかじめ触れておいたベンチをぶつけるつもりだったしな」

 

「あの状況でそこまで想定しているとはな・・冷静に分析できる能力が高いとも言えるな」

 

「それに白羽取りをできる、あの豪胆さ・・これからの成長が恐ろしく思えるほどだよ」

 

なんだかそこまで褒められると、気恥ずかしいというか・・なんというかだな、そんなことを思っていると落合さんの顔つきが一瞬だけ険しくなる。

声を小さくして聞く

 

「どうしたのですか?」

 

「どうやら、私か君たちに用事がある人が居るみたいだな」

 

「「え?」」

 

「君たちから見て左斜めで店の入り口付近の一人用の席に座っている」

 

そう言われ、目線を少しずらし確認すると帽子を深く被った男が雑誌を読んでいた。しかし時折こちらに視線を送っているのが分かった

 

「確かにこちらを窺っているな」

 

「一旦ここから離れようか、余計な被害がでない内に・・」

 

そう言って静かに会計を済ませ、店外にでる。すると俺達が出た直後に会計をしている音が聞こえてきた。

 

「さ、急ごうか!」

 

「でも、何処へ・・・」

 

「この近くに廃ビルがあるからそこへ誘導する、希は三階に行ってこちらが終わるまで退避していてくれ」

 

「はい、楓さん比屋定君・・・無事でな」

 

「うん!」

 

「ええ!じゃあ裏から出ようか」

 

その言葉と共にビルの裏口から外へ飛び出した、そして俺達の後を追ってきた男の姿が見える

 

(やっぱり俺達が狙いか!)

 

落合さんの後を追い、しばらくすると古ぼけた四階建の建物にたどり着いた。

中に入ると一階部分は柱とコンクリートだけとなっており唯一あるのは二階へ上がる為の階段があるくらいだった。

 

「さてと・・・そろそろ隠れていないででてきたらどうだい?」

 

そう問いかけると入り口の影から先ほどの男が出てきた。顔は分からないががっしりとした体格から筋力は相当あると思われる

 

「わざわざこんな所まで来て俺様と戦うとはな・・・まぁいい」

 

「始末すればいいだけのことよ!!!!!!」

 

そう男が叫んだのと同時に、奴の「スタンド」が発現する。人型で全身の筋繊維がむき出しになっており右拳にはメリケンサックのような物を着けている

 

「「グローリーサンド」!!!!!」

 

男が高らかに言うと、突然の耳鳴りと共に落合さんが横に大きく吹き飛ばられてしまった。

 

「落合さん!!」

 

駆け寄ろうと思い、走りだそうとした時だった

 

「よそ見を・・・しているんじゃねーーーぞ!!」

 

奴は数メートル前まで迫ってきており、スタンドのパンチを受けてしまう。

 

「ぐッ・・・!」

 

ギリギリでスタンドを出し、防御したがあれをまともに喰らう訳にはいかないな

 

「「アウタースローン」!!!!」

 

手元にあったガラスの破片を奴の右腕に集めさせる、だが

 

「フン!・・・無駄なことよ」

 

ガラス片は奴に届く前に、空中で割れてしまった・・・

 

(何故・・?、あれが奴の能力なのか・・・)

 

「もう一発喰らいやがれーーー!!!」

 

再び右拳を振り上げ、能力を使おうとするが・・

 

「ブギッッ!!!」

 

突然コンクリートブロックが飛んできて、それが奴に直撃する。それは落合さんのスタンドが投げたものだった。

 

「さっきは不意打ちを喰らったが、貴様の能力の正体は既に分かったよ」

 

「がふっ・・・ば、ばかな・・」

 

「お前の能力・・・それは「音波」を操る力・・だろう?」




いかがだったでしょうか?今回は人物紹介です。

名前:落合 楓(49歳)
波紋使い、スタンド使い 生年月日:1965年10月22日

職業:スピードワゴン財団日本支部、東京支部専属医師

身長:179cm 体重:62㎏

すらりと伸びた脚にメリハリのある身体でかなりの美女と言える、「波紋」と呼ばれる特殊な呼吸法を用いて若さを保っており、見た目は20代ともいえるほどである。
スピードワゴン財団に約20年前に入り、世界各国で医師として従事しておりその功績が見込まれ一年前に東京支部へやってきた。
「波紋」は落合家が代々師範代を務める「真空流柔術」の中に、組み込まれているため幼いころから修行を積み会得したものである

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