それではどうぞ
4月22日 某所 AM6:30
4月にしては珍しく暑くそれでいて夏の様に蒸す気候の中、とある廃工場に一人の男が木箱に俯きながら座っている。その手には携帯電話が握られている
「・・・・・・」
男はその携帯を静かに見つめている、その時・・
~~♪~~♪
着信を知らせる音楽が鳴ったと同時に通話ボタンを押す。
「もしもし、・・・はい・・ええこちらで少しばかり支障が出まして・・・はい、・・・・・え!?それですと「計画」に遅れが・・・はい、それに、こちらで始末と回収の算段があります・・・ええ、それでは」
そう言って通話は切れる、男はしばらく考える素振りを見せた後突然立ち上がり、近くにあったドラム缶を蹴り飛ばした
(・・・クソ!!こんなにイラついたのは初めてだ・・・)
(あんな刹那でしか生きられない生物共によって、完璧な「計画」に遅れを生じさせてはいけない・・!)
携帯を素早く操作し、とある電話番号にかける
「・・・・もしもし、ああ私だ・・・実は頼みたいことがあってね・・・今から画像添付のメールを送るからそこに写っている男から「弓と矢」を回収してくれ、そいつの生死は問わん・・」
通話を終え、男はため息をつく。そして出口に向かって歩き出す・・・
~~~~~******~~~~~~~
同日 音ノ木坂学院屋上 PM12:40
俺は今、昼休みでいつも通りのメンバーで昼食をとっている。みんなに話したいことがあるって穂乃果が言ってきたのは驚いたが昨日あった出来事を聞いてさらに驚いてしまった
「鎧みたいになっているスタンドか・・」
「スタンドには色んな型があるけど、それはうちも初めてやな」
「うん!すごく格好良かったよ!」
当の本人は能天気みたいなことを言っているが、そのスタンド使いが来なかったら今頃は・・・いやそれは考えないでおこう、無事だったんだからな。それにしても・・
「最近はスタンド使いと良く会うわね」
真姫が髪の毛を弄りながらそう言った。
「スタンド使い同士引かれ合うし、その影響かもしれないな」
だが、奴ら・・「同化人間」と呼ばれている人間達は姿を見せていない、それが少しばかり気がかりなことだけど・・そう考えてた時ある事を思い出した
「そう言えば、穂乃果は園田さんのお見舞いに行った最中だったんだよな・・」
「うん・・」
「その後は大丈夫だったのか?」
「い、急いで行ったら何とか間に合ったから、大丈夫だと思うけど・・」
彼女のことだし、何があったのか聞かれた時よく分からない事を言っている姿が想像できるな。
「でもしょうがないと思うけど、他人に見えない力を説明されても余計に混乱するでしょう」
「それにそんな事言って、頭を打ったかと思われるかもね」
真姫と東條先輩の言うとおりだ、非スタンド使いに見えない以上説明のしようがないし、仮に説明できたとしても理解してもらうことは難しいだろう・・
その時昼休みが終わる予鈴が鳴った。
「もうこんな時間!早く教室に行かなきゃ!」
「そうね、そろそろ行きましょう」
みんなが慌しく片付けている時、東條先輩が小声で話してきた。
「なぁ比屋定君、今日の放課後空いている?」
「?空いていますよ・・」
「君に会わせたい人がおるんけどいいかな?因みにうちの知っている人だから大丈夫よ」
「そうなんですか」
先輩の知っている人か・・・もしかしてスタンド使いとかかな?
~~~~~~******~~~~~~
音ノ木坂学院正門前 PM15:30
午後の授業が全部終わり穂乃果達と別れ、先輩との待ち合わせ場所に向かった。女性を待たせてはいけないと雑誌か何かで読んでいた為早く行ったが既に先輩は待っていた。
「すみません、待ちましたか?」
「ううん、うちも今来たからね」
「・・て、本当なら言うのは逆のはずなんやけど」
「あ・・・そうなんですか」
「まぁ、ええよ。ほな行こうか!」
そう言って俺と先輩は学院を後にした。
しばらく御茶ノ水方面に歩き、駅から少しばかり離れた所に来た。道中の話ではこれから会う人は女性らしい、それ以上のことは会ってからのお楽しみだと言われ教えてくれなかった。
「さぁ、着いたよ。ここで待ち合わせているんよ」
そう言って着いた場所は、とあるビルの脇にある公園みたいな所だった。
あたりを見渡したがそれらしき人影は確認できなかった・・
「本当にここですか・・?」
「おかしいな・・ちょっと探してくるよ」
「え・・あ、先輩・・!」
行ってしまった・・・どうするんだよ、下手に動かない方がいいかもな。そう思い公園内のベンチに行こうとした時だった・・
「コォォォォ!!!!」
「・・ッ!!!、クッ?!」
突如茂みから現れた全身紫色の鎧を身に着けた、人の様な物体の突進を避け、体勢を整える。
人かと思っていたら「それ」は上半身が人で下半身が馬になっており、さしずめ「ケンタウロス」のようだった。さらに特徴的なのは左手に大盾を持ち右腕は腕そのものが剣になっていることだな
「「スタンド」か、先輩は大丈夫だろうか・・・」
そう言い、一瞬意識を逸らした時・・
「コォォアア!!」
「ぐあ!!」
一気に距離を詰められたと思ったら、既に眼前に大盾が迫っていてそれを避けきれず直撃してしまう。
「ぐっ!・・・あぐ、はぁ・・はぁ」
鋭い痛みがまだ残っている・・・ということは
「近距離パワー型か・・・となれば、本体は近くにいるな」
さっきの攻撃は正確に狙ったもの、それに意識を逸らしたのがスタンドそのものに分かることはほぼ不可能だしな。
とは言ったもののそれらしき人物はいない・・・
「隠れているのか・・・」
だが隠れられるスペースはあまりない・・・なら
「「アウタースローン」!!!!」
自分の目の前に集めた木の葉で、簡易的な盾を形成する。
「コォォォォ!!!!!」
するとスタンドがこちらに向かってくる音が聞こえる、すると葉の盾を剣の突きで貫いてきた。
(やっぱりな・・・・)
あらかじめ距離をとっていた為、その攻撃が届くことはなかった。そして盾が崩れ、奴との距離が大体分かる。
俺はスタンドを出したまま、両手を下げリラックス状態にし目を瞑った。
すると目を閉じたのと同時に奴が近づいてきてるのが分かる。
「クォォォォ!!!」
剣を振りかざす音が聞こえたと同時に目を開ける!
ガシィィン!!!!
勢いよく振り下ろした剣を俺は・・・・・白羽取りの要領で受け止めていた!
さすがに奴もこれには驚きが隠せず、力が緩んだのが分かるとすかさず拳を腹に数発入れる!
「オラオラオラ!!!」
近距離で受けたのが効いたのか若干よろめく・・トドメのラッシュを入れようとした時不意に声が聞こえた
「そこまでよ!!比屋定君」
振り向くと東條先輩と隣には長身の女性が立っていた。
「先輩・・・隣の人は・・?」
「この人が会わせたい人の・・・」
「落合 楓(おちあい かえで)よ、宜しく!」
いかがだったでしょうか?ここでスタンド紹介です。
なお前書きにも書いた様に今回のスタンドは募集したスタンドです!
スタンド名:「ツヴァイヘンダー(両手剣)」
本体:落合 楓
破壊力-?、スピード-B、射程距離-D
持続力-?、精密動作性-C、成長性-C
能力
特殊な呼吸法で発生する「波紋」を攻撃能力とする近距離パワー型のスタンド
本体の呼吸の深さによって破壊力と持続力が変わるが、機動性と戦闘能力のみに重きを置いた正統派スタンドとなっている。
案を送ってくださった「エス氏」様ありがとうございます!
感想・ご意見お待ちしています