私立群堂ヶ岡中学校 PM15:45
「やっと終わったぜ~!」
「・・・昼休み以降の授業はほとんど寝てたじゃん」
「うぐ!・・・言うなよ」
マサと一緒に帰る支度をしている、彼の家は僕の家の方向はほぼ反対になるのだが秋葉原に行きたいと言ってたのでそれに付き合うことにした。
「よし、じゃ行こうか!」
「うん!」
昇降口に行き、上履きから靴に履き替え学校の外へ出る。
秋葉原までの道中彼のアイドル話を散々されたおかげで数十分の距離が数時間に感じられたよ・・・
「う~~ん、さすがアキバだな!」
「買いすぎだよ・・」
秋葉原に着くなりマサはアイドルショップに行って目当てのグッズをこれでもかと言わんばかりに買い込んでいって僕はほぼ荷物持ちみたいになっていた。
「悪いな、滅多に来れるとこじゃないから」
「はは・・・・」
まぁ僕自身も嫌ではないからな、それにこうして「普通」の日常を送ることで僕があの「力」に飲み込まれることを防げている。
あの「力」・・僕自身に装着する鎧みたいなもののことだ、この鎧を纏うと不思議と心の奥から自信が湧き上がってきて口調も変化してしまう、あの時の「自分」と今の「自分」は別人だと言っても過言ではない・・・・最初は自分とは違う存在に気味悪がっていたけど、今は困っている人達を助けてあげる存在と思って受け入れている。
「・・デ、・・ヒデ!」
「わ!ど、どうしたの?」
「どうしたじゃない、さっきから呼んでいるのに返事もしないんだから!」
「ご、ごめん・・考え事をしていて」
「ふ~~ん、まぁいいけど」
そんなに深く考えていたのか・・・マサは変な所で鋭いからな、この悩みを悟られないようにしなきゃな
「そろそろ、小腹が減ってきたな・・」
「じゃあ、どっかで軽食でも食べる?」
「なら、この近くに美味しいハンバーガーの店を知っているからそこにするか?」
「うん!」
あれからハンバーガー店に行ったあと、またショップを巡ったけど金欠らしいのでグッズは買わなかった・・・これ以上買われたら腕が多分死んでいたよ。
「・・16時半か、そろそろ帰るか!」
「うん、そうだね」
「そう言えば、明日テストじゃん・・・」
「しかも大量だったね」
「はぁ~~」
マサが大きくため息をする、そこまで頭は悪くないからそこまで嫌がることはないけどと思うけどそのことを言うと不機嫌になるから言わないでおこう、それより自分のことが心配になって鞄の中からノートを持ってきたか確認したら・・
「あ・・・・」
「?どうした?」
「一冊だけ持ってくるの忘れた・・・」
「マジ!?これから取りに行くと時間がかかるぞ」
「仕方がないよ、取りに行かなきゃ明日補修になるかもしれないから」
「そっか、気をつけろよ」
「ありがとう」
こうしてマサと別れて一人学校を目指すことになった、早く行って勉強しないとな
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時は遡りPM16:20 音ノ木坂学院正門
「お待たせ、穂乃果ちゃん!」
「うん!それじゃあ行こう」
保健委員の集まりから戻ってきたことりちゃんと一緒に、これから海未ちゃんのお見舞いに行くことになった。
「大丈夫かな・・・海未ちゃん」
「・・・うん」
今日は珍しく海未ちゃんが学校を休んだ・・・・無理もないよ、あんなことが起これば誰だってショックは受けるに決まっている。
私は何があったかは見ていたから分かるけど、ことりちゃんや海未ちゃんには何て言えばいいのか分からないままこの時まで来てしまった
「穂乃果ちゃん、承一君の所にも行ってみる?」
「あ~~ちょっと遠いけど行ってみようかな」
そう言えば、承君も休みだったな・・でも彼は怪我の事はあまり気にしてないみたいだから、別の理由があったと思う
そんな事を考えながら歩いていると、あるビルの角に見たことがある青い色でロングヘアーの人物がいることに気が付いた。
(あれは・・海未ちゃん?、でも何でこんな所に・・・?)
(もう出歩けるのかな・・・それでも何かがおかしかった様な・・・)
私の中で嫌な可能性が浮かんだ・・・
(まさか・・・)
そう思った時、咄嗟にその角に向かって走り出していた。
「穂乃果ちゃん?!」
「ことりちゃん!先に行ってて!!」
そう叫んで私は角を曲がり、あたりを見渡す・・・すると学校のような建物の脇道に消えてゆくのを見つけて追いかける。追いかけた先は広い公園のような所に出た。
でもそれはいつの間にか消えるようにいなくなっていた
「あれ・・?確かにこっちに来たと思ったのに」
そう言って公園内に入った時、不意に声をかけられる
「やぁ、あんたが「高坂穂乃果」て人か?」
「・・・ッ!、あなたは・・?」
「私の名前は「青島奈央」、その反応だと間違いはなさそうだね」
「海未ちゃんは何処?!」
「海未・・?ああ!なりすましてした奴のことかな」
そう言うと懐から青い髪のウィッグを取り出した。
「・・・何だ、良かった」
「それは結構、ところであんたに聞きたいことがある。これを見たことはあるかい?」
それを言ったと同時にウィッグが形を変え、一枚の写真になる
「・・!「スタンド」!?」
「やっぱりこれが見えているのか、で質問の答えは?」
そう言われてその写真を見ると、それは承君が持っていた「弓と矢」にそっくりだった。
「・・・・・」
「表情からどうやら見たことはあるみたいだな、それは今何処にある?」
途端に彼女から殺気みたいなのを感じる、もし彼のことを言ったら何をするかは分からない・・なら
「知ってたとしも言わないよ!」
「・・・はぁめんどくさい・・」
「え・・・?」
「素直に吐いていればいいものを!!!」
その叫びと同時に懐から何かを出し、それが空中で形を変えると小型の爆弾となった。
回避しようと思い足を動かそうとした時、一斉に爆発した。
~~~~~*****~~~~~
私立群堂ヶ岡中学校正門前 PM16:40
「良かった~机の中にあって」
忘れたノートはすぐに見つかる場所にあったおかげか、時間はそれほど経っていなかった。
「早く帰ろう、補修は受けたくないし」
そう思い、校門から出ようとした時、
ドッグォォォン!!!!
すさまじい爆発音がして、音のした方角を見るとそこは学校の裏手にある公園からだった
「・・ッ!一体何が・・?!」
爆発音もさること、これほどの音なら近所の人も気づくはずなのに周りは騒然となっていなかった
「・・・行ってみるか」
素早く物陰に隠れて自分の「力」を出した後、学校の柵を飛んで公園に入るとそこには地面に伏している女の子とその子に近づく女性が見えた。
~~~~*****~~~~~
「う・・・ぐぅ・・・」
直撃は免れたけど、爆風が足にかかり痺れるような痛みで立つこともできない
「威力の低い爆弾だから直撃でも死なないようになっているから、安心しなよ」
少しずつだけどゆっくり近づいてくる・・・何とかしないとみんなに危害が・・・そう思った時甲高い声が公園内に響いた
「待ちたまえ!!!!!」
その人と私はほぼ同時にその声がした方を見た、そこには全身赤を基調とした鎧をきた人物がいた。
「何?あんた、こいつの仲間か?」
「愚問を・・俺は正義の味方として今ここにいる邪悪を倒す!」
「へぇ~~ヒーロー気取りて奴か・・・癪に障るからまずお前から潰してあげるよ!」
「やれるものなら!!」
二人が同時に動く、彼女が懐から出した物を爆弾に変えそれに反応した鎧の人は素早い避ける。私はその隙に「スタンド」で傷を治すことにした。
「ちぃ・・!しぶといね・ならこれならどうだい?」
「・・・ムッ!」
そう言うと、近くにあったブランコに触れるとそれは自動車に変わり、その人に突っ込んでいった。その人は避けずに直撃してしまった。
「避けられなかっただろうね、もし避けたらそいつに当たっていただろうし」
それを聞いて、よろめきながら立ち上がるその人に話しかけた。
「そうなの?!どうして私の為に・・・」
「ヒーローは・・弱い立場の人を見捨てはしないからだ!」
「そういうのは本当にムカつくから・・こうしてあげるよ!」
今度は滑り台に触れ、それがさっきと同じ様に自動車になりこちらに向かってくる。
「ははは!!さぁどうする?!ヒーローさんよ!!!」
「・・・ク!」
「・・・・・・・」
私の「スタンド」・・どうか・・
「お願い!私に「力」を貸して!!!!!」
「アナタガソウ望ムノナラ」
ドッシュュン!!!
その声が聞こえたのと同時に、こちらに向かってきていた自動車は消えていた。滑り台は元に戻っている
「な、何故・・・」
「・・もしかして」
私の力は物や傷を治すのではなく・・物の「状態」を「元に戻す」ことだったのか・・立ち上がり彼女の方に向かって歩いていく、すると彼女は懐から物を取出し再び爆弾に変え投げてきた
「く、くっそぉぉぉ!!!近寄るなぁぁ」
冷静に向かってきた爆弾達に能力を使い、全てを無力化した。
そして・・
「あなたが何が目的なのは知らないけど、あなたを倒さなくちゃいけない!!」
そして「スタンド」を出し、ラッシュを与える
「WAAAANNABEEE!!!」
「ぐぶぁぁ!!」
後方へ飛ばされ、そのまま気絶ように動かなくなった。
「終わった・・・」
これまでの緊張がなくなったおかげか、地面に座り込んでしまった。すると鎧の人が能力を解除してこちらに来ていた。
「す、凄かった・・です」
「え、あ、ありがとう。それにしても君は?」
「ぼ、僕は「出水 英雄」て言います!」
「私、「高坂 穂乃果」!宜しくね!」
こうして初めての「スタンド戦」を乗り切って新たなスタンド使いの人とも知り合えた!・・・結局この後海未ちゃんの所には行けなかったけど
いかがだったでしょうか?ここでスタンド紹介です
スタンド名:「エネミーマーシー」
本体:青島奈央
破壊力-D、スピード-C、射程距離-C
持続力-A、精密動作性-C、成長性-C
左腕が機械のようになっている人型スタンド
能力
本体が触れた「物質」限定で他の「物質」に変えることができる能力
但し変えられる物質は事前に本体の目で確認したものに限る(写真や絵では不可)
変えられる物質の大きさは変える前の物質の大きさに比例する
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