それではどうぞ
音ノ木坂学院内 保健室 PM16:45
「すぅ・・・すぅ・・・」
静かに眠っている穂乃果を見て、少し安心できた・・・一時はどうなるかと思ったけどな。
ただ、俺はあんまり大丈夫とは言い難い・・何故なら
「死んだはず・・・か」
ため息交じりでそう呟いた、さきほど戦ったあの「スタンド使い」が言ったことだ。奴があの状況でハッタリをかけただろうか?いや、あの表情は・・奴のあの顔、まるで幽霊を見たかの様な顔はハッタリとは信じられない
それと「同化人間」・・か、人とは全てがまるで違うあの「姿が消せる」能力を持った者、しかもそれが奴以外にも存在するかもしれない・・
ベットに横たわる穂乃果を見る、
(今まで俺の為と言って、危険なスタンド同士の戦いに付き合わせていたけど・・)
「もう・・これ以上は巻き込ませたくない・・」
もし今回以上のヤバイ奴が出てきたら・・そう考えただけで悪寒が走る。
「しばらく学校に来ない方がいいのかもしれないな」
そう言い、保健室から出ようとすると、
「そんな事したら穂乃果ちゃん達が心配するよ」
「東條先輩・・・」
「ちょっと話があるんよ」
音ノ木坂学院の屋上、俺は東條先輩に話があると言われここにやってきた。そう言えばここに来るのは二度目だったな・・
「そう言えば話て何ですか?」
「単刀直入に言うとやね・・「これ」見たことあるよね?」
そう言い、先輩が鞄から取り出したのはさっきの戦いで手に入れた「矢」に似ている・・・いや全く同じ物だった、一つ違うとすればそれが「矢尻」の部分しかないといったところか
「・・・ん?でもどっかで見かけた気が・・」
よく思い出してみるとそれは数週間前に戦った「スタンド使い」の「柏原」が持っていたいたものだった・・・あの後拾ってポケットの中に入れておいたはずだったがいつのまにか無くなっていたんだよな。
「・・て!何で先輩が持っているんですか?!」
「勘違いしてるかもしれんけど、うちも驚いているんよ」
聞いた話では、あの時俺達が帰った後リビングの隅に落ちているのを見つけたらしいが・・
「でもどうしてポケットから落ちたんだろう?そんなに浅くはないはずだけど・・」
「それは・・この「矢」は「スタンド」を覚醒させる道具だから、そして「矢」自身も「スタンド」に引かれあう物なんよ」
「え・・・?!」
「知らないのも無理は無いよ、「スタンド使い」でも知っているのはごく僅かだかやね」
「でも先輩は知っていた、何故なんですか?」
「正確に言えば、うちじゃなくお父さんが調べていたことなんよ」
「お父さんが「スタンド使い」だったかは分からないけど、時間の合間を縫ってこのことを調べていたのは確かなんよ」
そう言い、一冊の古ぼけたノートを取り出した。それを見せてもらうとそこには「矢」のことについて調べたことが沢山書かれていた
「こんなに・・・今その人に会えますか?」
それを聞いた先輩は少し悲しげな表情をした後、
「お父さんは五年前に亡くなってしまったんよ・・」
「あ・・・す、すみません無神経なことを言ってしまって」
「ううん、気にせんでいいよ、それよりもうい出てきてもいいと思うよ」
「へ・・?」
そう言うと、ゆっくり扉が開きそこにいたのは穂乃果だった。
「もしかして聞いていたのか?」
「うん、入るタイミングを逃しちゃって・・」
「穂乃果・・俺は、」
そう言いかけた時、突然俺の手を彼女が握ってきた
「え・・ちょ・・」
突拍子もない行動に慌てていると、
「穂乃果は大丈夫だよ・・自分の「能力」が出た時から「覚悟」はできているよ!」
力強くそう言いきった彼女の瞳は迷い一つ無かった・・・俺は先輩の方を見ると黙って頷いていた。
「お前がそこまで言うのなら・・・でも無理だけはするなよ」
「うん!」
夕日にも劣らない眩しい笑顔を見て、俺の迷いも消えた・・・巻き込まれた以上最後まで戦ってみせる、自分自身とそれに彼女達の為に
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同日 外神田三丁目付近の公園 PM23:30
足元がおぼつかないのを見ると、相当飲んでいたのが窺い知れる。その人物、サラリーマンは酔いを醒まそうと公園の水を飲みにきた
「う~~、調子に乗って飲んでしまった・・」
蛇口の所まで来て水をがぶ飲みにする。
「少しまともになったかな・・」
そう思っていたが、まだ視界が回っている為近くのベンチに腰掛けた。すると四~五人の男達がこちらに近づいてきた
「よぉ~~そこのおっさん、いい気分みたいだな」
「な、なんだ・・お前達は・・!」
「別に何でもいいだろぉ、これから痛い目にあってもらうからな」
「な、何だと・・」
「そんなに身構えるなよ~~俺達はちょっと金が欲しいだけだから」
「財布だけ置いていけば軽く二~三発で済ましてやるよ、だがもし抵抗したら」
そう言った男が手にしていた金属バットを地面に向かって振り下ろした。
ガギッッン!!!
「病院送りになってもらうぜ!!」
男達の目が据わっている・・これは本気だ!そう感じたリーマンは逃げようとするがまだ酔いが醒めていなかった為すぐに転んでしまった
「ぎゃはっはっは!!転んでやんの!」
一人がそう笑い飛ばすと、ほかの男達も笑い出した。そうするとさきほどの男が行く手を塞ぎこう言った
「まぁ逃げたってことは、抵抗したことになるから半殺し決定な!」
「まずは動けないように両足でも叩いておくか」
「叩きすぎてミンチにならないように気をつけないとな!」
もう駄目だ・・!自分が終わったことを悟り目を瞑ったその時・・
バキッッ!! カラン
何かがぶつかり、地面に何かが落ちた音がする・・自分の体の痛みが無いことに違和感を覚え、恐る恐る目を開けると
「おいッ!大丈夫かよ!!」
さきほどの男が気を失っているのかピクリとも体が動かなくなっており、心配した仲間は彼の傍に近寄っている。
するとどこからか声が響いてきた
「弱者を多人数で囲むとは・・貴様等の悪行は俺が断じて許さん!!!」
「どこにいやがる・・出てきやがれ!!」
「どこに目をつけている・・・さっきからここにいるぞ!!」
そう言った声のする方向を見ると、高い樹木の先に立っている人物が目に入った。その人物はそこから飛び降りると片足で地面に着地しこちらへ歩いてきた。
そこにいる全員が驚愕した・・なぜならその人物は全身赤を基調とし、胴体には青と緑のラインが走っている鎧の様なものを身に纏い、頭部にはクワガタのあごのみたいなのが生えていた。それはさながら仮面ラ〇ダーを彷彿させる姿でもあった
「何だ!て・・・め!」
そういった男のみぞおちに肘打ちを入れ、気絶させた後うろたえている他の男達もパンチとキックを入れ気が付けば一分も経たない内に彼等は全滅していた。
全員倒れたのを確認すると踵を返しその場を去ろうとする、
「あ、あの!!」
「・・・何か?」
「助けてもらったので何かお礼を・・」
「礼は不要だ、当たり前のことをしたからな!」
「せめてお名前だけでも・・・」
「名乗る者じゃありませんよ、だが強いて名乗るなら・・・」
「I'm HERO(アイム・ヒーロー)!!!」
いかがだったでしょうか?今回から少し書き方を変えてみました、変える前がいいと思ったら感想欄にて言ってもらえれば幸いです。
ここでスタンド紹介です
スタンド名:「アイム・ヒーロー」
本体:出水 英雄
破壊力-?、スピード-なし、射程距離-B
持続力-?、精密動作性-A、成長性-?
本体に装着するタイプのスタンド、服に媒介して発現するため非スタンド使いにも視認できる
能力
装着した本体の五感をすべて強化する能力、しかし本当の能力はまだ本体にも気づけていない・・・・
感想・ご意見お待ちしています