女神達の奇妙な冒険   作:戒 昇

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用事があって遅れてしまいましたが、ようやく投稿できました。それではどうぞ!


第13話 ストゥームその②

名古屋プリンスホテル内 PM14:00

 

「今のところは何も異常はないか・・・」

 

俺はホテル内の二階にある「第一会議室」から少し離れた場所にいる・・・一応不審者などが入ってきそうな箇所は見て回ったが特に何もなかった。

考えてみれば、ホテルの中になるので宿泊客以外が入ってきたらロビーのところで捕まる訳になるからなぁ・・・

 

「・・・にしても、結構かかるな」

 

彼女達がいる会議室の方を見る、今は市の関係者とこれからのライブについて最終打ち合わせの真っ最中なのである

 

「ライブの打ち合わせはそんなにかかるのかぁ」

 

ため息交じりの言葉を呟いて二階のエレベーターホールに向かおうとした時、角から人影みたいのが出てきたが反応が間に合わずその人とぶつかってしまう

 

「うっ!!」

「わっ!」

 

お互い身を引こうとして体を反らすが、その人は体勢を崩し尻餅をついてしまう

 

「痛た・・・」

「すいません!大丈夫ですか?」

「は、はい・・大丈夫です」

 

咄嗟にその人に手を伸ばし、体を起こす。見た目は黒髪の少し長めであって一見すると女性に見えるのだか・・

 

「あの本当にすみません・・・よそ見をしてしまって」

「大丈夫ですから気にしなくてもいいですよ」

 

気を遣わせてしまった・・どうも俺の悪い癖だな、そう思っていたらエレベーターの一つが開いた

 

「それじゃ僕はこれで・・」

「あ・・はい」

 

その人は上りのエレベーターに乗り込んで別れを告げていく・・・ん?僕・・・?ま、まさか・・・!

 

「お~~い、終わったよ~!」

「・・・・・ああ」

 

そんな穂乃果の声が聞こえて、考えていたことを振り払う・・

 

(そんな人もいるよな・・・)

 

 

 

 

 

~~~~~~******~~~~~~

 

 

 

ホテル内 5F

 

「びっくりしたぁ~~!」

 

自分の部屋に帰り、開口一番にでた言葉だった。興味本位で立ち寄った場所で他の人に出会うなんて・・・

 

「ちゃんと謝っておくべきだったかな・・・?」

 

でもあの人、結構優しかったなぁ・・せめて名前ぐらい聞いても良かったかな?一瞬そう思っていたがすぐに振り払う

 

「駄目だよ、今日はライブを見に来ただけじゃないから・・!」

 

そう言い、鞄の中から一枚の「写真」を取り出す。

 

「何としてでも、彼女達に伝えなくては・・・危険が迫っていることを」

 

そこに写っていたのは「μ’s」メンバーの一人「園田海未」の後ろ姿であった。そしてその裏には撮影された日と日時と時間が書かれていた・・・・

 

「さて、少し寝てからライブ会場へ行こう」

 

~一時間後~

 

「・・・・・ん。う~ん」

 

眠気が残る体を動かし携帯を見る・・

 

「・・・3時か、もう移動をしようかな」

 

そう言って手早く荷物をまとめ部屋を出ようとした時

 

「そうだ!ツイッターの様子はどうなっているかな?」

 

携帯を取り出し、ツイッターのところを開く

 

「ふむふむ、もう会場へ行ってる人がいるのか・・・物販はもう始まっているのか~」

 

画面をスクロールしながら見ると、とあるツイートの所で手が止まる

 

「ええ!「μ’s」が「名古屋プリンスホテル」に泊まっているの?!!」

 

まさか・・・同じ場所にいるなんて・・・これは早くチャンスかもしれない!そう思い、まだ纏めている最中の荷物を置いて部屋を飛び出た

 

 

 

 

 

~~~~~*****~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

「じゃあみんなそろそろ行きましょう!」

 

絢瀬先輩の言葉で会議室にいたみんなは各々準備し始めた

 

「俺は先に出て異変がないか見てきますよ」

「承君・・気をつけて!」

「穂乃果・・分かってる!」

 

そうみんなに告げ、一人部屋の外に出る

 

「・・・・静かだ・・・いや静かすぎる」

 

さっきの静けさとは一変し、無機質な静寂がこのフロア全体を覆っている。

すると・・・・

 

ガシャンッ!!

 

「・・ッ!!」

 

奥の方から物音がした、それに反応するかのように穂乃果達が出てくる

 

「い、今の音は・・?」

「奥から聞こえたな・・様子を見てくるから君達は先に行っててくれ」

「しかし・・!」

「・・・・・・・行こう!」

「穂乃果ちゃん!?」

「私は承君のことを信じるよ、だからみんな行こう!」

「穂乃果の言うとおりだ、君達のライブを待っている人達の為に行ってくれ!」

「・・・分かったわ」

 

そう言い、絢瀬先輩を先頭にみんながエレベーターへ向かい全員が行ったことを確認して奥へ向かう

 

「ここか・・・・」

 

見るとそこは非常階段への扉だった、おそらくこの扉の先から聞こえたはず・・・

慎重に扉を開けてみると、そこには何もなかった。

扉を全開にして階段の方に出ても変った様子はなかった

 

「気のせいか・・?確かに聞こえたはずだが・・」

 

そう思ってホテルの中へ戻ろうとした時、突然扉がすごいスピードでこちらに向かい閉まろうとしていた

 

「オラッ!!」

 

扉と拳がぶつかり合い、鈍い金属音が響く。扉を少しへこみ閉まった・・

 

「今のは・・スタンド攻撃か・・!」

 

周りを見渡すが人の気配はなかった・・

 

「だがどこかにはいるはずだ」

 

その場から移動しようとすると、数メートル先にあった消火器が俺の方に向かって飛んできた

 

「くッ・・!」

 

身を屈めてそれをかわす、消火器は床に落ちる。

 

(どうやら、物を操作するタイプようではないな・・)

 

だが物と飛ばすのではないとしたら、一体何なんだ・・?俺のと同じタイプか・・?それならどこかで本体と接触してるはず・・まさかあの時の人が・・?それだったら攻撃チャンスは他にあったはず

移動しようと体を動かそうとするが、全く体が動かなくなっていた。

 

「な・・何・・!」

 

どういうことだ、これがさっきの消火器や扉と同じなら余計に分からなくなるぞ・・!

すると後ろにあった消火器がカタカタ動いたと思うとこちらに向かってきた

 

「うおお!オラオラッ!」

 

数発の拳を繰り出し、消火器を殴り飛ばす。その衝撃からか中身が漏れ出した、それは空中に舞い俺の横を通り過ぎていった

まるで俺の体を避けるように・・・

 

(そうか、分かったぞ!敵の能力が・・!)

(おそらく・・・・「気流」の向き、強さを操作する能力だ!)




次回決着がつきます!今回はスタンド紹介はないです
スタンド案の件ですが「味方」側は決まりましたので「敵」側のスタンドのみの募集になってしまいのでよろしくお願いします

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