女神達の奇妙な冒険   作:戒 昇

11 / 66
今回の話は前回告知したとおり「主人公」サイドの話ではありませんので、あらかじめご了承ください。ではどうぞ


第10話 三枝三機哉 -平穏を求めし狂人-

4月12日 AM9:00

 

「ふぅ・・・さて起きるか」

 

暖かい春の陽気が、私の眠気を誘う・・・がいつまでも寝ていたら体に毒なのでベットから起き上がる。

洗面所に向かいまずはシャワーを浴びる、その後歯磨きをする・・毎日続けている為虫歯などになったことは一度もない

キッチンへ移動し朝食の準備をする、メニューは食パンとベーコンエッグとトマトサラダだ・・リビングへ行きテレビを見ながら朝食をとる

 

「フン・・くだらない番組しかやらないな」

 

朝のニュース、通販、ドラマ一通り目を通したが、どれもつまらなくテレビを消してしまう・・・

 

「音楽でも聴くか・・」

 

そう思い、CDプレイヤーを引っ張り出し中にDVDをセットする

 

~~♪~~♪

 

流れているのは「ローリングストーンズ」の曲だ、音楽は素晴らしい・・私の心を「穏やか」にしてくれる・・ただ今の状態は私にとって「穏やか」じゃない、何故なら・・

一枚の「写真」を手に取り、写っているものに目をやる

 

「「弓と矢」・・・「これ」はこの町にあるはずなのだ!」

 

そう・・この「弓と矢」、私の中に眠るあの「力」を呼び起こした元凶である。

私こと「三枝三機哉」は一年前までは普通のサラリーマンだった・・あの日いつもの様に仕事から帰っていつものと同じ夕飯を食べ風呂に入り就寝するはずだった、いつの間にか入ってきた男と出会うまでは・・

すぐに警察に連絡しようとしたが、その前にそいつが持っていた「弓と矢」で喉を貫かれてしまい大量の血が出てしまい、自分の死を覚悟した時不思議な光が全身を覆った。

そして目を覚ますと・・自分が生きていることにまず驚きそしてその男がまだ部屋にいたことにもう一回驚いた・・するとその男は

 

「おめでとう、君は選ばれた者のようだ」

 

最初は何のことか分からなかった、だがそれが実感できたのは次の日からだった・・

自分を悩ませていたいた全ての事柄を「それ」が解決し、それまでぐっすり眠れなかったのが嘘のように快眠できるようになった・・私はあまりのことに人生初めてのうれし涙を流してしまった。

やっと・・・やっと求め続けていた「平穏」を手にしたのだからな・・

だが、私の「平穏」は揺らぎ始めている・・・数週間前仕事が長引いた時自宅近くの公園で・・「それ」を見てしまった・・・・あの、

あの「弓と矢」を持った男に・・!!!!

 

ガシャァン!!

 

気持ちが高ぶってしまったからか、朝食が乗った皿を机の上から払いのけてしまいそれが床に落ちた・・・が

 

「どうでもいい・・!!」

 

そう、どうでもいい・・今はあの「弓と矢」だ!あれがあるという事は私と同じ能力がまだいるかもしれないという事になる!

そうなればいつ自分の前に現れるか分かったものじゃない・・それは私の「平穏」の終わりを意味する・・・

あの「弓と矢」は私が持つか、最悪の場合は破壊するしかないな・・・我が「平穏」の為に・・!

 

割れた食器類を片付けて、パソコンがある自室へ向かう

 

「探し始めてから一週間も経つのか・・・」

 

机の中にはこれまで調べた資料がところ狭しと入っている・・これら全て「弓と矢」に関するものだ・・

 

この一週間で起きた不審な事件を纏めてた所、二件ほど気になったものがありその内一件の犯人が近くの警察病院にいるのだ・・

 

「こいつに聞いてみるか」

 

 

 

 

 

~~~~~~~******~~~~~~

 

 

 

 

千代田区警察病院  AM11:25

 

あれから病院の構造を調べるのに手間取ってしまった。

さてどうするか・・・

 

「・・・・ん?あそこは」

 

見ると、この病院の職員が使うであろう専用の出入り口が少しばかり開いていた・・

周りを見渡し素早くそこから入る

 

「さて・・あれを片付けるか」

 

職員用とはいえ、そこには当然防犯カメラがある。今はカメラの死角にいる

私は自身の能力を発現させる・・

 

「・・キング・ロマネスク!」

 

それはカメラに拳を繰り出す、そして私はそいつを引っ込める

 

「これで、私はカメラに「写らない」・・」

 

静かに移動をし、目的の場所まで行く。そこは五階のとある病棟だった。

扉に手をかけ中へ入り込み、ゆっくり「そいつ」に近づく

 

「な、何だ・・・お前・・?」

「やぁ・・・柏原暁さん」

 

「そいつ」の名前は「柏原暁」、数日前自分が勤めている病院の院長の自宅に忍び込んだ所居合わせた女子生徒に暴行を加えようとした所、一緒に来ていた男子学生に返り討ちにあったらしくここに入院しているということなのだか・・

 

「返り討ちにしては随分なやられようだな」

「な・・・何」

 

そう・・返り討ちにしては大分重症なのが気になったのだ、もしかすると私のこの「力」みたいにパワータイプにやられたのだとしたら

 

「お、お前不審者だな・・」

 

そう言い医師を呼び出すボタンを押そうとするが

 

「フン・・!」

「あ・・が・・・何?!」

 

「キング・ロマネスク」が拳を繰り出し、腕を捕らえそのままへし折る

 

「下手なことはしない方がいいよ」

「う・・・うぐあ・・」

 

腕を押さえ苦悶の表情を浮かべる

 

「その状態で悪いが簡単な三つの質問をさせてもらおう」

「う・・・!」

「当たり前だか嘘はつくなよ・・!」

「それと答えにはイエスかノーで言ってもらう、それ以外の言葉を発したら即頭を吹き飛ばし脳みそをぶち撒けるからな」

「・・・わ、分かった」

「よし、一つ目の質問だ」

 

懐からあの写真を取り出す

 

「これの事を見たことがあるか?」

「イ、イエス・・!」

「・・・二つ目、お前はこれを持っているか?」

「ノー・・!」

「そうか、なら最後に「これ」について何か知っているか?」

「ノー・・だ!」

 

 

見たことがあり、持ってはいないか・・・・

 

「少し気になったから聞くが、お前を倒した奴も私の「これ」と同じものなのか?」

「そ・・そうだよ」

 

ということは、そいつが何か知っているかもな

 

「分かった、もういい・・がその前に」

「・・・・・・・・え・」

 

能力を、奴の頭にかける・・・

 

「私と会った記憶は「消させて」もらうぞ」

 

力なくベットに横たわったことを確認して病室から出る

 

 

 

~~~~~******~~~~~

 

 

カチャカチャ・・・・

 

自宅へ戻り情報を整理する・・・・・

柏原が勤めていた病院は「西木野総合病院」・・ということはそこにいた男は、おそらく娘の友達か何かだろうな・・・

娘が通うのは・・「国立音ノ木坂学院」か、あそこは数年前に共学化したはず

するとそこの男子学生か・・・ちっ!ホームページには入ってきた数しか書かれていないか・・だが幸いにも4人しかいないのか・・

ならそこを見張っていれば誰かは分かるな・・・・・

 

今日の所はいいだろう・・・・日曜だから学校は開いていないな、それに焦っても仕方がない・・そうだ「平穏」を取り戻すため・・・確実に一手一手進めるだけだ・・・!

 

 

 

 

 

 

 




いかかがだったでしょうか?ここでスタンドと人物紹介です

名前:三枝 三機哉(さえぐさ みきや)
歳:29歳
身長:181cm、体重:75kg
髪の色:金
イギリス人の父と日本人の母の間に生まれたハーフ

スタンド名:「キング・ロマネスク」
   本体:三枝三機哉
破壊力-A、スピード-A、射程距離-D
持続力-D、精密動作性-B、成長性-不明

全身格子状のような模様で覆われ緑と黒の配色となっており、腕と腰には装飾を施され背中には特徴的な突起物がある
能力
スタンド本体が触れた「物体」の中にある本体にとって「不都合な情報」を消させることができる能力

消せる「情報」に制限はなし、ただし「存在」は消すことはできない

感想・ご意見お待ちしています



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。