東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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更新遅れてすみません!!
携帯で何時も投稿してるんですが、最近新しいのを買って、それに慣れるのにかなりの時間を消費してしまいました!
次回からは一週間に一、二回は投稿するのでお許しください!
後、今回から三人称ではなく一人称で書きます。
前書きはここまでにして、では本編へ。


最も怒らせてはいけないもの

 

  目を覚ます。

  同時に意識が覚醒する。

  そして、目の前の白衣の男どもの顔を見て、ここがどこだか思い出す。

  ここは月の都。その奥の研究所に、私は囚われていた。

 

「よぉ、モルモットちゃん。ようやくお目覚めかい?」

「話しかけないでくれる?くさくて仕方ないんだけど」

 

  その言葉に気を悪くしたのか、男は私に向けて蹴りを放った。

  私は檻の中に入れられていたので直撃はしなかったが、衝撃で檻がガタガタ揺れる。

  男は鉄格子を掴むと、中で座り込んでいる私の目線までしゃがんだ。

 

「あんまり調子のんじゃねえぞ雌犬。テメエが以前なんて言われてたか知らねえが、ここに来れば等しく家畜だ。いいか、今からテメエの体に大量の薬品を投入する。中には一滴入れただけでぶっ壊れるもんもあるんだとか。まあ安心しろ、もしテメエが壊れても体の穴だけは使ってやんよ」

 

  キヒヒ、と下品に笑う(おとこ)

  その気色悪さに吐き気を覚えるが、豚が言っていることは事実だった。

  現に私はこうして妖力無効化の手錠を付けられ、ごみくずに等しい目の前の豚に見下されている。

  悔しい。

  自殺することもできない。

  ただただこいつらの玩具となって朽ちていくのが死ぬほど悔しい。

  いやだ、死にたくない。

  まだ夢も叶えていない。

  こんなところで終わりたくない。

 

  そんな私の心の中の抵抗も虚しく、豚は手に注射器を取り出し、それを私に向けて突き出した。

  だが、それが私の体に刺さることはなかった。

 

  突如、研究室の扉の前で大きな爆発が起こり、吹き飛ばされる。

  突然の出来事に私も研究者どもも静止した。

  その中で、一人の青年が歩いてきた。

 

「アハハハハハ!!ヘロー、ゴミ屑どもォ!そして死ね!」

 

  青年が持っていたロケットランチャーが発射され、室内で全員を巻き込んだ大爆発が起きた。

  しかし、私の目の前には透明な結界が張られていて、爆風を防いでいた。

 

「ひ、ヒィッ!?た、助け……」

「あ?なんでまだ豚が残ってんだ?まあいいとりあえず死ね」

 

  グチャッ、と命乞いをした先ほどの男が見えない何かに潰された。

  床にトマトケチャップをぶっかけたようなシミが残った。

  顔を上げる。

  そこには私が会いたかった人の顔。

  ずるい。

  こんなタイミングで登場するなんてずるい。

 

「よぉ紫。助けに来たぜ」

 

  最強の妖怪、白咲楼夢はそう私に微笑みかけた。

 

 

 ♦︎

 

 

  月の都。

  それは死が存在しないある者には楽園でもあり、またある者には地獄でもある。

  そんな都を囲っている巨大な結界。その前に俺はいた。

  この結界どうやら永林作らしく、超超高度な技術を束のように重ねて作られている。

  中でも驚いた機能は、月から発生する魔力をそのまま結界の原力に変える、というものだった。

  今の説明で分かった通り、月は魔力を発生させている。それもかなりの密度のを。

  この結界はそれを丸ごと吸い込んで、力に変えているのだ。

  うん、正直言って天才すぎるだろ。

  だが総合力では劣るが、術式の技術は俺が一枚上手だったようだ。

  月の魔力をエネルギーに変える機能。これを今回は利用させてもらおう。

 

  結界に触れる。

  そしてその中の魔力をストローで吸うように吸収し出した。

  吸い出した魔力は頭上で圧縮させ、近くに置いておく。

  そう、これが今回の作戦。名づけてストローチュウチュウ作戦だ!

  ……ヤベェ、死ぬほどダサイ。

  それは置いといてこれは作戦は結界内の魔力を全部吸い出して空っぽにしてしまおうという作戦だった。

  ガソリン無しで車は動かない。

  同じく魔力無しで魔法は発動しない。

  その原理を乗っ取って、魔力を失った結界は当然のごとく消え去る。

  そしてその吸い取った魔力で都市を攻撃する。

  いやー実にエコだ。

  偉いぞ、俺。

 

 そうこうしてる内に結界が消え去った。

  今がチャンスだ。

 

「さて、まずは初撃だ。簡単に滅んでくれるなよ?」

 

  圧縮してある巨大魔力玉を空に発射する。

  すると、天空から無数の流星群が月の都に降り注いだ。

 

「『星降りの夜』テメエらが笑っていられる、最後の夜だ」

 

  次々と、弾丸のように隕石が大地に打ち込まれてゆく。

 

「俺の逆鱗に触れた罪、死して贖いな」

 

  次の瞬間、月の都が地獄と化した。

  次々と降り注ぐ神からの贈り物。

  それによって吹き飛ぶ町々。

  大地はえぐれ、巨大なクレーターが数百個できた。

  もちろんその中にいた人々が無事なわけない。

  隕石に直接消し炭にされた者もいれば、吹き飛んだ建物の残骸によって潰された者もいる。

  そして流星群が止み終える頃には、犠牲者は三千万、月の都の総合の三割が消え去った。

  建物を合わせれば、もはや月の都は崩れかけの城にしか見えなかった。

 

  だがまだ終わらない。まだ終わらせない。

  紫を取り戻し、俺の気が晴れるまでこの悲劇は続くのだから。

 

「さあ、蹂躙を始めよう……」

 

  闇に覆われた月の空の下、俺はそう宣言した。

 

 

 ♦︎

 

 

  殺す殺す。

  目に映る全てを殺す。

  泣き叫んでも許さない。

  等しく殺し尽くす。

  やがて俺は研究所らしき所に到着する。

 

「南の心臓、北の瞳、西の指先、東の踵、風持ちて集い、雨払いて散れ

 ーー縛道の五十八『掴趾追雀(かくしついじゃく)』」

 

  地面に陣を描き、そこで鬼道を発動させる。

  さて、俺の予測じゃここにいるはずなんだが……。

  すると、地下から紫の妖力を感じられた。

 

「ビンゴ」

 

  研究所の門に向けて、巨大な火球を放った。

  次の瞬間、頑丈なはずの門がスーパーボールのように空にぶっ飛んだ。

  そして煙が消えるとともに道が現れる。

  同時に中からガ○ダムで出てくるようなガードロボが溢れ出るが、知ったこっちゃない。

  先ほど放った火球。あれを百個ほど同時に射出し、地下の入り口までの障害物を丸ごと吹っ飛ばす。

  空でバイバイキーンと言っているのは気のせいだろうか。

 

  地下のシェルターの入り口は、蓋のようになっていた。

  もちろんこの蓋も鉄なんかより遥かに硬い金属でできているようだが、いまさらそんなの関係ない。

  ありったけの妖力を腕に込める。そして車のドアをリュックサック感覚で投げとばすどこぞのベクトル少年も真っ青になるほど、豪快に蓋をこじ開け、投げとばした。

  気分はもちろん、あァ、楽しい!

  そんなこんなで地下への階段を、音もなく下る。

  地下は防音性に作られていたので、おそらくまだ俺が侵入したことすらきずいていないだろう。

  ならばここはばれずに忍び足で行くのが常識だろう。

  そんなことを言っていると、さっそく第一警備員(むらびと)発見!

  すぐさま後ろから這い寄って首を刈る。ちなみに死体は死んだと同時に時狭間の世界に送っておいたので、地面には血一つない。

  そこらへんはマナーを守っている。

  まあ不法侵入してる時点でマナーなんてないんだが。

 

  そうして進んでいると、いかにも重要なものがありますという雰囲気を出している扉を発見する。

  いや、他の扉はセキュリティが二個ぐらいに対してなんでここだけセキュリティが二十個以上あんだよ。こんなもん誰でも怪しがるわ。

  鍵穴からスカーレット•テレスコープを発動。中を覗き見る。

  すると紫が両手に手錠をかけられて檻に入れられていた。

  彼女は何やら目の前の研究者っぽい男と話していた。

  まあ狐の聴覚のおかげで丸聞こえなのだが。

  あ、アイツ紫を蹴りやがった。

  OK、豚野郎。テメエだけは絶対殺す。

  手のひらを扉に押しかけ妖術を発動。先ほど門をぶっ飛ばした火球ーー『大狐火』をゼロ距離で放った。

  ドゴォォォオォン!! という爆音が聞こえたかと思えば、扉がジェットエンジンを搭載したかのように研究者たちに突っ込んでいった。

  ざまあ。

  どうよ、敵ではなくドアに潰される気分は!?おそらく人生最大の屈辱だろうね。

 

「アハハハ!!ヘロー、ゴミ屑どもォ!そして死ね!」

 

  巫女袖から使い捨ての改造ロケットランチャーを取り出し、それを室内にぶち込んだ。

  紫に結界を張るのも忘れない。

  狂夢によって改造されたこの兵器は火薬だけでなく魔力や妖力などなど、様々な力で発動する爆発の術式が刻まれていた。

  そんな凶器を室内で使用するなど、正気の沙汰ではないのだが、まあどうせ無傷なのでいいだろう。

 

  ワンテンポ遅れて、弾が爆発した。

  辺りを覆い尽くす、血生臭い匂い。

  そんな中、先ほど紫を蹴った研究者が命乞いをした。

 

「ひ、ヒィッ⁉︎た、助け……」

「あ?なんでまだ豚が残ってんだ?まあいいとりあえず死ね」

 

  だがそんなものを受け入れるほど俺は優しくない。

  能力を発動し、圧縮した空気の塊で豚をぐちゃりと潰した。

  第一テメエは紫を傷つけただろうが。そんなやつが俺の前で生きて帰れると思うなよ。

 

「よぉ紫、助けに来たぜ」

 

  そう紫に微笑みかける。

  よかった。まだ実験はされていないようだ。

 

「楼夢、どうしてここに……」

「その話は後だ。今は脱出を最優先しろ」

 

  紫の疑問を遮り、天井を妖力のレーザーでぶち抜く。

  手錠などの拘束具を能力でバラバラにし、身動きを取れるようにする。

  だが紫は足をくじいていたのか、うまく立ち上がれないようだった。

 

「はあ、しょうがねえな。……おいしょっと」

「へ……、きゃあ!?」

 

  お姫様抱っこの要領で、紫を持ち上げる。

  すると彼女は小動物のような可愛い悲鳴を上げた。

  というより、案外軽いな。

  体も柔らかくモチモチしていて、抱き寄せた時の胸の感触なんかも……

 

「それ以上考えるとスキマから落とすわよっ!」

 

  おっと、案の定紫に怒られてしまった。

  普段女に性欲を感じない俺でも興奮してしまうとは、恐るべし紫の胸。

 

  茶番はそこまでにして、俺は紫を抱いたまま空を飛び天井から脱出した。

  そして黒い翼を生やすと、全速力で地球に帰れるポイントまで向かった。

  途中で紫が月の都の美しい(笑) 惨状にドン引きしていたが、気にしないったら気にしない。

 

  そこまでは順調だった。

  結界があった場所を抜けたところで、突如複数のレーザービームが俺たちを襲った。

  それら全てを翼で防ぎ、おなじみ大狐火百連発を反撃に放った。

  だがそれら全ては軍服のヘルメットを着た男たちに当たる前に突如消え去った。

  振り返り、状況を確認する。

  そこには、長刀(ものほしざお)を持った少女が、水のバリアを張っていた。

  あのバリア、まさか神力でできている!?

  だがそれを張っている少女自身は人間のようだし、わけ分からん。

  無視して突破しようとすると、進路を塞ぐようにレーザーが発射された。

  面倒くさいが地面に降りて、紫をそっと置く。

 

「やっと戦う気になったか、妖怪」

「正直邪魔なんだがね、人間以上神未満の中途半端君?」

「へえ、神力が分かるなんて、あなたただものじゃあないわね?」

「あーもう、そういうのどうでもいいから早く済ませてくんない?」

 

  俺の全く相手にしていない雰囲気に気を悪くしたのか、刀の刃を俺に構えた。

 

「……私も舐められたものね。私の名は綿月依姫(わたつきよりひめ)!この部隊の隊長だ!いざ尋常に……勝負!」

 

  青白く刃が光ったかと思うと、依姫はいきなり切りかかってきた。

  いや尋常にじゃねえよ!?こっちまだ刀すら抜いてないんだが!

  だがまあ音速の抜刀速度のおかげでなんなく初撃を受け止めた。

 

「私の初撃を受け止めるなんてね。それに免じて、本気を出してあげる」

 

  依姫はそう言うと、バックステップしたかと思うと地面にその刀を突き刺した。

  すると、俺の体を地面から突如突き出た複数の刃が拘束した。

 

「女神を閉じ込める、祇園様の力。少々呆気なかったわね」

 

  なるほど、この刃どうやら祇園の神本人の神力でできているらしい。

  そりゃあ自信があるわけだ。おそらくはほぼ全ての敵をこれだけで封じ込めれるだろう。

  だが相手が悪かった。

 

「ふんりゃ!」

 

 気の抜けた掛け声とともに拳を振るう。

 バリイィィィンという音とともに案外呆気なく刃は砕け散った。どうやら本人の神力と言っても術式は依姫がやっていることから、本物よりは精度が落ちるのだろう。

 

「なっ!?」

「女神は閉じ込めても、縁結びの神は閉じ込められなかったようだな」

 

  正確には俺は縁結びではなく時狭間の神なのだが、そこは気にしない。

  とりあえず、依姫の能力が分かった。

  彼女はおそらく例外を除いて八百万全ての神の力をその身に宿せるのだろう。

  これだけ聞くと強力そうだが、伝説の大妖怪クラスの敵にはゴミ能力でしかない。

  なぜなら、いくら様々な技が出せても所詮人間が操っているので、威力はたかが知れている。

  まあ逆に言えばそれ以外の敵なら最強クラスの能力なのだが。

  おそらく紫はこいつに負けたのであろう。彼女の忌々しいものを見るような目から、予想できた。

 

「くっ、愛宕様!我が身に宿り、邪悪なるものを浄化せよ!」

 

  今度は愛宕の神か。確か防火の神だったっけ?

  彼女の長い刀が神の炎を纏う。

  ならこっちも。

 

「『マヒャドブレイク』」

 

  愛刀に氷を纏わせ、同時に刃を振り下ろした。

  炎と氷が衝突する。

  だが急激な温度の変化に耐え切れず、刃が吹き飛んだ……依姫の刃が。

 

「愛宕様の、地上で最も熱い炎が……っ!?」

「一番じゃねえよ。二番目に熱い炎だ」

 

  温度の問題なら、愛宕なんかよりも火神の炎の方が上だ。

  あいつはその気になれば太陽を超える温度の炎を作れるからな。ていうかそれ食らって生きてた俺って一体……。

  とりあえず、依姫の無力化に成功したようだ。

 

「安心しろ。テメエは殺しはしない。そもそも八百万の神を降ろす力は珍しいからな」

 

  その言葉を最後に、俺は音速の速度で依姫に近づき、胴体に切りかかった。

 

  その時、ピーッ、という慣れない音が辺りに響いた。

  そして俺は突如体のバランスが保てなくなり、地面に転がった。

  腕に、体に力が入らない……!?

  そこで俺は気付いた。

 

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(時間……切れかよ……っ!?)

 

  かろうじて顔を上げる。

  そこには、落ち着きを取り戻した依姫が、俺を見下していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





〜〜『今日の狂夢様』〜〜

「どーも皆さん!お久しぶりです!引っ越したばかりで小説が投稿できなかった作者です!」

「ソロモンよ、私は帰ってきたァァァァア!!!空前絶後のォォォオ!!戻ってきたそう、この俺はァッ!!サンシャイィィィン!!きょ う むゥゥゥゥ!!!」


「長えよセリフが!?てかさらっと流行に乗るな!」

「チ、チ、チ。作者、こんな言葉を聞いたことがあるかい?『河童の川流れ』と」

「意味違えよ!?辞書引きなおしてこい!……っで、今回はなんですか?」

「いや、なんでこんな投稿期間空けたんだよ!?ただでさえ数少ないこのクソ小説の読者様が減っちまうだろうが!」

「いや、私は引っ越しが忙しくて……」

「ラノベ、先週と今週合わせて何冊買った?」

「……8冊です」

「暇人じゃねえか!第一引っ越しで見れなかったからって幼○戦記とか見てんじゃねえよ!モンハンもいつの間にかランク解放されてるし、普通に遊んでるだけじゃねえか!」

「……いや、まじホントすんません。とりあえずこれからも頑張って投稿していきたいと思いますので、皆さんも影ながら見守りください。それでは次回もーーーー」


「「キュルッと見に来てね/来いよ!!」」

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