東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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俺の道は針山地獄

障害物を焼き尽くし 辺りに広がる焼け野原


俺の道は一方通行

邪魔をするならぶっ壊せ 道を遮りゃぶっ潰せ


そうして道は開かれる


by白咲狂夢


道中、山あり谷あり編
MOUNTAIN OF MONSTER《妖怪の山》


楼夢side

 

 

どーも皆さん、白咲楼夢だ。え、現在何処にいるのかって?それは後でということであの後諏訪国を離れてから軽く数十年の時が流れた。

 

一応都に行ったが、どうやら聖徳太子が死んだ時期と俺が旅立った時期が同じだったみたいだ都に来た時にはその顔を見ることが出来なかった。

おまけに聖徳太子が死んだせいで辺りが静まり返っておりとてもつまらなかったので現在は日本各地を旅している。

 

 

話は変わるが皆は『ほのおのブーメラン』を知っているか?ドラクエでもかなりメジャーな武器で、投げるとブーメランが炎を纏い、相手を攻撃することが出来る優れものだ。

 

さて、何故俺がこんなどうでもいいことを話しているかというとーーーー

 

 

「ほーらほら、さっさと走んないと追い付かれるぜ♪」

 

「逃げろォォォォォッ!!」

 

「うわァァァァッ!!」

 

 

ーーーー現在『ほのおのブーメラン』で犬ころを無双しているからだ。

 

 

元々あっちから吹っ掛けてきた勝負だ。ったく、妖怪の山だか知らねーが、山の中を通ろうとしただけなのに迷惑なもんだ。

........あいつらは自分達のことを白狼天狗とか言ってたがどう見てもありゃただの犬ころだ。そうにしか見えん。

 

 

「見つけたぞッ!!」

 

「今だ、捕えろ!!」

 

「そこ、五月蝿い」

 

 

俺はほのおのブーメランを投擲する。すると、次々とブーメランは犬ころに当たり道を作り出す。

 

 

「........犬ころの増援か」

 

「死ぬな、家康ゥゥゥゥ!!」

 

「諭吉、目を覚ましてくれェェェ!!」

 

「俺の夢や誇り、全てお前に託した........(ガクッ」

 

「ご、ごん座衛門ォォォォン!!」

 

「天国で安心して見ててくれ........。お前らの意思はこの野口が受け継いだッ!!(キリッ」

 

 

........ナニコレ?まずごん座衛門以外名前が歴史上のこれから出て来る有名人と同じじゃねえか。アウトだよその名前!?

最後に手を抜いといたからごん座衛門は生きてるぞ。

 

 

「ごん座衛門の仇!!」

 

「ああもう、少しは大人しくお座りでもしてやがれ!!」

 

 

........取り敢えずこのゴミを一掃しよう。

よくよく見ると犬ころの他に鴉のような翼が生えた奴等もうじゃうじゃいる。

大体犬ころ五十匹に鴉二十羽か........楽勝だな。

 

俺は『妖狐状態』になると服の袖から金で装飾された美しい弓を取り出し、左手に神力を込めて引き絞った。

 

 

「神弓“ラルコンシエル“」

 

 

楼夢の弓から、金色の光が放たれた瞬間、天狗達の前方には百を超える神力の矢が放たれていた。

 

多くの者は突然のことで反応出来ず、矢を喰らうが中には耐え切った者もいた。彼等は楼夢を探すが時すでに遅し。

 

 

「はいはーい、こっちだよー」

 

 

天狗達が空から声が聞こえたかと思うと

 

 

ーー雷降“プルイ・ドュ・エクレール“

 

 

天狗達の頭上に、無数の雷の矢の雨が降り注いだ。

 

 

「「「ギャァァァァァッ!!」」」

 

 

天狗達は次々と断末魔を上げると、地面に倒れ気絶する。

 

 

「安心しな。手加減しといたから死にはしなーーーー」

 

 

楼夢が言い終えるより先に、一人の少女が持っている刀で楼夢を切り付けた。楼夢はそれを軽くバックステップして躱すと、少女を見て関心した。

 

 

「へ~、あれを避けるなんて嬢ちゃんやるね」

 

「........此処は我々天狗の領地である妖怪の山よ。それを知ってでの行いかしら?」

 

 

少女は紅葉の葉のような形をした扇を左手に、刀を右手に持って俺に問う。

外見は白い半袖の服を着ていて山伏のような赤い帽子を被った黒い髪と赤い瞳を持っている。

 

 

俺は神力で創り出した弓ーーラルコンシエルを少女に向けて話す。

 

 

「取り敢えず俺の名は白咲楼夢。この山を通る理由は此処を通った方が目的地まで最短距離を歩けるからだ」

 

「私の名は射命丸文(しゃめいまるあや)。天狗部隊隊長よ。そしてこの山からお引き取り願うわ!」

 

「それは手厳しい」

 

 

俺はラルコンシエルから無数の神力の矢を文に放つ。

 

この弓は一発放てば無数の矢となる『連射型』と無数の矢の力を一発に込めて射つ『集中型』の二つに切り替えることが出来るのだ。

 

他には天候に関する力を纏う能力がある。

例を上げれば“プルイ・ドュ・エクレール“は雷の力を纏った矢を連射するように他にも雨等の力を纏う事が出来る。

 

 

だがその無数の矢を文は素晴らしい旋回能力で避け、俺を切り裂こうと急降下して突撃する。

 

 

「縛道の八“斥“」

 

 

だが俺は左手の甲に斥力を持った小さな結界を作り、裏拳を文の刀に繰り出し弾く。

 

 

「くうゥゥ........ッ、この........ッ!!」

 

 

文は我武者羅に刀を振るが、達人を超えた剣術を扱う俺にとってはスローにも等しく刀を振り下ろした瞬間を狙って『連射型』の全ての矢を超圧縮した一本の矢で文にカウンターを放つ。

 

文はそれを瞬時に察知し避ける。だが矢は後ろの障害物を貫通し、周りの木々を薙ぎ倒す。

 

 

「な........ッ!?」

 

 

文が驚くと同時に一滴の赤い雫が頬を垂れる。見れば文の頬には先程避けた矢が掠っていた。

文はその矢の威力を充分理解し、すぐさま離れて空から弾幕で攻撃してくる。

 

俺は迫り来る弾幕を無数の矢で撃ち落としながら文を攻撃する。

 

文はそれを自慢のスピードでくぐり抜け、扇で竜巻を作り俺を攻撃してくる。

 

 

「一々鬱陶しい!!」

 

 

俺は『ほのおのブーメラン』を思いっきり竜巻の中にぶん投げ相殺させる。『ほのおのブーメラン』は役目を果たすと粉々に砕け散った。

 

 

「あ〜あ、壊れたか........。まあ鉄さえあれば幾らでも作れるから良いか」

 

 

そこで俺はあることに気付く。それは竜巻の後ろに隠れていた文がいないのだ。

あいつは爆発に巻き込まれた位で死ぬほど弱くない。

となれば考えられるのはーーーー

 

 

ーー直後、俺の後ろに風が吹く。それは明らかに自然の物ではない。人為的に起こされた物だった。そして、気付いた時には文が俺の背後から物凄い速度で突っ込んで来た。

 

 

「言い忘れてたけど私の能力は『風を操る程度の能力』よ。付いた肩書きは『鴉天狗最速』。私を捕らえられる者はいない!!」

 

 

文は高らかに勝利を確信すると、楼夢に斬撃を放つ。

しかも先程のような普通の斬撃ではない。文の刀は見れば超圧縮した風から発生したプラズマを纏っていた。

 

 

文はまず目くらましの為に竜巻を放ち、能力で風を纏ってスピードを上げたのだ。

 

元々文を含む鴉天狗は飛行能力が極めて高い種族だ。そんな鴉天狗に風の力が加われば誰も止める事が出来なくなる。

 

後は、そのスピードを活かして楼夢の後ろに回り込んで攻撃をすればいい。

 

一方の楼夢はさほど身体能力が高くない『妖狐状態』でいる為文のスピードに身体が反応出来なかった。

 

 

ーー相手の後ろを突いて戦う。殺し合いに於ける常識であり至極単純な事。

 

 

ーーーー故に読み易い........

 

 

 

メギャァ........ッ!!

 

 

「がっ........!?」

 

 

文は突如鈍器のような物で殴られた感触を感じた後、周りの木の幹に吹き飛ばされる。

 

 

「な........んで........ッ!?」

 

 

文は木の幹にぶつかった衝撃で体内の酸素を一気に吐き出した。

 

酸素が頭に回らない彼女の思考はぐちゃぐちゃになった。

 

 

(どうして........ッ!?アイツはさっきまで反応出来ずに私に無防備な状態で背中を見せてたじゃない!?なのに何故........ッ!?)

 

「『理解出来ない』と言いたそうだな」

 

 

文はその言葉を聞くと俺を睨み付ける。

だがその目には光がなかった。どうやら前を見るのすら困難らしい。

 

 

「まず俺がしたことは至極単純な事だ。お前が物凄い速度で突っ込んで来たのをカウンターでこいつで殴っただけだ」

 

 

俺はそう言うと自身の十一本の尻尾を指差す。

 

尻尾一本一本の長さは約二メートルで、言ったら悲しくなるが実際は俺よりもデカい。

 

........えっ?自分より大きい尻尾を十一本も持ってるのになんでそんなに動けるかって?それは俺が妖怪だからだ。

まあ私的には尻尾なくてもあっても重いと感じた事はない。

 

さてそんな二メートルもの尻尾を振り回すとどうなるか?ちなみに俺の尻尾は何時もモフモフしているが妖力で固める事で太い棍棒と化す。

 

まあ、取り敢えず尻尾を武器として使えば木々などを普通に薙ぎ倒す程強いし、何より『妖狐状態』の弱点である接近戦をなくす事が出来る。

 

 

「でも........どうして貴方は私が後ろに回り込む事が分かったのよ!?」

 

「何故って........そりゃ『読み易い』からだ」

 

「........ッ!?」

 

 

文は暫く悔しそうな表情を浮かべた後、俺に最後の質問をする。

 

 

「貴方は........()()()()のかしら?」

 

「........勿論ーーーー」

 

 

 

ーーーー()()()()()

 

 

「........ッ!?」

 

「悪いが意味もない殺しは俺の趣味じゃねェからな。生きてェなら這いつくばってでも生きてろ。死にてェならそこで野垂れ死ね。てめぇの好きにしろ」

 

 

俺はそう言うと再び山を進もうとする。がーーーー

 

 

「お前が侵入者か?」

 

 

そこには鴉天狗の羽よりも一回り大きい羽を持った女が空から降りて来た。

 

 

 





~~今日の狂夢『様』~~

「ゴミクズ共ォ!!俺様のパーフェクト説明教室始まるぜ!!俺様みてェな天災目指して、死ぬ気で詰め込みやがれェ!!」


「という事でお久しぶりです。期末が終わった。でも点数は気にしない!作者です」

「これから普通の投稿ペースに戻るんでよろしく!狂夢だ」


「さて今日は新武器“ラルコンシエル“の名前の由来を説明だぜ。では作者!」

「はい。まずラルコンシエルを元に戻すと『L'arc en ciel』となります。意味はフランス語で『虹』になります。まあ、この単語を知らないで読むと『空の弓』って意味になるからこの武器が作られました」

「成程。だから能力が天候に関しているのか」


「では今回はここまでです。次回もーーーー」


「「キュルッと見に来いよ/来てね!!」」

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