東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~ 作:キメラテックパチスロ屋
花は春に咲き、冬に散り、また春に咲き誇る
人は生まれ、死に、また生まれ変わる
人と花は似て非なる物
そして人が最も花に近づく時は、その魂が花弁のように散る時だろう........
by白咲楼夢
楼夢side
「破道の三十二“
俺は左手で握っている舞姫から黄色の炎を一直線に天照へ放つ。だが彼女は余裕の表情をしながら自身の弾幕で相殺させた。
俺は攻撃を仕掛けても天照を深追い出来ずにいた。何故なら俺はまだ彼女の
彼女の弾幕は全て炎属性の物だが、火神のように熱などに関する能力なのか........?それが分からない限り俺は天照に決定打を与える事が出来ない。
まあ、悩んでもしょうがないんだけどねっ........!!
「舞姫神楽“白虎の牙“っ........!!」
俺は天照の頭上と真下にそれぞれ巨大な氷柱を創造し、まるで白虎が敵を噛み砕くかのように上と下から氷柱を飛ばす。
「炎の前に........氷は無駄!」
天照はそう高らかに言うと、やはり氷の牙は天照の周りに現れた炎でかき消される。そして今度は彼女の番だ。
「........燃え尽きなさい!」
天照は小弾、中弾、大弾の三種類の弾幕を上手く使い分けながら俺を遠距離で攻撃してくる。俺の予想通り、彼女の撃ってくる弾幕は全て炎属性であった。よって彼女の能力は熱や炎などの力と関連していると思う。
天照は炎の弾幕で俺を囲う。恐らく、俺の回避距離を潰す為の物だろう。
「“
天照は先程のように右手に炎の刀を創りだす。そして炎でそれを覆う事でそのリーチを長くし、俺に切りつけてくる。そして後ろには弾幕の檻。正直言ってこういう事を四面楚歌と言うのだろうか?
ガッキィィィィン!!
俺は炎の刀を一枚の舞姫で受ける。何度も言う通りこの扇は舞姫の形がただ変わっただけで創られている素材は同じなのだ。つまり、この舞姫は物を切ることも出来る二個の短剣の役割も果たす事が出来るのだ。
俺は刀を舞姫で受けたまま術を唱える。
「破道の十一“
バチィィン、という音と共に舞姫から電流が流れ、流された電流は刀の刃の上を走り、天照へと伝わった。
「....ぐ.......この........っ!!」
天照の身体に電流が走った事で彼女は感電し、一瞬集中を解いてしまう。その瞬間、俺の周りにあった弾幕の檻が砕け散った。
........今がチャンスだ........。
俺は舞姫に霊力を込めた後、感電して怯んでいる天照に接近し、自らの十八番を放ったーーーー
「霊刃“森羅万しょ........」
「ーーーー甘い........」
ーーーー否、正確には放とうとした。
突如、天照の身体が見えなくなる程眩しい光が集まり出す。そして、それが限界にまで溜まると天照は囁くように声を発した。
「眩光“
刹那、天照の身体からまるで太陽が近くにあると錯覚させる程の光が放たれ、辺りを包んだ。
楼夢は攻撃のモーションに入っていた為避ける事は出来ず、焼き付くような痛みが両目を襲った。
「ぐ........がァ“ァ“ァ“!!........クソがァ!!」
『目がァ!!目がァァ!!!』
「いちいち茶々を入れるな!!」
ドッッゴオオオン!!!
突如、俺の背中に弾幕が当たった。畜生!目が全く見えねェ!
俺の服がパチパチと燃える。とにかくこの状態はかなり不味い。そして回復まで五分程掛かりそうだ。
突然、俺の後ろから声が聞こえた。女性の声だ。
「どうですか?光が差さない暗黒の世界は?今の貴方は攻撃することもましてや触ることすら出来ない。そしてそのまま........死になさい!!」
天照は懐から“
「最後に私の能力を言っておきます。私の能力は【太陽の光を操る程度の能力】です」
天照は最後にそう言うと目を閉じて意識を集中させ神力を高める。そして、八咫鏡を楼夢の前に突き出し集まった光を一気に放出した。
「...天罰ーーーー」
ーー
巨大な光の閃光が音をも超えて放たれる。勿論その速度に視界を奪われた楼夢が反応出来るわけもなく........
「う........がァ“ァ“ァ“ァ“!!!」
ドゴオオオオン!!!
楼夢はその光に飲み込まれる。だが、その手には一つの術式が組み立てられていた。
「........✕✕✕ねえよ........」
「........何か言いましたか?」
「...終わらねえって言ってんだよ!!」
楼夢がそう叫んだ瞬間、彼は目を強引に見開き、身体から霊力と妖力、神力が溢れ出させる。そして楼夢はそれを繋げて術を発動させる。
「ここで俺が終わったら........後に何が残るんだよ!!」
ーー神花“
楼夢は自分の前に八重の花弁を持った桜の結界を貼り光の閃光を吸い込む。
この結界には相手の攻撃を亜空間に吸い込む能力が備わっており、現在の俺の結界術の中では最も強力な物だ。まあ、これを使うと腹が少し減るからあまり使いたくないんだけどね。
攻撃を防いだが、先程まで閃光に直撃していた為俺は結界を貼った後後ろに吹き飛び、地面にぶつかる。そしてその衝撃で懐に入れてあった大量の“奈落落とし“が天照の近くの地面に飛び出し、バリン、バリンと次々と割れていく。ああ、勿体無い。
「戦場に酒を持って来るとはどんな神経をしているんですか?」
「まあまあ、服には掛からなかったからいいじゃん」
「........そうですね。では止めと行きましょうか」
天照は右手に炎をまた集め始める。
ーーーーそして地面にばら蒔かれた“奈落落としが引火し、大爆発を起こした。
「....な........!?」
「駄目じゃないか。アルコールが通常の酒の数百倍入っている“奈落落とし“の近くで炎なんか使ったらーーーー」
ーー家一つを軽々吹き飛ばす程の大爆発が起きるぜ。
一応これも作戦の内の一つだ。あの時俺が天照の近くに“奈落落とし“をばら蒔いたのも全て故意だ。
俺が持っていた酒の数は全部で約二十。しかも一つ一つが家を吹き飛ばす程の威力を持っている。これだけの大爆発を至近距離から受けたら最高神だろうがただじゃすまない。
「........く....うゥ........」
天照は必死にその場から逃れようとする。だが、遅い。
ドドドドゴッォォオオオオン!!!
地面にクレーターが出来、辺りに砂煙が巻き上がる。そしてその中から天照が姿を現した。彼女の着ている着物が所々で破れていて目のやり所に少し困る。
「....ぐ....はあっ........はあっ....。まさかこんな物を仕込んでいるなんて........思い付きませんでしたよ」
「........打たれ弱い癖に頑張るね........多分もう立ってるのすら辛いだろ?」
「........私にも通さなきゃいけない意地って物がありますからね........
“
「時空“
天照が“
彼女は雷に当たり地面に吹き飛ばされ、地に倒れ伏すが、再び立ち上がった。
「ハ....ハハ、参りましたね。身体に力が入りませんよ。なので次の一撃で最後にさせて貰います」
彼女はそう言うと空を飛び上へと行く。俺も付いて行くように空を飛ぶ。
天照は両腕を天へと突き出し光を集め始める。俺もそれを見た後妖力と神力を融合させながら力を右手に込める。天照が溜めた光と俺の妖力と神力は球体となりどんどん大きくなって行く。そして、俺の術式が完成している頃には天照の光も既に充分集まっていた。
天照の両腕の上には灼熱の炎と光を放つ小さな太陽が出来ていた。その熱気は凄まじく、辺りにある物を燃やし始めた。
「大きいな。まだそんな力が残っていたとは........」
「あら、大きさだったら貴方も中々じゃないですか」
対する俺の右手には青白い光を放つ小さな月が出来ていた。
ーー太陽と月
この戦いを締めるにはピッタリな技だ。
「........行くぜ........」
「........はい........」
二人は最後の力を振り絞り同時に術を放つ。
「“
「“
太陽と月が同時にぶつかり合う。そして、カッと二つが光った後、辺りは凄まじい光と衝撃波で満ちる。
ガゴオオォォォォォン!!!
光が止んだ後、空から二人の人影が落ちた。桃髪の妖怪はその腕に一人の神を抱えて、優しく地面に着地する。
その後、地面に女性の神を降ろした後、彼は仰向けに倒れ空を見上げる。
「「....俺の........勝ちだ....な........」」
~~今日の狂夢『様』~~
「ゴミクズ共ォ!!俺様のパーフェクト説明教室始まるぜェ!!俺様みてェな天災目指して、死ぬ気で詰め込みやがれェ!!」
「怖いよ!!ていうか狂夢さん楼夢さんの所に行かなくてもいいの!?」
「良いんじゃね、別に?」
「というわけで“教えて、狂八先生“のコーナーがパワーアップしました!」
「まあやる事は変わらないけどな。んじゃ今回はネタバレ要素をちょっと含むぜ」
「さて、今回は........“白塗の巫女“についてですね」
「OK。まず、白咲家は由緒正しき神社の家系なんだが、この家の神主、巫女は全員“狂華閃“を扱えて、その強さごとにそれぞれ階級があるんだ」
「階級は全部で五つあって下から言うと、“
「ちなみに楼夢さん以外に白塗になった人は何人いるんですか」
「いや、楼夢以外に白塗に辿りつけた者は一人もいないぞ。まあ、楼夢の肩書きは“十五代目兼初代白塗の巫女“ってことだな」
「うん、長い」
「じゃあ今日はここまで。じゃあな」
「次回もーーーー」
「「キュルっと見て行ってね!!」」