東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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誇りを失った俺は人になり

誇りを失った俺は獣になり

誇りを失った俺は虫になる


誇り無き俺は刃となり

誇り高いお前は人になる

誇りを取り戻した俺は人になり

誇りを失ったお前は刃となる


......ああ、誇り高きお前が妬ましい

by白咲狂夢


悪魔と蛇狐

 

此処は和の国、いわゆる昔の日本だ。

現代の人間は一度はこう思った事があると思う。

 

『昔の世界に行ってみたい』

 

これは平和に生き続けた人間共の欲望の一つだ。

だが、彼等は知らない。太古の世界には地上を支配する存在が人間共ではない事を。囚われ続けたーー

 

 

ーー屈辱を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......ハアッ!ハアッ!」

 

此処はとある廃墟へと続く道。そこである男がそこへ走っていた。その顔面は蒼白になり、明らかに何かに怯えているのが解る。

 

やがて、男は廃墟へとたどり着く。此処は国や村からかなり遠くに位置する為、助けを呼ぶ事は出来ないのだ。男はふうっとため息を吐き、そこらにあった岩に腰掛ける。どうやら逃げ切ったと思ったようだ。

 

「ふうっ。なんとか逃げ切れたーー」

 

「ーーと思っていたか?」

 

男はあまりの驚きに地面に倒れる。そしてその後ろには男の様に低過ぎず、女の様に高過ぎない、中性の声を放つ美しい妖怪が居た。その髪は日の光に当たり、桃色に輝いていた。

 

「......ったくチョロチョロ逃げ惑いやがって。......まあいい。一応、俺も此処を目指していたからな」

 

妖怪はハアッとため息を吐くと、男に近づいて行った。一方の男は既に立ち上がっており後ろにズルズルと後ずさりをしている。

 

「なっ何が目的だ!何故私を狙う!」

 

「目的は解りきっているでしょ。お前を狙う理由は......強いて言うならたまたま見つけたから」

 

妖怪は優しく微笑みながら男へと一歩、一歩と近づく。

 

「此処の近くは森も無いし狩りが出来ないんだよ。だから俺昨日メシ食ってなくて」

 

妖怪はバツが悪そうに苦笑いする。だが男にはその無邪気な動作の一つ一つがとても恐ろしく思えた。

 

「おっお願いだ!少し待ってくれ!」

 

「ダーメン。待たない、お終い、ちゃんちゃん♪」

 

「いっ嫌だ、嫌だぁぁぁぁぁ!!」

 

グチョ

 

まるで何かを潰した様な音がした後、男の首から上が消えており、そこから血が噴水の様に吹き出している。妖怪は身体に少し力を入れる。すると、人をそのまま丸呑み出来そうな大きさの大蛇が八匹、妖怪の後ろから出て来る。どうやらこの蛇達は彼の尻尾のようだ。八匹の大蛇はグチャグチャと音を立てながら男の死骸を喰らう。その光景は常人が見たら発狂しかねない程酷かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楼夢side

 

あざっす!皆さん。八岐大蛇ことやまちゃんと何時か呼ばれたい楼夢さんです。............冗談です。

 

さて現在俺はとある廃墟の近くに居る。......えっ何?人間は基本的に喰わない主義じゃなかったのかだって?前は前、今は今、腹がすいたから喰う、『合理的です』byどっかの理事長

とまあ冗談で、本当は食料が無かったからだ。

それより、須佐之男と出会ってから、一ヶ月の時が過ぎた。取り敢えず八岐大蛇になった影響がどこまであるか把握しよう。

 

まず、全ての状態が何かしら強化されていた。例を上げると、【蛇狐状態】の時の俺の尻尾は一本から八本へと変わった。大きさも、最大十メートル以上になっていた。分かりやすく言うと八岐大蛇の首と同じ位の大きさだ。......まあ、普段は変化の術を使って小さくしているから問題は無い。......ただ、尻尾を八本にすると妖力が物凄い事になるので普段は一本で戦っている。尻尾が八本の状態はさしずめ【八岐大蛇状態】とでも名付けておこう。

 

次に【妖狐状態】の変化についてだ。この状態は尻尾が九本から十一本へと変わった。どうしてこうなった?......まあ、この状態では普段尻尾は十一本出している。何故かって?出しておいた方がらくだからだ。ちなみに【人間状態】には外見的に何も変わって無かった為、紹介しない。

 

そして一番凄い事になっているのは妖力だ。現在の俺の妖力は須佐之男と戦った時と同等なのである。分かりやすく言うなら、ルーミア戦時の俺の約数十倍だ。......うんおかしい。今の俺はまさしく化け物なのだ。自分で言うのも難だが。

 

それより、さっき取った人肉で何か作ろう。

 

「狂華閃二十二奏【バーベキュー斬り】」

 

「まあ、燃やしておけば大丈夫だな」

 

そしてその後、能力でフライパンなどを作り、最終的に......

 

「じゃーん!人肉のサイコロステーキ♪」

 

どうしてこうなった?

 

「びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛ぃ゛!!」

 

「そうだろ、そうだろ。うん美味しい♪......そして誰だお前!!」

 

「私だ!!」

 

俺は何時の間にかサイコロステーキを食って、ドヤ顔していた妖怪に話し掛ける。外見は白い髪に赤い瞳。そして何故かフード付きの黒いジャケットを着ている。何処にあるんだよ、それは?

 

「質問に答えろ。......てめぇ」

 

楼夢は怒りを含む殺気を放つ。よっぽど自分の近くに居た事が気に食わないのだろう。

 

「よくも俺のサイコロステーキを食ったな!!」

 

違ったようだ。

 

「良いじゃん別に」

 

「良くねぇ!てめぇ、名乗れゴラァ!!」

 

「は~めんどくせぇな~」

 

「喋るのが面倒臭いのなら死んじまえ!」

 

「はいはいっと。俺の名は火神矢陽(ひがみやよう)。西洋最強の賞金稼ぎだ。早速だがてめぇに死悪意(しあい)を申し込むぜ」

 

「その呼び方流行(ハヤ)ってんの!?」

 

「なんだよ常識を知らねぇ奴だな。んでさっきの答えは?」

 

「非常識なてめぇに言われたかねぇ!今回ばかりはイラついたから答えはOuiだ!」

 

「OK。行くぜ、楽しい殺し合いだ!!」

 

此処はとある廃墟。今、二頭の獣が放られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~今日の狂夢~~

 

此処は楼夢の精神世界。そこでとある少年が数十個の板チョコを食べながらゲームをしていた。

 

狂「死ねぇぇぇぇ!!ジゴスパーク!」

 

ピチューん

 

狂「よっしゃぁぁ!!勝ったーー」

 

デブ「ーーと思っていたか?」

 

狂「Pourqoui(何故)!」

 

デブ「あくまでもHPが0になっただけだから死にはしねぇよ。残念だったな(笑)」

 

ブチィ

 

狂「ああ、そうかよ。だったらーー

 

 

ーー殺す!」

 

デブ「ハハハハ、どうや『メラゾーマ』ホギャァァ!?」

 

狂「『魔人斬り』」

 

デブ「ごっふぁぁぁぁ!!ていうかなんでこういう時だけ当たるんだよ!」

 

狂「ゲームの中に居るのなら、同じゲームに居る主人公達で攻撃すればいい話だ」

 

デブ「もうやめて、我のライフはもう0よ!」

 

狂「くたばれ、『ドラゴンソウル』」

 

デブ「ヒャッハァァァァ!!」

 

ピチューん

 

狂「よっしゃぁぁぁぁぁ!」

 

この後、精神世界ではとある少年が泣きながらエンディングを見ていたとさ。

 





はい皆さんこんにちは。作者です。
今回はオリキャラ火神矢陽さんの登場です。
最近オリキャラ多いと思った人。すいません。火神矢さんは後後重要なキャラになる予定なのでここだけは外せなかったのです。ちなみに、どれほど重要かと言いますと楼夢さんの次くらいに重要です。大丈夫です。火神矢さんの次はちゃんと東方キャラ出すので。

では次回、謎の賞金稼ぎ火神矢陽。その通り名はダテじゃなかった。

次回もキュルっと見て行ってね。

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