東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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戦闘と喧嘩は似ているが違う
戦闘は相手が生きている限り続き
喧嘩は一度殺りあえば終わるという事だ

by白咲楼夢




人妖大戦と不屈の蛇狐

 

 

狂華閃七十五奏『氷結乱舞』

 

氷を纏った剣で流れる様に斬撃を七回繰り出す、楼夢の剣術『狂華閃』の中でも強力な七十番台にある技だ。傍から見れば只の氷を纏った七連激にしか見えないが最初の六連激は全て体の急所のみを狙い動きを止め、最後の一撃を叩き込む、これを超高速でするのが『氷結乱舞』の内容だ。

 

ドゴーン

 

楼夢の後ろの建物から爆発音がしたと同時にロケットが現れ、空に上っていく。どうやら無事に発射出来た様だ。

 

「終わった『バキバキ』...な!?」

 

楼夢は驚いた。何故ならそこには先程凍り付いた筈の剛が居たからだ。

 

「今のは危なかったぞ。そう言えば儂の能力を言って無かったの。儂の能力は【物質を纏う程度の能力】じゃ。今のは風を纏い攻撃を半減しただけじゃ。さてと、次は儂の番じゃのう」

 

彼女は楼夢に急接近し接近戦を行う。今度は先程とは違い、小さく細く早く拳を繰り出してくる。しかもその一撃が楼夢にとっては致命傷になる。そして楼夢は血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)を使っているとはいえ身体能力が上がった訳ではない。さらに血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)の時間切れ迄後3分だ。つまり後3分経てば楼夢は副作用によって戦闘続行不可能になる。だが後3分で剛を倒すのは不可能だ。これで楼夢は完全に詰んだと言えよう。

 

剛の攻撃を出来る限り裁く。そう出来る限りと言う事は少なからず攻撃を受けているという事だ。

 

「どうした!もう終わりか?小僧!」

 

「ハアハア……グァッ!!」

 

剛の拳が楼夢の体に突き刺さる。この時点で楼夢の体のアバラ骨が数本へし折れ、楼夢の足は完全に止められた。よって楼夢は動く事もままならない状態になった。

だが彼女の攻撃はまだ続く。

ある一撃が楼夢の顔面を捕らえ後ろに吹き飛ばされる。

 

「これで止めじゃ。四天王奥義『三歩必殺』」

 

彼女はそう告げると同時に地面を一歩蹴る。その衝撃で辺りの地面が揺れる。

二歩目さらに地面を蹴る。その拳に風が集まると同時に地面にクレーターが出来る。

三歩目、剛は楼夢に接近すると同時に妖力や風が集まった拳を楼夢に目掛けて繰り出す。

……だが今の状態の楼夢にこの技を使うべきでは無かった。

 

「霊刃『森羅万象斬ッ』!!」

 

三歩必殺。その技の威力は確かに凄まじい。今の楼夢が食らったら五体満足でいられるかの問題だろう。だがそれはあくまでも食らったらの問題だ。三歩必殺は繰り出す前に三歩踏み込める分の距離と時間を必要とする。さらに溜め込んだ力を一気に開放するのだからその一撃は自然と大振りになる。それを血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)を使っている楼夢が見逃す訳無い。楼夢は三歩必殺が自分に当たる瞬間に渾身の森羅万象斬をカウンターとして放ち剛を攻撃した。

 

「ハアッハアッ...殺ったか『ドシュッ』……えっ?」

 

楼夢の体に何かが貫く。それは倒した筈の剛の拳だった。

 

(そんな……馬鹿な!?俺は自分の渾身の一撃をカウンターで放ったんだぞ。あれで生きているなんて……化け物かよ!?)

 

楼夢はそんな事を考えた。だが今目の前に居るのは千年以上生きた化け物なのだ。むしろ良くやったと褒めて良い程だ。

 

「……今のは儂でも痛かったぞ。……確か……白咲楼夢じゃったか。……この儂に此処まで食らいついた事に対し敬意を持って、儂の最終奥義を見せてやろう」

 

彼女がそう言うと拳に風が再び集まり始める。そしてそれはバチッと言う音と共にプラズマに変わり始めた。

 

「鬼神最終奥義『雷神拳』」

 

彼女がそう言うと同時に拳を繰り出す。

 

瞬間、辺りが爆風で包まれ、残ったのは彼女と......血だらけでボロボロになって立っている楼夢だけだった。

 

「...ほう。儂の最終奥義を受けても立っているとはの」

 

「...意外と...私は...負けず嫌い......なんでね」

 

「お主なんか急に口調変わったの」

 

「元々...私は......こんな喋り方...ですよ」

 

楼夢がそう言い力尽きようとしたその時

 

ヒュー

 

何処からともなく何かが落ちてくる音が聞こえ、瞬時に上を見る。そして落ちてきた物に対し驚愕した。

 

「あれは......原子爆弾!?」

 

そう、原子爆弾が落ちてきたのだ。誰が落としたなんて決まっている。月へ向かった人間達だ。

おそらくは後世に自分たちの技術を残さないためであろう。

取り敢えず今はこの最悪な状況をどうにかしなければ。

 

「おい剛頼む!俺に力を貸せ!」

 

「...なんじゃと?」

 

「早く俺に妖力を分けてくれ!……死にたいのか!?」

 

「……ッ!?」

 

剛は楼夢の言葉に察してか、近づき妖力を分ける。そして楼夢は自分に残った妖力や霊力を全て使い高等結界『鏡門』を貼る。そして剛から貰った妖力で『鏡門』を強化する。だがそれでも原子爆弾に耐えられるか分からない。だが無いよりましだ。その瞬間、辺りが光に包まれ、楼夢たちを襲う。

 

「グゥゥゥゥゥゥウッ!!!」

 

「耐えろ……耐えるんじゃ楼夢!」

 

少しでも気を抜けば自分の体が爆発してしまいそうだ。だが此処で死ぬ訳には行かない。

 

そして光が徐々に弱まって行く。そして光が完全に消えた後、楼夢の結界は音も無く崩れ去った。と同時に楼夢の血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)が消える。そして地獄の様な痛みが楼夢を襲った。

 

「■■■■■■!!!」

 

声にならない叫び声を上げた後、楼夢は意識を手放した......

 

 

 

 




後々考えたら血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)って凄く厨二病っぽいジャナイデスカ。という事で何時か物語中で変えさせてもらいます。そして一番重要なのがすいません!楼夢さんの年を間違えて高3と書いてしまいました。
楼夢さんの実は高校生ではなく大学生でした。これは物語で今の予定ではかなり重要なので変えさせていただきます。本当に申し訳ございません。
そして来週からは毎週2、3回投稿を目指します。
あとは...バレンタインどうでしたか?作者は今年も貰えませんでした。リア充爆発しろ!畜生め...

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