東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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人と妖は存在するからこそ互いを恨み
存在するからこそ互いで争う

by白咲楼夢


人妖大戦と蛇狐の悩み

 

 

月移住計画の続行まであと明日を切った。明日になれば楼夢は永琳達と別れてしまう。

 

「明日の事については決まったかしら?」

 

「ああ」

 

楼夢は永琳にそう告げる。

永琳は何処かホッとした表情だった。

多分彼女は楼夢が自分と一緒に行くと思っているらしい。

だが楼夢はその事を永琳に伝えてはいなかった。

理由は永琳に引き止められるのが嫌だったからだ。

フフフ....俺はやっぱり自分の事しか考えて無いんだな。

楼夢は己の非力さを悔いていた。......今までこれ程自分の無力を呪った事はあっただろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は変わり今は深夜二時。楼夢は明日の事を考えると眠れないでいた。

ベッドから抜け出し、屋根の上で輝く星々を眺める。

思えば今の楼夢の人生は前世では有り得ない事が多すぎる。誰が一体ただ鍛えてるだけの大学生が妖怪になるなど誰が考えられるのだろうか?

楼夢はそう星々に問う。返事は勿論帰ってこなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

現在此処はロケットの前である。とうとうこの日が来てしまったのだ。

永琳はロケットの最終調整をしている。

よって永琳の乗るロケットは一番最後になりそうだ。

人類が星空に登る.......と同時に妖怪の軍勢が都市を攻めに来て、間違いなく人妖大戦と言う形で歴史に刻まれる時だ.......

 

ビービー

 

『大量の穢れ接近中。大量の穢れ接近中。

軍の方はただちに武器を取り、戦闘準備をし、船員はただちにロケットへ乗って下さい。繰り返します。....』

 

楼夢は慌てながら戦闘準備にかかる軍人達を見ていた。どうやら軍の人達が妖怪達を止めるつもりのようだ。

だが瞬時にそれは無謀な行為になると悟った。

 

軍の数は約3千、対してこの付近の妖怪達は都市があるせいか約10万にも達している。

元々人と妖怪は一人一人で戦えば妖怪の方が強い。人間はそれを数の差で補っているに過ぎない。....まあたまに例外は居るが。

とにかく素では人間は妖怪よりも弱いのにそのハンデまで失ってしまえば?答えは軍人達は妖怪に食われ、都市諸共焼き尽くされてしまうだろう。....

 

元々楼夢は軍がどうなろうが知ったこっちゃいない。

だが永琳達を守る為にそろそろ行かなくては行けない樣だ。

 

『穢れ接近中。穢れ接近中。

総員はただちにロケットを発射させて下さい。』

 

ドゴーン

 

爆音と共にロケットが次々と空へ上がる。

だが妖怪がもうすぐそこまで接近していて永琳達が乗る最終ロケットは間に合わなそうだ。....そう()()が時間を稼がなければ。

 

楼夢はそろそろ永琳に別れを告げなければいけない、そう悟る。

 

「最終ロケットの発射準備が整ったらしいわ。さあ行きましょう.......楼夢?」

 

「永琳.......どうやら俺はお前に別れを告げなければならないそうだ」

 

「何を.......言っているの?」

 

「俺はこの地上に残る。これは俺が再び地上に生を受けた俺の生きる道だ。.......すまないな、こんな我儘な俺を許してくれ」

 

「だっ、駄目よ。貴方は『この数十年間は楽しかったよ。ありがとう。こんな俺と仲良くしてくれて。そしてーーーー

 

 

 

 

 

 

ーーーー元気でな』」

 

 

永琳の腹に強烈な衝撃が奔る。

見れば楼夢が拳で突きを放っていた。

永琳を気絶させ、ロケットの中へ入れる。そして

 

「全員乗ったぞー!発射しろ!」

 

そうロケットへ向けてそう叫んだ。そして建物の外へ出て、群がる妖怪達を見ていた。

 

「(おいおい、此処だけで軽く1万も居るぞ。さて問題は俺一人でロケットの発射時間まで時間を稼げるかだな)」

 

俺は軽く血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)を使い相手の数を把握する。

 

「ハハハ!殺せ殺せ!」

「食い尽くせ!」

「人間は皆殺しだ!!」

「ああん。なんだテメエは?」

 

「白咲楼夢。一応この先には大量の人間が居てね。時間を稼がせて貰うよ」

 

「生意気なクソ女だな。おいテメエ等ぶっ殺せ!!」

 

そう叫ぶと同時に楼夢の周りは妖怪達で囲まれる。現在の楼夢は人間状態だ。理由はこの姿の方が妖力消費が少ないのだ。

 

「キシャアアアア!!」

 

大量の妖怪が楼夢に攻撃して来る。それを一人一人剣術で倒す。

 

ズシャッ ザシュッ ズガッ ガツッ ドシュッ

 

「ちぃ!数が多すぎる!ならば......

 

雷龍『ドラゴニックサンダー』」

 

そう叫ぶと同時に八つの龍の形をした稲妻を奴等に向けて飛ばした。

龍をもした稲妻が全てジグザグに違う動きをしながら妖怪たちに命中する。

 

「ギャアアアア!!!」

 

妖怪達は叫び声にもならない声を上げ、倒れる。だが次の妖怪がまた湧き出て来る。

 

歯車の呪文(ギア・マジック)(ファースト)虚閃(セロ)

 

楼夢は次にそう呟き剣先に妖力と霊力を込め、放つ。

そうこれはBL●ACHのメ●ス等が使う定番技虚閃(セロ)である。

歯車の呪文(ギア・マジック)と付くのは唯単に技名だけで言いたく無かったからである。

ちなみに歯車の呪文(ギア・マジック)は全部でI、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳまである。

 

桃色の光線が目の前に居る者全てを消し去る。

 

また新しい妖怪達が現れた瞬間、

 

「お主、中々やるのう」

 

突然女性が現れ、目の前に居る妖怪を全て一瞬で消し去った。

 

「儂の名は鬼城(きじょう)(ごう)。よろしくな小娘」




とうとうオリキャラ出現。う~ん超古代都市編ももうすぐ終わりが近いな。
では次回、鬼城剛戦、お楽しみに。
後高評価と登録宜しくお願いします。

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