腐った世界で強者を求め戦う少女   作:抹殺完了

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第7話 篠ノ之箒襲来

「はぁ何で俺がこんな事を…」

 

場所は剣道場で周りには沢山のギャラリーにギャラリーに紛れるように敵意を持ち俺を観察する視線が一つ。目の前には剣道の胴着を着て竹刀を構えている篠ノ之箒が居る。

 

「貴様!何故胴着を着ていない!」

 

「……俺は胴着等いらん」

 

「ほう?後悔しても知らないぞ?」

 

ニヤリと笑い竹刀を上段に構える

 

 

 

 

 

 

 

ーー数時間前

 

俺と一夏は放課後の教室で二人で勉強をしている…いや俺が一夏に勉強を教えていると言った方が良いだろう。

 

意外かもしれないが俺は勉強がかなり出来る。実の所IS学園に入る時にやった筆記テストは主席で合格できた程だ

 

「なぁ光此れは?」

 

「あぁ其れは…」

 

今も一夏が分からない所を自分なりに丁寧に説明する

 

「いやー助かるよ光!説明も分かりやすいし」

 

「本当か?そう言ってくれると俺も嬉しいな」

 

「でも良く分かるな…こんな難しいのに」

 

「ふっまぁ主席で合格したからな、この程度たいした事ではない。」

 

ドヤ顔をする、一夏は前から一緒に居たから知っているが流石に主席とは知らず驚く。

 

「しゅっ主席⁉︎凄いな…」

 

「あっ織斑君!良かったまだ此処に居たんですね。」

 

其処に副担任の山田麻耶が来る

 

「山田先生?如何したのですか?」

 

「それはですね、織斑君の部屋の鍵を渡しに来たのです。」

 

「えっ?でも確か俺はまだ寮に入れないはずじゃあ?」

 

本来一夏が入る予定の個室の部屋が用意出来ていなく、仕方なく用意出来る迄の間一夏は自宅通学なのだが…

 

「まぁ…自宅通学だと何時襲われるか分かったものでは無いからな、無理矢理にでも寮に入れたんではないか?」

 

「その通りだ光、安全に越したことは無いからな。」

 

「そういう訳ですので…此れが織斑君の部屋の鍵です。」

 

そう言って山田麻耶は一夏に部屋の鍵 1052の鍵を渡す。

 

「俺と同じ部屋か」

 

「「えっ⁉︎」」

 

山田麻耶と一夏が驚く

 

別に驚くことでは無いだろう?

 

「何を驚く?彼女と一緒の部屋なんぞ逆に喜ぶ所だぞ?」

 

「そっそんな彼女と彼氏が一緒だなんて……おっ織斑君!光さんの彼氏だからって部屋でえっエッチな事しては駄目ですからね!」

 

「何をいきなり言うんですか貴女は⁉︎」

 

「成る程……フリか!フリならしょうがないな!さぁ一夏、今すぐ部屋に戻って愛を育もうでは…フギュ‼︎」

 

一夏の手を掴み部屋に行こうとする光の頭に無慈悲な出席簿アタックがお見舞いされ光が撃沈。

 

「ひっ光⁉︎」

 

「光さん⁉︎」

 

「早速淫行に走ろうとするな!この淫乱娘め‼︎……全く、光と同じ部屋にしたのはな、彼氏彼女の中と言うのもあるが…光が居ればもし襲撃があっても大体何とか出来るからな。」

 

本来なら対暗部の党首である、更識楯無を同じ部屋にすべきとの学園長が言ったが…実際の所、楯無よりも光の方が実力が上だし…世界最強である私 織斑千冬よりも上であろう、そして、このIS学園にいるどの人間よりも戦闘…人の生死が掛かる戦場の事を分かっているであろう。

 

なんせ…光は武者を使っている家系に生まれたのだから。

 

光と一緒に居れば一夏は自然と強くなるだろうし…光が使う武者同士の戦闘を想定した剣術も教わるだろうとの事を学園長らに言ったらすんなりと許可してくれた。

 

まぁ楯無は悔しそうにしていたし、近々光に襲いかかってくるかもしれ無いが…返り討ちにされるのが関の山だろう。

 

 

「まぁそういう訳だ、言っておくが淫行をしようなどと考えるなよ?」

 

そう言って千冬と山田麻耶が教室から出て行く。

 

「じゃあ…一夏部屋に戻ろry」

 

「織斑光‼︎」

 

部屋に戻ろうと言おうとした所篠ノ之箒が教室に来た。

 

「織斑光!今から剣道場に来い‼︎」

 

 

 

 

 

 

其れが今までの経緯だ

 

「メェェン‼︎」

 

まぁまぁの速度で篠ノ之箒は竹刀を俺の頭目掛け振るう

 

其れをいなす

 

「……」

 

「くっ!」

 

いなされるが又篠ノ之箒は面を仕掛ける

 

「……」

 

剣道の理念とは剣道は剣の理法の修錬による人間形成の道である

 

がコイツ篠ノ之箒は剣道をただの力としか認識していない。

 

また篠ノ之箒は3度目の面を放とうとするが其れよりも早く俺の竹刀が篠ノ之箒の頭を捉え

 

「一本‼︎勝者織斑光!」

 

立会いの剣道部の先輩の言葉が言い終わると歓声が上がる。

 

今俺がやった技は出ばな面と言う相手が面を繰り出すよりも早く面をすると言う剣道の技である。

 

「一本勝負だったな篠ノ之箒?俺の勝ちで良いよな?」

 

そう言って立会いの剣道部の先輩に竹刀を渡し剣道場から出ようとするが

 

「待て!まだ終わっていない‼︎」

 

「勝負は一本勝負だった筈だぞ?」

 

「そんなもの知るか‼︎」

 

そう言って竹刀を構え突進してくる篠ノ之箒

 

「やっやめろ!箒‼︎」

 

一夏の焦った声で篠ノ之箒を制止しようとするが箒は止まらずに光にまた面を繰り出す

 

「一夏は黙っていろ‼︎コイツからお前を助ける‼︎」

 

「違うそうじゃ無い!死たくないなら『無手』の光に手を出すな‼︎てか逃げろ‼︎」

 

「「「「「えっ?」」」」」

 

箒がこの場にいる全人間が呆気に取られた。

 

篠ノ之箒は不味いと攻撃を中断しようとするが遅すぎた。

 

光は既に構えをとっていた

 

光がとった構えは『槐』と言う構えで左手は前に送り、右手は引いた形に構える無手の構え。

 

篠ノ之箒の竹刀は光の左手で逸らされ、刹那右手が篠ノ之箒の胴体を捉え直撃

 

「ぐっ!」

 

数歩後ろに下がる、ダメージは防具のお陰であまりないが光の攻撃は続く。

 

光は助走を付ける為か数歩後ろに下がる、まるで助走を付けなくてはいけない技をする為の準備の様だ。

 

篠ノ之箒はこれを警戒し何時でも対応できる様にする。

 

光が地面を蹴り篠ノ之箒目掛け掛ける。

 

途中で光が宙を舞う

 

「吉野御流合戦礼法月片が崩し『天座失墜・少彗星・簡略版(フォーリンダウン・レイディバグ・コンパクト)』」

 

光が宙で前転の動作をとる、此れは吉野御流合戦礼法月片と言う技で直前に前転の動作を加えることで、太刀に威力を乗せると共に相手を眩惑する物だが…其れを光は太刀無しでも出来るようにした物がこの天座失墜・少彗星・簡略版(フォーリンダウン・レイディバグ・コンパクト)であり、本来だと銀星号を纏わないと出来ないのだが、其れを簡略版という形で生身でもこの技を繰り出せるようにしたのだ。

 

まぁ長く説明したが早い話が『空中で前転の動作をして威力を乗せた凄い踵落としだ』

 

この技を防ごうと竹刀を盾にするが光の踵が竹刀に触れた瞬間竹刀がバキッ!と音を立てて折れ、そのまま篠ノ之箒の頭に直撃し後方に吹き飛ぶ。

 

よく見ると篠ノ之箒が纏っている頭部の防具が凹んでいる。

 

「ひかるぅぅ⁉︎お前何箒殺してるんだよ‼︎」

 

篠ノ之箒が吹き飛び、周りがシーンと静まるが其れを破るように一夏が此方に詰め寄ってブンブンと俺を振り回す一夏、あぁ首がガクガクする。

 

「ふっ心配するな一夏、峰打だ」

 

「踵に峰とか無いからな⁉︎いや本当何してんの⁉︎」

 

「落ち着け一夏篠ノ之箒は死んで無いぞ、其れに今の天座失墜・少彗星・簡略版は本当に最小限の威力に止めていたから大丈夫だ。」

 

ジトっと此方を睨む一夏、むっそんなに信用無いのか俺は?

 

「彼女の言葉も信じられ無いのかお前は?」

 

「…あんなの見て生きてると思うか?」

 

「ただ防具が凹んでるだけだろ?心配ない……後好い加減俺を振り回すのは止めてくれないか?首がガクガクし過ぎて気持ち悪い。」

 

「悪い」

 

真っ二つになっても戦う奴を見たと言うか其奴自身だった事がある俺からすれば凹んでる位どうて事もない。

 

「……其れで本当に大丈夫なんだな?」

 

「応」

 

そう言うと一夏は溜息を吐く、溜め息ばっかり吐くと幸せが逃げるぞ一夏?

 

「まぁそう言うなら大丈夫なんだろう、じゃあ帰るぞ光。」

 

 

 

 

 

 

 

「今のは最小限の威力に止めていたから大丈夫だ。」

 

アレで最小限ですって⁉︎

 

私更識楯無はその言葉に恐怖した

 

織斑先生に「織斑の彼女、光はお前よりも強い」と言われ最初は何を馬鹿なと思っていたが…此れを見た後は流石にそんな事を言えなくなった。

 

彼女は織斑一夏君と剣道場から出る前に彼女 光は此方を見て何かを言った。

 

読唇術で読み取ると

 

「次はお前だ」

 

瞬間私の顔が急速に青白くなる

 

何時から気付かれていた⁉︎

 

そして悟った…あぁ彼女に私は消されると

 

きっと先の技で真っ二つにされるんだ

 

御免ね簪ちゃん、駄目な姉で後虚ちゃんの紅茶もっと飲みたかった。

 

「キュウ…」

 

ばたりと私はその場に倒れた。




自分的には楯無さんは弄られキャラだと思うんだ。

因みに楯無さんは死にません。

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