腐った世界で強者を求め戦う少女   作:抹殺完了

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第3話 少年に惚れた少女

「おい!起きろ‼︎」

 

ガスッと腹を蹴られ目を覚ます

 

「ゲホッ⁉︎ガホ…」

 

「よお織斑一夏」

 

目の前に黒服の男がそんな事を言う

 

「おっお前は?」

 

「はっ!言うとでも?まぁいい…俺らはお前を攫ってきた誘拐犯だよ」

 

「目的は?」

 

「目的?そんなのお前の姉 織斑千冬の決勝の辞退だよ。」

 

そう黒服が言う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今俺は細い路地をモノバイクに跨りながら走る

 

このモノバイクは数打 IS的に言えば量産機 銀星号みたいな奴は真打と言い、IS的には専用機だ。

 

そしてこの数打 『九○式竜騎兵甲』と言い、軍史に残る名騎と言われる六波羅陸軍正式採用主力劔冑だが…もう旧式で九四式竜騎兵甲が六波羅の主力機となっている。

 

しかし…旧式と言われているが名機と言われるだけで性能が高い。

 

そしてこのモノバイクはその九◯式竜騎兵甲の待機状態だ。

 

「まだか⁉︎」

 

モノバイクのスピードはもう限界まで出している…なのだが、未だに着かない。

 

いっそ装甲して飛ぶか?

 

いや…流石に飛べば目立ち過ぎる

 

 

「ッ‼︎見えた!」

 

遂に一夏が囚われている工場を見つけた

 

そのままのスピードで、工場の扉を突き破り

 

「尽忠報国!」

 

劔冑は数打、真打問わずこう言った口上を言わなければならない。

 

モノバイクが弾け、俺の体に嵌っていく。

 

そして…一夏と誘拐犯の前に一騎の鎧武者が立つ。

 

「あっISだと⁉︎」

 

誘拐犯達が数歩後ろに下がる。

 

「セイッ!」

 

九◯式のブーストを蒸し、二人の誘拐犯に太刀を浴びせ倒す

 

更にそのまま一閃、二閃と更に誘拐犯を打ち倒す

 

最後に残った誘拐犯は一夏を人質にしようとするが…そんな事をさせる程甘くはない。

 

一夏に手を伸ばす誘拐犯だが…背中に凄まじい衝撃を受けそのまま前に倒れ気絶。

 

「一夏!無事か‼︎」

 

「光?」

 

「あぁ俺だ一夏、大事ないな?」

 

「あぁ…何で光が此処に?」

 

『後方から熱源、ISと断定』

 

九◯式が後方にISが接近を伝える。

 

「一夏よく聞け、直ぐにISが此方にくる。俺は迎撃するから一夏は何処かに隠れていろ。」

 

「なっ!光だけ戦わせる訳には行かない!俺も戦う!」

 

「一夏…生身でISと戦うなど無謀だぞ?其れに好きな人間がこんな下らない場所で死んで欲しくない。」

 

「えっ?」

 

一瞬惚ける一夏だが…

 

「早く隠れろ!ISは待ってくれないぞ!」

 

「あっあぁ‼︎」

 

慌てて手短な場所に隠れる一夏

 

直後、この場所に一機のISが突入してきた。

 

「貴様が一夏を攫ったのかぁ‼︎」

 

そう言いながら世界最強 織斑千冬が雪片で此方に斬り掛かってきた。

 

「ッ…」

 

雪片を太刀でいなす

 

「ほう…誘拐犯の癖に中々やる、私の一撃をいなす等」

 

こう世界最強は言うが、あれ位…いやあれ以上の物を何度も見てきた。

 

「……一夏が攫われたからって焦るな千冬、太刀筋がブレブレだったぞ。」

 

「なっ…光か⁉︎」

 

「あぁ俺だぞ千冬、一夏は助けたぞ…一夏出てきて大丈夫だぞ」

 

そう言うと隠れていた場所からヒョッコリと顔を出す一夏

 

「一夏‼︎…済まない光」

 

「ふっ…容易いことだ、何せ一夏は俺の夫になる人間だからな死なれては困る。」

 

瞬間場が凍ったと同時に

 

「お前みたいな束級ヘンテコ人間に一夏はやらんぞ‼︎」


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