俺は第三アリーナのガレージに戻り、ウィリアム・バロウズを解除しゆっくり目を閉じ又開ける。
此れで先程の複眼がいつも通りの勝気な目に戻るが…その目からは血が流れる。
あのウィリアム・バロウズの陰義は強力だが複眼を使用する為に集中力・知覚力が脳にかなりの負担がかかり今のように血が流れてしまうのだ。
「光……ッ!その目は⁉︎」
早速ガレージに来た千冬にバレてしまい肩を掴まれる。
「落ち着け唯目から血が流れているだけではないか」
ギュッと抱き締められ
「何でそんな平気な顔をしているんだ!」
怒られた、怒られたが怒っている千冬が泣きそうな表情をしていた。
「千冬?」
「血が出ているのに何でそんな平気な顔をするんだ!其れに…血が流れる程の無茶を何でしたんだ!」
「…元々俺が納得して使った技で流した血だ、其れに多少の犠牲で勝てたんだ万々歳だろ?」
「だからっといって、お前は私達の家族なんだから頼むから無茶はしないでくれ……」
「…分かったよ、此れからは気をつける」
「頼む……後此れで血を拭け」
千冬の抱擁から解放された後、あの千冬が俺にハンカチを渡して来た
そうあの千冬がだ、女子力では無く武士力の方が高いあの千冬がだ
ギュッとまた抱き締められた
「今失礼な事考えていただろ?」
……いつからエスパーになったのだ千冬?そんな事より苦しい‼︎あぁ無駄にデカイ脂肪の塊の所為で息が出来ない…
「ッ⁉︎…ッ!……ッッ‼︎」
息が出来ない苦しさでジタバタと手足を動かすが…
「ん?如何したんだ光そんなに暴れて?……ふふ、別に恥ずかしがらなくても良いんだぞ光?もっと甘えてくれ!あぁ私の事をお姉ちゃんっと呼んでくれても良いんだそ?いや寧ろ呼んでくれ!」
鏡を見なくても判るほど、俺の顔色がどんどん青くなっているが千冬は気付かずに何故か恥ずかしがっていると思われている……何か言っているが…上手く聞き取れない……
ぬぅ…死亡原因が……千冬の胸に埋れて窒息死なぞ嫌だぞ……あぁ…意識が
「はっ⁉︎…千冬ぅぅ‼︎」
目が覚め咄嗟に千冬の名前を叫ぶが居ない
「おのれぇ…千冬め逃げおって……」
『織斑光さん?居ないんですか?もう試合の時間ですよ?』
校内放送で山田麻耶がそんな事を言うが…まて
「試合の時間だと?まさか……村正ァァ‼︎」
すると如何だろうか天井から赤い何かが落ちてきた。
それは人間大の赤い機械仕掛けの蜘蛛だ
『何御堂?』
その赤い機械仕掛けの蜘蛛から若い女の声が聞こえる。
「行くぞ」
『そう…』
今のたった一言で赤い蜘蛛 村正は察したのだろう
「鬼に逢うては鬼を斬る 仏に逢うては仏を斬る
ツルギの理ここに在り」
村正の装甲が弾け光の身体に装甲されていき其処には一騎の紅い武者が其処に立っていた。
その武者の銘を村正 勢洲右衛門尉村正三世
ある一人の悪鬼後の武帝と言われる人物が装甲していて、呪われし妖甲と呼ばれていた劔冑が其処に立っていた。
「さぁ行こう」
『えぇ行きましょう御堂』
先程迄俺はセシリア・オルコットと戦っていて、見事負けた
理由はそう…俺の専用機 白式に搭載されている唯一の武器 雪片弐式の単一能力『零落白夜』の能力を把握していなかったからだ。
零落白夜は自分のシールドエネルギーを減らす代わりに相手のISのシールドエネルギーを斬り裂きそのまま相手の絶対防御に直接ダメージを与えると言うものだ。
俺はその零落白夜の能力を把握していなかった所為で自分のエネルギーを使い切りまけてしまったのだ。
後一歩で勝てたんだがなぁ……其れで今は第三アリーナの上空で次の対戦相手である、光を待っているのだが…中々来ない、山田先生も何度も呼び掛けているが一向に光は来ない。
何かあったのか?
光に限ってそんな事は…
そんな事を考えていると第三アリーナに一機のISが入ってくる。
そのISは紅い武者だった
「待たせたな一夏」
その武者から光の声が聞こえてくる。
「何かあったのか?」
「……千冬の胸に埋れて窒息死しかけて今の今まで気絶していた。」
「………」
『………』
頼むからそんな事目で見ないでくれ…
「後で千冬姉に説教してくる」
そう言い一夏は近接ブレードを構えるが…アレの構えは
「篠ノ之流剣術…」
「あぁ、光を倒す為に千冬姉に教えて貰ったんだ。」
成る程、確かに俺は剣術を使う…目には目を剣術には剣術をか
「だが…そんな習いたての剣術で俺を吉野御流合戦礼法を破れるとでも?」
「やってみなきゃ分からないだろう?」
いや…わかるわかるのだ、俺の窮地を何度も救ってくれその剣術で幾度の死線を潜り抜けた剣術と習いたての剣術では経験が違う。
「ふっ…では掛かって来い。」
そういい方にマウントされている野太刀を抜き構える。
『試合開始ッ‼︎』