暗殺者になりまして   作:お米精米委員会

12 / 12
灰と幻想のグリムガル最新刊を呼んで発狂し
炊飯器が壊れて米が炊けなくて発狂し
そもそも炊飯器買う金が無くて発狂し
終末何してますかの全巻買ってまたやってしまったと後悔し
アガルタの女をスキップしまくり
友人からの金に物言わせて星5を自慢されて何とも言えない気持ちのFGO

そんな事してたら7月でした
今回は原作組の話
全然進まないしガバガバだよ!
それでも良いのなら、どうぞ(´・ω・`)


10人

マナトが地面に叩き付けられたと同時に、ゴブリン達は次の獲物に向かって群がり始めていた

 

前後をゴブリン、ホフゴブリンに挟まれたハルヒロ達

 

マナトを倒したホフゴブリンは何故かハルヒロ達には見向きもせず、壊した建築物から出ていった

 

彼らが危機的状態なのはそうだが、彼らはそれに悲鳴を上げる前に目の前の光景に思考が停止していた

 

マナトが倒れている

 

ホフゴブリンの攻撃をもろに受けたマナトは、立つ処か身動ぎひとつしない

 

嫌な予感が全員にはしる

 

 

 

最初に正気を取り戻したのは、意外にもランタだった

 

ランタは多少の擦り傷はあったが、回復して貰っていた為余力があった

 

ランタは今正に放心状態にあったシホルとまだ現実を直視仕切れてないユメに向かっているゴブリン達に向かい走り出した

 

次に正気を取り戻したのはモクゾーだった

 

ただモクゾーもマナトの突然の出来事にまだ冷静に成りきれてなかったが、仲間が危ないと本能的に察し、自分達が来た方のゴブリンと対峙した

 

 

「うぉぉぉりゃぁぁ!!」

 

ランタはユメ達に近づいていたゴブリンの1体に斬りかかった

 

ゴブリンはランタの事を気にも止めてなかったのでそのまま左腕を深く斬られる

 

斬られたゴブリンは怯んだが、その後ろに続いていたゴブリンがランタの頭部に向けて古びた槍で突こうと構えていた

 

ランタは奇跡的にギリギリで槍を避け、先程腕を斬ったゴブリンを、槍持ちのゴブリンの方に向けて蹴飛ばす

 

痛みで呻いていたゴブリンは踏ん張る事が出来ずにそのまま槍持ちと一緒に仰向けに倒れた

 

 

「ハルヒロォ!早く!早く来い!バカ!」

 

ランタは未だに立ち尽くしてるハルヒロに向かって叫ぶ

 

マナトの近くにはホフゴブリンがいて近づけず、生死が解らない

 

シホルとユメはまだ戦える状態ではない

 

モクゾーも必死に大剣でゴブリンに斬りかかっているが、何時もより鈍い攻撃に当たる程ゴブリンも馬鹿ではない

 

結果モクゾーも攻めきれずにいた

 

 

ハルヒロは叫び続けるランタの声で少し冷静になり、近くに落ちていた片手剣を拾う

 

自分の武器は先程落としてしまっていた

 

慣れない武器を手に、ハルヒロはランタの方に走り出す

 

 

 

 

「よぉハルヒロ、やっと来たな」

 

ランタはゴブリンの1体の頭部を剣で貫き、そのままゴブリンから勢いよく引き抜き、ゴブリンを蹴飛ばすとハルヒロに顔を向ける

 

 

「お前、ホント元気だな、ランタ」

 

「当たり前だろ、今日はまだ俺様の活躍をお前らに見せられてねぇしな!、そう簡単にへばってたるかっての」

 

 

そういうと掴み掛かってきたゴブリンに剣を突き刺し、動かなくなったゴブリンを蹴飛ばし、ハルヒロに背中を向ける

 

 

「ハルヒロ、一つだけ言って良いか?」

 

 

「なんだよこんな時に…」

 

 

「この後…どうするか考えてっか?」

 

ランタに言われてハルヒロは次に言う言葉に詰まる

 

状況は最悪、それも今までで一番と言える

 

未だ心ここにあらずといった状態のシホル

 

何とか正気に戻り、戦う姿勢を見せているが、何時もより隙だらけだ

 

モクゾーはゴブリン3体を一人で抑えていたが、やはり何時もより動きが何処と無く単調で、ゴブリンを倒すことは出来ていない

 

ハルヒロは先程拾った剣を持っているだけ、何時もと得物が違うだけでここまで酷いのかと、剣を満足に振れずにいたハルヒロは無力だと感じた

 

ランタはハルヒロの胸ぐらを掴んで、引き寄せる

 

「はっきり言うが、もうマナトの奴を担いで逃げる何て事出来ねぇからな、そこんとこ、ちゃんと考えがあんのかって聞いてんだよ」

 

「な!…ランタお前、マナトを、マナトを見捨てる気なのかよ!なぁ!」

 

「うっせえな、そうでかい声でガミガミ言ってんじゃねえよ、実際どうだ?俺達が命を賭ければマナト担いで皆無事に逃げられました…てか?そんな夢みたいな事なんて不可能なんだよ!…マナトもきっとそんな事望んでねぇよ、俺は死にたくねぇ。それなら…俺達だけでも逃げるべきなんじゃねぇのかよ?」

 

ハルヒロはその言葉を聞いて驚きと怒りが沸々と湧いてきた

 

ランタはランタなりの考えがある

 

ハルヒロはマナトを助けたい

 

だが、現状それは不可能に近い

 

自分達が来た通路の方は、今はモクゾーが抑えてくれているが、余裕はない

 

ユメは何とか弓で反対側の通路で此方を狙っていたゴブリンに矢が奇跡的に当たり、遠距離からの攻撃は今のところないが、その代わり他のゴブリン達が我先にと走ってきていた

 

 

シホルは地面に腰を降ろし、ただ倒れているマナトをじっと見ているだけだった

 

 

「…わかった、逃げよう…ランタ、モクゾーの所に行って何とか逃げ道を、俺がシホルとユメを連れてくる」

 

「了解だ、さっさとこんなとこおさらばしてやるぜ」

 

 

「…ランタ」

 

 

「あ?何だよ」

 

「…足震えて「うるせぇよ!そこは黙ってさっさと行くとこだろうが!」…死ぬなよ」

 

ランタはモクゾーの元まで駆け出した

 

それと同時にハルヒロもシホルとユメの所まで走り出す

 

 

「ユメ!シホル!大丈夫?」

 

 

「ハル君!ユメの矢、此で…最後!」

 

ハルヒロがユメ達の元に着いたとき、既にユメは弓矢の殆どを使いきり、今正に最後の矢が放たれた

 

その矢は前から押し寄せてくるゴブリンの一体に当たる

 

「ユメ、先にモクゾーとランタの所に行って!俺はシホルを連れていくから」

 

「で、でもマナ「早く!もう時間がない!」…わ、わかった」

 

 

ユメが言わんとしていることを聞きたくないハルヒロは無意識の内にユメの言葉を遮った

 

ユメは何か言いたげな顔をしていたが、それも少しの間だけで、モクゾー達の方に走り出した

 

それを見届け、ハルヒロはシホルに視線を向けた

 

未だに視線はマナトを見ている

 

「…嘘…そんな…嘘…嘘…」

 

「シホル…シホル!」

 

ハルヒロは肩を揺さぶりながら大声でシホルに呼び掛ける

 

いきなり至近距離で大きな音がしたのを驚いたのか、一瞬ビクッとしたあと、ゆっくりハルヒロの方に顔を向けた

 

シホルの顔は悲壮感でいっぱいなのだろう

 

目は赤く、顔色は悪い

 

今もなおその状態のシホルに、ハルヒロは言った

 

「…シホル…これからモクゾー達の方のゴブリンを何とかして、オルタナに帰ろう」

 

「…マナトを置いていくの?」

 

「…ごめん」

 

それを聞いたシホルは親の敵を見るような目でハルヒロを睨む

 

ハルヒロはその目を見て、後ろに一歩引き下がってしまった

 

だがこのままでは皆死んでしまうという思いで、シホルを無理矢理立たせて、引っ張っていく

 

「いや!やめて!」

 

シホルはハルヒロに捕まれた手を振りほどこうと暴れる

 

ハルヒロの手を噛んだり、叩いたりして何とか放させようとする

 

ハルヒロはそれらを我慢し、何とかモクゾー達の近くまできた

 

「モクゾー!ランタ!頼む、目の前のゴブリンを何とか退けてくれ!…ユメ、シホルをお願い」

 

ユメにシホルを預けたハルヒロはモクゾーとランタのもとまで来た

 

「…ハルヒロ君…やっぱりマナト君は…」

 

「…多分、もう…」

 

「それも大事だがよ、こっちも結構不味いと俺様は思うぜ」

 

 

モクゾーとランタのお陰で、あの細道からでて、大通り

には出れた

 

しかし、ここからが問題だった

 

「そこら中ゴブリンだらけだな…これは」

 

俺達が通ってきた道には、既に5体程のゴブリンが待ち構えていた

 

後ろの細道からも約8体のゴブリンが迫ってきている

 

「右!の方に抜け道があった筈だ!そこから…」

 

逃げようという前に、そこからまたゴブリンが出てくる

 

 

「クソ!あいつら虫みたいに湧いてきやがるな!」

 

「どーすんだよ、これから!」

 

ランタはハルヒロにそう怒鳴る

 

ハルヒロも、逃げるのを決めたのは良いのだが、そこからを考えていなかった

 

「と、兎に角ゴブリンの数が少ない所を突破しよう、モクゾー、頼む!」

 

「うん、わかった。やれるだけやってみるよ」

 

ハルヒロ達はモクゾーを先頭に駆け出した…

 

 

 

最初の内はそれが上手くいっていた

 

目の前から鬼の形相で尚且つ巨体が走ってきたら気の弱い奴は自然と避ける

 

それが幸運にも何回も続き、漸くダムローを抜けられると思った矢先に、大通りで囲まれてしまった

 

息切れだ

 

重い鎧等を装備してるモクゾーの足が止まった瞬間に、わき道やら物陰からゴブリンがわらわらと出てきた

 

「流石にもう…限界…」

 

モクゾーは息も絶え絶えでいう

 

ハルヒロも理解している、寧ろここまでよく来れたと内心驚いてすらいた

 

ランタは剣をゴブリン達に向けているが、疲弊している

ユメは弓矢が尽き、剣蛇を構えているが、全部相手にするのは不可能

シホルはとても戦える状態じゃない

ハルヒロは武器も落としており、戦いすらできない

 

ゴブリンが一斉にハルヒロ達に襲い掛かってくる

 

ハルヒロは死を直感し、目を瞑ってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…いつまでたってもゴブリンからの攻撃がこない

それどころかゴブリン達の悲鳴にも取れる声が聞こえる

 

ハルヒロは恐る恐る目を開き、その光景を目にする

 

ハルヒロの目に、少し泥で薄汚れた鎧が写っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「無事か?ゴブリンに殺られるなんて早々…あったな、すまん忘れてくれ」

 

目の前の人物…身体を鎧を纏った人物

声的に男だろうか?

体格は良く、身長は180は軽く超えている男性はハルヒロに問いかける

 

よく回りを見ると、男性の仲間と思わしき人がハルヒロ達の前に立っていた

 

背の低い男が声をかける、全体的に革製の防具が見え、背には弓を背負っていた、箙の中身は見た感じ空だった狩人

 

「カロリ、プランはあるのか?こっちも帰り道に寄っただけだから余裕は無いぞ」

 

カロリと言われた男は、刀をゴブリン達に構えながら答える

 

「知ってるし言われなくてもさっさと蹴散らして帰るとこだよ、お前は何か?毎回毎回俺に言われても、俺はリーダーじゃねぇって何回言わせんだよ、いい加減学習しろ十円ハゲ」

 

「誰がハゲじゃ!ハゲてねぇから!偶々ピンポイントで髪の毛無いだけやろ!それだけでハゲと決めつけるとか何様じゃボケ!」

 

ハゲをハゲと言って何が悪い!、なんだとぉ!と二人は口論を始めてしまった

二人が言い争いしてると背は高く、鉄の胸当て間接部分には革製の防具をつけた暗黒騎士風の格好をした女性がやれやれと長い髪を弄りながら面倒といった風な態度をとる

 

「あんたたちほんっっっとうによく毎度そのやり取りして飽きないわねぇ、私はもうお腹一杯だから、他所でやってくれると助かるんだけど…」

 

それを聞いたハルヒロの目の前に立つ聖騎士の男はそれを苦笑しながら視線はゴブリン達から一度も離さなかった

 

 

「まぁ此ばかりは様式日…だっけか、としか言えないな。よし、皆ゴブリン何かにやらない用に注意しろよ!」

 

 

 

そういうと、聖騎士の男は目の前のゴブリンに向けて駆け出す

 

他の三人もそれに会わせるように動く

 

聖騎士の男はゴブリンの前までくると、左手に装備していた盾を使い、ゴブリンをそのまま建物の壁まで押し込む

ゴブリンが盾と壁に挟まれて身動きが取れないところに、急かさず剣をゴブリンの左脇に突き刺す

ゴブリンは暫く暴れていたが、やがて動かなくなった

動かなくなったのを確認した聖騎士はすぐ次のゴブリンに斬りかかる

 

暗黒騎士の女は何かブツブツと言うと、自身の剣に赤いオーラみたいなのを纏わせた

その状態のまま、離れていたゴブリンの一体に対して剣を振るう、すると剣に纏わせた赤いオーラがゴブリンに当たる

ゴブリンは少しの間に喚いたかと思うと、そのまま近くのゴブリンに襲いかかった

 

狩人の男にゴブリンの一体が近づく

狩人の男は弓矢も無ければ、剣蛇等の武器もない

ゴブリンは自身の得物…槍を狩人に向けて愚直に刺す

 

「俺が弱いと思ったかこの阿保」

 

狩人はゴブリンの槍を体を少しずらして回避し、そのままゴブリンに接近、懐に潜り込むとゴブリンの両手を掴み、ゴブリンの腹に蹴りを放つ

 

「まだまだぁ!」

 

ゴブリンが痛みで槍を離した隙に狩人はゴブリンをそのまま地面に投げ飛ばし、痛みで呻いているゴブリンの首を思いっきり蹴る

当たり処が悪かったのか、ゴブリンは動かなくなった

 

 

一方カロリと言われた男は、既に三体のゴブリンの首を跳ねていたが、刀は刃こぼれが酷く、既に限界に達していた

 

「ち、『また』だ!あのクソアマ!また粗悪品渡しやがったな!だからこいつ15シルバーで良いとか言ってやがったのか!ちきしょう!」

 

そう言いつつ次のゴブリンに居合いの構えをとり、切る

ゴブリンの右肩から左脇にかけて切りつけたと同時に、刀が折れた

「やっぱり折れやがった、あの野郎帰ったら覚えてろよまじで。今度こそボロ雑巾にしてやる」

「あんたも…ホントに懲りないわね。もう何回目よ、いい加減高くても良いからちゃんとしたの買えば?」

 

「うっせぇ!、それだと俺の娯楽に使う金が無くなるじゃねぇか!」

 

折れた刀をゴブリンの首に差し込みながらカロリと呼ばれた男は女と会話していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、ゴブリンが少ない内に俺達は、助けてくれたパーティーと一緒にオルタナに戻ってきた

 

戻る前にマナトの事を話し、手伝って貰えないか言ってみたが

 

「残念ながらそれは無理と言うしかないね。俺達も此処には偶々寄っただけで武器とかの余裕もないし、これ以上此処に居れば日が落ちる前にオルタナに着けない、悪い事は言わないから君達も俺達と一緒にオルタナに戻ろう」

 

聖騎士の男の言葉に、ハルヒロは即答はしなかったが、オルタナに帰ることは決まっていたので、そのままついていくことになった

最も、それはハルヒロが決めた事であって、モクゾーとユメはまだ納得してない、という顔をしていた

ランタは言い出しっぺだったのもあり問題はなかった

問題だったのはシホルだ

シホルはマナトを置いて帰ろうとするハルヒロ達に喚き、暴れた

それを見かねた暗黒騎士の女がシホルに腹パンをいれ、黙らせた後、背負ってオルタナまで運んでくれた

 

オルタナに着いたのはもう日が落ちかけた時だった

「一旦装備を置いてくるから、シェリーの酒場でまた会おう。追々話したいこともあるしね」

 

そう聖騎士の男が言い、仲間達とそのまま何処かに行ってしまった

 

ハルヒロ達は荷物を置いて、シェリーの酒場に向かう

モクゾーとランタ、ハルヒロの三人で

シホルが目を覚ました時にマナトを助けに一人で行かない用に、ユメには見てもらっている

何より、今回の件はユメも納得してないので、出きれば今すぐにもマナトを助けたいと思っている

時間が必要だと思って置いてくることにした

 

シェリーの酒場に着くまで、三人は一言も話さなかった

 

シェリーの酒場前に着くと、カロリと呼ばれていた男が立っていた

ハルヒロ達に気付くと、こっちだと店に入り、一階の喧騒の中をぬけ、階段を上がり二階の奥のテーブルまで案内された

 

 

聖騎士の男はハルヒロ達に席に座るように促し、全員座った事を確認してから、満足げに頷き、話し出した

 

「まずは自己紹介から、俺の名前はキョウイチ、このチームのリーダーだ、宜しく。…でこっちに座って今正にブー垂れてるのがカロリで、そのとなりがソノダ、最後にうちで唯一の女子のローゼ。見た通りの4人パーティーさ」

君達は?とキョウイチはハルヒロに聞き、ハルヒロは自分の名前やらパーティー全員の名前を教えた

 

「ありがとう、早速で悪いけど、君達はなんでダムローに?それも見た感じ義勇兵になってから日が浅いと思うんだけど…」

 

ハルヒロはゆっくり自分達の今日までの行動を簡単に説明した

 

最初は森でゴブリンを相手にしていたこと

 

その後、マナトの提案でダムローではぐれゴブリンを相手にしていたこと

 

「…そうか、仲間の件は…すまなかったと思っている、何分此方も色々と込み入った案件があってね、君達と会ったのも完全に此方としては誤算と言うかなんと言うか…あぁゴメン君達には関係ない話を思い出しててね」

 

ハルヒロはその話がどういうものなのか気にはなったが、今はそれよりも優先することがあった

「…あの、それは大丈夫…ではないけど、一つ頼みたい事がありまして…」

 

「何かな?俺達で良ければ力を貸すが?」

 

「…ダムローに置いてきてしまった仲間の…マナトの遺体をオルタナに運びたい…連れて帰りたいんです…でも、俺達だけの力じゃとても…」

 

キョウイチはハルヒロ達の話を聞きおえると、一回深呼吸をし、こう切り出した

 

「それに関しては、良いよ。ただ此方もやることがあるから、君達の仲間を運んで来たらこっちからのお願いも聞いて欲しい所かな?」

 

「お願い…ですか?」

 

「あぁ、何でも最近クラン『オリオン』のメンバーの一人が殺されたって噂でね、そのメンバーの人は男性で、結婚した相手が居たらしいんだよ、でその相手が今金に物言わせて回りの義勇兵に自分の奥さんを殺した相手を探し回ってるんだ、僕らも実際本人にお願いされるまで信じてなかったんだけど…ローゼが僕達に無断で了承しちゃった手前犯人探しはしなきゃと思ってね」

 

人手が欲しい、とキョウイチは言う

 

モクゾーとランタは、正直微妙といった反応だ

こっちはお願いしてる立場な訳だから、どういうお願いかと身構えていたので、なんというか拍子抜けというか…もっとこう、お金を要求されたりとか、そういう事を考えて疑っていた自分が少し恥ずかしくなった

 

「それで良いなら、是非とも…「そいつは意味ねぇぞ」え?」

 

ハルヒロが了承しようとキョウイチに言う所で、誰かの声に遮られる

 

声のする方に目を向けると、やや細いという印象が最初にするローブ姿の男が立っていた

 

「お前さんの仲間の死体なら無かったぞ、代わりは…コイツとコレだけだ」

 

そう言うと男は、マナトが持っていた杖と見習い義勇兵

特有の木製の『モノ』を置く

 

余りに突然、それも知らない人にそう言われて、はいそうですか、とはいかずランタが立ち上がり男に怒鳴る

 

「お、おめぇ何処でこれを見つけやがった!俺達がダムローから帰って来て、まだ一日も経ってねぇぞ!それに死体がないってどういうことだよ!」

 

「あーあー、うるさいうるさい喧しいわ、なんだお前、俺が『善意』で持ってきてやって、態々あのクソカマヤローの所まで行って、パーティーの名前聞いて、やっとこさ見つけて届けてやれば喚きやがって、此れだから『童貞』は困るぜ」

 

男はやれやれと肩を竦めるとそのままさっさと階段を降りて行ってしまった

 

呼び止めようとしたが、ランタは童貞発言で狼狽し、モクゾーはテーブルの上に置かれた杖を見て動かず、かというハルヒロもまだ理解しきれてなく、結果的に誰にも声をかけられることなく男はシェリーの酒場から出ていった

 

ハルヒロはキョウイチの方を見る

 

キョウイチはローブ姿の男が降りていった階段を暫し見ていたが、やがて一つため息を吐いた後、ハルヒロ達に目を向けた

 

「…えっとつまり…」

 

「今回の話は無かった事になったって所だね、残念」

 

そういうとキョウイチ達は立ち上がり、テーブルに銀色に輝く硬貨を数枚置いて帰ろうとした

 

「また機会が有れば会うこともあると思うから、これからも宜しく、これはそのささやかな駄賃だ、受け取って欲しい。勿論要らないならここの人に預けといて、いつか取りに来るから」

 

そういうと四人は次々と階段を降りて帰っていく

 

最後に階段を降りようとしていたローゼは、ハルヒロ達の方に振り返り、忘れてたとハルヒロの元まで来て、耳元で囁く

 

「今日の話はあんまり言い振らさない方が良いよ…後、夜道には気を付けてね」

 

それだけ、と言ってローゼはハルヒロから離れると階段を降りていく

 

ハルヒロ達はその場で少し固まっていたが、あまり深く考えないようにしようという結論に至る

 

兎に角、目下の問題はマナトの遺品とも呼べる物の問題

それとキョウイチ達が言っていた話

そしてローブ姿の男

今日一日で色々ありすぎて、もう既に限界だった

 

この後、ハルヒロ、ランタ、モクゾーはユメとシホルにマナトの遺品の事を話をして、念のためにダムローに向かい、男の話が真実だった事を知ったのは次の日の夕暮れ時であった




キャラ崩壊…つけた方がいいのかな…
描写が足りない…表現力も…
ジャック…早く来てくれ…
このままじゃ俺…スパルタクス100レベになっちまうよ…

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。