私がふと思いついたクロスやらを短編で書く   作:心太マグナム

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アムロ・レイ×篠ノ之束

篠ノ之束、ISを生み出した天才である彼女は今世界から姿を眩ませて移動式ラボでのんびりとコーヒーを飲んでいた。モニターに映るのは綺麗な森とその森の中を駆ける動物たち。だが彼女はその光景を見ても何も感じない。くだらない世界にあるくだらない景色程度にしか思っていない。しかし彼女が森の中にあったとある物を見た時、彼女は目を見開き飲んでいたコーヒーのマグカップを落としてしまう。

 

「なに……あれ……?クーちゃん!ラボをちょっと降ろして!」

 

森の中にあったのは20メートル以上ある巨大な鋼の巨人だった。色は白と黒をベースにされ左肩にはなにかのマークが描いてある。束は一目散に鋼の巨人の元へと駈け出すとその巨人を調べ始める。

 

「すごい……!これ触ってみただけでわかる……!この金属はこの地球でまだ作られたことのない特殊な合金だ……!これ……もっと知りたい……!」

 

彼女はパソコンを呼び出すと巨人に接続して凄まじい速さでキーボードを打ち込みハッキングを開始する。

 

「コレの名前はνガンダム?装甲はガンダリウム合金、出力は2980kw、推力97800kg……アハ!何コレ!何コレ!」

 

キーボードを打ち込む彼女の顔は新しいおもちゃを手にした子供のように目を輝かせていた。未知なるモノとの遭遇、その未知なるモノは自分より優れた科学力を持っている。天才である彼女はこの巨人から目が離せずにいた。

 

「知りたい……!もっと知りたい……!コレが何なのかもっと知りたい……!」

 

研究者としての知識欲が刺激され彼女はより一層早くキーボードを打ち込む。その中で彼女のモニターに巨人の中から生体反応がある事に気がつく。普段の彼女なら気にも止めないだろうがこの未知の巨人の中にいる生き物を一目見たい、この巨人のことを聞き出したいという思いから彼女はキーボードを打ち込む。彼女が最後にエンターキーを押してコックピットの扉が開かれるとそこには投げ捨てられたヘルメットと操縦席で気絶している一人の男がいた。クセのある赤毛の髪をした20代くらいの男がいた。男は外見には怪我はなく健康そうだったが何か生命力といったモノを吸われたのだろうか酷く衰弱していた。

 

そんな様子の男をみて束は彼を背負うと自分のラボへと運んでいく。別に目の前で困ってる人がいるから助けたいという訳ではない。この巨人の事について聞きたいことがある。自分の知りたいという欲望に逆らわない結果、こうした方が良いと判断しただけである。彼女は自分にそう言い聞かせると、ラボにいるクロエに男の治療を任せると再び巨人の元へと走っていくのだった。

 

 

ハッキングを終え束はラボへと帰ると巨人に記憶された映像を映画を初めて見る子供のように期待を募らせ、モニターに映し出された映像をみる。

 

『νガンダム、行きます!』

 

「わぁ……!」

 

そこには宇宙があった。彼女が夢を見、憧れていた宇宙があった。あの男は自分が憧れていた宇宙へ行った事のある男だった。そんな彼へ自分より先に宇宙へ行ったことのある嫉妬のようなモノを抱きつつ束はモニターに映る映像をみる。

 

「おおっ!すごいすごいスゴーーイ!!」

 

モニターに映るのは沢山の鋼の巨人だった。そしてそこに映った緑の巨人たちはこのνガンダムから出されたであろうバルカンやビームで撃墜されて行く。そしてモニターから男の音声が聞こえる。

 

『敵意が無邪気すぎる。シャアでもない、あの男でもない』

 

『子供に付き合っていられるか!』

 

『邪気が来たか……!』

 

『やられる!?』

 

モニターには先ほどの量産型の奴とは違う二機の機体が現れ、やられると思ったが突如として現れたバリアのようなモノにビームが防がれ二機の内一機を撃墜してその場から離れていく。

 

そして舞台は変わり地球に向かう巨大な小惑星へと近づいていく、そこではνガンダムに乗っているアムロと呼ばれる男と赤い巨人に乗っているシャアと呼ばれる男が戦っていた。

 

『船がある……なんだコレは……?そうか!シャアめ!』

 

『シャア!』

 

その闘いは凄まじいの一言でビットを展開し、撃ち合いをしつつ本機同士で斬り結んでいる。場面は変わり、シャアと呼ばれる男は持っているビームトマホークを投擲してνガンダムの持つビームライフルを真っ二つにし、かと思えばνガンダムの方はバルーンを囮にしてそれをどかす隙を狙い相手のライフルを切り裂く。束はその光景から目が離せずにいた。

 

 

そして互いの武装が全て無くなり、鉄の拳による殴り合いが繰り広げられ決着はつく。何かに気を取られたシャアにνガンダムが後ろから襲いかかり中から脱出用のポッドが出てくる。それを捕まえると先ほどとは違う、恐らくはシャアと呼ばれる男の声が高笑いを上げていた。

 

『フフフフフフ……はははははは!』

 

『何を笑ってるんだ!?』

 

『私の勝ちだな。いま計算してみたがアクシズの後部は地球の引力に引かれて落ちる。貴様等の頑張り過ぎだ!』

 

『ふざけるな!たかが石っころ一つ、ガンダムで押し出してやる!』

 

『バカなことはやめろ!』

 

『やってみなければ分からん!』

 

『正気か!?』

 

『貴様ほど急ぎすぎもしなければ、人類に絶望もしちゃいない!』

 

『アクシズの落下は始まっているんだぞ!』

 

『νガンダムは伊達じゃない!』

 

無茶だ、と束は思った。シャアと呼ばれる男の言う通りバカな事だ。正気の人間がやる事ではないと束は思った。既に落下が始まっているあんなに巨大な小惑星を押し出すなんて不可能に決まってる。歩き出した像をアリ一匹で止めるようなものだ。だがνガンダムに乗る男は声の様子から一切諦めておらず出力を全開にして懸命に小惑星を押し返そうとしていた。

 

懸命に小惑星を押し返そうとしている時、先ほどとは違う恐らく今まで見たものとは違う旧式であろう機体が小惑星に取り付きνガンダムと一緒に押し返そうとしていた。

 

 

『やめてくれ!こんなことにつきあう必要はない!下がれっ!来るんじゃない!』

 

『ロンドベルだけにいい思いはさせませんよ!』

 

取り付いた機体に向かって悲痛な叫びを上げて止めようとする男、しかし取り付く機体は増えていき皆懸命に小惑星を押し返そうとしていた。無茶苦茶だアリが少し増えただけで像の歩みを止められる訳がない。それでも機体は増えていき、とうとう先ほどまで闘っていた敵の機体まで取り付いて押し返そうとしている。

 

『ギラドーガまで…!? 無理だよ、みんな下がれ!』

 

『地球が駄目になるかならないかなんだ!やってみる価値ありますぜ!』

 

『しかし…爆装している機体だってある…』

 

『駄目だ!摩擦熱とオーバーロードで自爆するだけだぞ!』

 

大気圏によるその熱と摩擦に耐えきれず次々と爆発していく。男は懸命に叫ぶ、こんなことに付き合わせたくない。犠牲になるのは自分とシャアだけでいいと、しかし機体に乗る男たちは軽口で返し小惑星から離れない。

 

『もういいんだ!みんなやめろォーーーッ!!』

 

『結局……遅かれ早かれ、こんな悲しみだけが広がって、地球をおしつぶすのだ……ならば人類は、自分の手で自分を裁いて、自然に対し、地球に対して、贖罪しなければならん……アムロ……なんでこれが分からん……!』

 

懸命に叫ぶ男の一方でシャアと呼ばれる男の声が聞こえてくる。その声はどこか悲しくてきっと泣いているんだろう。シャアの言葉を聞いた時、束は自分とシャアがどこか似ている気がした。

 

きっとシャアも人類というものに絶望してしまったのだ。だからこんな事をして、地球を滅ぼして、人類を無理矢理宇宙に押し上げようとしたのだと。そしてアムロはシャアと違って人類に絶望していながらも全ての人類の可能性を信じて、いつか人類は絶望を乗り越えられると信じて、人類を、地球を守るために懸命に闘っているのだと束は感じた。モニターからはこれ以上は機体が危険だと警告音が鳴り響くがνガンダムと他の機体たちはへばりつく。そして視界が緑の綺麗な光が包まれた。光は小惑星と小惑星に取り付く機体を包み機体達が跳ね飛ばされて行く。

 

『そうか……!しかしこの暖かさをもった人間が地球さえ破壊するんだ!それを分かるんだよアムロッ!』

 

『分かってるよ!だから、世界に人の心の光を見みせなけりゃならないんだろ!』

 

いくつかの口論の後、映像は途切れた。束は何も言わずにモニターの電源を切り、アムロが眠る部屋へと向かう。この光を見ても人類を信じきれないシャアとそれでもと人類を信じるアムロ。二人の物語は終わった。束は絶望しながらも人類を信じて光を見せたアムロという男と話がしてみたいと思った。宇宙について、あのνガンダムについて、それも聞きたい。だけれど、それよりもアムロに聞きたいのだ彼がどんな人生を歩んできたのか。なんであんな無茶苦茶なことをしたのか。人類が変われると本気で思っているのかと。そして自分の事も話して、彼は自分にどういう言葉を投げかけるのかと。

 

束はアムロの眠る部屋を空け、アムロが目覚めるのをじっと待つ。

 

ニュータイプ……それはジオン・ズム・ダイクンが提唱した宇宙に適応した新たなる人類。お互いに判り合い、理解し合い、戦争や争いから解放される新しい人類の姿。しかし宇宙世紀に住む人たちにおいてニュータイプというものはジオン・ズム・ダイクンが提唱したものとは掛け離れているだろう。

 

宇宙世紀においてニュータイプ=最強のパイロットという誤解を生み出してしまったアムロ・レイが目覚めた時、新たな物語は動き出す。

 




誰かこんな小説を書いて下さいお願いします!何でもしますから!

私にはここが限界です!

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