戦国ラブライブ! 〜みんなで作る戦国時代〜   作:pocky@

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どうもお久しぶりです。お菓子です。
あ、どうもハントシブゥリデスカァ
一回死んだ方がいいみたいですねはい。

まぁ色々ありまして、久々の更新です。忘れた?うん、しょうがない、もっかい1から見よう(殴

許してください、こんなこともあるでしょう。うん。
では久々の戦国時代、お楽しみください。

どうぞ、ごゆっくり。

感想をくださった
国木田花丸さん
サンシャイナーさん
ありがとうございました!


第72幕 ヒーロー

「放てぇぇぇえええッ!!!」

 

 

 

銃声が絶え間なく響き渡る。かかりくる徳川の兵達は飛んでくる銃弾になす術なく、次々と倒れていった。

 

 

「殿!これはいけますぞ!!」

 

「うん、いい調子だね」

 

 

一時は絶対絶命の窮地に立たされていた渡辺軍であったが、現在、曜の秘策・高坂の三段構えによって戦況をひっくり返そうとまでしていた。

本多忠勝は未だ到着せず。後方部隊の総指揮を執っていた榊原が善子との一騎打ちにて重症を負い、撤退を余儀なくされたことにより、総指揮を執る重要人物がいなくなった。それにより、徳川の兵のまとまりは一気になくなる。その事が現在の渡辺の逆襲を生んでいたのだ。

 

 

 

更に、遂に待ちに待った援軍が到着する。

 

 

 

「曜さん!!」

 

「ダイヤさん!?」

 

「ただいま到着いたしました。お怪我はありませんか?」

 

「うん。なんとかね」

 

「よかったですわ。…それで?戦況はどうなんですか?」

 

「うん、今は多分こっちが優勢って考えていいと思う。善子ちゃんが榊原康政に勝ったって報告も来てたし……。多分本多が到着するまではこっちに分があるはずだよ」

 

「ええ…。では、本多軍が到着するまでにこの大群をどれだけ処理出来るか、が勝負ですわね」

 

「そうだね。ぶっつけ本番の三段構えでなんとか今は凌いでるけど、こっちの兵ももう数少ないし…。これ以上この状態を続けるのは相手の数を減らす上でも、自分達の兵を守る上でも危険かな」

 

「それは確かですわね。私の者達も加勢はさせますが、黒澤も黒澤でかなり厳しい状態。と、なるとこの戦をこのままひっくり返せることが出来るとすれば…」

 

「先鋒部隊の加勢…だね」

 

「…えぇ。不甲斐ないですが、それしかないですわ」

 

「うん、うん。千歌ちゃん達ならきっと来てくれるよ。だから、それまで少しでも徳川の兵を削れるように頑張ろう、ダイヤさん!」

 

「もちろんですわ。黒澤と高海の名にかけて、この戦…必ず勝ちますわよ」

 

 

黒澤軍が加わったことで、更に勢いが増した渡辺軍。

後は先鋒部隊…千歌達が到着するのを待つのみだが…。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

先鋒部隊——

 

 

「申し上げます!!津島軍、榊原軍と交戦し、津島軍総大将津島善子様が、敵軍総大将との一騎打ちにて勝利!!榊原康政は撤退を余儀なくされた模様!!」

 

「本当!!!?」

 

「ワァオ……予想外もいいところね全く」

 

「あっはは、善子って凄いなぁ」

 

 

こちら先鋒部隊。津島軍の援軍の為に、山を駆け下りていた所にまさかの朗報。皆さんびっくりである。

 

 

「こりゃ帰ったらみかんいっぱいあげないとダメだね!」

 

「千歌ちゃん、寧ろそれ罰にしかならないと思うんだけど」

 

「…ってことは、私たちは津島の援軍じゃなくて、渡辺と黒澤の援軍に行けばいいのかしら?」

 

「うん、そうなるね。多分あの2人も危ない状態だろうし…」

 

「えっと…曜ちゃん達はどこに…」

 

「んー、あそこかしらねぇ…。銃の煙が上がってるし、あの船の旗は渡辺軍…ね」

 

「よし!じゃあ行こう!善子ちゃんの勢いにのってこのまま勝つよ、みんな!!」

 

「「オォーーー!!!!」」

 

 

先鋒部隊、進路変更。この戦の勝敗をひっくり返す為に、曜達を救う為に、戦場へと繰り出す。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

渡辺・黒澤軍——

 

 

「…っ、さっきより攻撃が凄くなってない!?」

 

「そのようですわね…。しかし、せっかくこちらに来た流れを持っていかれるわけには行きませんわ」

 

 

こちら戦場の渡辺・黒澤軍。先程の報告通り、ある程度は有利に戦を進めていたか…に見えたが、やはり兵力の差が響き、再び徳川軍に攻め込まれている模様。

更に、この攻撃の勢いが増したことが意味するのは……。

 

 

「進めぇぇぇえ!!!高海の片割れを叩き潰のだぁぁぁぁぁあ!!!」

 

「「オォーーーー!!!!」」

 

 

 

「……まずいですね、ダイヤさん」

 

「えぇ…これはいよいよ洒落になりませんわよ…」

 

 

言わずもがな、先頭を走っていた本多忠勝の襲来であった。

 

 

「ここは一旦引いた方がいいかもしれませんわ、曜さん」

 

「…いえ、ここで引いたら結局攻め込まれて終わりです」

 

「いいえ、一度ここで引いて、先鋒部隊の到着を待ちましょう。本多と戦うのはそれからでも…」

 

「ダメです。本多は、ここで倒します」

 

「ぶっぶー…ですわよ、曜さん。本多は危険です。だからこそ先程も、先鋒部隊が来るまでなんとか凌いで、合流してもらい共に戦おうと話していましたよね?」

 

「それは、私たちがある程度徳川の兵を削って、この戦をひっくり返す可能性が高くなった場合の話です。でも、今は違う。勝機は極めて低いですし、相手は本多。ここで全員で突撃しようものなら、全滅がオチです。しかも、まだ総大将の家康が出陣していない…。それこそ挟み撃ちなんてされたらもう勝機はゼロ、です。ですから…」

 

「私たちだけで本多と戦う、と?」

 

「…いえ、本多は私だけで食い止めます。ですからダイヤさんは…」

 

「…何をふざけたことを言っているんですの!!?曜さん、いいですか。相手は本多なのですよ!?それなのに貴女の軍だけで食い止めようなんてそんなの無謀ですわよ!!」

 

「分かってる!!分かってるよ…!!だけど、だけど…!みんなで本多に向かって行ったらそれこそ勝つ可能性はなくなっちゃうんだよ!?」

 

「だからって…何も貴女の軍だけでなくても!!」

 

「…こんな危険なこと、ダイヤさんに頼めないですよ。…大丈夫です。私が何とか本多を削ります。だから、ダイヤさんは後ろの敵をお願いします。そして、みんなが到着したら、私の軍に加勢お願いします。それまでに何とか、倒せるくらいにはしておきますから…」

 

「しかし!!」

 

「大丈夫ですって、心配性だなぁ、ダイヤさんは」

 

「……では、私の軍の兵も連れて行ってください。後ろの兵など、私と何人かのとりまきがいれば十分ですから」

 

「…ありがとう、ダイヤさん」

 

「絶対、倒しますわよ。私達が行くまで死ぬんじゃありませんわよ」

 

「うん、大丈夫。頑張ろう」

 

 

曜はダイヤに背を向け、もう一度ありがとう、と呟く。

渡辺軍と本多軍の一騎打ちが決定。曜は本多軍が迫る方へと足を踏み出した。

 

 

「全く…。どれだけ格好つけたがりなのか分かりませんわね、本当」

 

「よかったのですか?殿。行かせてしまって」

 

「えぇ。大丈夫ですわ。必ず、曜さんの元にはヒーローが現れますから」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

渡辺軍——

 

 

「殿、いかがされるおつもりですか」

 

「私が本多忠勝を討つ」

 

「なっ、正気ですか殿!?」

 

「うん、当たり前でしょ。実際いくらダイヤさんが兵を貸してくれたからって言っても、この数になんかかないっこないもん」

 

「しかし殿!!そんな無謀な!」

 

「大丈夫、君達のことだってちゃんと守るから。死んでもね」

 

「意味が分かりませぬ!!それに、貴女様を守らなければならないのは我々にございます!!」

 

「んーん、君達が守らなきゃいけないのは私じゃないよ。私が、命がけで守ろうとした…高海のみんなを、絶対に」

 

「何をおっしゃっているのです!!高海の皆様を生きて守るのが貴女様の使命にございます!!それに何ですかその言い方は!!そんな弱気な心持ちで本多に勝てるわけがないでしょう!!」

 

「あっはは、それもそうだね。強気にいかなきゃね、そうだね」

 

「殿…!!!」

 

「大丈夫、心配しないで。私がちゃんと本多忠勝を討ってくるから。だから、ね。行こうか。もううだうだ言ってる暇はないよ」

 

「……何かあれば必ず駆けつけます故」

 

「うん、ありがと。じゃあ行くよ!!全速前進!!ヨーソローーーーーー!!!!」

 

「「ワァァァァァァァァァァァアッ!!!!」」」

 

 

曜の号令と共に、数少ない兵達が本多軍へと突っ込んで行く。

高海家の未来がかかった曜の本多討伐が始まった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

高坂軍——

 

 

「海未ちゃん!!まだ着かないの!?」

 

「あと少しです!!そんな焦らないでください!!」

 

 

はいこちら穂乃果率いる高坂軍。高海家の援軍の為に、某矢澤氏を除いた皆様が音ノ木坂から打ってでていた。忘れたなんて言わせない。

かなり馬を飛ばしている模様で、もうすぐ内浦という所まで来ていた。

勿論、先陣を切るのは穂乃果である。

 

 

「こんな夜中に一体私達は何をしてるのかしらね!!」

 

「せやねぇ、うちらに至っては名前も顔も知らない同盟国の皆々様方の為に眠いの堪えて馬を走らせとるんやからねぇ!!」

 

「本当、イミワカンナイわね!!」

 

「でも、それが高坂家だにゃ!!」

 

「えぇ、そうね…!!見ず知らずの仲間の為にもうってでるのが高坂家だものね!!」

 

「カッコええやん、うちら!!」

 

「さぁ皆さん!!もうすぐ内浦です!!」

 

「絶対千歌ちゃん達を助けるよ、みんな!!!」

 

「「オォーーーーー!!!」」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

渡辺軍——

 

 

「ぐっ……」

 

「おうおうどうした!!某に威勢良く一騎打ちを仕掛けてきたと思えばその程度か渡辺!!!」

 

 

こちら渡辺軍。曜が忠勝に一騎打ちを仕掛けたまではいいものの、無論曜は劣勢。忠勝は傷1つ負っていないどころか、息すらあがっていなかった。

 

 

「まだ、まだぁッ!!!」

 

 

対する曜は、忠勝に突き飛ばされてついたアザや、刀を避けきれずに負った切り傷が至るところについている。

やはり、力の差は歴然だった。

 

 

「何度飛びかかってきても同じじゃ!!」

 

「んぐぁッ!!」

 

「全く…。一瞬中々やるなとは思ったが…。やはり気のせいだったようじゃの」

 

 

勿論、曜もやられっぱなしではなく、一騎打ちの最初の方は激しい鍔迫り合いや、駆け引きがあったのだが、結局それも本多が勝ち、そこからは曜のスタミナが切れたのもあるのだろう、ズルズルと今の状況になってしまった。

 

 

「ま、だ!!まだぁぁあッ!!!」

 

「ったく、どこからそんな元気が出てくるんじゃお主は!!!!」

 

「んぁ、あッ!!!」

 

「何度来ても同じじゃ。こっちとしても、もうそろそろかたをつけねばならん。残念じゃが、お主の負けだ、渡辺」

 

「ま…だ!!負けてッ…な、い……ッ!!」

 

「…そうか。ならば、お主に敗北を教えてやろうか。安心しろ、苦しめるようなことはせん」

 

「は、ぁ…っ!!わ、たし…はッ!!まだ……ぁっ!!」

 

 

忠勝が刀を振りかぶる。

 

 

「終わりだ、渡辺。御免」

 

 

「ご、め、…ち、か…ちゃ……」

 

曜は、不甲斐ない自分を責めると共に、ずっと仕えてきた千歌へと謝罪をした。

 

ありがとう、私の幼馴染で。

ありがとう、たくさんの思い出をくれて。

ありがとう、私たちを導いてくれて。

ごめんね、最後まで一緒にいられなくて。

ごめんね、こんな、情けない幼馴染で。

ありがとう、私、楽しかったよ。

 

曜は全身の力を抜いて、目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の…曜ちゃんに手を出すなぁぁぁぁぁぁぁぁあああああッ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

ヒーローは、必ず現れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

戦国ラブライブ!第72幕 ヒーロー

 

 

 

 




お疲れ様でした。
どうでした、半年ブゥリの戦国時代は(殴
まぁたまにはヒーローちかっちでもいいと思うんですよね。
いつも曜ちゃんヒーローしてますから、たまにはカッコいいちかっち、見たくないですか?(←

まぁいいです。
次の更新は3月になるかなぁと思います。
多分そこから1日1話投稿もう一度頑張っていきたいと思いますので、そちらの方、よろしくお願いします。

ではまた。

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