戦国ラブライブ! 〜みんなで作る戦国時代〜   作:pocky@

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どうもお久しぶりです、ぽきおです。
はい。何年ブリですかね、覚えてますか?まぁいいです。

今回もまだ内浦の戦いですね。このシリーズ長く続くかもしれません。といいつつ次回で終わったりするやつですねこれ。
まぁいいです。

内容を覚えてない方は、申し訳ありませんが、ぜひ読み返しを(←
さて、どうなる高海家。

それではどうぞごゆっくり。




第70幕 無力

 

 後方部隊・津島軍。奇襲をかけ、相手、榊原康政率いる榊原軍の兵力を削ったのはよかったものの、仕上げの総大将一騎討ちにて苦戦中。鬼と化した康政に、善子は怯み、康政の攻撃をなんとか凌ぐことしか出来なかった。

 

 

「さっきまでの威勢はどうした!!!津島!!」

 

「っ……!」

 

「どうした、刀を持つ手に力が入っておらぬぞ!!!」

 

「……ぅぁっ!?」

 

 

 鍔迫り合いの後、善子は思いっきり吹っ飛ばされた。地面に体が叩きつけられる。

 

 

「はぁ……はぁ……っ」

 

「どうした、もう終わりか津島。先ほどの余裕はどこへ行った?」

 

「……ま、だ…っ!!」

 

 

 善子は何とか立ち上がろうとするが、体に力が入らない。足はガタガタ、鎧も傷だらけ。もうこれ以上、彼女のガソリンは残っていなかった。

 

 

「は、ぁっ……!!」

 

「諦めろ、津島。お主の負けじゃ」

 

「だ、からっ……!!」

 

「……懲りない奴だな、お主はもうお終いなのだ、かような状態でどう戦うのだ」

 

「私、はっ!!高海で、……1番っ!!」

 

「……最も強い部隊を率いる者としての足掻き、ということか。そうか。その根性だけはかってやろう」

 

「は……ぁ……っ!!」

 

「だかな」

 

 

「んぐぁ……ッ!?」

 

 

 善子が再び宙を舞った。

 

 

 

 

「お主に拙者は倒せん」

 

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 渡辺軍——

 

 

 

「殿!!殿!!」

 

「っ……どうしたの、伝令くん!!」

 

「渡辺の先鋒隊が壊滅!!前にいた徳川の兵がこちらに引き返しておりまする!!」

 

「なっ……!?」

 

 

「申し上げます!!!!」

 

 

「次は何!!!」

 

「先頭を走っていた本多忠勝率いる本多軍がこちらへ引き返してきた模様!!もうすぐそこまで来ています!!!」

 

「っ……!!本多軍まで……!!!」

 

 

 

 渡辺軍本隊。善子、ダイヤ同様、奇襲を仕掛けたのは良かったものの、圧倒的な兵力の差に悪戦苦闘中。更には、先頭集団かつ本多軍が引き返してきたこともあり、渡辺の先鋒隊は壊滅、防波堤が決壊した渡辺軍は、最早まっ裸であった。

 

 

 

「殿!!いかがいたしましょう!!?」

 

「わっかんないよ!!こっちだけでも精一杯なのに、本多まで来られたら……!!!」

 

「分からないではすみませぬ!!!」

 

「もぉぉぉぉぉぉっ!!!分からないものはしょうがないでしょ!!!?」

 

「しかし!!!」

 

「いいから目の前の敵を倒すことに集中して!!!もう策なんてないよ!!」

 

「あぁっ!!!承知ッ!!!!」

 

 

 何が承知なのかは分からないが、渡辺軍はとりあえず目の前にいる敵を倒していこう、そしたらそのうち光が見える戦法を取った。要するにヤケクソである。

 渡辺軍の銃声が鳴り響く。

 

 

 しかし、その銃声も大軍の波に呑まれていくのみだった。

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 黒澤軍——

 

 

 こちらダイヤ率いる黒澤軍。持ち前の堅実な攻めで、周りの敵を斬っていた。しかし、優勢かと言われればそうではなく、なんとか凌いで、隙をギリギリついての攻めであった。

 

 

「……数が多すぎますわね」

 

「左様に。このままでは呑まれる可能性が高いかと」

 

「そうですわね……。一度引いて、体制を立て直すという手もありでしょうか」

 

「それが出来れば良いのですが、この状況では……」

 

「……善子さんと曜さんの軍が劣勢ですものね」

 

「はい。それ故、ここをなんとか乗り切ってお二方の援護をしなければなりませぬ」

 

「ではのんびりしている暇はありませんわ」

 

「左様。出来るのであれば、次の攻撃でここの部隊を突破したいところでありますが」

 

「ふむ……。となると、やはりここの大将を斬るのが手っ取り早いのですが……」

 

「しかしそれも兵の数が多すぎて……」

 

「と、なると難しいですわね……」

 

「……やはり、多少の時間がかかっても、堅実にいくのが一番かもしれませぬ」

 

「しかしそれでは曜さん達が」

 

「ここで無理をして、我々が倒れてしまっては意味がないかと」

 

「……では、なるべく早く行きますわよ。曜さんの軍は近くにいるようですので、曜さんらと合流したら、すぐさま相手を叩きます。そこからは私にもどうなるかは分かりませんわ。それでもよろしいですか?」

 

「ええ、徳川と戦うんです、それくらいの覚悟は出来てますよ」

 

「ふむ、それだけ言えるなら問題なさそうですわね。……では、行きますわよ」

 

「承知」

 

 

 唯一まともな戦力が残っている黒澤軍。彼女らの使命は、現在交戦している部隊をいち早く切り抜け、曜と善子の援護をすること。その使命を果たす為、敵を斬る速さを上げていく。

 一刻も早く、辿り着かねばならない。

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 松浦軍——

 

 

「くっそ……どこにいるの、曜、善子、ダイヤっ!!」

 

 

 

 松浦軍。後方部隊が戦場に飛び出したと聞き、すぐさま援軍へと引き返したはいいものの、徳川の兵が多すぎる故に、彼女らがどこにいるのか把握出来ずにいた。

 見渡す限り徳川の旗。味方の旗はどこにもない。

 

 

 

「果南ちゃん!!」

 

「……千歌?千歌!?何でここに来たの!!」

 

「オゥ、かなーん?頭に血がのぼってちゃあ、戦では戦えませんよ?」

 

「そうです、果南さん。気持ちは分かりますが、落ち着きましょう」

 

「鞠莉、梨子まで……どうして!!」

 

「どうしても何も、果南ちゃんが勝手に一人で行っちゃうからでしょー?」

 

「そーよ、松浦だけで援軍とか面白くないじゃなーい」

 

「面白いとかじゃない!!危ないんだよ!?分かってるの!?」

 

「危ないのは果南さんもじゃないですか」

 

「私はいいの、私の役目はみんなを守ること。だから……」

 

「……死んでもいいっていうの?」

 

「……うん、そうだよ。みんなが助かるなら私は死んでも構わない。……だから、貴女達をこんな危険な目に遭わせるわけにはいかないんだよ!!危険な目に遭うのは私一人で十分。だから」

 

「ふざけないでください」

 

「そーねぇ、こんな場所でジョークはNGよ?」

 

「ふざけてなんか……」

 

「……死んでもいい?そんなはずないよ。果南ちゃんが死んでもいい理由なんてないし。……っていうかいつ私が果南ちゃんにみんなを守る役目なんて与えたっけ?」

 

「……それは!」

 

「何を思ってるか知らないけどさー。私は果南ちゃんが死んじゃったら嫌だし。死んでまで私達を助けようだなんて、そんな意味ないことやめようよ。そもそも、高海家に捨て駒も殿もいないよ?みーんなで助け合って勝っていくんだから」

 

「いぇす、何を勘違いしてるのかねぇ、この頑固親父は」

 

「そうですよ果南さん。一人で背追い込まないでください。私達はそんなに頼りないですか?」

 

「そういうわけじゃ」

 

「なら、別についてきてもいいよね」

 

「そ。そもそも果南だけに任せるとか危なっかしくてこっちが見てられないの」

 

「だから全員でいきましょう。多分まだ曜ちゃん達の軍の居場所、把握出来てないんですよね?」

 

「……うん」

 

「こーいう時こそ小原の望遠鏡よ。果南持ってなかったでしょ?」

 

「この望遠鏡性能いいからねー、すぐ見つけれるよー多分」

 

「……ほら、あそこ、あそこに津島の旗が見えますよ」

 

「……あ、ほんとだ」

 

「ほーら、すぐ見つかったでしょ?頭に血がのぼってるからいけないのよ果南は」

 

「一言余計。ほら、見つかったんだから早くいくよ」

 

「よし、じゃあまずは善子ちゃん救出といきますか!」

 

 

 

 高海、桜内、松浦、小原の軍が津島軍めがけて山を駆け下りる。窮地の善子を助けることは出来るのか。そしてそれは必然的に、榊原康政との交戦を意味していた。

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 津島軍vs榊原軍——

 

 

 

「ふむ、まだ死なぬか」

 

「だ……れ、がっ!!」

 

 

 善子vs康政。戦況は見ての通り、善子の圧倒的劣勢。善子の鎧はもう元の形を残しておらず、彼女自身もあちこちに傷、痣を負い、最早落ち武者ならぬ堕ち武者であった。

 

 

「ま、だ……まだ……!!」

 

「ほぉ、その状態でまだやると言うのか。粘り強さだけは認めてやらんこともないが……」

 

 

 康政が刀を振りかぶる。

 

 

「言ったはずだ。お主には拙者は倒せんと」

 

 

「……ぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 鮮血が吹き出し、あたりを赤く染めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦国ラブライブ!第70幕 無力

 

 





お疲れ様でした。
凄く凄く気持ちの悪い終わり方ですね。
なので言っておきます。
いつものように仲間が来て、榊原が撃たれたとか切られたとかではない、と。
次回のお楽しみですね(←

はい。
最近になってようやく書く気が起きたといいますか何といいますか。
一応受験生なので、うん、勉強の合間にでも書く気があったら書く感じになってます。
しかしながら、何故か今、自分の中で内浦の戦いがいい感じに出来上がってきてましてね。書くのが楽しいです。
次話は月曜日には更新出来ると思います……というより出来ます。
では、お楽しみに。

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