戦国ラブライブ! 〜みんなで作る戦国時代〜   作:pocky@

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………大変申し訳ございません。どうもお久し振りです、ポッキーです。
忘れてますかね、うん、忘れてるよなぁ……。……え、待っていてくれたっ!?(殴
なんでもないです、ほんとに申し訳ございません。

クリスマスプレゼントです、はい。

今回はあの狸の登場です。数で圧倒的に劣る高海は如何するのか……。注目です。

では二ヶ月ぶりの戦国の世界を、どうぞごゆっくり。

前回感想をくださった
ウィングゼロさん
うみみみみみさん

ありがとうございました!



第67幕 己の力で

 

 

 

 夜の内浦城。

 

 今川への下剋上を果たし、駿河の覇者へと成り上がった高海家であったが、それもつかの間。高坂と同盟を結んだものの、まだ大名としては経験も実力も皆無の高海という格好の獲物を狙う『化け狸』が遂に動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦国ラブライブ!第67幕 己の力で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 内浦は揺れていた。

 

 

「軍勢は!?徳川の軍勢は幾らなの!?」

 

「恐らく約10000……」

 

「ダイヤ、うちが今準備できる兵の数は?」

 

「……出来て3000くらいですわ」

 

「3000って……」

 

「3倍もあるよ!?」

 

「……徳川の布陣はどうなっているのですか?」

 

「まだ到着していない故、そこら辺はまだなんとも……。しかし、徳川方の会話などを聞く限りでは陣をしっかりと敷く、ということはないかもしれません」

 

「……っていうと?」

 

「要するに、徳川は短期決着をホープしてるってことでしょ?」

 

「左様です」

 

「短期決着?」

 

「イエス。うちと徳川の領地は隣。ということは情報が伝わるのも早い……。よって、高海が高坂と同盟を結んだっていうのも既に彼方は知っているはず」

 

「なるほど。あまり長引かせてると高坂の援軍が来る可能性がある。徳川からしたらそれは絶対に避けたい……ということですね」

 

「ザッツライト!流石梨子ね」

 

「っていうことは……」

 

「攻め入って来るのは今夜……まさに今ってことになりますわよ……?」

 

「そうですね」

 

「……そうですね、じゃないですわァァァアッ!!!!!」

 

 ダイヤ発狂。その長髪を振り乱す。

 

「ど、どどどどうするの!!?今って!?今ってぇ!?」

 

「何にも準備できないよ!?」

 

「そうねぇ……」

 

「リリーはなんでそんな涼しい顔してるのよ!?」

 

「いや、そんな焦ることかなぁ……とか思ってるから」

 

「焦ることずらよ!?」

 

「うーん、私もそんな焦ることはないと思うけれど?」

 

「鞠莉!?」

 

「戦は焦ったら負け……。海未さんがよく言ってたわ。焦りは不安、恐怖、そして戦で最も重要な頭脳……つまり思考能力の膠着を生むだけ。何にもいいことなんてないの」

 

「そ。だからここは一回落ち着いて、ちゃんと戦略をレッツシンキング!」

 

「時間がないのですよ?分かっていますの?」

 

「勿論ですよ。時間がないのは重々承知です。……でも、軍師は時間がない中で最高の策を作ってこそナンボじゃないですか?」

 

 

 

 

 

 

 ニヤリと梨子が笑う。その笑みを浮かべた梨子は小悪魔……リトルデーモンそのものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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 徳川家——

 

 

「殿、なんでまた急に高海攻めなんかを」

 

「んー?特に意味はないぞ」

 

「……はい?」

 

「いやぁ、今川も消えたし、駿河を攻めるならいまかなぁ、みたいな??」

 

「みたいな??……じゃないですぞ殿ぉぉお!!!」

 

「まあまあ、忠勝君、そんな怒らないで♡」

 

「怒りまする!!こんな行き当たりばったりの戦ばかりしていれば、いつ徳川が酷い目にあうか分からないのですぞ!!?」

 

「んー、でも高坂は行き当たりばったりの戦であんなに大きくなってるけどぉ?」

 

「あれは特別じゃ!!!」

 

「んー、とりあえず忠勝、そんな怒ると血管切れて死んじゃうから、ほら一回落ち着いてよ」

 

「殿がアホだから怒っているのです!!!」

 

「あー、怖い怖い。勝家さんに負けてないよ、その鬼軍曹っぷり」

 

「真面目に聞いているのか家康ぅぁぁあ!!!!」

 

「んー、とりあえずどこに陣を敷くぅ?もうすぐ内浦だよ?」

 

「……殿、先ほど陣を敷かないとあれほど確認したではないですか!!内浦に到着し次第、内浦城攻めを開始すると!!!」

 

「……それは危ない気がするんだよね」

 

「……はぁ?何を今更……。アホも休み休み言ってくだされ!!」

 

「……ふーん、いいんだ」

 

「……はい?」

 

「僕の勘だとねぇ、この戦、このまま攻めると負ける気がするんだぁ。どうする?」

 

「ど、どうするって……今更作戦の変更など出来るわけないでしょう!!そもそも今夜のうちに攻めておかないと高坂が来るかもしれないと全体会で話したはずですぞ!!」

 

「んー、僕の勘って結構当たるんだぁ。多分このまま攻めればこっちが撤退に追い込まれる、そんな気がするんだけど?」

 

「何故!!こちらは10000いるんです!!かようにしてこの大群をあの小大名が返り討ちにすることが出来ようか、いや出来ぃぃいん!!!」

 

「んー、どうなっても知らないよぉ?負けたら全部忠勝の責任だけどそれでもいいなら攻め入れば?」

 

「構いませぬ!!我々が負けることなどあり得ん!!」

 

「そう。じゃあ僕は帰るから」

 

「……は?」

 

「いや、僕はもうここにいる意味ないじゃん?忠勝が指揮をとるわけだし」

 

「いやいやいやいやいやいや殿!!!貴方は馬鹿ですか!!ホンマもんの馬鹿なのかぁぁぁあ!!!!」

 

「んー、だって忠勝の責任で攻め入るんだから、僕はいらないよね、忠勝が総大将だし」

 

「殿!!」

 

「まぁ勝てたら駿河は忠勝にあげてもいいよぉ?いきなり攻め入って勝てたら、だけどね」

 

「そういう問題ではなぁぁぁいっ!!殿がいなければ全軍の士気が下がると言っているのです!!あと駿河などいらぁぁぁぁあぬっ!!!」

 

「あーもう、うるさい。じゃあ攻め入りは無しでいい?」

 

「ですから!!」

 

「あーあー、分かった、分かったって!今夜のうちに内浦城に攻め入るんでしょ?はいはい、大丈夫、大丈夫!」

 

「……分かってくださったのならよいのですが」

 

「んまー、指揮は忠勝に任せるよ。実際これだけ数が違えば僕が出る必要もなさそうだしねー」

 

「殿が本陣にいてくれるのであれば喜んで指揮をとらせていただきましょう」

 

「んー、じゃ、頑張ってね、朗報期待してるよー」

 

「承知ッ!!!」

 

 

 

 

 

 

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 内浦城——

 

 

「皆さん揃ってますわね」

 

「これから私たちがシンキングした策をリスニングしてもらうわよ〜」

 

「時間がないから、皆さんしっかり聞いてくださいね」

 

「「はーーーい」」

 

「なんですの、その気の抜けた返事は」

 

「んじゃ、梨子よろしくっ!」

 

「じゃあ、対徳川の策を説明していくね。兵の数はあっちが10000、高海が3000ってことで……圧倒的に数では不利って状況。こういう時は籠城が1番適した策だったりするんだけど……」

 

「籠城は基本援軍を待つ時の策ですわ。確かに明日になれば高坂さん方が援軍を出してくれるでしょう」

 

「バット……高海はこれでいいのかって話よね」

 

「………ん?っていうと?」

 

「高坂さんに頼って勝ったところで私たちが成長出来るのか、ってことよ」

 

「でも負けたら元も子もないよ?」

 

「ですから、負けない策を練りましたのよ」

 

「んー、100%負けないってわけでもないし、勝てる保証もないけど……。籠城以外だったらこれしかなかったから……。多分海未さんも籠城以外だったらこの策を提案すると思う」

 

 

 この桜内梨子、元々園田軍に所属し、海未の戦法を見てきた為に、思考が海未に多少似ている。また、海未だったらこの状況をどう切り抜けるか、ということ参考に策を練ることも多い。

 

 

「まず、結論から言うと、今回の作戦は“挟み撃ち”ですわ」

 

「挟み撃ち……?」

 

「そ。本隊が徳川軍の気を引いている間に、後ろに回り込んだもう1つの部隊が背後から急襲を仕掛ける」

 

「そこで家康の首をすぐに討ち取れればベストだよ」

 

「桶狭間みたいな感じだね」

 

「そう。数で劣る以上、普通に戦ってたら絶対勝てない。だったらもう総大将を討ち取るしか方法はないでしょう?」

 

「あ、そういえば海未ちゃん達も北条氏政を討ち取ることに成功して窮地を凌いだんだっけ」

 

「あの時はほんとに死ぬかと思ったわ……」

 

 

 そう。高坂もこのような大ピンチを凌いで、現在のような関東を治める大大名へと成り上がったわけだ。今の状況をピンチととるか、チャンスととるか。この戦は高海の行く末を大きく左右するターニングポイントとなるに違いない。

 

 

「それじゃあ配置を発表します」

 

「まず、本隊ね。ちかっち、梨子、果南、そして私。この部隊が徳川勢のハートをキャッチするわよ☆」

 

「本隊の皆さんは全力で千歌さんを守ること。いいですわね?」

 

「もちろん、私に任せといて」

 

「果南ちゃんがついてるなら安心だよねっ!」

 

「じゃあネクスト。後方部隊は、曜、善子、ダイヤ。善子を中心に暴れてきてクダサーイ!」

 

「だからヨハネよッ!!!」

「はいはい、黙るずら〜」

 

「相手は徳川。あれだけ言っておいてなんだけど、この作戦も実際うまくどうかは私にも分からないの。不安要素しかないけど……。みんな、大丈夫?」

 

「梨子ちゃんが考えた策なら絶対大丈夫だよ!」

 

「そうだね、なんせ園田海未からの刺客だからねぇ?」

 

「ヨーソロー!絶対成功させるから任せておいてよっ!」

 

「ふっ……堕天使にかかればこの程度の戦なんて……」

 

「善子ちゃん手が震えてるよ?」

 

「善子ちゃんはビビリずら」

「誰がビビリよッ!!!」

 

「……皆さん、なんとしてもこの戦、勝ちますわよ。よろしいですね!!」

 

「「ハイッ!!」」

 

「じゃあちかっち、一言プリーズ!」

 

 

「……大名になっていきなりの試練なわけだけど……。私たちなら絶対にこの戦、勝てるよ……!私が保証するっ!!」

 

「千歌の保証はあてにならないからなぁ」

 

「あはは……それはあるね」

 

「ちょっと幼馴染み'sの皆さん!?」

 

「あー、はいはい、千歌さん続きを」

 

「んんっ!気を取り直して……。みんな、この戦、絶対勝つよ!!少しでも穂乃果ちゃんたちに近づこう!!」

 

「「ハイッ!!!」」

 

「じゃあ行こう……!!高海家、出陣だよッ!!!!」

 

 

「「オォーーーーーーーッ!!!!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 高海家の最初にして強大な試練が、今、始まる。

 

 

 

 

 





お疲れ様でした。久しぶりの更新でしたが、いかがでしたでしょう?
元々ない執筆能力がより大変なことに……w

二ヶ月間音沙汰がなかったのはモチベが皆無だったからです、お許しください。モチベが皆無の状態で書いたものなど面白くないでしょうから……

さておき、次回は徳川と高海の一騎打ちです。高海は勝てるのでしょうか……。高海の力に乞うご期待ですな。

年内には必ず更新します。

※皆さんのお声が私のモチベーションの向上につながったりしますので、よろしければ一言でも感想をくださると嬉しいです……。

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