戦国ラブライブ! 〜みんなで作る戦国時代〜   作:pocky@

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お久しぶりですポッキーです。
いやぁ、テストが近いもので!更新できないのも頷ける!(殴
大変申し訳ありません……許してください。

今回もタイトル通り。五色備え勢ぞろいです。
そして、更新出来なかったお詫びといってはなんですが、今回は少し長め!嬉しいでしょ?歓喜でしょ?あ、だるい。知ってます()

それではみなさん、ごゆっくり。

前回感想をくださった
ウィングゼロさん
左京大夫さん
ありがとうございました!



第56幕 五色備え

 

 

 

 

 

「っ……!!」

 

 

 

 

「お前さんよぉ……。舐めてんのか?」

 

「誰がっ……!」

 

「これで関東最強、武田に勝った、日の本ー……。実に滑稽な話だな」

 

  綱成が既にボロボロのにこを蹴っ飛ばす。

「くぁ………っ!?」

 

「残念だったよ。もう少しやれるヤツだと思っていたが……。結局、お前もそこら辺の雑魚と一緒ってわけだ」

 

「……ぅるさっ」

 

「声を出すのもやっとか。目も虚ろ。刀は某に折られ、武器はもうない。……もう終わったんだよ、お前は」

 

「まだ……!!」

 

 

 

 

「終わりって言ってるだろう?」

 

 

 

 

 

 

 

  綱成は、刀を構え、振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦国ラブライブ! 第56幕 五色備え

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  銃声が、その戦場に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 赤い液体が宙を舞う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ぇ?」

 

「……な、何奴ッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ったく世話がかかるお姉様だこと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 綱成は右腕を綺麗に撃ち抜かれていた。利き手をやられてはまともに戦うことは難しい。

 

 

「殿!?」

 

「大丈夫ですか!!殿!!」

 

「痛むが大丈夫だ。それよりも……」

 

「厄介なのがまた、増えましたな」

 

「あぁ。面倒なことになりそうだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま、まきちゃ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「助けに来たわよ、にこちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 遠方より、綱成を撃ったのは真姫であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「絵里!!この後どうしましょう!?」

 

「海未!!私だって聞きたいわよ!!」

 

「最上殿!!何か策はないですか!?」

 

 

「ないです☆」

 

「「最上ィィィィィィィィイイイイイイッ!!!!!!!」」

 

 

 こちら、石垣山を猛スピードで駆けおりる高坂本陣。約20,000の兵達が一斉に山を下る。それはもう大変で、山が崩れてしまうのではないかとも思えた。

 

 

 

「本当にどうするのよ!!?このままじゃ何の策もないまま戦場に繰り出すことになるわよ!?」

 

「そんなこと分かってます!!!」

 

「これはもう突撃するしか!!!」

 

「しかし!!」

 

「兵力はこっちの方が上よ!!だったらそれしかないかもしれないわ!!」

 

「しかし!!籠城戦なのでは!!?」

 

「それなら大丈夫にゃ!」

 

「「凛!?」」

 

「さっき、西木野軍から連絡があって、大砲を持ってこっちに着いたって!」

 

「た、大砲……」

 

「成る程!それで小田原をふっ飛ばせば!!」

 

「ええ!!行けるかもしれません!!」

 

 

 作戦変更。北条が籠城していると考えている高坂軍は、大砲とかいう海外の最強兵器に頼ることに決定した。

 

 北条が籠城をしていれば、この策は有効であろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 籠城をしていれば。

 

 

 

 

 

 

 

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「いい!?相手の兵、全て撃ち払いなさい!!」

 

「「オォォォオ!!!」」

 

 

 その戦場では、先ほどよりも多くの銃声が鳴り響いていた。無数の鉄玉がとんでもない速さで発射される。こればっかりはさすがの黄備えといえども苦戦していた。

 

 

「殿、ここは一旦引きましょう」

 

「いや、他の部隊に出てきてもらおう。そっちの方がいいはずだ」

 

「しかし、それでは作戦が……」

 

「それは問題ない。風魔から、高坂本隊を石垣山から追い払ったという情報が入っている。もうじきこっちに降りてくるだろう」

 

「そうなんですか。それでは援軍要請の方が都合がいいですね……。全ての部隊に出てきてもらいますか?」

 

「いや、五色だけでいい。今はそれで十分であろう」

 

「御意」

 

 

「……命拾いしたな、矢澤よ」

 

 

 綱成はそう呟き、本陣へと消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったく……無茶しすぎなのよ」

 

「……うるさい」

 

「貴女ねぇ、相手はあの黄備えでしょ?それをにこちゃんの軍だけでなんて無謀よ」

 

「ば、馬鹿にしないで」

 

「馬鹿になんかしてないわよ。私は矢澤軍が戦国最強だと思ってるし」

 

「じゃ、じゃあ!」

 

「でも、それとこれとは別。実際、にこちゃんもうボロボロじゃない」

 

「…………」

 

 そのにこの姿は、見るも無惨であった。

 致命傷は無いものの、鎧は所々壊れ、顔には切り傷や殴られて青くなった箇所が多数。

 足からも流血しており、しっかり立つのもやっとの状態である。

 

 

 

「ま、今回のにこちゃんの戦はここまでね」

 

「……は?何言ってるのよ、アンタ」

 

「はぁ?まさかにこちゃん、まだ戦に出ようとか思ってる?」

 

「当たり前でしょ。矢澤は戦国最……」

「ふざけるのもいい加減にしなさい」

 

 真姫の、いつもとは違う声がにこに刺さる。

 

「今、にこちゃんが戦場に出て行って何が出来る?貴女立ってるのもやっとでしょ?」

 

「……そんなこと」

 

「あるわよね。立てないのにどうやって戦うの?」

 

「………」

 

「大丈夫。にこちゃんがいないのは確かに痛いけど……でも、多くの武将達が援軍に来てくれてるじゃない」

 

「……にこは」

 

「?」

 

「にこはまだ……何にもしてない」

 

「はぁ?」

 

「この戦、高坂に何にも貢献してないって言ってるの」

 

「……本気で言ってる?」

 

「当たり前じゃない。まだにこはにこの役目を……」

 

「だから馬鹿って言われるのよ」

 

「何でよ」

 

「ほら、ツッコミにもキレがないし」

 

「……それとこれとは別でしょ」

 

「それで……もし、にこちゃんが自分の役目をまだ果たせてないって思ってるならそれは違うわよ」

 

「は?あんた何を言って……」

 

「黄備えに勝てなかったから、矢澤軍としての役目は果たしていない……。どうせそう思ってるんでしょ?」

 

「……それは否定しないけど」

 

「じゃあ今すぐその意味分かんない考えを正しなさい。にこちゃんはもう十分役目を果たしたわ」

 

「意味分かんない……こっちの方が意味分かんないわよ」

 

「にこちゃんは、高坂で一番武力があるからその分期待もされる。それと、にこちゃんの自信過剰な所。それがにこちゃんに色々と背負わせちゃってる。確かに大きなモノを背負う人は強いわ。でもね、背負いすぎると……人は駄目になるの」

 

「……自信過剰」

 

「相手がそこら辺の武将なら別よ?でも、今回の敵は黄備え・北条綱成。強敵との対峙は何が起こるか分からない……。それはにこちゃんが一番よく分かってるじゃない」

 

「………」

 

「私たちが、3回も戦国最強と言われた武田信玄に勝ってることと同じ。いくら戦国最強でも負ける時は負けるの。っていうか今回にこちゃんに求めてたのは黄備えに勝つことじゃないしね」

 

「……は、はぁ?」

 

「だってそうじゃない?突然あの黄備えと戦うのよ?どう考えたって勝ち目なんてないわよ。っていうかにこちゃん達は大健闘よ。ゲリラ黄備えをほぼ壊滅にもっていったのよ?綱成と他の取り巻きが強すぎてそんな風には思えなかったかもしれないけど……。黄備えの兵力は今、30もないわよ」

 

「だったら尚更倒さなきゃいけなかったじゃない」

 

「まあ、倒してくれるのに越したことはないんだけど……」

 

「ほら」

 

「それでも、30ってなると黄備えは今後の戦に参加出来ない可能性が高い。ってことは、かなり高坂が有利になるってわけ!分かった?」

 

 ずいっと真姫がにこに顔を寄せる。“分かった”と無理矢理言わせるつもりのようだ。

 

「わ、分かったわよ!!」

 

「よく出来ました♪」

「にこを何だと思ってるの?あんた」

「面倒な女」

「最低だわ、あんた」

 

「ともかく、にこちゃんは十分やってくれたから、戦は私たちに任せて本陣で休むこと。いい?」

 

「分かったって。頼んだわよ」

 

「ええ」

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「申し上げます!!綱成軍より、援軍の要請が来ております!!」

 

「何。綱成が苦戦しておるとな」

 

「相手は矢澤だったか」

 

「ああ。さすがは矢澤と言ったところだな」

 

「じゃあ皆さん、行っちゃいますか!」

 

「そうするか」

 

 

 4人の男達が腰を上げた。

 赤・青・黒・白の旗が戦場へと出陣する。北条五色備えの勢ぞろいであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、矢澤・綱成両軍の死者が転がった戦場には形容し難い程の大きな轟音と共に、震度4くらいの揺れが起こっていた。

 

 これらは全て高坂本隊が石垣山を転げ走って降りてきているのが原因である。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいぃぃぃいいやぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!」

 

「ほ、穂乃果!!!?」

 

 

「ぅえりちゃあああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!ーーーーーーーーーーーー」

 

 

 

「う、海未。今の見た?」

 

「は、はい。しっかりと」

 

「何が起こった?」

 

「理解し難いことが起こった気がします」

 

「何かが転げ落ちて行ったわよね」

 

「はい。凄い勢いで、絶叫しながら」

 

「…………」

 

「…………」

 

「あの子、大丈夫かしら」

 

「死んでるかもしれません」

 

「洒落にならないわよ、それ」

 

「…………」

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「義光ッ!!!!!!!」

 

「父上えええええぇぇぇぇぇ!!!!!!ーーーーーーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!!!!!」

 

「「!!!?」」

 

 再び、背後から絶叫。海未と絵里は心底驚いた表情で振り返る。

 

 

 刹那。

 

 

 

「絢瀬殿おおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!ーーーーーーーーーーーーーーーー」

 

 

 

 

 

 

「……デジャブ?」

 

「ですね」

 

「今、何か転げ落ちて行ったわよね、二回目だけど」

 

「はい。凄い勢いで、絶叫しながら、二回目ですが」

 

「………」

 

「………」

 

「大丈夫かしら」

 

「死んでるかもしれません」

 

「……まぁ義光殿ならいいわね」

 

「はい。少々鬱陶しいお方でしたからね」

 

「……というかもう平地ね」

 

「ようやく山を抜けましたね」

 

「……で?あの子達は?」

 

「……見渡す限りはどこにも」

 

「絢瀬殿!園田殿!」

 

「あ、はい」

 

「どうかしましたか?最上殿」

 

「義光を見なかったか!?」

 

「あー……」

 

「物凄い勢いで転がっていきましたよ」

 

「やはりか……。で、どこに行ったか分かるか?」

 

「いえ、残念ながら」

 

「そうか……」

 

「私たちも穂乃果を探していますので、一緒に探しましょうか」

 

「そうですな」

 

「まったく……世話のかかる御屋形様だこと」

 

「穂乃果ですから」

 

 

 

 

 高坂本隊は、戦をそっちのけで穂乃果・義光の捜索に入った。大丈夫なのか、これ。

 

 

 

 

 

 

 

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 北条綱成本陣———

 

 

「おぉ、綱成」

 

「無事でしたか?」

 

「ちょっと右腕をやられたが、後は無事だ」

 

「右腕をやられては、戦は難しいですな」

 

「そうですね……。最強さんがいなくなるのは痛いなぁ……」

 

「すまぬ、お主らを緊急出動させるつもりはなかったのだが……」

 

「気にしなさんな。我々、かなり暇を持て余していた所であった」

 

「そうそう。というかまず、綱成殿に全て武功を持っていかれる訳にはいかんしな」

 

「まったくだ」

 

「それで?綱成は見てるのか」

 

「そうさせていただく。今、某が戦に出ても足でまといだからな」

 

「承知した。それでは我々は行くとするか……」

 

「元忠、策はあれでいいのか?」

 

「ええ。アレで大丈夫だろう。高坂の背後には小太郎も控えておるし、氏照様も、綱成殿の息子もおるしな」

 

「そうと決まれば?やるしかないっしょ!」

 

「政家……その言葉遣いはなんとかならんのか」

 

「ならん!」

 

「なんてやつだ……」

 

「おい、政家などに構ってはおれんぞ。さっさと自分の軍の元へいかんか」

 

「分かってますよ、鬼軍曹」

 

「綱高にぴったりじゃな、鬼軍曹」

 

「ほざいとらんでさっさと行かんか!!」

 

「分かった、分かったから」

 

「さっさと仕事しますかね」

 

「暴れてやんぞぉお!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……五色備えは本当、個性が強い者しかおらんな」

 

「まったくだ……。もっと普通の人間が欲しかったわ」

 

「綱高殿も十分異常者だけどな」

 

「綱成もだろうが」

 

「否定はしない」

 

「……さて、高坂ももうそろそろ終わりだな」

 

「ああ。念願の敵討ちってわけだ」

 

「よし、北条が関東の覇者に返り咲く為にも、ひと暴れしてくるかな」

 

「頼んだ」

 

「あい分かった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「穂乃果!!」

 

「……んぁ、海未ちゃん」

 

「何をしてるんですか!!」

 

「見れば分かるでしょー?転げ落ちて、体を思いっきり打ち付けちゃったからのびてるの」

 

「意味がわかりません」

 

「いててて……本当、災難だよぉ」

 

「ほら、早く立ってください?」

  海未が手を差し出す。

 

「よいしょっと……。海未ちゃん、ありがと!」

 

「はぁ……。世話の焼ける殿様してますね」

 

「あはは……だって穂乃果だし?」

 

「戦国に来てもこういう所はやっぱり変わらないのですか……。悲しいですよ、穂乃果」

 

「何でっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あらら……」

 

「義光……」

 

 絵里と義守の目の前には、白目を剥き、よだれを垂らしてのびてしまっている義光があった。

 

 

「義光よ……父は悲しいぞ」

 

「完全に召されちゃってますね」

 

 絵里と義守、2人でぺちぺちと義光の頬を叩く。

 だが、返事はない。ただの義光のようだ。

 

 

「どうします?これ」

 

「仕方ない……。これは拙者が持って帰ります」

 

「いや、持って帰るのは当たり前なんですが」

 

「とりあえず、最上の陣で寝かせておきます。我々は戦に出なければならない故」

 

「そうですか。それでは頼みました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、穂乃果」

 

「絵里ちゃん!」

 

「見つかったのね、海未」

 

「はい。何とか」

 

「じゃあ、まずは陣を敷かなきゃダメね……。山中の陣は使えないし」

 

「そうですね。どうしましょうか」

 

「うーん、出来れば見晴らしの良い所が良いんだけど……」

 

 

 

 

 と、高坂軍。陣を敷く場所を捜索開始。

 

 

 しかし、現在高坂約2万の兵が陣が無いためその場所であたふたしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 北条からしたら、完全な攻め時である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「かかれぇぇぇぇえ!!!!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 東西南北。高坂軍を囲むように、赤・青・白・黒備えの大群が飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ……!?」

 

「うぇ……?」

 

「参りましたな……」

 

「北条の総攻撃……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 北条の命運をかけた一斉攻撃が始まった。

 

 





お疲れ様でした。
……高坂ピンチですね。さて、彼女達はどうやってこの状況を打破するのか。お楽しみですな。
珍しく、この北条戦、最後まで構成を練って書いてます。褒めてください(殴
次回、意外な人物が登場します。お楽しみに。

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