戦国ラブライブ! 〜みんなで作る戦国時代〜   作:pocky@

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どうもどうも、ポッキーですよ、ええ。
お元気ですかね?

今回はあれですね、窮地ですよ、うん。
今回で高坂が負けますね。うん、嘘です()

相変わらずわけわかんないので、理解してください。

それではどうぞごゆっくり。

前回感想をくださった
ウィングゼロさん
左京大夫さん
ありがとうございました!



第55幕 窮地

 

 

 

「殿、いかがなさいますか」

 

「いかがするもなにも……。やるしかないでしょ?」

 

「しかし、相手はあの北条綱成。変にぶつかろうものなら、我々はあっという間に……」

 

「ったくうるさいわね!!矢澤軍の兵ともあろう者が弱気すぎるのよ!!」

 

「しかし!!」

 

「あんたね、にこ達は戦国最強の騎馬隊よ?あの武田にも勝ったのよ?何を今更怖れる必要があるわけ!?」

 

「黄備えの強さはそこら辺の比ではありませんぞ!?」

 

「だから面白いんでしょうよ。あんたもまだまだね」

 

「は、はぁ?」

 

「強い部隊と一騎打ち出来るのよ?それより面白いことなんてないじゃない」

 

「意味が分かりません」

 

「何?じゃ、あんたは本陣に戻る?にこはそれでもいいわよ?」

 

「……では、せめて援軍を要請しましょう、お願いします、殿」

 

「出来ない」

 

「何故ですか」

 

 

 

「あの子達をこんな危険な敵と戦わせるわけにはいかない」

 

 

 

「………は?」

 

「相手の一番強い部隊と戦って勝つのが、高坂最強の先鋒隊のにこ達の役目。そして、高坂のみんなを守るのもにこ達の役目。……それなのに、ここで援軍なんて要請したら矢澤軍のいる意味、なくなるわよ」

 

「矢澤軍がいる意味、ですか」

 

「高坂最強部隊の誇りよ。あんたもこの矢澤軍の兵なら、それくらい考えなさい」

 

「……危険だと思ったらすぐに援軍を要請しに行きますからね」

 

「あんたもしつこいわね。大丈夫よ、そんなことにはさせないから」

 

 

 

 

戦闘態勢。

にこの目は、燃え滾っていた。最強部隊を倒す為に。

 

 

 

 

 

 

戦国ラブライブ! 第55幕 窮地

 

 

 

 

 

 

「相手は矢澤にこ。高坂で一番の猛将なり……。ってことで、一筋縄でいく相手じゃない」

 

「そうですね。“高坂の矢澤軍”をこの日の本に知らない者はいないくらい有名な部隊。その名に見合った……いえ、それ以上の武力を持った部隊です」

 

 

「いいか、皆の者!これは氏政様の敵討ちでもあるが、関東の最強部隊はどちらかを決める戦いでもある!!いつまでも関東最強の軍は矢澤にさせておくわけにはならん!!北条最強・黄備えの誇りにかけて、必ず勝つ!!!」

 

「「オォーー!!!」」

 

「この勝負の結果次第で、北条が高坂に勝つか負けるか、決まる可能性が高いぞ。いいな、皆の者。決して臆するな!!」

 

「「オォッ!!!」」

 

 

「時は満ちた……。全軍突撃じゃぁぁぁあ!!!!」

 

 

「「ワァァァァア!!!!!」」

 

 

北条最強・黄備えが遂に動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、みんな。行くわよ」

 

「「オォッ!!」」

 

「引いたら負け、いい?どんな時も攻めなさい。それが矢澤の戦い方よ」

 

「攻撃こそ最大の防御とはよく言ったものですな」

 

「……ってことで、今回はにこが先頭に立って戦うわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?」

「なによ」

 

「いやいや、殿が先頭?」

 

「何か問題あるわけ?」

「大問題です」

「ぬぅあんでよ」

 

「殿は後ろで待機を」

 

「嫌よ」

「ダメです」

 

「今回は先頭でやりたいの。ね?お願い」

「ダメです」

 

「………」

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おねがぁい!!」

「気持ちが悪いです」

「斬り殺すわよ?」

 

 

「もし殿が先頭で戦って、死んだなんてなったらどうするですか。我々が貴女を守らねばならぬのです。その様な勝手な行動は……」

 

「……死ぬとか死なないとか、今はそんなのどうでもいいでしょ」

 

「はい?」

 

「今、あんたが守らなきゃいけないのはにこじゃない。にこ達は高坂を守らなきゃいけないの。それはあんたも同じよ。もし仮にここでにこ達が負けてみなさい?高坂は終わりよ?にこはね、自分が死んでも高坂家が戦に勝てばいいと思ってる」

 

「そんなに背負っているのですか」

 

「当たり前じゃない。一応高坂最強部隊よ?」

 

「ま、まぁ」

 

「今、にこ達は攻めの姿勢を見せなきゃいけないの。だからその示しとして矢澤総大将であるにこが先頭で黄備えに突撃する。それがこの戦で勝つための鍵となるはずよ」

 

「どうしても、そうしなければならないのですか?」

 

「ええ」

 

「……そうですか。なら私はもう止めませんよ」

 

「そ。あんたもにこについて来なさいよ」

 

「ええ。私にだって最強部隊の誇りはありますから」

 

 

 

 

 

矢澤軍、総大将を先頭に黄備えとの激突が決定。

背水の陣である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァァァァァ!!!!!

 

 

 

「何!?矢澤にこが先頭だって!?」

 

「総大将が先頭とは……。馬鹿にもほどがある」

 

「いや、それくらい必死だということだ。我々もそれ位……いや、それ以上攻めねばならぬ」

 

「殿……」

 

「よし、我らも行くぞ。我々も第一線で戦うのだ。それが矢澤殿への誠意ともなる」

 

「「ハッ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぬるい」

 

 

戦場では、鮮血があちこちに散らばっていた。

これは全てにこによって斬り殺された黄備えの兵のモノである。

 

 

「氏政様のかたきぃぃいい!!!」

 

「……遅いって言ってるでしょ?」

 

赤く染まったにこの刀が再び一直線の軌道を描く。

 

「……ぅぁっ」

 

血が噴き出し、その兵はその場に崩れ落ちた。

 

 

 

「雑魚ばっかりね……。ただ数が多いだけか」

 

 

 

見ての通り、黄備えvs矢澤軍は矢澤軍の圧倒的優勢。戦場に横たわっている人々は皆、朽葉色の旗を背中にさしていた。

 

 

 

 

「殿、こちらはほとんど片付きましたぞ」

 

「こっちもばっちりよ。肩慣らしにもならないわよ、これ」

 

「そうですな……。しかし、未だ総大将の北条綱成殿の姿が見えていない故、気を抜くのは早いですぞ」

 

「誰も気なんか抜いてないわよ。……んまぁ、弱すぎて眠くなってきたけど」

 

「ゆるゆるじゃないですか」

 

「こういう時はにこにこにーをして、元気になるにこ♡」

「お断りします」

「ナニソレイミワカンナイ」

 

 

戦場で漫才とは……矢澤軍、余裕のよっちゃんといったところか。

 

しかし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「隙ありッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び鮮血が噴き出す。

……ん?何回鮮血が噴き出せばいいんだ?戦場なんでここ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……嘘、何故……っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

斬られたのは、北条の兵だった。

 

 

 

「隙なんてないわよ。ってかあんたが隙だらけよ」

 

「無念………」

 

「背後から斬りつけようとは……。考えが甘いですな、こやつは」

矢澤の筆頭家臣が斬られた兵を見下ろして言う。

 

 

「そろそろ綱成が来てもいいんじゃないかしら?もう飽きてきたんだけど」

 

「奇遇ですね、私もです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暇を持て余す矢澤の皆さん。

 

 

 

そして、ようやくにこ達の目の前に“倒すべき敵”が現れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やってくれるね、矢澤さんよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

北条綱成がようやく刀を持った。

 

「北条綱成……」

 

「ようやく来たわね。待ちくたびれたわよ」

 

「我々の兵達じゃ肩慣らしにもならんか」

 

「ええ」

 

「そうかそうか。それでこそ倒し甲斐があるってもんだ」

 

「ふーん、ようやく本気ってわけね」

 

「いつでも本気だ」

 

「よく言うわよ」

 

 

 

 

綱成の他にも続々とゴリラ、もとい屈強な男共が刀やら槍をもって現れる。

ゴリラに凶器を持たせてはいけません。

 

 

 

 

 

「さぁて、矢澤潰しといきますか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

高坂本陣——

 

 

 

 

こちら高坂本陣。矢澤にこにーが最強部隊と戦をしている中、彼女達はそんなことはつゆ知らずのんびりと希達を待ちつつ、真姫が外国から取り寄せた望遠鏡で小田原城の様子を見ていた。

 

 

 

 

 

「うーん、動きはないね」

 

「そうねぇ……。にこも戻ってこないし……」

 

「希ちゃん達もまだにゃ」

 

「何かあったのでしょうか……」

 

 

嫌な雰囲気が高坂を包む。

 

 

 

 

「……?なんだろう、アレ」

 

「ん?どうかしましたか、穂乃果」

 

望遠鏡を覗いていた穂乃果さん。何かを見つけた模様。

 

 

「あれだよ、あれ」

 

「どれですか」

 

「砂けむりが凄い……。……戦?」

 

「はい?」

 

「戦ですって?」

 

「うん。ちょっと覗いてみてよ」

 

 

絵里が望遠鏡を覗く。

 

 

そして、その望遠鏡が映し出した光景に、絵里は驚愕した。

 

 

 

 

「ちょっと待って。あれって北条の黄備えじゃない!?」

 

「き、きぞなえ?」

 

「何で黄備えが出陣しているわけ……?」

 

「黄備えとは確か、北条の最強部隊だったはずです」

 

「へー……ってそれ本当?」

 

「はい」

 

 

 

「申し上げます!!!!」

 

そこに、伝令役がかなり焦った表情を浮かべ、本陣へと情報をもたらした。

 

 

「どうかしたの!?」

 

「矢澤軍、北条綱成軍と対戦し、現在かなり危険な模様!!!」

 

「なっ……」

 

「にこちゃんが……?」

 

「……かなりまずいわね、これ」

 

「いかがなさいますか!!」

 

「黄備えが出陣してた理由はこれだったのね……!!」

 

「助けに行きましょう」

 

「うん、行こう!」

 

「でも迂闊に山をおりるわけにも……」

 

「にこちゃんを見殺しにするわけにはいかないよ」

 

「そうにゃ。助けに行こう」

 

「この際、作戦なんてどうでもいいです。今はにこを助けることを最優先に」

 

「……そうね。にこに死んでもらっちゃ困るし」

 

「よし、みんな!!今からにこちゃんを……」

 

 

 

 

 

 

「も、申し上げます!!!」

 

 

 

 

 

 

穂乃果の掛け声に伝令役の叫び声が割って入る。

 

 

 

「今度はどうしたの!!」

 

「割って入られた……」

「そこですか」

 

 

 

 

 

 

 

 

「石垣山、背後より風魔党が接近中!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……は」

 

「ちょ、ちょっと待って。風魔党!?」

 

「何でここに布陣してるって分かったのですか!?」

 

「ま、まずいよ、これ!!」

 

 

高坂本陣に衝撃が走る。

ここであの男がやってくるのか。

 

 

 

「と、とりあえず、山からおりましょう」

 

「そうですね、にこを助けに行かなければならないですし」

 

「みんな!!下山準備!!急いで!!」

 

「「はい!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ったくよぉ……。逃げ足速いな、高坂の皆さんは」

 

 

小太郎が高坂本陣にたどり着いた時には、そこは既にもぬけの空であった。

 

 

「んま、いいかな。俺様の役目は高坂を山から追い出すことだし?」

 

 

そう言って、小太郎はニヤリと笑う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで高坂もお終い……ってか?ええ?」

 

 

 

 

 

 

 

 




お疲れ様でした。

はて、高坂の終わりとは一体どういうことでしょうねえ?
KOSAKA NO OWARIうん、どっかで聞いたことあるね(殴

北条の作戦とは何なのでしょうかね。それは次回ということで。

それではまた次回もよろしくお願いします^^

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