戦国ラブライブ! 〜みんなで作る戦国時代〜   作:pocky@

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どうも、ポッキーです。
今回は番外編ということで。本編にて海未ちゃん登場……!ってことで、先にこれをやってしまおうという話です。

今回の話は絢瀬姉妹がメイン、といきたかったのですが、少々遊びすぎたようで(←
いつもと少し違う感じになってると思います。そして、少し長いです。それを踏まえて。

どうぞごゆっくり。

前回感想をくださった
ウィングゼロさん
GUMIさん
ありがとうございました!



番外編 門出

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……!……か!…のか!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雲ひとつなく晴れ渡った空が広がっていた日のこと。 ぽかぽかと暖かな空気が音ノ木坂城を包んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「穂乃果ッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はひぃぃっっ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日はとてもめでたい日……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして絵里が最愛の妹と別れる日……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「穂乃果!!今日は亜里沙の出立の日でしょう!?何でこんな真昼間まで寝ているのよ!!」

 

 

 

「あはは……」

 

「あははじゃない!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は絢瀬亜里沙……改め、武田亜里沙の門出の日です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦国ラブライブ! 番外編 門出

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「花陽ちゃあん!着物の用意出来てる〜?」

 

 

 

「うん!亜里沙ちゃんが着替える部屋にちゃんと準備してあるよ!」

 

「さすが花陽ちゃんだね♪準備が早い!」

 

「もちろんだよ〜!やることもまだまだあるし……」

 

「そうだねぇ。……よしっ!じゃあ気合いを入れて、頑張りましょぉ!」

 

「おぉー!」

 

 

朝からことりと花陽はバタバタと城内を走り回っていた。無論、亜里沙の出立の準備の為だ。

結婚式というものは何かと準備が必要なもので、めでたい反面、大変な労力を必要とする行事なのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エリー、穂乃果は?」

 

 

 

 

「……ん、あぁ。今起こしてきたわよ」

 

「いま、起きたのね」

 

「ええ。本当、ひどいモノよ……」

 

「あの子、放っておくとずぅっと寝てそうだものね」

 

「永遠に寝れるんじゃないかしら」

 

「……あり得る」

 

「ったく……。あんなに寝る体力があるなら、色々と手伝って欲しいわよ」

 

「でも、穂乃果は仮にも殿様だし?」

 

「……殿様禁止」

 

「ナニソレイミワカンナイ」

 

「ことりと花陽が頑張ってくれてるからいいけれど……。あの子達に任せっきりでも良かったのかしら」

 

「いいんじゃない?花陽達が任せてって言って来たんだし」

 

「でも、少しくらい手伝うのが礼儀ってものじゃない?」

 

「いや、変に手伝うのは邪魔になるだけだし」

 

「邪魔って……。やっぱり真姫はキツイわね」

 

「実際そうじゃない?何にも分からない私達が手伝うって言ったって、花陽達の足を引っ張るだけよ。効率よくする為にも任せた方がいいわ」

 

「……そう、なのかしら?」

 

「ええ」

 

「サバサバしてるわね、本当」

 

「エリー、貴女亜里沙ちゃんの所へ行かなくていいの?」

 

「……へ?」

 

「いや、だから、今日で武田に行くのよ?最後くらい話してきた方がいいんじゃない?」

 

「あぁ。そういうことね。それなら間に合ってるわよ」

 

「……どうして」

 

「だって、泣いちゃいそうじゃない」

 

「この間あれだけ泣いてたじゃない」

 

「だからもう泣きたくないの」

 

「そんな理由で?」

 

「ええ。最後は笑顔で……って決めたんだもの。それに、亜里沙の晴れ姿が涙でよく見えないなんて嫌だし」

 

「確かに、それもそうね」

 

「そ。そういうことだから」

 

「上手くいくといいわね、結婚式」

 

「……うん。武田の城でやるっていうから見には行けないけど、きっと大丈夫よ」

 

「ていうか失敗なんかさせたら私達が承知しないけど」

 

「ふふっ…。それもそうね」

 

「それじゃ、私は部屋に戻るわ。貿易のコトとか色々やらなきゃいけないし」

 

「それはご苦労なこと……。頑張ってね、真姫」

 

「……エリーもね」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「穂乃果ちゃーん、おるかー?」

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あれ、もう起きたんと違うんかな」

希は穂乃果に要があり、彼女の部屋の前まで来ていた。

しかし、いくら声を掛けても返事がない。

 

 

 

「どないしたんやろ」

 

希は考えた。穂乃果の返事がない理由を。

 

1つ。誰かに連れ去られた………はないな。穂乃果を連れ去って得をする大名はいない。

2つ。誰かに殺された………そんなことがあったらこの小説は終わる。

3つ。急病………穂乃果が急病?は、ナニソレイミワカンナイ

4つ。二度寝………いや、これしかない。

 

 

 

 

 

「穂乃果ちゃん、入るで!」

ガラッと勢いよく襖を希は開けた。そして、彼女の目の前にあった光景は………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐぁ……。んぐぅ……ふにゃぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………あらら」

 

着替え途中で寝落ちしたのであろう、関東を納める大大名・高坂家当主の穂乃果様の残念なお姿であった。

……あちこち肌が露出している。何と無防備な……。

破廉恥ですッ!!!!

 

 

 

 

 

「穂乃果ちゃん?そんな格好で寝とったら風邪ひくで?」

 

「……んがぁ」

 

「……ほのかちん?」

 

「………」

 

「ほーのーかーちゃあん!」

 

「んーみーちゃぁ……」

返事をしたぞ、この女。

 

「おぉ、寝言で返事とはスピリチュアルやね。……でも、うちは希なんよ〜?」

 

「……むにゃ」

 

「しょうがないなぁ……。これはもうお仕置きやんな」

 

「………」

 

「無言は肯定とみなすでぇ〜?それじゃ、穂乃果ちゃん!覚悟ッ!!」

 

 

希が必殺技の構えに入り、手をわしゃわしゃと動かし始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……穂乃果の危機だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わしわしマックスやぁぁぁあ!!!」

希の両手が穂乃果の両胸を鷲掴みにし、これでもかというほどわしわしする。……というか揉みしだく。もう原型をとどめていません、多分。

 

 

「ひゃぁぁぁぁあああ!!!??」

 

「あら、起きたぁ?」

 

「の、ののの希ちゃ!!?」

 

「にしし……。穂乃果ちゃんが二度寝してたんが悪いんよ〜?」

希さん、顔が悪魔です。

 

「……やっ!!いたっ、痛いって!!」

 

「んー?」

 

「んー?……じゃないよっ!!!」

 

「いやぁ、穂乃果ちんが反省しない限りはやめんで?」

 

「は、反省……っ!?」

 

「せや。こんな大事な日に二度寝なんてしてたんやし?」

 

「……ぁぁぁぁぁあ!!」

穂乃果の顔はすでに断末魔のソレ。限界が近い……いえ、限界のようです。

 

「……あら、やりすぎたかな?」

その顔に気づいた希は手を止める。

「ふわぁぁあ……」

 

「あはは、ごめんな穂乃果ちゃん。ちょっとやりすぎたわ」

 

「……やり、すぎです」

 

「ま、とりあえず早う着替えて亜里沙ちゃんの見送りの準備せなあかんで?」

 

「あ、うん」

 

「それに、今穂乃果ちゃん凄い格好しとるしな……にしし」

 

「?」

 

「ほな、風邪引かんようにな」

希は悪戯っぽい笑みを浮かべて、部屋を出て行った。

 

 

 

 

「凄い格好って何だろ?」

 

希の言い残した言葉につられるように、穂乃果はその視線を下に落とす。

 

 

 

 

「……!!?」

ソレにようやく気づいた穂乃果。その頬は次第に紅くなっていった。

 

「は、破廉恥……ですぅ?」

 

 

希のわしわしから逃れようとのたうちまわっていた穂乃果。元々少しはだけていた着物は下へ落ちてしまっており、穂乃果は下着一枚……となっていた。

 

 

あれ、皆さん、何をご想像しているのですか。そんな不純なことをご想像したあなた。今すぐ立ち去ってください、直ちに。……では、まず私が立ち去らなければなりませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何だコレ。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「ったく、何?穂乃果は二度寝して?希に滅茶苦茶にされたんだって?」

 

「あはは……気持ちよくてね」

 

「それに、着替えしながら寝るって何?貴女どれだけ器用なわけ?」

 

「人間その気になれば何だって出来るよ、真姫ちゃん!」

 

「そんなくだらない事で偉そうにしないでくれる?」

 

 

「というか、そもそも穂乃果ちゃんは寝すぎなんよ」

 

「寝すぎ?」

 

「うん。寝てる時間が勿体無いとか思わへんの?」

 

「……全く」

 

「穂乃果は寝る為に生きてるようなもんだからねぇ」

 

「……寝る為に生きてるっておかしくない?」

 

「ええ、変よ」

その場にいた全員がにこを流し目で見る。

 

「ぬぅあんでにこがおかしいみたいな雰囲気になってるのよ!?」

 

「とりあえず穂乃果、もう少ししっかりしなさい。お願いだから」

 

「……精進します」

 

「海未が見たら悲しむわよ、全く」

 

 

 

海未さんは悲しむというよりお怒りになられるのではないでしょうか?手刀で思いっきり切り裂かれそうですね。

 

 

 

「さて、私たちもそろそろ外へ出なきゃいけないんじゃない?」

 

「え、もう?」

 

「当たり前でしょ?みんなで見送ろうって言ったのあんたじゃない」

 

「とりあえず、絵里ちは泣かんようにせんとなぁ?」

 

「な、泣くわけないでしょう?」

 

「どの口が喋ってるのよ……。さっき最後は笑顔でって話したばっかりなのに、もう目に涙溜まってるじゃない」

 

「これは目にゴミが……」

 

「はいはい、ほな早く行って準備しよか」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「……これでいいのですか?」

 

 

 

 

「うんうんうんうん!!」

「はわわぁぁぁあ!!!」

 

 

 

「えっと……ことりさん?花陽さん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙は結婚式用の白い着物を身に纏い、準備は万端。……普通に可愛いと思います、というかいとうつくしうこそおはしけれ。

 

 

 

 

 

「花陽ちゃん!」

「ことりちゃん!」

「これは大成功だよ!」

「うんうん!可愛いね♪」

「着せ替えお人形さんみたい♪」

「お持ち帰りしたいです!!」

「武田に渡したくないなぁ……」

「やっぱり高坂で保持しておいたほうが……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……えっと、お二人さん?」

 

「「ぴぃっ!!?(ピャァッ!!?)」」

 

 

ことりと花陽は少し変なスイッチが入ったようで、目の前にある着せ替え人形……もとい、亜里沙を見て楽しんでいた。

なんせ、自分達が手がけた最高傑作である。化粧から着物のチョイスまで全てこの2人がやってのけた。

それ故、彼女達は亜里沙が愛らしくてたまらない様子である。

 

 

 

「そろそろ行きましょうか?出立の時間も近くなって来ましたし……」

 

「え、嘘、もうそんな時間なの?」

 

「やんやん!もっと見ていたかったなぁ……」

 

「ハラショー……」

 

「じゃあしょうがないね。籠の準備も出来てるし、外へ行こうか、亜里沙ちゃん!」

 

「……はい!」

 

「しっかり誘導してあげなきゃね♪」

 

 

 

 

 

亜里沙は危ないお姉様達のエスコートにより、城を出ることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「……さて、亜里沙ちゃん。私たちはここまでだから」

 

「……うん。ことり達もついて行ってあげたいけど、そうも行かないんだ」

 

「大丈夫です!分かってますから!」

 

「しっかり、ね。亜里沙ちゃんならきっと大丈夫だよ!」

 

「何かあったらすぐに言ってね!ことり達が駆けつけるから!」

 

「えへへ……ありがとうございます、花陽さん、ことりさん」

 

「それじゃ、門番さん!城門を開けて!」

 

 

「承知」

ことりの合図で、門番が城の門をゆっくりと開く。

 

 

 

 

 

そして、その門の隙間から大きな歓声が漏れてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さん……!!」

 

 

 

 

 

 

 

その門の向こうは、亜里沙を見送るために集まった人々でごった返していた。農民から城下町の商人、そして高坂の武士達。

あるものは大声で亜里沙に呼びかけ、またあるものは大号泣。でかでかと“結婚おめでとう”とかかれた横断幕すらあった。

 

 

亜里沙が進もうとすると、その人々の群れはそそくさと道の脇へ移動する。

そして、その群衆の奥には見慣れた顔ぶれが並んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「せーのっ!!」

 

 

 

 

 

 

「「「亜里沙(ちゃん)!!結婚おめでとう!!!!!!」」」

 

 

 

 

「……ありがとう、ございますっ!!」

 

 

 

 

「わ、凄いね!とっても可愛いよ!」

 

「そうね。……とても似合ってると思うわ」

 

「真姫ちゃん声小っちゃいにゃー!」

 

「亜里沙ちゃん、おめでとさんな♪めっちゃ似合っとるで?」

 

「ま、うちのチビ達の方が可愛いけど」

 

「にこっちは黙っとき」

 

「ぬぅあんでよ!!!」

 

 

 

 

そこにあったのはいつもと変わらぬ賑やかな高坂の風景。見慣れたこの景色も亜里沙は当分見られないことになる。

 

 

 

 

 

 

「あれ?お姉ちゃんと雪穂は……?」

亜里沙が気づく。行く前に絶対に会いたい2人。ソレがいないとは何事か。

 

 

 

 

 

 

「亜里沙ちゃん、後ろ」

 

「……え?」

穂乃果の呼びかけに反応した亜里沙が後ろを向く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「亜里沙、おめでとう」

 

 

 

 

 

 

 

「……雪穂!!」

 

そこには雪穂が立っていた。顔が少し腫れているのは触れないでおこうか。

 

 

 

「似合ってるね、綺麗……だよ」

 

「そう?ありがとう!」

 

「特に言うことはないんだけど……」

 

「…?」

 

「亜里沙はずっと私の親友だから。それだけは絶対だからね」

 

「……!雪穂!」

 

「それと、何かされたらすぐに言ってね?私が斬りにいくから」

 

「……目が本気だよ、雪穂」

 

「だって本気だもん」

 

「は、ハラショー」

 

「ま、そういうことだから、さっさと行った行った!」

そう言って雪穂は後ろを向き、顔を上げる。

 

「……じゃあね」

 

「……うん。また、ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……それで?絵里ちはいつまで隠れとるつもりなん?」

 

「そうだよ絵里ちゃん」

 

「エリー……。亜里沙ちゃん、行っちゃうわよ?」

 

 

 

「お姉ちゃん、いるの?」

「いないわ」

 

 

「……!?」

 

「いや、思いっきり返事しちゃってるし」

 

「ポンコツ絵里ちゃんにゃ」

 

「ふざけてないで早く挨拶しいや!時間がないんよ?」

 

「おねぇーちゃーん」

 

「……いないわ」

 

 

「だそうやから、亜里沙ちゃん行こうか」

 

「……え?本当にですか?」

 

「だってエリーが出てこないんだもの。仕方ないでしょ?」

 

「で、でも」

 

「放っておきなさい。絵里は絵里なりに考えてるから……さ」

 

「何を考えとるん?」

 

「さぁ?にこには分からないわよ。でも、これだけは分かる……姉のプライドってやつ?」

 

「はぁ?イミワカンナイ」

 

「姉さんやるのも大変なのよ。だから放っておきなさい」

 

「……にこっちがそこまで言うんなら」

 

「でも、亜里沙ちゃんはそれでいいの?」

 

「……はい!お姉ちゃんが決めたことなら」

 

「別に決めたとかそういうんじゃないと思うけど」

 

 

「じゃ、亜里沙ちゃん、これに乗るにゃ」

 

「あ、はい!」

 

 

亜里沙を武田まで運ぶ籠が登場する。これを星空の家臣達が担いでいくようだ。

 

 

 

「一応多めに護衛はつけておいたから、心配ないと思うよ!」

 

「ありがとうございます!」

 

「そんじゃ、本当にさよならやな」

 

「また会おうね、亜里沙ちゃん!」

 

「身体壊すんじゃないわよ?」

 

「……承知しました!では皆さん、今までありがとうございましたっ!」

亜里沙はそう言うと、パッと籠の中へ消えてしまった。

 

泣いているのを見られたくなかったからなのだろう。本当、誰かさんにそっくりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……行っちゃったね」

 

「ええ」

 

「妹が1人旅立った……また淋しくなるわね」

 

「にしても、あれはないんちゃう?絵里ち」

 

「……そうね。最後の最後に面会拒否って何?アリエナイわよ?」

 

「お姉ちゃんのプライドだよ!」

 

「いや、うちには分からんし」

 

「希……あんたねぇ、お姉ちゃんも中々楽じゃないのよ?」

 

「いや、それでもアレはないやろ」

 

「絵里が出たくないっていうんだから仕方ないでしょ?ねぇ、絵里」

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

返事はない、ただのしかばねのようだ。

……ドラ○エか。

 

 

 

 

 

 

 

 

「って絵里?」

 

「絵里ち?いつまで隠れとるん?」

 

「絵里ちゃーん」

 

いくら呼びかけても返事が返ってこない。おかしいと思った真姫が絵里が隠れていた場所へ向かう。

 

 

「エリー!いつまで隠れて……ゔぇぇ!?」

 

 

「ど、どうしたん!?」

 

「え、エリーが……」

 

「絵里ちが……?」

「絵里ちゃんが……?」

 

「エリーが、いない!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

少し高い丘の上に金色のポニーテールが1人。何かを待っているのか、川を挟んだ向こう側の道を凝視している。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………亜里沙」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、向こうの道が賑やかになってきた。多くの足軽達が列をなし、ゾロゾロと歩いてくる。

奥の方からは煌びやかな籠が1つ。

 

 

 

 

 

 

 

それを見つけた絵里は大きく息を吸って

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「亜里沙ぁぁぁあ!!!!結婚おめでとぉぉぉぉお!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その叫びが亜里沙に届いていると信じて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ありがとう、亜里沙———

 

 

 

 

 

 

 





お疲れ様でした。
亜里沙ちゃんを泣かせたら許さんぞ、武田よ。

少々文の書き方等を変えたのですが、いかがでしょう?
……ん?分からない?そうですか、ならこれでいきましょう。

次回からは本編へ戻ります。
海未ちゃぁぁぁあ!!!(←

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