戦国ラブライブ! 〜みんなで作る戦国時代〜   作:pocky@

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どうも、ポッキーです。

今回は題名通り、姉妹のお話です。何か訳わかんないことになってますが、いつもの事なので気にしないでください(殴


それではどうぞごゆっくり。



前回感想をくださった
ウィングゼロさん
GUMIさん
ありがとうございました!




第47幕 姉妹

 

 

 

「…あ、お姉ちゃん!」

 

 

「そうよ」

 

 

「声がいつもと違ったから誰かと思ったよ?」

 

 

「…そう?いつもと変わらないと思うけど」

 

 

「えー、嘘だよ。何かこう…」

 

 

「…こう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃんの声…冷たくなった?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦国ラブライブ! 第47幕 姉妹

 

 

 

 

 

 

 

 

「冷たくなった…?」

 

 

「うん。いつものお姉ちゃんじゃないよ」

 

 

「…いつも通りだけれど」

 

 

「嘘だよ」

 

 

「嘘じゃないわ」

 

 

「嘘!だってお姉ちゃんの目…。亜里沙が好きなお姉ちゃんの目じゃないもん」

 

 

「…どういうこと?」

 

 

「いつも温かく見ててくれるお姉ちゃんの目じゃないの」

 

 

「…そう?」

 

 

「絶対。妹が言うんだから絶対だよ」

 

 

「…」

 

 

 

「何か今のお姉ちゃん…昔のお姉ちゃんみたい」

 

 

 

 

「昔の…」

 

 

 

「うん。高坂に入る前のお姉ちゃんに」

 

 

 

「…」

 

 

 

 

「どうしたの…?お姉ちゃん…」

 

 

 

 

「…どうした?どうもこうもないわよ」

 

 

「…?」

 

 

「貴女…武田へ行くって言ったのよね?」

 

 

「あー…うん」

 

 

「…どうして?何で武田なんかに」

 

 

「だって、亜里沙戦出来ないし…これ位しか高坂の為には出来ないから…」

 

 

「まさか…そんな理由で行くって言ったの?」

 

 

「うん」

 

 

 

 

 

 

絵里の目が変わった。

 

 

 

 

「ふざけないで」

 

 

 

 

今までただ冷たかった絵里の目が、熱を帯びていく。

 

 

 

 

「高坂の為に…?高坂の為だけに武田に行くっていうの!?」

 

 

 

 

「…そうだよ」

 

 

 

「認められないわ」

 

 

 

 

「どうして…?高坂のみんなは命がけで頑張って…!!」

 

 

 

 

「…」

 

 

「それなのに亜里沙は見てるだけなんだよ!?」

 

 

「亜里沙…」

 

 

「もう何にも出来ないのは嫌なの…!!」

 

 

 

 

亜里沙が全ての想いを絵里にぶつけた。

亜里沙の視線は、真っ直ぐに絵里へと向けられている。

 

 

 

 

「…私はね?亜里沙」

 

 

 

「…」

 

 

 

「貴女に幸せになって欲しい…。常にそう思ってるの」

 

 

 

「幸せに…?」

 

 

 

「そう。だから、今回の政略結婚なんて亜里沙の姉として認めるわけにはいかないの」

 

 

 

「…」

 

 

 

「結婚相手くらい自由に決めさせたい…。亜里沙が好きになった人と結婚させてあげたい…。そう思うのは姉として普通でしょ?」

 

 

 

 

次第に、絵里の口調が柔らかくなっていく。亜里沙を優しく包むような温かさがあった。

 

 

 

「亜里沙は小さい頃から上杉とかに人質に出されて…大変な思いも沢山してきたはずよ。それなのにまた高坂の事情で政略結婚なんて…。絶対にさせたくないの」

 

 

「…でも、それを蹴ったらお姉ちゃん達、また武田と戦するんだよ?亜里沙はそんなの見たくない…」

 

 

「大丈夫。穂乃果も私たちが決めたことについていくって言ってくれてるから…」

 

 

「でも!」

 

 

「戦の準備はいつでも出来てるわ」

 

 

 

 

「亜里沙の為に誰かが死ぬのは嫌なの…!」

 

 

 

 

「…死ぬ?」

 

 

「うん。戦をするって事は誰かが死ぬってことだよ?しかも相手が武田ってなれば尚更だよ?亜里沙が武田に行けば済む話なのに…無意味な戦は起こしたくない」

 

 

「無意味…ね」

 

 

 

 

「そう。だから…亜里沙は武田に行く!!」

 

 

 

 

「…どうしても?」

 

 

「うん」

 

 

「何があっても?」

 

 

「うん」

 

 

「良いことが待ってるとは思えないわよ?」

 

 

「…そんなの、行ってみないと分からないよ」

 

 

「武田が裏切る可能性だってあるのよ?」

 

 

「亜里沙がそんな事はさせない」

 

 

「どうやって」

 

 

「分かんないよ。でも、出来る気がするの」

 

 

「根拠が全くないわね…。穂乃果みたいだわ」

 

 

「えへへ…。穂乃果さんが乗り移ったかな?」

 

 

「そうかもね」

 

 

 

 

何とも言えない姉妹の会話。ただ、少しばかりの寂しさがあったのは確かである。

 

 

 

 

「…じゃあ、私はこれで」

 

 

「…武田の話は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…勝手になさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里は、その言葉を喉の奥から振り絞った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、その声は少し震えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「…絵里ちゃん」

 

 

「…穂乃果。外にいたの?」

 

 

 

 

絵里が亜里沙の部屋から出てきた時、真っ先に迎えたのは穂乃果だった。

なんでも、話が終わるまでずっと部屋の外で待っていたという。

 

 

 

 

 

「何?貴女…ずっと聞いてたの?」

 

 

「あはは…。気になっちゃって」

 

 

「…まぁいいわ。じゃあ報告する必要もないわね」

 

 

「うん」

 

 

「…そういうことだから」

 

 

 

 

絵里は穂乃果に背を向け、立ち去ろうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「絵里ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それを穂乃果が引き止める。

 

 

 

 

「…何?」

 

 

 

 

 

 

 

「泣いて…いいんだよ?」

 

 

 

 

「…は?」

 

 

 

 

 

「一人で泣く気だったんだよね?」

 

 

 

 

 

「…違うわよ」

 

 

 

 

 

「いや、目に涙溜めてる人がそんなこと言っても…ねぇ?」

 

 

 

 

 

絵里は慌てて涙を拭う。

 

 

 

 

「…私ですら亜里沙ちゃんが武田に行っちゃうのは悲しいよ?お姉ちゃんの絵里ちゃんなら尚更だよね?」

 

 

 

「…」

 

 

 

「分かるよ。今の絵里ちゃんの気持ち」

 

 

「…どうしてよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…私は海未ちゃんを亡くしてるから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あ」

 

 

 

 

「だから分かるの。今の絵里ちゃんの気持ち」

 

 

 

 

「穂乃果…」

 

 

 

 

「だから…ね?絵里ちゃん」

 

 

 

穂乃果が大きく両手を広げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…泣いていいんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優しくかけられた穂乃果の言葉。絵里の涙腺は決壊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嫌…なの…よ!!亜里沙…亜里沙…がっ…!!」

 

 

 

「うんうん。そうだね…」

 

 

 

「私…は、まだっ…!あの子に…何にもして…あげれてっ…ない…のに!!」

 

 

 

「…大丈夫。亜里沙ちゃんはちゃんと分かってるよ。絵里ちゃんがどれだけ亜里沙ちゃんを大切に思ってるか。だから、大丈夫」

 

 

 

「でも…でもっ!!」

 

 

 

「絵里ちゃんは亜里沙ちゃんにいっぱい好きって気持ちをあげ続けた…。これは亜里沙ちゃんにとってこれ以上ない贈り物だったと思うよ?」

 

 

 

 

「気持ちを…?私、が…?」

 

 

 

 

「うん。だからさ、亜里沙ちゃんが武田さんの所に行っちゃってもさ…いっぱい、いぃっぱい、その気持ちを亜里沙ちゃんにあげよ?それだけで亜里沙ちゃんは十分だと思う」

 

 

 

 

 

「好きの気持ちを亜里沙に…」

 

 

 

 

「そう。好きっていう力があればどこまでだって飛べるんだから…!!」

 

 

 

 

「好きの力で…飛ぶ、か」

 

 

 

「うん!大好きを信じれば頑張れる…。だからさ、笑顔で亜里沙ちゃんを送ってあげよ!せっかくの門出なんだしね!」

 

 

 

 

 

「…ええ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里の凍った心は完全に溶けきった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「…いやー、穂乃果ちゃんはほんまに凄いな」

 

 

 

 

「ええ。あのエリーを溶かすなんて…」

 

 

 

 

「最早才能やな。穂乃果ちゃんがうちらの御屋形様で良かったわ」

 

 

 

「…そうね。穂乃果がいるから今の私たちが成り立ってるわけだし」

 

 

 

「お、真姫ちゃん素直やな」

 

 

 

「しょうがないでしょ?事実なんだもの」

 

 

 

「じゃあ穂乃果ちゃんに感謝やね!」

 

 

 

「ええ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあうちは武田んとこ行ってくるかなぁ?」

 

 

 

「…は?何を言い出すのよ、いきなり」

 

 

 

「当たり前やろ?うちらの亜里沙ちゃんをやるんやで?泣かせたら許さんくらい言っとかんと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本気でいってるの?」

 

 

 

 

 

「あはは…行くっていうのは冗談や」

 

 

 

 

「ったく…」

 

 

 

 

 

「でも、亜里沙ちゃんの事はほんまやで。絶対幸せにしてもらわんとな」

 

 

 

 

 

 

「そうね。何かあったら武田と言えどただじゃおかないわ」

 

 

 

 

「それじゃ、とりあえず大広間行こか。穂乃果ちゃんと絵里ちが向かったみたいやし」

 

 

 

「集合がかかるだろうしね」

 

 

 

 

 

「せやな。亜里沙ちゃんの門出を盛大に祝うで!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙の武田行きが決定した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これにより、高坂と武田は同盟関係となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

武蔵(東京)某所——

 

 

 

 

 

 

 

 

「んん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある一人の人物が音ノ木坂付近にやって来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ここは?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この人物が、高坂を大きく揺るがすことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 




お疲れ様でした。

泣きシーン下手すぎて泣けますねぇ…。
そして途中でHtHの歌詞が浮かんできた為に、ちょっとぶっ込むという謎の展開。ありがとう(←

とりあえず、亜里沙ちゃんを止めることは出来ませんでした、申し訳ございません。

…辛い(;_;)



次回は急展開かな?(いつもだ

…勘のいい方はもうお気づきでしょう?
気づいても、まだ静かにしてくださいね♪

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