戦国ラブライブ! 〜みんなで作る戦国時代〜   作:pocky@

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第2話となります。前回よりはましになったと思います。どうぞごゆっくりお楽しみ下さい。


第二幕 巨大勢力

[第二幕 巨大勢力]

 

前回のラブライブ!

穂乃果は宿題のために倉庫でアルバムを捜していた。しかしその倉庫はほのババ曰く異次元に繋がる倉庫らしい。そんなことがあるわけがないと思っていたが、本当に異次元に繋がってしまった! どこか分からない場所に投げ出された穂乃果はどうすることも出来ないでいた。

しかしそこで1人の少女と出会う。

 

 

〜〜〜穂乃果、絶対あの倉庫へは入るんじゃないよ。違う世界に飛ばされちまうからね。いいかい?だがね、万が一、違う世界へ行っちまったときのために自分の世界に戻る方法を教えておくよ。それはね、その飛ばされた世界で課せられた天命を果たすこと。それ以外はないからの。覚えておくんだよ?〜〜〜

 

 

「海未ちゃん...?」

 

 

私の目の前に現れたのは海未ちゃんだった。

 

知ってる人が目の前にいる、それだけでとても安心した。

 

「殿...?殿にございますか?」

 

けれどその言葉を聞いて私の安心は再び不安へと変わった。

だってその海未ちゃんは私が知ってる海未ちゃんではない事に気付いたから。

まあ、馬に乗ってこんな変なとこににいる時点でおかしいって思ってはいたんだけどね。

 

「どこに行っていたんですか。城のみんなも心配していますよ?」

 

何を喋っているのか意味が分からなかった。

 

「ええと、ごめんね、海未ちゃん。私、何にも分からないんだ。何でこんな所にいるのかも」

 

私は事実をそのまま話した。

 

「!!!....そうですか。殿。ならば城に戻って休まれて下さい。そうすれば多少は記憶が戻るでしょう」

 

海未ちゃんは私が頭でも打って記憶が飛んだのだとも思ったんだろうね。

 

「え、いや、ちょっと!?城って何さ!!」

 

「城も忘れたのですか。かなり重症のようですね...。ほら、早く戻りますよ」

 

私はそのまま城へ連れて行かれた。

 

〜鹿嶋城〜

 

私が連れてこられたのは鹿嶋城という城。茨城県の沿岸にあり、戦国大名「高坂家」の本城だったの。

 

「...んん...?」

 

「殿、目を覚まされましたか」

 

色々あってかなり疲れてたのか、しばらく寝ていたみたい。

 

「それで?殿。何か思い出されましたか?」

 

海未ちゃん、思い出すわけがないよ。なんせ私は殿様じゃないからね。

 

「ちょっと待って、海未ちゃん。まず穂乃果の質問に答えてくれる?」

 

「ええ、いくらでも」

 

「あのね、穂乃果ね、ここがどこだか分からないの。まずそれに答えてくれる?」

 

「ここですか?ここは高坂家本城の鹿嶋城にございます」

 

「じゃあもう1つ聞くね?今って...何時代?」

 

 

「今ですか?今この世は乱世。戦国の世でございます」

 

 

あぁ、そうなんだ。私は絶望したよ。

私は異次元なんかに来たんじゃない。

戦国時代へタイムスリップしてきたんだ。

 

「殿。本当に全て忘れてしまったのですか?」

 

「うーん、忘れたも何も穂乃果は戦国時代の人じゃないからなぁ」

 

「何をおっしゃられているのですか。寝言は寝て喋って下さい」

 

「寝言じゃないよぉ!起きてるもん!」

 

「そうですか。全て忘れているのなら私達家臣の紹介も必要でしょう。今家臣を集めてきますので、少々お待ち下さい」

 

そう言って海未ちゃんは部屋を出て行った。この時代の海未ちゃんも行動が速くて的確だったんだね。

 

1人で部屋にいる間少し考えたの。どうしたらこの時代から現代に戻れるのか。

 

そしたらね。

何と!思い出しちゃったの!穂乃果凄いでしょ♪

 

確かその方法はお婆ちゃんが話してた気がする。その時代で与えられた天命を果たすとか何とか。ならやることは1つだよね。

 

でも私に与えられた天命って何なのか分からなかった。だから私は流れに身を任せることにしたんだ。

 

 

「殿ー?高坂家の重鎮、私を含め8名連れて参りました」

 

「うん、入っていいよ」

 

部屋のふすまがあいた。海未ちゃんを先頭にゾロゾロと人が入ってくる。

 

「え....!?」

 

私はまた驚いたよ。集まった8人はみんな私が知っている顔なんだもの。

 

 

それはμ'sのメンバーだった。

 

 

「殿。殿の記憶はもうどうしようもないみたいですので、一からもう一度覚えていただきます。なので、まずは高坂家家臣から覚えて下さい」

 

「う、うん。分かったよ、海未ちゃん」

 

「ではまず私から。

高坂家家臣、園田海未と申します。高坂家では軍師をやらせていただいております。また、我が園田軍は弓兵が基本ですので、部隊の配置を支持する際はご参考までに。家紋は弓のマークとなっております。ということで殿。改めてよろしくお願い申しあげます」

 

しっかりした挨拶だったなぁ。相変わらずの海未ちゃんって感じ。

 

「次は私が。

高坂家家臣、絢瀬絵里。私も海未と同様、軍師をやらせてもらっているわ。私の絢瀬軍は槍兵隊が基本よ。家紋はRの逆のマークだから間違えないでね。では穂乃果殿?よろしくお願いします」

 

絵里ちゃんの挨拶。海未ちゃんと同じでしっかりしてたよ。この時代でも頼りになりそうだね。

 

「じゃあ次はことり!

えー、高坂家家臣、南ことりです♪

高坂家では基本後方支援をしているかな?南軍は全ての種類の兵がいるから色々使っていいよ♪ 家紋はことりのマークだよ!覚えててね!

それでは殿!よろしくお願いします!」

 

ことりちゃんはこの時代でもふわふわしてたなぁ。

 

「次は私かしら?

高坂家家臣、西木野真姫よ。高坂家では軍師とか色々してるわ。私の父上は外国と繋がりがあるから大型船とか戦に役立つものを色々調達できるわ。いつでも言ってちょうだい。西木野軍は鉄砲隊を組んでるのよ。それと、家紋は星のマークだから。そこら辺覚えておいてよ。それじゃ、よろしくね」

 

真姫ちゃんは相変わらずだったなぁ。この時代でもこんな感じだったんだね。

 

「次は私だね!

高坂家家臣、小泉花陽です!えっと...高坂家では使い番をしてます!私が使い番なんて...本当に光栄です!家紋はご飯です!!それでは殿。よろしくお願いします」

 

家紋がご飯なんてかよちゃんらしくて可愛いよね♪

 

「次は凛かにゃ!

高坂家家臣!星空凛!高坂家では間者をしているにゃ!偵察は凛にお任せ下さい!星空軍は忍者隊だからね!覚えておいて欲しいにゃ〜 家紋は猫さんのマーク!じゃあ殿、よろしくお願いします!」

 

凛ちゃんも相変わらず元気いっぱいだったなぁ。凛ちゃんは忍者なんだよ!

 

「次はにこね!

高坂家家臣!矢澤にこよ!高坂家では戦の時によく先鋒をしているわね。にこの軍隊は武田にも負けない騎馬隊にこ!家紋はにこちゃんマークだからね、覚えておきなさい。それでは殿ぉ?よろしくお願いしまぁす♡」

 

あはは...にこちゃんも相変わらずだったなぁ。でもにこちゃんの騎馬隊は本当に凄いんだよ!

 

「最後はうちやね。

高坂家家臣、東條希。高坂家では色々してるかなぁ?まぁ、何でも出来るから困ったらうちにお任せやで♪ 東條軍も何でもいるから好きに使ってええからね。じゃあ、殿。よろしくお願いします」

 

希ちゃんは何でも出来るんだよ!やっぱりこの時代でも変わらないね。

 

「と、いうことです。殿。理解しましたか?」

 

海未ちゃん、ちょっと顔が怖いよ?

 

「うんうん!理解したよ!...それで質問。戦国時代ってことはやっぱり戦争とかするの...?」

 

「それはもちろんです。やらなければやられるので」

 

「そ、そうなんだ...」

 

「あぁ、そうでした、殿。殿はどのような世の中を作りたいのですか?」

 

いきなりだったよ。私が世界を作るなんて考えたこともなかったから返答に困ったけど、これしかないかなと思って言葉にしたんだ。

 

「えっとね... 戦がない世界!みんなが幸せに暮らせる世界かなぁ?」

 

「流石ね。記憶がなくなっててもその信念は変わってない」

 

絵里ちゃん曰く本当の殿様も戦争がない世界を作りたかったみたい。

 

「では、殿。現在の高坂家の状況をお話しいたしますね」

 

「状況?どういうこと?」

 

「何?そんなことも分からなくなっちゃったの?ただのポンコツじゃない」

 

「真姫... 一応相手は御屋形様よ?もう少し言葉を慎みなさい」

 

「いいの!絵里ちゃん!みんなもそんなにかしこまらないでね、友達だと思って話して欲しいな」

 

「いや、でも殿!それでは...」

 

「じゃあ命令!みんな!穂乃果の友達になってよ!」

 

「中々ええ命令やね♪ 楽しそうでええやん!」

 

「そうね、私もその命令には従うわ」

 

「ことりも〜♪何だか御屋形様と友達なんて楽しそう♪」

 

「凛もにゃー!」

 

「私も従います!」

 

「しょうがないわねぇ。にこがあんたの友達になってあげるわよ!」

 

「みんな... しょうがないわね...」

 

「まあこういうのもよろしいのではないでしょうか。全員の距離も縮まりそうですし」

 

「そうだよね!てことでみんな!これからは穂乃果のこと殿なんて呼ばなくていいからねー!それじゃあ今日は解散ということで....」

 

「ダメです。あなたには覚えてもらわなくてはならないことが山ほどあります。皆さんもまだここにいて下さい?」

 

「海未ちゃんの鬼ぃ...!」

 

「何かいいましたか?」

 

「い、いえ!何も言ってません!!」

 

「そうですか。なら今の高坂家の状況について話していきますね。絵里、お願いします」

 

「分かったわ。ということで殿...いえ、穂乃果。あなたが当主である高坂家は現在この茨城の一部を治めているわ。昔は北関東全てを治めていたんだけど...。北条によって現在の領地まで減らされてしまったわ」

 

「その...北条っていうのは?」

 

「この関東を治める大大名よ。高坂家は北条に攻められた時、本当にギリギリの状態で現在の領地を死守したの。だから現在関東を治める大名は北条と高坂のみ。といってもうちはさっき話した通りほんの少しの領地だから関東は北条だけで治めているようなものね」

 

「へー、そんなに凄いんだね、北条さん」

 

「ええ。そしてその北条の狙いは関東の完全統一。穂乃果。どういう意味だか分かる?」

 

「えーっと、完全統一ってことは関東の全部を自分の領地にするってことだよね...。ってことは!?」

 

「そう、いつ北条がこちらに攻めてくるか分からないってこと。はっきりいって攻めてこられたら高坂としてはひとたまりもないわね。現在こちらで用意できる兵力は約3000。対して北条は30000以上かしらね」

 

「ってことは10倍!?」

 

「そう。正面からぶち当たったらもう一瞬にして高坂は破滅する」

 

「ってことはどうなるの?」

 

「穂乃果、あなたは確実に首を刎ねられるわ」

 

「....!?え、私死ぬの!?」

 

「ええ、まあそうなるわね。北条は相手が降伏してもその当主は必ず殺すから...。北条を倒さない限りあなたはほぼ確実に死ぬの。まぁ、私達家臣がそんなことはさせないけどね」

 

「絵里ちゃん....」

 

「高坂はそんな危機的状況なの。今はただ北条が攻めてこないことを願うことしか出来ないわ」

 

「そうなんだ....。じゃあ穂乃果が何とかするよ!」

 

「何ともならないわ。あなたどうする気なのよ。北条を高坂が倒せると思う?」

 

「無理ですね」

 

「無理ね」

 

「〜〜〜ッ!!!っもう!!何なのさ!まだやってもいないのに!!!何でそんなにすぐ諦めちゃうの!?その北条さんを倒さなきゃ未来はないんでしょ!?だったらやるしかないじゃん!!!そうでしょ!?違うの!?」

 

「...!穂乃果...。あなたという人は...」

 

「ただのバカね」

 

「真姫、私も同意よ」

 

「ごめんね?穂乃果ちゃん。ことりもそう思う...」

 

「凛もにゃ〜」

 

「私もそう思う...かな?」

 

「どうしようもないバカね」

 

「うーん、うちのスピリチュアルパワーでもどうにもならんくらいのバカやね」

 

 

みんなからバカって言われちゃったよ。

 

 

「でも穂乃果。私達が間違っていました。確かに諦めるのは早いですね。何か逃げ抜く策を考えましょう。北条は多分まだ攻めてこないでしょうし」

 

「ええ、そうね。諦めるのは早すぎたわね。策を考えましょう」

 

「もしもの時はにこの騎馬隊で蹴散らしてやるにこ♪」

 

「にこちゃん、あんた死ぬわよ」

 

「せやな。真姫ちゃんのいう通りや。死ぬで」

 

「じょ、冗談に決まってるでしょ?にこがそんなバカなことするわけないでしょう?」

 

「いや、しそうや」

 

「すると思うにゃ」

 

「せめて晒し首にはさせないように私達も頑張るわよ」

 

まるで部室にいるようだったよ。時代は違ってもμ'sはμ'sなんだって実感した瞬間だった。

 

すると凄い足音が聞こえてきたんだ。

 

ドタドタドタドタドタドタドタ ガラッ!!

 

「大変です!!大変です!!」

 

花陽ちゃんだった。血相を変えて叫んでた。

 

「どうしたんです、花陽!!」

 

「そのっ!!北条氏政公がっ!!!」

 

「まさか...」

 

「約25000の軍勢でこちらに進軍中!!到着は明日の未明になる模様!!!!」

 

「25000...? そんなことが....」

 

「タイミング悪いわね、本当。イミワカンナイ」

 

「海未ッ!すぐに策をたてるわよ!凛!あなたは北条軍の動きを偵察して来なさい!!随時連絡するように! ことり!花陽!今すぐ門を全て閉めて! にこ!あなたは黙って待ってなさい! 希、真姫!あなた達も策をたてるのを手伝って! いい!?」

 

 

「「ハイッ!!!!」」

 

 

あの時の絵里ちゃんは凄かったなぁ。あんなにすぐにみんなに指示を送れるなんてね。私はただ見てることしか出来なかった。何とかするって言ったのに情け無いよ....。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

約1時間くらいだったかな。凛ちゃんを除くみんなが大広間に集まった。

 

「さっきも話していた通り、北条と真正面からぶつかったら瞬殺されるわ。だから策を立てたわ。この策は運も絡んでくるけど...。でも一番勝つ確率が高い策よ。だからみんなよく聞いてちょうだい。海未」

 

「では私が説明しますね。作戦はこうです。神奈川の北条がこの鹿嶋城まで来るためには埼玉付近で森の一本道を通る必要があります。一本道ということは25000の大群は一列に並んで通過するしかありません。ひらけた場所ですと25000の大群と一気に激突することになりますが、一本道では25000の大群が一列になる故、一点集中で攻撃すれば25000の大群を相手にすることなく勝てる可能性があります。ここまで分かりましたか?」

 

「えっと...一本道だと25000の大群が縦に並ぶから攻撃した場所から離れた所にいる人達は戦いに参加出来ないってことだよね?

いや、でも、どうやって攻撃するの?一本道でしょ?」

 

「それは凛1人に攻撃してもらいます」

 

「ええ!?凛ちゃん1人に!?危ないよ!!凛ちゃん死んじゃうよ!?」

 

「ええ、その可能性は否定出来ませんが...」

 

「じゃあその作戦はダメだよ!!!」

 

「穂乃果。まだ作戦の説明は終わってないわ。最後まで聞いてちょうだい」

 

「では続きを。先程話した一本道で凛に氏政公1人のみを狙って奇襲をかけてもらいます。凛曰く、林の茂みの中からなら絶対に気づかれないとのことでしたので。

話が変わりますが、現在北条軍は神奈川の北にいるとのこと」

 

「じゃ、じゃあその埼玉の一本道まであと少しだね...」

 

「いえ、まだ奇襲は仕掛けません」

 

「え、どういうこと?」

 

「これから我が軍は真姫の大型船で小田原城に向かいます。そして到着後、船上から火矢を放ち、小田原城を攻め落とします。すると北条軍は必ず引き返してきますよね?本城が燃やされたとなるとかなり焦って引き返すことでしょう。人は焦ると周りが見えなくなる傾向にあります」

 

「あ!ということはその焦った北条さんを凛ちゃんがあの一本道で一気に討つんだね!」

 

「一応そういう作戦になっています。しかし上手くいく可能性は約20%...」

 

「大丈夫!可能性があるなら進むべきだよ!それしか方法はないんだから!」

 

「フフッ....そうですね」

 

「じゃあみんな!北条さんを倒すよ!!」

 

「「オーー!!」」

 

 

 

 

「穂乃果はすることないの!?絵里ちゃん!」

 

「ないわ。唯一出来ることは凛と海未を信じることくらいかな」

 

「あぁ、そうだ、絵里ちゃん。海未ちゃんってどうやって小田原城に火矢をうつの?海からかなり距離あるよね?」

 

「そうなんだけど.... なんかラブアローなんだかなら届きますっ!とか何とか喋ってたわ。あの距離を飛ぶ弓矢ってなんなのよ」

 

 

 

 

何事もなくその日は終わった。そして次の日の朝、戦況は一気に動いたんだ。

 

ドタドタドタドタドタドタドタ!!!

 

「花陽!!!何かあったの!?」

 

「園田軍、小田原城放火に成功!!北条軍2000の軍勢を残し、神奈川へ引き返しています!!」

 

「よし!!今のところは順調ね!!」

 

「ちょっと出来すぎやなぁ。神様はうちらに味方してくれたみたいや」

 

「じゃあみんな、よく聞いて。今から2000の北条軍を迎えうちます。急いで準備して!!」

 

 

〜北条side〜

 

「伝令!!!!」

 

「そのように焦りおって... 何事じゃ」

 

「小田原城が放火されました!!あと少しで陥落するとのこと!!」

 

「なんじゃと!?誰がかようなことをしたというのじゃ!!」

 

「高坂家筆頭... 園田軍にございます」

 

「園田.... 甘くみたわ!!いいか、皆の者!!今から小田原に戻り園田を完膚なきまでに叩き潰す!!!よいな!!!」

 

「「オォッ!!!」」

 

 

 

〜海未side〜

 

「凄いですね... この船は。あっという間に小田原城付近まで来てしまいました...」

 

「殿、どうされますか?火矢を放ちますか...?」

 

「いえ、届くわけがないので」

 

「えっと...じゃあ一体どうする気なのですか?」

 

「ちょっと着替えてまいりますので。覗いたら弓矢で射りますから」

 

「は、はいぃい」

 

「さてと、これでいいですかね。では皆さん、私は少し行って参りますのでここで待っていて下さい」

 

「と、殿!?一体どこへ行かれるのです!そのような格好をして...」

 

「北条軍に嘘の情報を流してきます。小田原城が陥落寸前であると。この服はことりに作っていただきました。相手の伝令役の服まで作れるとは...さすがことりですね」

 

 

 

〜鹿嶋城付近〜

 

「みんな!!兵力じゃこっちの方が上だよ!!怯まずに行こう!!!」

 

「「オォッ!!」」

 

「じゃあ.... 突撃ぃ!!!」

 

オァァァァァア!!!

 

「穂乃果、圧倒的にこちらが優勢よ。にこの騎馬隊が暴れ回ってるみたい」

 

「それと真姫ちゃんの鉄砲隊さんたちも大活躍だよ♪」

 

「伝令っ!!北条軍壊滅!!この戦は我が軍の勝利になりますッ!」

 

「完璧ね。あとは凛と海未にかかってるわ...」

 

 

〜海未side〜

 

...何とか北条軍に潜り込むことが出来ました!!

 

氏政の背後をとれましたし... 気づかれなければこちらの勝ちです....

 

「急げ!!早く戻って我が城を燃やした園田を叩き潰すのじ

ゃ!!!」

 

「「オォーー!!」」

 

頭に血がのぼっていますね.... 計画通りです。

 

さて、もうすぐ一本道に入りますね....

 

 

 

凛は準備出来ているでしょうか...?

 

 

 

 

〜凛side〜

 

よーし... 準備万端にゃ♪ あとは氏政が通った瞬間に切りかかって... 海未ちゃんを連れて逃げれば完璧にゃ!

 

....ん?馬の音が聞こえてきた...!

 

いざとなると緊張するにゃ...

 

 

さぁ、来い... 氏政...!!

 

 

 

ドドドドドッ

 

 

 

 

 

 

 

ーーー来たッーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜海未side〜

 

一本道に入りました.... あとは凛が切りかかってくるのを待つだけ...

凛... どこにいるんですか...?

大丈夫なのでしょうか....

 

 

 

 

 

ーーッ!!!

 

 

 

 

 

 

ズチャァッ!!!

 

 

 

 

氏政の首が宙を舞いました。

 

 

「...海未ちゃん...こっちにゃ!」

 

ーーー北条軍が氏政の死にパニックになっている隙に凛に連れられ、林を全力で走りましたーーー

 

 

 

〜鹿嶋城〜

 

「伝令ッ!!!!

凛ちゃんが!!!」

 

「どうしたの!?無事なの!?」

 

「氏政公を討ち、海未ちゃんを拾い、真姫ちゃんの大型船に乗り込んだとのこと!!!」

 

「....ということは?もしかして?」

 

「もしかしなくても、そうよ」

 

「我らが高坂軍の完全勝利です!!!」

 

「穂乃果...助かったの...?」

 

「ええ、助かったどころか関東を治める大大名となったのよ、穂乃果!!」

 

「凛ちゃんと海未ちゃん凄いにこ♪今回ばっかりは主役はあの2人に譲るわ」

 

「そうね、ホントにやってくるなんて」

 

「神様は完全にこっちの味方やったね♪ 感謝せな!」

 

「良かった... 良かったよぉ!!!穂乃果死ぬかと思って...凄い怖かったんだよぉ....!!」

 

「はいはい、頑張った頑張った」

 

「あんた... 関東を治めるのよ?こんなことで泣いてる場合じゃないのよ」

 

「それじゃあ、海未と凛が戻ってきたらお祝いのパーティーでも開きましょうか!」

 

「いいやん!」

 

「まぁたまにはこういうこともいいんじゃない?」

 

「じゃあことり、美味しい料理用意するね♪」

 

「よーし!じゃあ今日は盛大にパーティーだぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

〜武田軍〜

 

「伝令!関東の氏政公が高坂軍によって討たれたとのこと!」

 

「何?氏政が討たれたじゃと?....ということは高坂が関東を治めるのか」

 

「ええ、そうなります」

 

「そうか... 高坂....。 我が盟友を討ったこと後悔するがよい...」

 

「と、いいますと?」

 

「仇をうちにいくぞ」

 

 

 

 

 

甲斐の虎が動きだした。

 

 




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