戦国ラブライブ! 〜みんなで作る戦国時代〜 作:pocky@
はいはいどーも、テストから解放されたポッキーです。
ふむ、色々問題が発生しているようで…。史実とは全く別の方向にこの話は向かっているんですねぇ、これが。
ちょっと史実と矛盾が生じ始めている…。
まぁ、1つ言わせていただきます、史実は無視です。ある程度は沿って行きますが…。申し訳ございません。
今回は足利義秋(後の義昭)と接触!一体どうなるのか…。
そして、この段階で将軍だと思われていた足利義輝(1565没)が既に死んでいるという…。現在は1567年です。
そのため、将軍は第14代足利義栄にさせていただきます。本来なら1568年に将軍につくのですが…。ご了承ください。
前回感想をくださった
しょーくんだよ!さん
ウィングゼロさん
宇宙とまとさん
ありがとうございました!
「高坂…穂乃果殿、か?」
「は、はい!足利…義秋さん…?」
戦国ラブライブ! 第31幕 足利
「ふむ…。実に面白い顔の作りをしておるの…」
「うぇ!?え、えぇーっと…」
義秋がずいっと穂乃果に顔を近づける。
近い。
非常に近い。
「あ、あああのお方は何を…!?」
「う、海未さん、お、落ち着いて…!」
広間の後ろでその様子を見ていた海未は気が気では無いようだ。
「お主が最近関東で暴れまわっているという高坂の当主、か…」
「あはは…。一応そうですね…」
「あの武田信玄を3度も破り、あの上杉謙信をも仲間にしてしまうという…。そなた達の噂はよく耳にしておる」
「あ、ありがとうございます!」
「それで?」
「え?」
「今日は何用でこんな所まで来たのだ?わざわざ京まで参るということは…。何かあるのだろう?」
「ええ…。まぁそうですね」
「何だ、予を討ちにでも参ったのか?」
突然とんでもない質問を吐き出した義秋に、その場にいた皆は目を丸くする。
「はっはっは!そんなに驚くことは無かろう?あ、そうだな、予は将軍では無いからの、討った所で何の利益も無いな!はっはっは!!」
「あ、あはは…」
高々と笑う義秋。高坂の皆様はそのテンションについていけていなかった。
「…それで?訳を申してみよ。無論、突然の訪問をこの様ないい形で受け入れている予への感謝の気持ちを込めてな!はっはっは!」
「軽いとは聞いていましたが…。予想以上ですね…」
「…はい。これはちょっと…」
後ろのお二人さんは顔を見合わせて苦笑いを浮かべる。
「えっとですね…義秋さんっ!!」
「おお、威勢がいいの…。流石は高坂の当主だ…!いいぞ、遠慮なく申せ!!」
「はい!私たち高坂の上洛の手助けをして下さいっ!!」
ど直球だった。昨晩の会議は一体何処へ…?
昨晩の会議の通りでは、ある程度義秋の機嫌をとった後、それを頼む予定だったのだ。
「あぁ…。終わりました…」
「お、お姉ちゃん…」
穂乃果の付き人達は絶望の淵にいた。失敗した、終わった、穂乃果が死ぬ、高坂は終わった。
ハートブレィック…ありふれた悲しみありふれた痛みと——である。
「ふむ…。上洛の手助けとな?」
「はい!上洛をしに来たのはいいんですけど、将軍様とかの許可を得るのを忘れてて…あはは…」
「ほぉ、お主らは危うく正当性のない上洛をする所であった…ということか」
「…すみません」
「はっはっは!そんなに気を落とすでない!あい分かった!予が何とかしてやろう!」
「…え?本当ですか!!?」
穂乃果は満面の笑みを浮かべる。向日葵が咲きましたとさ。
「な、なななななななっ!?」
「これは…」
ありふれた悲しみの2人は、何が起こっているのか状況を掴めずにいた。
当たり前である。
「叔父上には予から言っておこう…。今日の午後にでも御所に行ってみるがよい」
「お、叔父上ですか?」
背後から海未が声を上げた。
義秋は今までとは違う鋭い目でその方向を見る。
「…そなたは?」
「あ、申し遅れました…。私、高坂家にて軍師をしております…。園田海未と申します」
「園田海未…。軍師…。あぁ!高坂のとんでもない策を生み出しているあの園田か!!」
「ご存じなのですか?」
「勿論だ。高坂軍は面白い策をたてる、その策と天からの恵みの組み合わせは戦国最強だ…。と、武田信玄公が謳っていたと聞いておるぞ」
「信玄公が…!?」
「左様。そなた達にはあまり実感は無いかも知れぬが、高坂の名はもう天下に轟いておるのだ。そうか、そなたが園田殿だったか」
「はい。…それで、叔父上というのは?」
「現・将軍の義栄様の事だ。知らんのか?」
「義栄様…?義輝様では無いのですか!?」
「あぁ…。兄上なら2、3年前に松永久秀に討たれたぞ。それで、将軍は予ではなく叔父の義栄様になったのだ」
「討たれた…?そうでしたか…。京の情報には疎いものでして…」
「まぁ遠いからの…。ということだ。今日の午後、御所へ行って義栄様と会って来い。高坂が我々足利を守ってくれるのであろう?」
「はい!勿論です!」
「ならば幕府も当分は安心だな。義栄様に嫌われぬようにやるのだぞ」
「承知しました」
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その後、御所にて義栄と会った穂乃果達。対談は終始和やかな雰囲気であった。
足利家はなんともフレンドリーである。
高坂家が足利家…。室町幕府を守る、と約束し、その対談は終了した。
高坂家、上洛完了である。
「…義秋様も義栄様も、なんと言いましょう、優しいお方でしたね」
「うん!思ってたのと色々違ったよ!」
「…違いすぎるよ」
「さてと…。それでは戻りますか。音ノ木坂へ」
「「うん(はい)!!」」
高坂三人衆は、上洛を済ませ、京都を後にした。
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織田家——
「申し上げます!!只今、京都に派遣した間者達より、高坂家が足利家を護衛する、と双方合意したという情報が入りました!!」
「上洛終了…か」
「そうですね…」
「よし、それでは作戦を決行するぞ。皆を集めて来い」
「承知!」
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「…これより、高坂討伐作戦を開始する」
「「オォッ!!」」
「勝家、恒興、猿、利家、丹羽…。お主らは上杉領側の関所へ向かえ」
「…しかし、殿は?」
「我は武田側の関所へ向かう。…念のためだ」
「ならば我々も…!」
「構わん。我のみで大丈夫だ」
「…分かりました。気をつけてくださいね」
「いいか、皆の者。この機会を絶対に逃さぬぞ…。高坂穂乃果を討つ!!」
「「オォーーーー!!!!」」
穂乃果達が京都からの帰り道、織田領へ入ったその日…。
遂に魔王が動き出す。
お疲れ様でした…。
前書きが長すぎるという事故…w
本当、歴史ものを書くのは難しいですなぁ…。
さて、次回は遂に魔王・織田信長が始動します。穂乃果達はどうなってしまうのでしょう?
それではまた。
※義栄との接触の描写が無かったのは、義栄がすぐに将軍の座から降ろされる…死ぬ為です。史実では一年も経たずに死んでいます故。
ご了承ください。