戦国ラブライブ! 〜みんなで作る戦国時代〜   作:pocky@

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上杉コラボが少し長すぎて嫌になってきてる方、安心して下さい、もう少しで終わりますよ、ええ。

あと少しで自分が書きたかったところが来るので、気合はマックスですよ。

ってことで、ごゆっくりお楽しみ下さい。

久々にμ's主体です。




第15幕 出陣

 

 

 

 

「ええ!?」

 

 

「武田信玄が…?」

 

 

「上杉領に向かって進軍を始めたですって!?」

 

 

 

 

 

 

戦国ラブライブ! 第15幕 出陣

 

 

 

 

「はい。星空軍によりますと、昨夜武田軍が挙兵したと」

 

武田信玄が上杉領へ進軍を始めたという話は勿論、高坂にも光の速さで届いていた。

 

「…ってことは、上杉はもうお終いってことじゃない!」

 

「ええ。謙信殿がいない今、上杉側には武田をしのぐことは不可能でしょう」

 

「じゃあ、にこ達が戦しなくてもいいってことね!」

 

「そうやんね。兵を使わずに上杉を倒せるとは…。やっぱり高坂は天に味方されてるんやな」

 

確かに、高坂家は幾多の戦を天の力を借りて勝ってきている。…というか、天が味方していなければ、高坂は滅亡していたであろう。

 

 

 

さすがは穂乃果。天候を操ることが出来るだけある。

 

 

 

「…じゃあ、謙信さんはどうなるの?」

 

「うーん…。捕らえられて殺されてまうやろなぁ…。残念やけど」

 

「そうね。信玄が謙信のことを生かしておくわけがないわ。謙信が城に到着し次第、捕らえるでしょうね」

 

 

「上杉もここまでですか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「え…?上杉もここまでってどういうことですか…?」

 

 

 

 

 

 

 

「亜里沙っ!?あなた何でここに…!?」

 

 

「…それより、上杉が終わりってどういうことですか?」

 

 

亜里沙は大広間の前をたまたま通ったところ、上杉の話が耳にはいってしまい、現在の状態に至る。

 

 

絵里からしたらこの話を一番聞かれたくなかったのが亜里沙であった。(第11幕参照)

 

 

 

「…何でもないわ。早く戻りなさい、亜里沙」

 

 

「嫌だ。お姉ちゃんがそう言う時って絶対何か隠してるときだもん」

 

 

少しの間、大広間が静寂に支配される。

 

 

「亜里沙ちゃん…?戻ろうか?」

 

それを見たことりが助け舟を出す。

 

 

「ことりさんのお願いでもこればっかりは…。ごめんなさい」

 

しかし、その舟も呆気なく沈没した。

 

 

 

「…どうしても聞くというのですか?」

 

 

「海未!!」

 

 

「はい。謙信様に何かあるのなら…」

 

 

「…分かりました。お話しましょう」

 

 

「止めて…!海未!!」

 

 

「お姉ちゃんは黙ってて!!」

 

 

「なっ……」

 

 

亜里沙の激昂に皆が驚いた。あの亜里沙が怒っている。あの、お姉ちゃんが大好きな亜里沙が。

 

 

 

私もびっくりだ。

 

 

 

「それでは、1つだけ聞いてもいいですか?亜里沙」

 

「はい」

「何故そんなにこの話が気になるのです?…何故そこまで謙信殿に入れ込んでおられるのです?」

 

「だって…。先程お会いした時の謙信様は何かおかしかったから…」

 

「…と言いますと?」

 

 

 

 

 

 

「私の知っている謙信様ではなかったのです」

 

 

 

 

 

「…どういうことでしょう?全く理解が出来ないのですが」

 

 

 

「何かに悩んでいるようでした…。あの謙信様は、あの頃の謙信様ではない…」

 

 

「あの頃の?」

 

 

「…そうでした。私も1つ穂乃果さんに聞きたいことがあるんです」

 

 

「……。うぇっ!?わ、私!!?」

 

突然の使命に変な声が出た穂乃果。人差し指指で自分の鼻を指し、心底驚いたような表情をしている。

 

アホ面とはこのことを言うのであろう。

 

 

「何故、穂乃果さんは謙信様との同盟を破棄したのですか?」

 

「ええと…。突然だね、亜里沙ちゃん」

 

「…答えて下さい」

 

鬼のような形相で穂乃果を威圧する亜里沙。こういう所は姉に似たのだろう。

 

「謙信さんと、穂乃果は目指す世界が違ったから…ね?」

 

「…そんなはずはありません!穂乃果さんが目指す世界は戦のない世ですよね?」

 

「う、うん。そうだけど…」

 

 

 

 

「ならどうして…!?謙信様も同じなのに…!!」

 

 

 

 

 

「…え?」

 

 

 

 

 

 

「…?」

 

 

「それってどういうこと?亜里沙ちゃん」

 

「いや、ですから…」

 

 

 

「謙信さんが目指す世界は上杉が治める世界だ…って言ってたけど」

 

 

「え…?本当ですか?それ」

 

「うん。本当」

 

 

「そんな…!謙信様は諦めて…!」

 

「諦めた…?」

 

「昔の謙信様の夢…。それが戦のない世を作るというものだったんです」

 

 

 

 

「「!!?」」

 

 

 

亜里沙の話に家臣たちは驚きを隠せないようだった。

 

 

「え、えぇ!?あの謙信が…!?」

 

「戦のない世を目指していたことがあるっていうの!?」

 

 

「はい…。皆さんは信じられないかもしれませんが…。よく私に話してくれていたのです。戦のない世を必ず作ってみせる…と」

 

 

「…意外といいところもあるのね、上杉も」

 

「あはは…。今の感じからは全く想像できないけどね」

 

「あの謙信殿が戦のない世…ですか」

 

 

「亜里沙ちゃん、今の話は本当?」

 

「はい。嘘はないです」

 

「そう…」

 

 

穂乃果は少し考えこんだ。この穂乃果は真面目に物事を考えているときのそれである。

 

 

…いつもこれくらいして欲しいものだが。

 

 

 

「…穂乃果。援軍は出さないわよ」

 

「うぇぇ!?え、絵里ちゃん!?」

 

「どうせ貴女のことだから上杉に援軍でも出そうか考えていたんでしょう?」

 

「な、何で分かったの…?…はっ!!絵里ちゃんエスパー!!?」

 

「…意味わかんない」

 

「エリー!!それ私の台詞!!」

 

 

「普通に考えて分かるわよ。綺羅のときもそうだったもの」

 

「…」

 

「今ここで、上杉に援軍を出しても意味はないわ。同盟も結んでいないのに…高坂に全く利点がない。だから援軍は…」

 

 

「でも…」

 

 

 

絵里の猛攻に穂乃果は言葉に詰まる。大方援軍は出さないことになるだろう、と思っていた。

 

 

しかし、意外な人物が援軍を推薦する。

 

 

 

「…いいんじゃない?援軍。上杉を助けにいきましょう?」

 

「ま、真姫!?」

 

「真姫ちゃん…?」

 

 

「メリットとかデメリットとか…。世の中にはそんなことよりも大事なものがあったりするんじゃない?それに…。そんなこと気にしてたら人生楽しくないわよ?」

 

 

真姫は絵里に向かって微笑んだ。

 

 

「たまには利点とか関係なく、人の為に何かしてみるのもいいんじゃない?」

 

 

「真姫…。あなた…」

 

 

「まさか真姫が穂乃果に賛同するとは…。面白いこともあるものですね」

 

 

「へぇ…あの真姫ちゃんがねぇ…」

 

 

「たまにはええこと言うやん」

 

 

「たまにはって何よ!?」

 

 

「…どう?絵里ちゃん。どうしてもダメ…かな?」

 

 

「お姉ちゃん、お願い…!」

 

 

「…」

 

 

絵里は覚悟を決めたように息を長く吐く。

 

 

 

 

 

「皆の者!!これから高坂は上杉軍へ援軍に向かいます!!」

 

 

 

 

 

「絵里ちゃん…!」

 

 

 

 

 

 

「皆の者!!出陣じゃぁぁあ!!!」

 

 

 

 

 

 

「「オォォォォー!!!」」

 

 

 

 

 

鹿嶋城に決意の雄叫びが響き渡った。

 

 

 

 





いかがでしたでしょうか。今回は少しまとまりがなかったでしょうかね? まぁ、落ち着いて下さい。いつものことです。

高坂はようやく動きだしたようですね。頑張ってもらいましょう。

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