箱庭物語「バグだらけの世界で…」   作:青空 優成

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前書き始まります。
前回のクライヨ平原を乗り切り、地下へ行きましたね?
の続きです〜!皆さんも箱庭物語を読んで一緒にドキドキワクワクしましょう!一体どんな最期が待っているのか!?
9日目始まるよー
前書き終わります。


タカイヨ塔

ゾンビ: ヴヴヴヴ〜

 

サクッ

 

ゾンビ: ヴヴ

 

スティーブ: ああ、なんか慣れてきたな…

 

人は同じ光景を何度も見ているといつかは適応できるようになる種族である…そう、今この場もきっとそうなのだろう…ゾンビが襲ってくる、俺かアレックスが斬る、ゾンビ消失……、もう何も感じない。恐怖すら…

 

アレックス: はー…いったいこれはいつまで続くんだろ

 

スティーブ: ほんとだな。

 

アレックス: それにしてもトンチさんってどこにいるんだろ?

 

スティーブ: あー、な…。そこらへんにいるゾンビに聞いてみるか?笑

 

アレックス: 真面目に言ってる?

 

スティーブ: いや、ごめんなさい、すいません。だから剣だけはおろしてください…

 

アレックス: 全く〜しょうがないね〜

 

スティーブ: いや、おろせよ!!目が笑ってねぇし!

 

アレックス: と、まぁ冗談はともかく…そうだねー…

 

アレックス: ん?…なんだろ…

 

スティーブ: んーどした?

 

アレックス: ちょっとマートンが鳴ってる…

 

スティーブ: ん、あ、ほんとだ

 

モンスターどもの声がうるさくて微力な音は聞きづらかったのだが、確かにアレックスのマートンが鳴っていた

 

アレックスはポケットからマートンを取り出し電源を入れる

 

アレックス: ん…?非通知…??誰だろ。

 

と、言いつつも耳にマートンをあて、受信ボタンをアレックスは押す

 

アレックス: はーい…もしもしー…?

 

?: やぁ…アレックス君?だっけか、君たちに伝えておきたいことがあるんだ、そこにトンチは居ない…、せいぜいそこでモンスターに囲まれて死ぬこったな

 

アレックス: え…?ドユコトです?

 

?: どういうことだと??なんで教えなくちゃならないんだ…?

 

スティーブ: おい、誰だアレックス?

 

アレックス: んー…分からない人

 

スティーブ: 分からない人って……貸せ

 

そういうと半ば強引にアレックスからマートンを奪う

 

アレックス: あー…ちょっとスティー

 

スティーブ: うるさい

 

スティーブはアレックスの口を手で塞ぐ

 

アレックス: ブッッ!?

 

スティーブ: あー、で?誰ですかあんた

 

?: ん?その声はスティーブって言ったっけ?

 

スティーブ: そうだけど?

 

?: まぁ先ほどアレックスにも言ったがそこにトンチは居ない

 

スティーブ: はぁ?何言ってんだてめぇ…

 

?: ふふ、信じないならそれで構わんさ…

 

スティーブ: あー?

 

?: まぁまぁ、トンチの居場所が知りたいだろう?

 

スティーブ: うん、知りたい…早く言え

 

?: それが人に物を頼む態度かい?っまぁいいや、トンチは正確に言うとそこに居た、って方が正しいな…、だが今はもうそこに居ない、連れ去られたからね…

 

スティーブ: 誰にだ

 

?: 僕の部下にさ

 

スティーブ: はぁ?!

 

?: まぁまぁまぁ、落ち着け。

 

スティーブ: 落ち着けるわけねぇだろ

 

?:あぁ、そうそう言い忘れたけどそこにいるモンスターを指揮してんのも僕だから

 

スティーブ: …あぁあ??

 

?: 今トンチが居る場所、そこからも見えるだろう?縦にでかい塔が

 

アレックス: ねぇ、スティーブまだかい?

 

スティーブ: ちょい待て

 

スティーブ: 見えるぞ?

 

?: そう、そこに居る…だから早く来なよ、

 

スティーブ: そこにおまえは?

 

?: 居ないよ、

 

スティーブ: そりゃ話が早え

 

スティーブ: おい、アレックス、あの塔目指すぞ

 

?: でもね…スティーブ、僕がモンスターを操っているって言ったよね??

 

スティーブ: 言ったな

 

?: モンスターが君たちの邪魔をするようにしとくからね

 

スティーブ: 難易度上げんじゃねぇえ!!

 

?: じゃあねー

 

プツッ

 

ツー…ツー…ツーー

 

スティーブ: くっそ……、切られた

 

アレックス: で…なんて言ってたの?

 

スティーブ: んー…トンチがあの塔にいるってよ

 

アレックス: 本当かなぁ…

 

スティーブ: さぁな…でもそれ以外に手掛かりはないし…一応行くか?

 

アレックス: そうか…そうだねぇ…行こうか

 

2人は地下の西の村の真ん中にある塔へ向かう事にした

 

 

スティーブ: えー……、っと…、ゾンビどもが本当邪魔だなー

 

プシューーーーッ

 

スティーブ: やば…、

 

アレックス: ちょ、スティーーーーーー

 

バーーーーァァァーーーーーン

 

アレックス: …え…嘘…

 

アレックス: え!!?ええ??スティーブ!!!?

 

アレックス: ねぇ、返事してよ!!スティーブゥゥ!

 

スティーブ: ん?呼んだ?

 

アレックス: え…!!!!?

 

アレックス: スティーブ!!!

 

アレックス: スティィィィイブゥウ

 

スティーブ: 何泣いてんだお前

 

アレックス: え……、って

 

アレックス: 生きとるんかいッッ!!

 

スティーブ: 勝手に殺すな、殺すな

 

アレックス: でも、どうやって?

 

スティーブ: え、プシューって聞こえたからすぐ逃げた

 

スティーブ: それだけ

 

アレックス: あー…なるほど笑

 

スティーブ: よし、行きますか

 

アレックス: あの塔に?

 

スティーブ: うん、

 

アレックス: 分かった、行こ

 

 

アレックス: んー、大きいねー、縦に

 

スティーブ: そうだなー、奥行きは…そこまででもねぇのにな笑

 

そう、この建物は奥行きは六畳くらいのくせに縦は何メートルくらいだろうか…、50メートルくらいはあるのではないだろうか…

 

 

スティーブ: あー、で、入るか?

 

アレックス: うん、ここまで来たし、ここに捕まってるんでしょ?トンチさん

 

スティーブ: 電話ではそう言ってたな笑

 

アレックス: うん、じゃあ入ろっか

 

スティーブ: いや、待て、なんか書いてあんぞ

 

玄関と思われるところに看板が立ててあった

 

関係者以外立ち入り禁止。

「タカイヨ塔」

 

スティーブ: …

 

アレックス: …

 

スティーブ: …

 

アレックス: …

 

スティーブ: …ゾンビとかっては文字読めんのか?…ってかタカイヨ塔って……、ネーミングセンスどうなってんだこの世界まじで…

 

アレックス: んー…でも…人間からゾンビになってるゾンビも居るんでしょ??ってことは文字が読めてもおかしくはないね…タカイヨ塔…笑

 

スティーブ: あー、キヨバアそんなこと言ってたなー……

 

スティーブ: まぁ、関係者じゃないけど、トンチさんのためだ、入るか

 

アレックス: うん、

 

ギィ

 

スティーブとアレックスが玄関を開け、中に入った瞬間

 

ゾンビ: お前らか!手を挙げろ…、

 

銃を持った、ゾンビ達がこちらに銃口を向けてきたのである

 

ガチャガチャガチャ…(銃の引き金を引く音)

 

スティーブ: えー…っとツッコミたい事たくさんあるんだけど…

 

ゾンビ: お前らの意見は聞くわけないだろ、さぁ、手を挙げろ

 

スティーブ: はいはい

 

渋々手を挙げるスティーブとアレックス

 

ゾンビ: (なにをやってるんだ俺は…!体が勝手に、口も勝手に動く!!くそ!ゾンビになって、しかも体を操られてるなんて…こいつら、多分トンチを助けに来たんだ、邪魔はしたくない!!もう、いっその事こいつらに殺してほしい)

 

ゾンビ: お前らはスティーブとアレックスだな?

 

スティーブ: ああ、そうだけど?

 

チラッ、っとアレックスに目配せをするスティーブ

 

アレックス: ん…?

 

それに気付きスティーブを見るアレックス

 

チラッチラ、とスティーブはゾンビとアレックスを交互に目配せして見る

 

それを勘付いたのか、アレックスは、ふー、やれやれ、と首を横に振る

 

スティーブはニヤリと笑い

 

スティーブ: んで、お前さんらなんなの?ゾンビのくせに喋るし、銃も持ってる、今までのゾンビとはちょっと違うよな?

 

アレックス: (スティーブ、ゾンビ達の気を引いてる、今の内に、殺る準備をしなきゃ!)

 

スティーブ: (頼む、アレックス!)

 

ゾンビ: (そうだ、俺らはゾンビなのに操られてる…最悪なゾンビだ、頼む、殺してくれ!!!)

 

ゾンビ: 俺らは何かと特殊なゾンビでな!はっはっは…まぁひとつ言える事は今までのゾンビよりも知能があり、強いという事だな!

 

スティーブ: ふーん…で、お前ら…何がしたいの??もう、腕上げてんのも疲れたんだけど?

 

 

ゾンビ: そうか、すまなかった、もう殺してやるよ、

 

ゾンビ: (やめろ、殺すな!!!こいつらは助けに来た奴らだ、殺しちゃダメだ…なのに…体が…勝手に!!!!)

 

すぅー…と息を吸い込み、スティーブと指揮官みたいなゾンビが一斉に叫ぶ

 

スティーブ: アレックスぅぅ!!!

 

ゾンビ: 撃てぇぇえええ!!!!

 

ゾンビ達が撃つが早いか…アレックスが斬るが早いか…それは一目瞭然であった

 

 

 

 

ゾンビ: ぬ?お前ら撃てと言ったん…

 

指揮官みたいなゾンビが振り返るとそこには…

 

ゾンビ: なっ…!!?!?!?

 

全員斬られ、倒れているゾンビ達が居た

 

ゾンビ: んなっっ!!????

 

アレックス: ふぅ…あー、疲れたよー

 

スティーブ: 良くやった、アレックス!お前の十八番瞬殺斬り、良かったぞ…

 

アレックス: いや、この早斬り…一気に足の筋力使わないと出来ないから…あんま使いたくないんだよね…

 

ゾンビ: そ、そんな…

 

スティーブ: ってなわけでじゃあな、特殊なゾンビさんよ、

 

スパッ

 

ゾンビ: グッハァァァゥッ(いや、ありがとう…お前達!!!!頼む、トンチを……)

 

スティーブ: よし、行くか…上に。

 

アレックス: うん、!

 

……かくしてアレックスの活躍により突然のゾンビ達を乗り切り、二階へと向かうのであった…

 

スティーブ: …いや、俺のおかげな!俺が気を引いたおか…

 

アレックス: いや、斬ったのは僕だから僕のおか…

 

スティーブ: 何言ってんだよ、俺が気を引いてなかったらむりだったーっーの!

 

アレックス: まぁ…別に良いけどさ。

 

 




後書き始まります。
今回はアドリブ回です笑。
元々この物語は最初から最後まで展開を自分で考えてたのでそれに合わせて書こうと思ったんですが…今回は後付けって感じで付けちゃいました!今後もそういう事が多少はあると思います!!
ではではー!
後書き終わります。

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