寄生少年の学園生活日誌   作:生まれ変わった人

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はい、性懲りもなく書いてみたい物を書いてみました。

「がっこうぐらし!」のりーさんの状態が……なので色々と救済したく思いました。
ただ、寄生獣は原作基準なのでアニメの設定ではないこと、がっこうぐらし!は恥ずかしながらアニメでしか内容も見れてないので、高校卒業までが限度です。

その上、色々と捏造設定もあることと筆休めの意味合いもあるので過度な期待はプレッシャーです……(汗)

色々とガバガバな所がありますが、とりあえず書いてみます!


一章 転校
プロローグ


人は生きていれば必ず悲しい出来事に直面する。

 

それは言われなくても分かっている。

高校生にもなれば自ずとそんな現実も認めることができる。

そして、自分は大人なのだと優越感に浸る。

 

 

しかし、頭では分かっていても心の中ではどこか他人事なのだ。

今、この瞬間に事故に遭うかもしれないのに俺たちは『死』や『危険』を遠いものと嫌悪して考えないようにする。

 

母が死んだ。

 

学友も死んだ。

 

俺のことを想ってくれた女の子も死んだ。

 

大切な人ももういない……

 

 

一緒に戦い、答えを示してくれた友もいない。

 

 

 

戦って……いつも一緒にいた友も今はいない。

いや、いないというよりは『眠っている』と言った方がいいのかな。

まだ、死んでないだけありがたい話だろうな。

 

 

俺が何を言いたいかと言うと……人は悲しいことがあっても立ち直れるってこと。

母さんが死んで、『奴ら』を駆逐するために戦いに明け暮れたけど、結局は自分のためだった。

 

俺がやってたことなんて、世界から見てもちっぽけな物だ。

全てが終わった今だから言うけど、あの時の俺は本当に心に余裕が無かった。

 

おこがましいかもしれないけど、短い間に俺は一生分の悲しみを味わった気分さえ感じている。

色んな人、パラサイトの生き様を見て、最期も看取ってきた。

 

 

それでも、俺はこうして狂うことなく、父さんと暮らしていられる。

 

 

朝起きて、朝ご飯を食べる自分に思ってしまう。

 

やっぱり人間って単純だなって。

 

 

「新一。高校への通学路は確認したのか? 分からなかったら送ろうか?」

「んー、大丈夫。一応の確認はしたしさ」

「そうか」

 

 

新聞を読みながら通学路の心配をする父に苦笑する。

一応、歩いて高校にまで行ったから、問題ないことを告げると短く返す。

 

 

 

 

俺、泉新一は住み慣れた町を離れ、父と新しい街に引っ越してきた。

大学受験を控えた高校2年の中途半端な時期に引っ越すのも変な話だが、そのことはあまり詮索しないで欲しい。

 

 

あの町を中心に、俺は色んなものを失った。

 

 

 

今では田宮良子のおかげで胸の『穴』も埋まり、以前よりもパラサイトへの恨みも消えはしたが、それとこれとは話が別だ。

 

あの町には、悲しい思い出が多すぎる。

 

 

あそこに住んでいると、偶に思い出しては胸が締め付けられるように苦しくなる。

その惨劇の切っ掛けは俺自身が原因だから尚更に……

 

 

そんな俺の気持ちを理解してくれたのだろう、父さんは言った。

 

「引っ越して、一からやり直さないか?」

 

 

この引っ越しも父さんが言い始めたことだ。

 

最初に聞いたときは戸惑いもしたけど、自分でも驚くほど抵抗はなかった。

確かに住み慣れた町を離れること、短い年数とはいえ一緒に騒いだ友達と別れることは寂しかった。

 

 

でも、あそこにいると色々と思い出してしまう。

 

 

ミギーは心に暇があるのが人間の美徳って言ってたけど、俺はそんなに暇じゃない人間ってことなのか?

少し『混ざってる』ことも関係してるのか?

 

 

そんな答えは分からない。

 

ただ、俺はもやもやする心に踏ん切りをつけたかった。

恐らく、父さんもそうだったかもしれない。

 

だから、引っ越しや転校もすんなりと受けられた気がした。

 

 

転校すると知った友人たちは俺の転校を寂しがり、激励してくれた。

宇田さんにも転校のことを伝えたら泣きながらも俺のことを応援してくれた。

 

俺は恵まれている。

いい仲間を持ったことで、今もこうして穏やかに過ごせている。

 

 

 

「そろそろ時間かな。行ってくる」

「あぁ……友達できるといいな」

「まぁ、大丈夫でしょ」

 

こんな短い会話も俺の幸せの一つだ。

 

カバンを持って家を出ようとすると、父さんが気が付いたように呼び止めた。

 

 

「行く前に母さんに挨拶してきなさい」

「あ、そうだね……」

 

気が付かなかった。

ちょっと浮かれてたかもしれない。

言われるままに居間へと向かう。

 

新築だからか、畳の匂いが色濃く感じられる部屋に飾られた仏像の前に座り、線香を立てる。

 

「母さん……俺、今日から新しい学校へ行くよ」

 

手を合わせ、黙祷する。

 

「今日からは巡ヶ丘学院高等学校っていう所で、やり直すよ」

 

 

「だから安心してください」

 

 

 

 

母さんの遺影を通して、今はいない母さんに挨拶と報告をした後、俺は今度こそ家から出る。

 

 

 

「行こうか。ミギー」

 

 

そして、俺の相棒に挨拶することも忘れずに。

 

 

 

 

家から出た時にかかる日差しは眩しくて、優しいくらいに暖かかった。




はい、ただのプロローグです。

今はリアルでも普通に忙しいので、今回はこれが限界でした。

他の作品も頑張ってますが、どうにも時間がかかってます。

これについては色んな反応を基に検討していこうと思ってます。
今が今なので更新は遅いかもしれませんが、せめてりーさんは出したい……!

色々とうろ覚えな所があるので、違和感とかあれば感想お願いします。

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