油断したら艦娘に拉致されました   作:断空我

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唐突ですが、完結ならぬ打ち切りにします。


Last.さよなら

嘗て武神鎧武という存在がいた。

 

別世界の鎧武だったが、世界を統一しようと異世界のはじまりの巫女や鎧武を狙った。

 

犠牲を出しながらも葛葉紘汰と別世界の仮面ライダーの手によって武神鎧武は倒される。

 

その武神鎧武が復活した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼はあろうことか電の体を乗っ取ると街で破壊活動を繰り広げる。

 

呉島光実が戦おうにも同時期にコウガネと名乗る敵が現れた。

 

同じように少女を乗っ取っているコウガネは光実達に復讐をすることだった。

 

呉島貴虎は量産型戦極ドライバーを城之内に託し、もう一つの敵に対して動こうとした時。

 

「…お久しぶりです。呉島主任…いや、呉島、さんですか?」

 

「……黒崎、生きていたのか?」

 

「まだ、生きていたのが正しいです」

 

「どういう、ことだ?」

 

驚く貴虎へ、黒崎は自らの手をみせる。

 

人の手ではない異形の手。

「まさか、ヘルヘイムの果実を!?」

 

「そうだったら、まだよかったんですけどね。悪意でこうなっちゃいまして」

 

黒崎は手短に戦極凌馬と取引した代償でこうなったことを伝える。

 

「本当ならヘルヘイムがなくなった時に自分もいなくなるはずだったんですけれど、色々あって、まだこの世界にいました…でも、限界が来ているみたいで…その前にやり終えてしまいたいことがあって、やってきました」

 

「そうか、すまない。お前も」

 

「気にしないでください…といっても無理でしょうから、あまり考えないでください。これは俺が招いた結果なので」

 

「…しかし」

 

「本題に入らせてください」

 

「なんだ?」

 

「戦極ドライバー、ありますか」

 

「……戦うつもりなのか?」

 

「オーバーロードで戦うというのもありますけれど、インベスが街で暴れるというのはイメージ良くないですからね」

 

復興しつつある街にインベスが現れている。それに加えて暴れる武神鎧武とオーバーロード、少し前の恐怖が蘇るなんて誰も嫌だろう。

 

「それなら黒影トルーパーになったほうが、まだいいじゃないですか」

 

「…残念だが、量産型ドライバーはない…さっき渡してしまった」

 

「そう…ですか、わかりました。すいません」

 

「…待て」

 

去ろうとした黒崎へ貴虎は家へ入るとアタッシュケースを手にやってくる。

 

「…これを持っていけ」

 

渡されたアタッシュケースの中身。

 

「これは」

 

「凌馬に依頼していたお前専用のゲネシスドライバーだ」

 

「……どうして」

 

「お前にはわかりづらかったかもしれないが、補佐として信頼していた。私が立ち止まりそうになると後ろから支えてくれた…結果は違えど。私にとって頼りになる部下だ」

 

「…ありがとうございます」

 

アタッシュケースを受け取り黒崎は歩き出す。

 

すぐに止まる。

 

「そうだ…一つ、部下の最後の頼み。聞いてもらえますか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武神鎧武は破壊の限りを尽くしていた。

 

別の所でコウガネやインベスが暴れていたがそれ以上の規模だった。

 

「おい」

 

破壊を楽しんでいる武神鎧武の前に黒崎が現れる。

 

「何だ?貴様」

 

「電を返せ」

 

「フン、この体は気に入っている。かえして欲しければ無理やり奪い返すんだな」

 

「…そうか」

 

短い応答。

 

黒崎は溜息を零しつつも、ゲネシスドライバーを装着する。

 

『マツボックリエナジー』

 

「…不思議だな」

 

エナジーロックシードを片手に構えながら黒崎は思う。

 

電を助ける。

 

嫌いだった艦娘のために奮闘しようとする自分がいる。

 

そのことに驚きながらもゲネシスドライバーにマツボックリエナジーをはめ込む。

 

『リキッド!』

 

『マツボックリエナジーアームズ』

 

 

音声と共に黒崎は変身する。

 

その姿は嘗て使用していた黒影トルーパーよりも色は濃く、オリジナルの黒影に近かった。

 

黒影・真は専用アームズウェポン・影松真を構える。

 

武神鎧武と激しいぶつかり合いを始めた。

 

「貴様ぁ、何故、私の邪魔をする!」

 

「しいて言えば、大切な電を返してもらいたいだけだ!」

 

叫びと共に影松真の一撃が武神鎧武へ突き刺さる。

 

「愚かな!大切なら傷つけたくはない筈!」

 

「普通はな…でも、こうでもしないと止まらない!なら、俺がやることは一つだ」

 

影松真を突きつけて黒影・真は言う。

 

「この命が尽きる前に大切なものを取り返させてもらうぜ!」

 

叫びと共に影松真が戦極ドライバーを打ち砕く。

 

「なっ!?」

 

「とっとと、消えろよ。この怨念がぁあああああああ!」

 

ドライバーが派手な音を立てて爆発する。

 

同時に変身が解除されて電の姿へ戻っていく。

 

黒影・真はギリギリのところで彼女を抱きとめる。

 

「……よかった、無事、みたいだな」

 

電の様態を確認して黒影・真は抱き上げる。

 

「そっちも、終わったみたいだな」

 

「あぁ」

 

黒影・真の前に葛葉紘汰、否、はじまりの男が現れる。

 

「…黒崎さん、今ならまだ」

 

「悪いけどさ」

 

はじまりの男へ黒崎は言う。

 

「俺は、人間として、戦場で果てるのがあっているみたいなんだわ」

 

そういって黒崎はゆっくりと電を抱えて歩き出す。

 

「お前の提案はありがたいけれど、独りぼっちの化け物はこの日を境に人の前から姿を消す…あとは人間と、この星の生き物たちの話だ…俺はいなくなる」

 

変身が解除されていく中で黒崎は空を見上げる。

 

 

夕焼け空だけれど、どこまでも澄み切っている綺麗な空。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱ、空は変わらないなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから黒崎廉太郎の姿を見た者はいない。

 




唐突ですが、終わりにしました。

見直していて、重大な欠陥が見つかったことと、なんていうか…あまりにヤバイ展開に進みつつあり、このままだとR18へ進みそうだったので終わりにしました。

本当ならメガヘクスまで展開をもっていきたかったのですが、邪武ならぬ武神鎧武再来による終わりにしました。


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