次をなるべく早くあげるように頑張ります
side志弦
あーちゃんは、前に見たときよりカッコよくなって、でも、昔と変わらない素敵な眼をしてる。
私とあーちゃんが約束を結んだ時から変わらない、あの真っ直ぐて、優しい瞳。
私がすべてを敵に回しても守りきると誓った人
「……弦?、おーい志弦」
「……ん、ごめんあーちゃん。ぼーっとしてた」
「志弦らしいけど、気をつけてよ」
「大丈夫」
「お前たちを呼んだのは、ここでイチャイチャさせる為じゃないんだけどねぇ」
「すいませんでした、では依頼の説明をお願いします」
そうでした、今いるのは学園長の部屋
依頼人である学園長に詳細な内容を聞きにきたんでした。
「志弦、あんたにはいろんな雑務を引き受けてもらう」
「ある人物の弱みを握って来いだったり、ある場所に忍び込んでもらったり、ある物を回収して来いだったり、まぁそのときそのときさね」
今回の依頼は、けっこう楽そうだね
「わかりました、ではこちらから提示する条件は三つです」
「一つ目は、ターゲットに対してのある程度の情報を私に教えること」
「二つ目は、私のやり方に口を挟まないこと」
そして一番大事なこと
「三つ目は、殺しは引き受けないこと」
「以上が、私の提示する条件です。守って頂けますか?」
「わかってる、さっさと契約書を出しな」
私は懐から契約書を取り出し、学園長のサインを貰った。
「では、契約成立です」
「じゃあ、依頼が出来たら連絡するさね」
こうして、あーちゃんと私は学園長室を後にしました
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
side明久
志弦の自己紹介が終わってすぐに放送で呼ばれたけど、
「僕、いらなかったよね」
別に、志弦の代理人とかじゃないからやることもなかったし、二人が話してるのを隣で見てただけ
クラスの誤解もそのままだから戻るのも怖いけどね
「そんなことない、あーちゃんには契約を交わしたことを見た第三者をして貰ったから」
「けどその第三者って、関係無い人がするんじゃ…」
「本当に関係無い人だったら私が不利になってた、それに……」
「それに?」
「私とあーちゃんの繋がりを覚えて貰う必要があったから」
「そうすれば、あっちは自分が人質をもっていると思ってこの契約を自分の方が有利だと思ってくれる」
「つまり、僕が人質ってことだね……」
そう、という志弦の声をきいてため息をつく
勝手に人質にした上に見届け人にされてしまったけど
ある意味いつものことなのでそこは気にしない
それよりも、昔の約束を覚えてくれたことが嬉しかったなぁ
ひっついてくる幼なじみの胸の成長を感じつつ、そう思った。