天使ちゃんな使い魔   作:七色ガラス

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またしても予定より少し遅れてしまいました……ごめんなさい。
あと前回行間についての感想をもらい、今回は少し広くしてみました。
それではどうぞ。


第13話 波濤のモット伯

 モット伯の屋敷へとたどり着いたかなで。真正面から敷居(しきい)をまたごうとしたが、当然のように番兵二人に阻まれた。

「止まれ! 何者だ!」

「モット伯って人に会いたいの」

 簡潔に用件を口にすると、門番達はこの来訪者について顔を見合わせた。水兵の服を着ていることから軍人絡みかとも思うが、そうは見えないし、そもそも女性の水兵など聞いたこともない。正直目の前の少女の正体を測りかねていた。ちなみにちょっと見とれたりもした。

 どうすればいいのか悩んだ末、とりあえず一人が伯爵に報せにいった。

 しばらくして番兵が戻ってくると、どうやら面会の許可がおりたらしく、かなでは彼に連れられて敷地内へと足を踏み入れた。

 貴族の屋敷ともあって、敷地の中は上品に手入れされていた。​

 門から屋敷までの一本道の途中には噴水があり、そこを中心に庭園が整えられてある。

 つい目をやってしまう立派なものだったが、今のかなでの目には入ってこなかった。

 

 

 ○

 

 

「……何かと思えば下らぬ事を。帰れ。わざわざ平民なんかと面会に応じてやっただけでもありがたいと思え」

 椅子に座るモット伯はつまらなそうに冷笑(れいしょう)した。

 面会早々、かなではすぐさまシエスタの返還を求めたが、まるで相手にされなかった。

 モット伯は立ち上がり、背を向けて歩き出した。

「シエスタを学院に戻してください。そのためならなんでもします。お願いします」

 深々と頭を下げ、再度頼のみこむ

 するとモット伯は振り返った。

「お前はシエスタとどのような関係なのだ?」

「……一緒に働いてる、友達です」

「ふんっ、学院の使用人か」

 頭を上げたかなでの返答を鼻で笑う。

「しかし異な事を言う。名も無き平民がわたしのような高級貴族に奉仕するのだ。それはこの上ない名誉である。それを放り出して学院に戻るなどありえん。シエスタもここに残る事を望むだろう」

 尊大な態度のモット伯をじっと見つめる。

「………本当に?」

「当たり前だ。さぁ、さっさと帰れ。用件は済んだはずだ」

 かなではしばし彼を直視していたが、背を向けて出口へと歩き出した。

 モット伯は満足げに笑う。

 だが彼女は出口の前で立ち止まると振り返った。

「………シエスタと話をさせてください」

「話だと? ふむ………まぁそれくらいはいいだろう。あれなら奥の部屋にいる」

 モット伯は部屋の横側、出口とは別のドアをステッキタイプの杖で示した。

 かなでは一礼するとそちらへと向かう。ドアを引いて開けると、そこにはシエスタが立ちつくしていた。学院のとは違う、赤と白を基調とした胸元が露出しているメイド服を着ており、うろたえるような表情をしている。

 彼女を目にしたモット伯が威圧的に問うた。

「ほぉ、盗み聞きか、シエスタ?」

「も、申し訳ありません!」

「まぁよい。おおかたその娘が気になったのだろう」

 慌てて頭を下げた彼女に モット伯はなんでもないように尊大に笑った。

「聞いていたのなら分かっているだろう。友人がお前と話したいそうだ。奥で存分に語るといい」

「はい……」

 シエスタが顔を上げると、二人は部屋の中へと消えた。

 兵士の一人がモット伯に近づく。

「よろしいのですか、あの娘をシエスタと合わせて? もし逃亡でも図られたら」

 問に対して彼はせせら笑うように言った。

「小娘一人に何ができる。それにあの部屋の出入り口は一つだけで、他には窓しかない。しかもここは4階だ。飛び降りることもできまい」

 閉じたドアを見ながらほくそ笑む。せいぜい愚かな平民が足掻くのを見物してやろう。

(それにしてもあの娘、妙ななりをしていた。それでいて心惹かれる。………屋敷のメイド服を総替えしてみるのも一興か)

 

 

 ○

 

 

 部屋の中心あたりでシエスタはかなでと向き合っていた。

 とはいえ何を話せばいいか分からない。

 笑みを浮かべて、とりあえず思ったことを口にする。

「あ、あの、その服、着てくれたんですね。とっても似合ってますよ」

「こちらこそ礼を言うわ。ありがとう」

「どういたしまして」

「…………」

「…………」

 会話が途切れてしまった。

 気まずい空気が流れ、慌てて次の話題を考えた。

「その、カナデさん。トウフの約束、守れなくてごめんなさい。でも、親戚のお店に行けば手に入ると思います。魅惑(みわく)妖精亭(ようせいてい)といって、わたしの名前を出せばたぶん大丈夫ですから」

「あなたが学院で作ってくれればいいじゃない」

 シエスタの表情が曇った。

「……それは、もうできないんです。ここで働かないと」

「ここで働きたいの?」

「それは………」

「嫌なの?」

 即答できず、言葉につまって顔を伏せる。

 シエスタの脳裏にほんの少し前の出来事が蘇る。

 モット伯に呼び出され、彼に自分が一介の使用人としてだけ雇われたわけではないことを、肩を抱かれながら遠まわしに告げられた。

 おそらく今夜あたりにも自分は汚されるだろう。そんなのは嫌だ。しかし――――――

「………仕方ないんです。なんの力もない平民は貴族に逆らえないから」

 顔を上げたシエスタは、相手を安心させるかのように、ほほ笑みを浮かべていた。

 精一杯の作り笑いだった。

「でもカナデさんは違います。カナデさんは自分の思ったとおりに生きてください。きっとそれができるでしょうから……」

 メイジにも負けない不思議な力を持つ彼女なら大抵の困難は退けられるだろう。

 それにルイズの使い魔という庇護(ひご)もある。彼女はかなでのことをとても気に入っているようだし、これからも大事にしてくれるだろう。

「わたしは大丈夫ですからカナデさんはこのまま学院に戻ってください。今まで………一緒に過ごせて良かったです」

 そう語る彼女の瞳から、一筋の涙がこぼれ落ちた。

「………分かった」

 かなでは一言呟いた。

 シエスタは安心して一息つき、見送ろうとした。

 しかしかなでは出入り口には向かわず、かわりに横側へ歩き出した。その先には両開きの大窓があり、そこからは中庭や正門などが一望できる。彼女は大窓を両手で開くと、身を乗り出して周囲を見渡した。

 その行動が理解できないシエスタは首を傾げる。

 かなでは戻ってくると、そんな彼女の横へと回り込む。

「あの、カナデさん? さっきから何をして………きゃっ?」

 シエスタは突然かなでに抱き抱えられた。俗に言うお姫様だっこだ。

「い、いったい何を?」

「あなたを連れていくわ」

「ちょ、ちょっと待ってください! カナデさん一人で学院に戻るんじゃないんですか? さっき分かったって言ったじゃないですか」

 困惑するシエスタをかなではまっすぐ見つめた。

「あたしの思ったとおりしてほしいって言った。だからあたしのしたいように、シエスタを連れて行くわ」

「え? ええぇ!? い、いえ、あれはそういう意味じゃ―――――って」

 言葉が止まる。かなでが外めがけ駆け出し、窓枠を軽々と飛び越えた。

 ちなみにモット伯も言っていたが、ここは4階である。

「きゃあああああああああああああああああ!!?」

 シエスタは落下の恐怖で目を見開いて絶叫。

 二人の服や髪が風圧でひるがえる。

 しかしそれもほんの一瞬の出来事。

 かなでは大きな音と、砂埃を巻き上げて、無事に地面へと着地した。

「大丈夫?」

 淡々と尋ねるがシエスタは、

「あああ、あの、あの………!」

 と、言葉がうまく出ず、しきりに首を回して辺りを見渡している。

 ふと上の方から叫び声が聞こえた。

 顔を上げると、先ほどの窓からモット伯や兵士達がこちらを見下ろして何やら怒鳴り声をあげていた。おそらくシエスタの悲鳴を聞いて部屋に飛び込んできたのだろう。

 かなでは気にせず、シエスタを抱えたまま走り出した。

 同時に狼藉(ろうぜき)を知らせる声や警鐘(けいしょう)を打ち鳴らす音が屋敷中に響いた。

「お、おろしてください! 貴族に逆らうなんてそんな! わたしを置いて逃げてください、今ならまだ間に合います!」

 正気に戻ったシエスタが青ざめながら必死に説得を試みる。現在彼女はモット伯の所有物である。それを連れ出すということは貴族から盗みをはたらくのと同義である。

 だがかなでは聞く耳を持たず、正門めざして中庭をつっきる。

 しかしそれは急遽(きゅうきょ)、阻まれた。

 噴水の横を抜けたところで、突如噴水の影から複数のなにか飛び出してきた。

 危険を察知して後ろへと大きく飛び退き、立ち止まって襲撃者を見据える。

 鋭い牙を見せつけ、威嚇するように唸り声を上げるそれは、コウモリのような翼を生やした番犬だった。だが生身の動物ではなく、石像のようにどこか作り物めいている。

「石の犬?」

「屋敷を守るガーゴイルだと思います。ここに来た時にいろいろと説明されましたから、たぶんそうだと………」

 シエスタは恐怖で震えながらも、知りうる知識で説明する。

 ガーゴイル達は大口を開けて勢いよく飛びつてきた。

 迫り来る凶悪な牙を、だがかなではバックステップやサイドステップで軽々回避。隙を見つけては渾身の蹴りを次々を食らわる。オーバードライブにより強化された脚力により、ガーゴイルは一撃のもと、全て砕け散っていった。

(………つい壊してしまったわ。弁償しないといけないかしら)

 残骸を見つめながらそんなことを考えていると、今度は槍や戦斧(ハルバート)を構えた兵士達が立ちふさがった。しかも見ると、いつの間にか周囲を数十人に囲まれていた。

 シエスタはこれ以上はいけないと感じた。

「無理ですカナデさん! お願いです! わたしのことなんか放っておいてください!」

 必死に懇願(こんがん)するが、彼女の意思は変わらず。

 かなではシエスタを噴水の影に下ろすと、害が及ばないように彼女から離れる。それに合わせて兵士達も身構えたまま移動する。

 かなではぐるっと兵士達を見渡す。

(大勢と戦うのは死んだ世界戦線以来ね………)

 かつての激闘を思い起こしながら、彼女は小さく口を動かした。 

「ガードスキル――――」

 それを聞いたシエスタは焦った。

「だ、ダメです! 剣なんて出したら、それこそ取り返しがつかなくなります!」

 かなではシエスタを一目する。

(………なら剣じゃなければいいのね)

 そうじゃない。貴族に歯向かうことが問題なのだ。しかしかなではそのことに気づかない。

 彼女は両手をかかげ、出すものを少しばかり別のものへと変更した。

「ハンドソニック、バージョン22」

 両腕に光が集まり、その手に、モフモフと可愛らしい白いネコの手が装着された。

 シエスタと兵士達は、目を丸くした。

「…………カナデさん、なんですか、それ?」

「ハンドソニックをネコの手型にしてみたのだけれど、はたしてこれは可愛いかしら? 毛並みはもちろん、肉球の質感もバッチリな代物なのだけれども?」

「たしかになんだか気持ちよさそうですし、すごく可愛い………って、そんなこと言ってる場合じゃないです!」

 シエスタの叫びと共に、兵士達が襲いかかった。実のところ彼らは皆一瞬見惚れたのだが、職務をまっとうすべく、すぐさま雑念を振り払った。

 左右から兵士がかなでを拘束しようと槍を振り下ろす。

 しかし彼女は迫る槍を両手でそれぞれ掴むと、兵士ごとたやすく持ち上げる。

 かなではそのままぐるぐると回転しながら移動して、驚愕する兵士で周りの敵を数人なぎ払う。

 最後には遠心力を利用し、槍ごと兵士を別の奴へと投げつけた。

「ぐはぁ!」

「なんだこいつ!?

「とんでもない馬鹿力だぞ!!」

 兵士達は戦慄し、拘束ではなく仕留める気で一斉にかかった。

 かなでは攻撃をときには回避、ときにはネコ手袋で弾き、相手の懐に飛び込んでは腹や顔面へ強化された体による凄まじいパンチを叩き込み、一撃のもとに沈めていった。

 乱戦ゆえ正面ではなく、突如として背後から襲撃をくらった。

 振り下ろされる戦斧

 だがあっさりかわすと同時に振り返って腹に強烈パンチ。たやすく迎撃した。

 兵士は次々に倒れていく。

 あらかた片付けた、その時、

「ええい! 小娘一人になにをてこずっておるのだ!」

 屋敷の方からモット伯が兵士達に怒鳴り散らしながら現れた。彼はかなでを直視する。

(あの高さから飛び降りたのか? それにあの身体能力………こやつ、もしや亜人のたぐいか?)

 だとしても兵士がたった一人にここまでやられるとは思えない。モット伯は己の私兵に落胆していた。

「こうなればこのわたし自ら相手をしてやろう」

 噴水前で両者が対峙する。

「わたしの二つ名は波濤(はとう)のモット。トライアングルのメイジだ」

 モット伯がスタッフを掲げる。次の瞬間、数本の氷のナイフが周りに形成され、相手にめがけて撃ちだされた。

 かなではそれら両手で次々に弾き飛ばす。

 だが最後のナイフが顔面に迫る。

 しかし寸でのところで難なく掴むと、握り潰して砕いた。

「やるではないか! ではこれはどうかな」

 続いてモット伯は噴水の水を大量に浮かびあがらせた。ぐねぐねと空中で形を変えていく。

 変化したそれはまさに、巨大な水の大蛇(だいじゃ)だった。

 膨大な質量を持つ水がまさに(へび)のごとくうねって襲いかかる。

 大きさの割には素早い。

 かなでは腕を交差して防御。

 大蛇が激突する。

 数秒は耐えられた。だが向こうの質量が大きいため弾き飛ばされてしまった。

「カナデさん!」

 シエスタが悲鳴をあげ、モット伯はほくそ笑む。

 しかしかなでは空中でくるりと回転して態勢を正し、無事地面に着地。同時に敵めがけて駆け出した。

 モット伯は顔を歪めると再び水の大蛇を襲わせた。

 叩き潰そうと頭上から目標へと急接近。相手は回避できそうもない。

 彼は勝ちを確信した。

 だが――――

「ガードスキル・ディレイ」

 大量の水が地面へと衝突。しかしそこにかなではいなかった。

 寸でのところで超高速移動でかわし、同時にモット伯との間合いを一気に詰めた。

「なっ!?」

 何が起こったか理解できないモット伯。

 懐に入ったかなでは相手の(あご)めがけ、アッパーを繰り出す。

「ちょっと待ったぁーーーー!!」

 突然の静止がかかった。

 聞き覚えのある声に、かなでは寸でのところで手を止めた。モット伯が冷や汗を流す。

 一頭の馬が戦いの場へと乱入した。

 乗っているのはルイズだった。

 

 

 ○

 

 

「まったく! 最近の学院はどうなっているのだ!」

 モット伯は客間で椅子に座って怒鳴った。側でシエスタがビクっと震える。

 向かいにはルイズとかなで。

 あの後、ルイズは話し合いを望み、モット伯もまた乱入者が貴族ということもあり、客間に通した。

 ルイズから事の成り行きを聞いたモット伯は激怒した。そこには先程かなでに遅れをとった八つ当たりも含まれていた。

「家元にも被害がおよぶ事を覚悟されよ!」

「………このたびはわたくしめの不届き。いかなる罰もお受けいたします」

 ルイズは毅然(きぜん)とした態度で膝まづき(こうべ)をたれた。

 そこへかなでが前に出る。

「ルイズは悪くないわ。シエスタを連れ出したのはあたしよ。なら罰はあたしだけが受けるべきだわ」

「お待ちください!」

 すると今度はシエスタが割って入った。

「モット伯爵、この方達をどうかお許しください。罰はわたくしがお受けいたします。だからどうか、ご慈悲(じひ)を!」

 そこでルイズが立ち上がった。

「下がりなさいシエスタ。これはわたしが受けるべき罰だわ」

「違うわ。悪いのはあたしよ」

「いいえ! 罰はわたくしが! ですから伯爵様、どうかお二人をお見逃しください!」

 三人がそれぞれお互いを庇いあい、自分に罰を与えるよう言い合いとなった。

「いい加減にしろぉ!」

 モット伯は眉間に青筋を立てて再び叫んだ。

 場がしんと静まりかえる。

 彼は「うぉほん!」と一咳すると席を立った。

「カナデとやら。貴様先ほどシエスタを返すならなんでもすると言ったな」

 ”シエスタを学院に戻してください。そのためならなんでもします”

 最初の面会と時のことだ。

 確かに言ったので、かなでは頷いた。

「わたしの出す条件を果たせば返してやってもよい」

 これには三人は驚いた。

 ルイズは疑うような視線を向ける。

「その言葉に嘘偽りはありませんか」

「無論だともミス・ヴァリエール。我が家名に誓って」

「分かりました。お受けいたします」

 ルイズとてシエスタをどうにか助けたいと思っていたところだ。受ける以外の選択肢などなかった。

「それで、その条件とは?」

「いやなに。とある本を取ってきてほしいのだ。『召喚されし本』といってな。ゲルマニアのとある貴族が所持しているそうなのだが、その娘が現在、学院に在籍しておるのだ」

 そこまで聞いてルイズは顔を歪めた。該当するのが一人しかいない。

「名をツェルプストーという」

 モット伯は心底意地の悪い笑みを向けながら言った。

 

 

 ◯

 

 

「よりにもよってキュルケだなんて!」

 夜の森を馬で駆け抜けながら、ルイズは腹立たしそうに叫んだ。

「キュルケが持ってるなら助かったわ」

 背後に跨がるかなでが言った。途端ルイズはキッと目尻を釣り上げて振り向いた。

「なに言ってんの! あの女が素直に譲ってくれるわけないじゃない!」

「どうして?」

 小首を傾げる。たしかに二人の仲が良くないのは知っているが………。

 それを伝えると、ルイズはヴァリエール家とツェルプストー家の因縁を憎々しげに語った。なんでも両家は国境を挟んでの隣同士で、何代にも渡って戦争をしてきたのだ。しかもヴァリエール家は恋人や婚約者を何度も取られてきたらしい。

「そんなツェルプストーに物を譲ってもらうなんて……」

 ルイズは歯ぎしりした。

「でも仕方ないわ。そういう約束だもの」

「あんたのせいでもあるでしょ! だいいち、なんで貴族の館に乗り込むなんて無謀なことしたのよ!?」

「ルイズがシエスタのことを『仕方がない』って言ったから」

「ぐっ………! そ、そもそも、シエスタを連れてどうしようとしたのよ?」

「逃げようとしたわ」

「そんなことは分かってるわよ! 逃げて、それからどうしようとしたのよ? まさか延々と逃げ続けるわけにはいかないじゃない」 

「………………考えてなかったわ」

「おい!!」

 ルイズは心底呆れた。

 そうこうしているうちに森を抜け、学院が見えてきた。




戦闘シーンはもっとあっさりの予定だったのに、書いてたらどんどん増えていっちゃいました………。

ちなみにハンドソニック・バージョン22は4コマに出てきたネタです。音無の計らいでかなでがSSSの制服とメガネで変装し、戦線の人間と仲良くなろうと潜入したさい、正体がバレないように使ったのがバージョン22です。

次回の投稿は、たぶん2、3週間は先かもしれません………

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